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2015年10月

2015年10月30日 (金)

ポラリエ極軸延長キットなどの頒布について

B15_10_291

以前のブログでポラリエの極軸を延長してドイツ式で運用するキットや
常時装着する暗視野照明装置付の極軸望遠鏡について紹介していますが
最終的な形が決まりましたので改めて紹介いたします。

関連記事
・TAMRON SP15-30mm専用バンドの出荷状況

・ポラリエの極軸延長について

・ポラリエ用赤緯軸などの頒布について

・ポラリエ極望,暗視野照明の明るさ調整
 

極軸を延長したドイツ式は,スカイメモRなどと同じスタイルですが
軸周りのバランスを完全にとれるので安定した追尾が可能になります。
以前の紹介より,北側への突き出し量とカメラ側アームの長さを増し
赤道儀との干渉を最小限に抑えました。


B15_10_292

極軸望遠鏡は最後に紹介したとおり,素通し穴部にコネクターを
傾斜計部に明るさ調整ボリュームを設置します。

なお,ポラリエを縦方向で保持するアームについては
ビクセンから純正の微動装置が発売されるため頒布を見送りました。
さすがに純正だけあって完成度の高い商品のようです。
 


今回頒布するパーツは,極軸の延長や照明回路の引き出しなどの作業を
ご自身で行っていただくものです。
特殊な加工は不要ですがそれなりの技量を要します。

頒布価格は構成により異なるのでお見積もりいたします。
極軸延長キット(1kgステンレスウエイト,15φシャフト付)と
極望キットを合わせて概ね36,000円ほどです。(パノラマヘッドは含まず)
頒布の受付は11月15日までで終了し,12月末の納品予定です。


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2015年10月27日 (火)

スカイメモRモーター交換

B15_10_275

このところ,初代スカイメモPと国産としては最後となったスカメモR(RS)の
記事が集中していて混乱しそうですが
今日は先日見つかったスカイメモRの追尾不良の対応について紹介します。


短周期の追尾不良は明らかに駆動モーターが原因なので手持ちと交換しました。
下のグラフはモーター交換後ですが短周期の追尾不良は解消され
概ね±15秒角程度のモーションになっています。
極めて規則正しい周期ですがモーターを直結した場合と比べると少し悪いようです。
(直結時に比べモーションの周期が合致していないようですがそのまま掲載します)


Smr_mc3


オリジナルの3φに対し,採用したモーターは軸径が6φなので
スパーギヤも交換しています。

B15_10_276

また,オリジナルは1:500のギヤヘッドが付いた24ステップのモーターですが
交換したモーターは1:125,48ステップのモーターなので恒星時周波数を
半分に落とす必要があります。写真の白枠部のパターンに手を入れています。


B15_10_277

 
ちょっと寄り道しましたが,スカイメモRを入手したのは
2軸駆動化改造の可否を確認するためでした。
これについては目処が立ちましたので折を見てご案内いたします。
  

もしもお手持ちのスカイメモRの追尾が安定しない場合は
一度測定されることをお薦めいたします。
多忙のためモーター交換作業はお請けできませんが
用品は実費でお分けできます。
今回交換したモーターとスパーギヤのセットで5,160円(送料540円)です。


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冷却改造EOS6DとRR-110

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冷却改造されたEOD6Dとカメラレンズで撮影されるお客様から
縦横(回転)構図変更をスピーディに行えて
電動フォーカサーも併用されたいとのご依頼がありました。
レボルビング装置(RR-110)を使用することで
写真のように各部が干渉しないシステムをご提案できました。

カメラボディとレンズの間に冷却ユニットがつけられるため
カメラレンズで撮影する場合の重心位置は冷却ユニット付近になります。
L型ブラケットは使えず縦横構図変更は容易ではありませんが
レボルビング装置はこのようなケースでも便利にご使用いただけます。

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2015年10月26日 (月)

スカイメモPの修復完了

B15_10_26_2

先日紹介したスカイメモPの修理が完成しました。
駆動回路やモーター周りを入れ替えているので修復と表現した方が
適切かも知れませんね。パネル周りも手作業で加工しています。

相変わらず好天が続いているので追尾テストを行いましたが
私が所有する個体より2倍ほど高精度です。
±10秒角を余裕でクリアーしており300mmでも歩留まり良く追尾できる精度でしょう。
(今回からガイド鏡を変えたのでY軸1目盛りは約11秒角になっています)

