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2015年9月

2015年9月30日 (水)

VSD100用フォーカサーの最終形

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ビクセンVSD100用3点保持バンドとフォーカサーについては先のブログ
ご紹介していましたがフォーカサーの仕様を見直しております。

3ヶ所保持バンドでドローチューブも保持していますが,先の紹介した方式
(カメラレンズ用MFAと同じ送りネジ式)では,重量級の冷却CCDカメラを
装着した時に,滑りへの不安があったためです。

色々テストしてみましたが,ヘリコイドを駆動するのはこの方法が基本のようです。
以前Tele-Apotessar400mmF4などで採用していますがまた原点回帰ですね。


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ただちょっとだけ進化?したのは手動での操作も簡単に行えることです。
VSDのヘリコイド部がテーパーになっているのでベルトを少しずらすだけですが
使ってみると意外と便利です。
実際は大方のピント位置が決まれば後は電動で操作しますが
システムの組み直し時などピント位置が大きく動いた時に威力?を発揮します。

少し遠回りしましたが,ドローチューブのバンドと併せて理想のフォーカサーが
完成したと思っています。


屈折望遠鏡の場合,温度変化によるピントのズレが著しいので
冷却CCDで撮影する場合は電動フォーカサーは必須でしょう。
夏場にTOA-150で撮影して際は数コマでピントがずれていました。


VSD100用3点保持バンドとフォーカサーは現在販売を休止しています。
今回の記事はご購入いただいた方への情報として掲載したものです。


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2015年9月27日 (日)

NIKON D810対応LBプレートについて

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8月末に発売した,レボルビング装置(RR-110)とL型ブラケットを接続する
プレート(LBプレート)は,kirkphoto社製のNIKON D810用ブラケットを使用時に
不具合がありました。

対策品が完成したのでご注文のお客様へは明日発送いたします。

対策はLBプレートの長さを短くして,L型ブラケットとの干渉を防ぎました。
以下の白い枠で囲んだ部分です。

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対策品は,SUNWAYFOTO社製のDMP-100とは以下のように3本のボルトで
固定します。

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この組み合わせはRR-110へのカメラの装着が容易になるだけでなく
カメラボディを確実に固定するので撮影中にカメラが動く心配はありません。

ただRR-110と干渉せずに使用できる機材は,組み合わせるカメラボディや
レンズの大きさ加えL型ブラケットのメーカーに大きく左右されます。

写真のNIKON D810Aはレンズマウントが比較的高い位置にありますが
このボディとkirkphoto社製L型ブラケットを使用したときに
レンズとRR-110の上下の隙間が均等になるよう設計しました。
写真のSIGMA 50mm F1.4 DG HSMを装着した場合上下の隙間は約1cmです。

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2015年9月22日 (火)

「星をもとめて」に参加しました

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京都府南丹市の瑠璃渓温泉で開催された,第15回「星をもとめて」
行ってきました。
写真は翌朝撮ったものなので「祭りの後」みたいで寂しいですね。
リンクした「星を求めて」さん集合写真ではKYOEIさんの旗の近くに写っています。

会場では協栄産業さんで発売されているM-GENの実演などの
お手伝いをしましたが,多くのお客様ともお逢いできて楽しい時間を過ごせました。
わざわざ遠くから逢いに来ていただいた方には,ゆっくりとお話する時間が無くて
申し訳ありませんでした。
 

Astro Artsさんからは新発売のステラショットを実演してもらいましたが
自動導入補正機能には驚きました。適当に北に向けたSX-P赤道に同架した
13cmAPOでのデモでしたが,目標(デモではM27やM51)を自動導入後に
補正をかけると写野の真ん中に導入補正されます。(最大5度補正するそうです)
ニコンのカメラは今年中に対応いただけるとの事です。

 

タカハシさんのブースでは発売されたばかりの10cmF9フローライト(FC100DL)
覗かせてもらいました。
4mmのアイピースで焦点付近の星像を確認しましたが素晴らしい星像です。
担当の方に伺いましたが2枚玉でもF9なので眼視性能は極めて高いとのこと。
100本限定との事ですが継続販売していただきたい望遠鏡です。