Smp_miura


とことでスカイメモPはモーター配置の都合もあり極軸が35度傾斜していますが
極軸の高度調整のために写真のアジャスターを使ってみました。

私のところは緯度が33度強なので,2度ほど北を下げますが
3ヶ所のスクリューの内,北は一番下げておき,残りの2ヶ所を調整すると
高度も方位も簡単に追い込めます。強度も充分なので
この種の赤道儀用としては利用価値が高いアジャスターと感じました。

ただ1ヶ所のスクリューを北に向けるために赤道儀との固定部を
下面(内側)からボルトで締めつける方法に変える必要がありました。


B15_10_261


今回のスカイメモPの修復は先に紹介したとおり,32,000円でお請けしましたが
最新型のスカイメモS(海外製のOEM品)を新品で買えるほどの費用です。
ただ,古いスカイメモPの方が追尾精度や強度が優れていることは明らかなので
ご満足いただけると自負しています。
(写真の赤緯体は追尾テストのために装着した電動仕様で費用には含みません)


残念なお知らせですが今回のスカイメモPを最後に
1軸モーターの組込み改造やAMD-1としての単体販売は終了しました。
使用する材料の手配がつかなくなったためですが
他の駆動回路に移行する(予定)まで当面の間販売を休止いたします。

販売(改造)を一旦終了するものは以下のとおりです。
・H-40(スカイキャンサー)用AMD-1及びフルカスタマズ改造
・P-2用AMD-1
・PENTAX75改造
・今回の事例のような特注改造
 
なお,90S用AMD-2は11月から最終ロット10台を受注いたします。

11月からの受注と記していますが,昨夜の内に残り1台になりました。
11月になってからのご注文を予定されている方へは
追加でご対応しますので今月末までにご予約いただけると幸いです。
申し訳ありませんが,今月末でご予約の受付を終了させていただきます。

90S用AMD-2はご注文の受付を終了しました。2015.11.1追記


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2015年10月25日 (日)

Mark-Xパノラマヘッドアダプターについて

B15_10_25

先日紹介したMark-X用の日食アイテムですが
Mark-X用パノラマヘッドアダプター(MX-PHA)と呼ぶことにしました。
お問合せの多かったバランスウエイトなどの仕様と価格について補足します。

 
バランスウエイトは以下の3種で対応いたします。

1.15φ規格統一ウエイトセット
   ここで紹介した構成の内「UNC1/4メスネジ仕様」を推ご奨します。
  上の写真のように内側からUNC1/4ボルトで接続アダプターを固定しますが
  この場合他のポータブル赤道儀との共用も可能です。
  写真のカメラとレンズでは2kg強ですが,1kgのウエイト1個でも運用できます。

2.タカハシ規格用18φシャフト(鉄製,硬質クロムメッキ処理,M10,M6両端雌ねじ)
  片端M10雌ネジ仕様で内側からM10ボルトで固定します。
  もう片端は抜け止め用M6雌ねじです。
  長さは250mmを標準とし,最大400mmまでは同額で受注製作します。

3.五藤光学(ビクセン,ペンタックス)規格用20φシャフト
  上記18φ用と同じ

 
商品価格は以下のとおりです。

 ・MX-PHA:12,960円(明視野照明無しの場合は10,800円)
 ・15φ規格統一ウエイト4点セット:15,000円
 ・18φまたは20φシャフト:3,240円(クロムメッキステンレス製は5,400円)
 ・Mark-X専用XY65:19,840円(MX-PHAと同時購入時)
 

MX-PHAに取りつける明視野照明装置は将来この部分にMTS-3用の
インターフェースプレートをつける場合不要になるのでオプションとしました。
 
ウエイトシャフトを受注対応する都合上,MX-PHAは今回のみの限定商品とし
今後の企画は行わないことにしました。現時点で半数ほどの在庫がございます。


お問合せいただいたカメラを真北に向けた場合の極軸体とカメラの干渉は
紹介する写真のようになります。
カメラのグリップを上に向ければ殆どの場合で干渉は起きないでしょう。
 

 

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2015年10月21日 (水)

スカイメモR仮モーターでの追尾テスト

B15_10_21

昨日紹介したスカメモRの追尾不良ですが,同様の不具合事例も
あるようなので,仮のモーターを直結してテストしました。

Smr_mc2

結果は上のグラフのとおり,劇的に改善され±12秒角ほどのモーションに
なりました。
対策前と同じように途中急激に変化しますが全体の8割ほどでは滑らかなので
2~3分の露出なら,撮影カットの7~8割ほどで良好な追尾が得られるでしょう。

なお検証は荷重やバランスの状態,ガイド鏡の向きなど同じ状態で行っています。

 

今回はAMD-1などで採用している日本パルスモーター社製でテストしましたが
私が採用している同社製などのモーターでは
今回の例のような不具合の経験はありません。もう少し原因調査してみます。


B15_10_212

 
 
本日から24日まで,公共関連の出張要件が入りました。
メールの回答など遅れる場合もありますがよろしくお願い致します。

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2015年10月20日 (火)

昨夜のモーション測定結果

備忘禄を兼ね,昨日紹介した新旧スカイメモの追尾テスト結果をとりまとめました。
 

【スカイメモR(修理,手直し品)】
Smr1

Y軸の1目盛りは約10秒角なので,±25秒程度のPモーションが見受けられます。
伝達ギヤ(モーター内部ギヤも含む)の影響か短周期の波が重畳していますが
この波がなければ±20秒を下回り,平均的なスカイメモRの精度になりそうです。
このままでもここで紹介した Sky-Watcher製よりは高精度です。

ウォーム軸固着でモーターのギヤヘッドがダメージを受けたのかも知れないので
後日モーター周りを交換して再テストの予定です。
(途中RA(青)のグラフが0になっているのは,薄雲の通過なのでガイド星を
認識していないためです)
 
 
【スカイメモP(駆動系換装品)】
2ax_smp2

過去に何度か紹介したスカイメモPを同じ条件で再計測しています。
Pモーションは±15秒ほどですが綺麗な正弦波を描きます。
短周期の急峻な乱れがないので,2~3分露出の場合,200mmでも点像でしょう。

 

【スカイグラフ(オリジナルのまま)】
No4_sg1

短周期の波が重畳した例として,スカイグラフを紹介します。
駆動系はオリジナルのままで紹介するスカイメモRと同じような原因が考えられます。

 

【スカイグラフ(駆動系換装品)】
Sg_b1

これは駆動系を換装したスカイグラフですが綺麗な正弦波になっています。
±10秒角をクリアーしているようです。
上のスカイグラフも駆動系を修理すれば同じ程度の追尾精度になりそうです。

紹介するのは特定の1個体のものなので全ての個体を表すものではありません。
参考程度とご理解いただけると幸いです。


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2015年10月19日 (月)

毎日良い天気が続きます

B15_10_191


このところ九州北部はずっと晴れています。
さすがに少し透明度は落ちたようですが,先週は澄み渡る青空が広がっていました。

屋上には撮影とは別の場所にPモーション測定専用のピラーを設置しました。
階下が作業部屋なので,USBケーブルを部屋まで引き込んでいますが
好天が続くので追尾テストは大変はかどります。
今夜は,昨日紹介したスカイメモRやPを予定しています。


あまりに好天が続くの過去の天気を調べたところ10月は1日以外は
ずっと晴れマークでした。いっそのこと,全部晴れなら良かったですね。

B15_10_192 

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スカイメモPとR

B15_10_181

先日紹介したスカイメモRの2軸駆動化は思いのほかの反響で
既に数件の問い合わせをいただきました。

早速,お客様で駆動回路の換装が行えるかなどを確認するために
スカイメモRの中古品を入手しましたが
届いたのは極軸もウォーム軸も完全に固着して全く回らない個体でした。
長期間放置していたためかグリースが糊のように粘ったようです。

先日紹介したスカイメモPと一緒にオーバーホールしたので備忘禄を兼ね
記事にしています。

 
両者を比べるとRの方が二回りほど大きく
Pの内部は主要パーツがぎっしりと詰まった感じですがRはムダに大きく感じます。


B15_10_182


上の写真はPのウォーム軸受ですが内側に潤滑油を溜める油溝が切られています。
Q以降は省略されたようです。
なお,PENTAX75用の赤道儀でも同様の加工がなされています。