FSQ-130EDも眼視用として展示されていたので,FC100DLと見比べました。
5枚玉ともなると設計どおりの性能を発揮するのは極めて高い技術力が必要なので
中心しか使わない眼視用なら,安定した品質の長焦点2枚玉が合理的と感じました。

 

翌朝は施設内の(こっちがメインですが)温泉に入って帰路につきました。
途中知り合いの観測所に立ち寄ったり渋滞に巻き込まれたりしましたが
朝8時に会場を出て自宅には20時過ぎには帰り着けました。


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2015年9月16日 (水)

WO製接眼部の電動化とフォーカサー休止のお知らせ

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以前のブログでWO製Star71 F4.9の電動化を紹介しましたが
今回は同社製のフォーカサーを電動化しました。
このフォーカサーはダイヤルゲージが付いていますが,この読みで
モーター1STEP当たり約0.005mm(5μm)駆動しました。
以前のStar71 F4.9と同じ駆動量ですね。
10STEP単位ほどでピント合わせすれば十分な精度が得られるでしょう。


お知らせですが,電動フォーカサーはFSQ-85/106ED用なども含め
当面の間製作を休止させて頂きます。
現時点では再開の時期や対応機種は未定です。
(昨日時点でご予約いただいた方分は休止の対象ではありません)
 

野村様からフォーカスコントローラーをご提供いただき
これまでに百数十台ほど製作しておりますが
赤道儀自動導入改造やオーバーホール(修理)のバックオーダーが
多いことから休止させていただきます。

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2015年9月13日 (日)

マークXオートガイド改造

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純正のマークX用モータードライブにオートガイド端子をつけてみました。
スペースの関係上,ガイドカメラとはステレオミニジャックで接続します。

マークXはここで紹介したように±10秒角ほどのPモーションなので
200mm程度なら概ね満足の行くガイドができますが
先日紹介したSIGMAの180mmなどシャープな望遠レンズではガイドしたくなります。
せっかく高性能のレンズを使うのだから性能をフルに引き出したくなりますよね。

改造しても1軸ガイドですが,マークXには信頼できる極軸望遠鏡が内蔵されて
いるので,オートガイドでPモーションをキャンセルすれば300mmでも完璧でしょう。


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ただこのモータードライブの増減速回路は
アクティブHIなので(常時GNDレベルで,操作時にVCC=12Vレベル)
増減速スイッチ部にガイド信号を接続するだけでは動作しません。
(オープンコレクターの場合であって,メカニカルリレーでは動作します)

そのために動作をアクティブLOWへの反転とレベル合わせ回路が必要ですが
スペースの都合もあったので写真のようにトランジスターなどで対処しました。

 

今回の改造は興味があったので行いましたが,他機種も含め今回のような
オートガイド改造は業務としては受注しておりません。
一般に回路を調べてみないと改造の可否も判断できませんが
調査と改造には時間を要すため業務として行うとそれなりの費用になります。
申し訳ありませんがご理解いただだけると幸いです。

なお,今回紹介した記事に限っては,改造に関する情報はご提供いたします。
ご自身での改造になりますが,興味がある方はHPからお問合せください。


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2015年9月11日 (金)

Apo Sonnar T*2/135用MFAの評価

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開発が遅れていたApo Sonnar T*2/135用MFAの評価テストを行いました。
Apo Sonnar T*2/135はヘリコイドが固い上に全長が変化するため
従来方式では若干の不満が残りましたが
送り機構やヘリコイドとの接触方法を見直してやっと目標に達したようです。

構造などについては後日このブログでも紹介しますが
Apo Sonnar T*2/135のバンドをお求めいただいた方へは別途ご案内いたします。
なおこのフォーカサーはバンド専用となっているので他ではご使用いただけません。


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結果を比較するためにSIGMA180mmF2.8も同時にテストしました。
以下の写真は,カメラのモニターを使ってライブビューでピントを合わせた状態です。
左がApo Sonnar T*2/135(EOS60Da),右がSIGMA180mmF2.8(NIKON D810A)です。
何れもF4まで絞り,ISO800,60S露出で,中心の輝星ははくちょう座のγです。
クリックで拡大します。


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SIGMA180mmF2.8はサッと合わせただけですが十分なピントが得られたようです。
やや暗い星ではピントがずれても殆ど色は出ないので
星像が最も小さくなるところに合わせました。

一方,Apo Sonnar T*2/135は赤い星の回りが滲む傾向があったので
ピント位置を変えて撮影してみましたが,その傾向は無くならないようです。
その傾向はライブビューでも感じられましたが
SIGMAと比べる全体的に星が赤く(紫色に)写るようです。


下の写真は一部を500%拡大したものですが
Apo Sonnarは赤い星だけ滲んでいるのでピントの問題ではなさそうです。

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何れのMFAもカメラのモニターだけで紹介した程度のピント合わせができます。
私はバーティノフマスクやEOS Utilityっを使った経験がないので
何とも言えませんが,これらを併用すれば
さらに精密なピント合わせができるかも知れませんね。

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2015年9月 8日 (火)

2台のカメラの同期制御について

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このところ,M-GENをご使用のお客さまから
2台のカメラを同期させたデザガイド撮影に関するお問合せを頂きます。
 

上記は,以前リモートコントローラー改造(スイッチとLEDランプの取付)方法を
公開した時の図ですがこのように接続すれば2台を同期してコントロールできます。
(図では「シャッター閉じ」と記していますが「シャッター開き」の間違いです)


ただ,この例では2台のカメラのGNDが繋がるため
ループを形成する他のケーブル接続が無い事が絶対条件です。


たとえば2台のカメラがUSBケーブルで同一のパソコンに繋がっている場合や
同じバッテリーから2台のカメラの電源を供給されている場合などは
GND(Common)がループされるのでノイズや重大な事故の恐れがあります。


本来ならフォトカプラーを使って電気的に絶縁すれば簡単にループは防げますが
その場合フォトカプラー用に新たな電源が必要です。
需要からみて専用の基板や電源内蔵のケースを起こすのは難しいでしょう。


従いまして,以下の条件をご了承いただく場合に限り受注で製作いたします。

・M-GENでご使用されること
・2台のカメラがCANON製であること
・2台のカメラにはシャッターケーブル以外は接続されないこと


以上の条件の場合,当方で実機確認ができますがこれ以外は確認できません。
またCANONとNKONのカメラの組み合わせはフォトカプラーを使った方が
安全なので対象から外させていただきます。


 

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2015年9月 6日 (日)

AP-GOTO赤道儀のちょっとした新機能

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AP-GOTO赤道儀は来月発売に向けて準備中ですが新機能を追加しました。
お遊び程度ですがあると便利な機能でしょう。

AP-GOTO赤道儀は以前紹介した極軸望遠鏡を採用しますが
レチクルのパターンを水準に合わせると高精度な据付がでます。

そのために赤緯体に水準器を設置していますが
暗闇で水準が確認できるよう照明をつけました。
以下のように気泡が中心に来ると気泡にLEDの明かりが反射するので
覗き込まなくても判断できます。
 

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暗いところで見ると,水準が取れると以下のように気泡が光ります。

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両軸ともにモーター配線は赤緯体内を通して,ウエイト側のインターフェース
プレートに接続していますが,今回の照明もそのルートを使っているので
ケーブルの外部引き回しがなくスマートです。


発売に向けての進捗状況ですが写真のようにギヤカバーも付きました。
あとはギヤカバーから出っ張らない短いシャフトのモーターを特注中です。
MTS-3が入荷すれば初期ロットは予定通り10月中に出荷できるでしょう。


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2015年9月 4日 (金)

Apo Sonnar T*2/135でのMFAご使用について

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再開したカメラレンズ用MFAは多くのご注文をいただきありがとうございます。
受注が集中し出荷まで3日ほど要していますがよろしくお願いいたします。


その中で,Carl Zeiss Apo Sonnar T*2/135での使用に関するお問合せを
いただいています。本来カメラレンズ用のMFAは
ヘリコイドの回転が柔らかいインナーフォーカス式のレンズが対象です。