 
これはRのウォームホイール(アルミ合金製,Pは砲金製)ですが
Q以降は,ウォームギヤを極軸方向にずらして噛み合いを調整する方式を
とっているので写真赤で囲んだ部分がギヤと接しています。
ホイールとギヤの曲率は異なり,一点でしか接しないため
これもでもいいのですが本来あるべき形とは思えないので手直ししました。

B15_10_183

 
手直しはウォーム軸を保持するブラケットを写真で右側に2mmほどずらし
噛み合い調整はシムプレート(0.1mm×3枚,0.05mm×1枚)を挟んでいます。
ブラケットの移動に伴いモーターも動かす必要がありますが
何れも取付穴をフライスで加工しました。


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肝心な駆動回路ですがモーターとはコネクターで接続されていました。
このコネクターが現行品として入手できるなら前に進めます。
 


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2015年10月17日 (土)

2016インドネシア日食について-4 Mark-X赤道儀

B15_10_174_2

インドネシア日食関連は随分間があいてしまいましたが
今日はMark-X赤道儀と日食関連アイテムをご紹介します。

Mark-X赤道儀は現在でも日食の遠征観測用として良く使われているようですが
その構造に由来する高い信頼性からでしょう。

ただ純正の架台(MX-3)や赤緯軸(MX-2)も含めると7kg近くなるので
遠征にはベースモデル(MX-1)のみを使われるケースが殆どと思います。

そこでベースモデルを遠征用として使い易くするアイテムを製作しました。
写真銀色の部分で,片方にアルカスイス規格のパノラマヘッドやAPモジュールを
もう片方はウエイトシャフトを装着できます。
これはアルミブロックからの削り出しなので大変頑丈です。

中央の窪んだところには極軸望遠鏡の照明装置を内蔵していますが
将来,2軸駆動回路(またはMTS-3のインターフェースプレート)の組み込みを
考慮しています。(側面の穴は極軸側モーターケーブル用)

B15_10_175


下の写真は電動化したAP手動モジュールを装着した状態です。
個人的には日食の構図取りはクランプを緩めて対処しますが
やはり微動を望まれる方も多いようです。
AP手動モジュールのままでも良いのですが
電動化すれば赤道儀に触れずに微調整できますね。


このブロックは両面同じように見えますが,片面はBENRO製PC-1を
もう片面にはAP手動モジュールが2本のボルトで固定できます。
それぞれを両端に装着すれば2本の鏡筒を使った撮影も容易です。


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この商品(まだ商品名が決まっていません)は来月から限定販売します。
写真のXY65やステンレスウエイトとのセットも予定しておりますが
単体(極望照明回路内蔵)の場合,12,960円の予定です。
 
(商品の性格上,10~20台程度の需要を想定しているため
初期ロットの10台強は完成していますが次期ロットの製作は未定です)

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2015年10月11日 (日)

ポラリエ極望,暗視野照明の明るさ調整

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ポラリエ関連が続きますが今日は極望の暗視野照明の明るさ調整について。

ポラリエ内部から暗視野照明用電源を取り出すことは先日紹介しましたが
ここまでやるなら明るさ調整もつけたくなりますよね。

そこで使わなくなった傾斜計を取り外しその部分にボリュームをつけてみました。
ギリギリですが何とか収まりました。
(ボリュームの取付には穴加工は不要ですが軽微な加工が必要です)


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素通し穴を使って配線を引き出し極望に接続しています。
傾斜計がついていたところは窪んでいるのでツマミの出っ張りも少なくなり
外圧に強いです。この明るさ調整用ボリュームも頒布に加える予定です。


色々手を加えてみると,すっかりポラリエが気に入りました。
もっと面白しアイデアはないかな~と思っています。

その一つは保持方法で,縦に保持したらスマートでしょう?
ポラリエとカメラとの干渉も軽減できますしね。
写真はL型ブラケットを使った片持ち状態ですが
U型でホットシュー部も支えたら軽量でありながら強度も充分で
サッと折りたためます。

もう一つは先日から紹介しているドイツ式運用時のバランスウエイト。
個人的にはドイツ式は譲れないのでウエイトの軽量化を探っています。


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追記:素通し穴からのケーブル引き出しはコネクター接続に変えました。
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2015年10月 9日 (金)