インナーフォーカスで無い場合,回転が固かったり
ヘリコイド部が前後に移動するためご使用いただけない場合もありますが
題記のレンズは問題なく使える事を実機で確認できています。
またSIGMAの70mm1:2.8DG MACROでもご使用いただけます。

ただ Apo Sonnar T*2/135はヘリコイド部が太いので
写真のようにカメラ側を嵩上げするスペーサーが必要です。
写真はEOS60Daの例ですが4mm嵩上げしています。
嵩上げ代はご使用のカメラによって異なるので申し訳ありませんが
ご自身で適当な敷物を準備いただくことになります。
 
  

Apo Sonnar T*2/135は重たいのでL型ブラケットを併用した方が安心ですが
その場合は,以下のようにSUNWAYFOTO社製DMP-100に専用の
MFAプレート(Z40-DMP)を取りつける方法を推奨します。
安定感もあり,縦横構図変更が大変容易です。

DMP-100専用のMFAプレート(Z40-DMP)は取付用インチネジと
調整スペーサーセットで来月からオプションパーツとして販売いたします。
価格は1,620円です。
付属するスペーサーでほぼ全てのカメラボディで使える予定です。
(DMP-100専用のセット品も7,344円で発売予定です)

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なお,現在発売分はI型とZ型をセットしていますが
2015.10月1日からのご注文分はI型とZ型を分離した商品になります。
これに伴いI型仕様(MFA-I40,60,80)は7,560円に
Z型仕様(MFA-Z40,60,80)は7,668円に価格改定させていただきます。


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TB-60の生産終了について

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TB-60はボーグ45EDなどをガイド鏡として使用するために製品化していましたが
ガイド鏡を取り巻く環境が大きく変わったため同製品の生産を終了いたします。

M-GENやQHY5LⅡMの登場で多くの場合,KowaのLM100JCなどの
Cマウントレンズで安定したガイド撮影が行えるようになりました。

KowaのLM100JCと,近日発売予定のToupTek社製ガイドカメラの組み合わせなら
固定するリングやプレートも含め5万円ほどで構築できますが
これで多くの方が撮影される数100mmの焦点距離なら安定したガイドが行えます。
殆どの場合で,5cmクラスのガイド鏡を使う意味は薄れたとの判断から
TB-60の生産を終了しました。

 
TB-60は現在10セットほどの在庫がございます。
写真は既に販売を終了しているC型のTB-60です。

TB-60は完売しました。2015.9.24追記

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2015年9月 2日 (水)

カメラレンズ用MFの適合機種について

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今月からカメラレンズ用マイクロフォーカスアジャスター(MFA-C**)の販売を
再開しておりますが,適合機種の選定方法についてご案内いたします。

MFA-Cは様々なカメラボディとレンズの組み合わせに適合するよう
長さの異なる(40,60,80mmの3種)I型とZ型2種のMFAプレートと
調整スペーサーをセットしており以下の取付に対応します。

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組み合わせが多様になりますが,大抵の場合は以下で対応できます。


【三脚台座のない広角~標準レンズ→Z型80mmMFAプレート+スペーサー】

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【三脚台座付きのマクロや望遠レンズ→I型の40mmMFAプレート+スペーサー】

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紹介したとおり,殆どの場合では
・台座のない広角~標準レンズは,Z型の80mmが
・台座付きの望遠レンズでは,I型の40mmが適合します。

そのために,上記をセットしたMFA-C40/80もラインナップに加えました。
MAFプレートがZ80とI40になりますが価格は他のMFA-C40,60,80と同じです。
 


最終的には上記をご参照いただきお客様で決定いただくことになりますが
I,Z型MFAプレートは単体販売(全タイプ1,080円)も行いますので万が一
適合しない場合でも対処できます。

個人的には,広角~標準レンズの場合,MFAがなくてもピントは合わられると
思います。
MFAを装着すると取り回しはやや窮屈になりますが完璧なピントを要求される
場合には便利です。Zプレートを装着したRR-110との併用も可能です。


一方デジタル設計された高性能レンズではMFAは真価を発揮するでしょう。
特に冷却CCDを装着される場合,電動化したMFAは必須と思います。

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