ポラリエ用赤緯軸などの頒布について

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昨日の記事をご覧いただいた方から,赤緯軸関連パーツの入手方法についての
お問合せをいただきました。
記事でも書いたように個人では取引できないメーカーなので
部品キット(一部タップやフライス加工後)として頒布できないか検討しています。
準備ができたら改めてご案内しますが(ご案内は来月以降で1回のみの予定)
1kgのステンレスウエイトなど含めた一式で19,000円ほどでご提供できるでしょう。
 

ところでポラリエには側面の傾斜計を照らす照明が内蔵されていますが
この傾斜計は極軸望遠鏡を使うなら不要ですよね。
そこで,これを極軸望遠鏡の暗視野照明に使えないか
配線を引き出してみましたがそのまま使えそうです。
これも使わない素通しの穴から引き出したのでポラリエへの加工はありません。 


B15_10_091

 

このキットには,極軸望遠鏡暗視野照明用ケーブル
(片端はポラリエの基板のコネクターに適合,もう片側は極望にネジ込み)
も添付予定ですが,ご希望の方へは極望も含めてお譲りできるでしょう。
 

なお,頒布予定の赤緯軸や極軸望遠鏡は部品レベルです。
機械加工や半田つけは不要ですがポラリエのカバーを外す必要があります。
ノートパソコンのハードディスクを交換する程度の技量で行えますが
ある程度腕に覚えのある方を対象にした頒布品になる予定です。


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2015年10月 8日 (木)

ポラリエの極軸延長について

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昨日の記事で触れましたポラリエの極軸延長方法をご紹介いたします。

極軸北端の化粧板を外すと(接着されていますがカッターなどで無傷で剥がれます)
テーパーリングを固定したM3ボルト3本が現れます。
テーパーリングを長い円筒状のものと交換するだけで延長可能です。

私は工業用部材として指定サイズに加工してくれるメーカーで作りましたが
写真の黒アルマイト付のアルミ製(FNCLAB-V26-D44-L40)で1,200円ほどでした。
 

この極軸延長だけでも干渉が軽減される効果はありますが
せっかく延長するのであればスカイメモのようなスリ割りクランプ式の
赤緯体が欲しくなりますね。中心孔を塞がないので極軸望遠鏡を通せます。
写真の極望はコンパクトで飛び出しも抑えられるので
とりつけたまま持ち運べるでしょう。

 
このスリ割り式のクランプも工業用のセットカラーで4,000円ほどです。
(SRCC-AMW-H60-T30-D44-X26-Y8-Z5-F0-N0-MWC5-W26-G20)
(何れも備忘禄として商品名を記載していますが個人では注文できません) 

B15_10_082


ただ極軸の延長は一般的ではないので通常商品としては左のアーム式の
極軸望遠鏡を製作しています。
ポラリエに限らず同様のポータブル赤道儀でもご使用いただけるでしょう。
以前紹介した照明回路をアームに内蔵しているので
白いボタンを数秒押せばその後数分間は暗視野照明が点灯します。
もちろん明るさ調整ボリュームもついているので南天でも便利です。
スイッチの切り忘れはないので理論上電池の交換は不要です。
(実際は自己放電するので10~20年が限度です。電池は容易に交換できます)


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2015年10月 7日 (水)

TAMRON SP15-30mm専用バンドの出荷状況

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ご注文いただいておりました,TAMRON SP15-30mm専用バンドは
本日までに出荷しました。何とか今月の新月期に間にあったようです。


TAMRON SP15-30mmは超広角ズームレンズなので
地上の風景も写し込む撮影になるでしょう。
そうなるとカメラの回転は必須ですが,このバンドはレンズを回転できるので
わざわざレボルビング装置(RR-110)を使わなくても構図が取れます。
RR-110が使えないポラリエクラスの赤道儀でも快適に運用できるでしょう。


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写真はポラリエの極軸を延長してスカイメモ的な赤緯軸をつけてみました。
こうするとこのレンズ限定の星景写真儀として便利に使えそうですね。


写真のポラリエ用極軸望遠鏡は予定より開発が遅れておりますが
アームに内蔵する暗視野照明回路も完成したので量産にとりかかっています。

なおポラリエの極軸延長は参考例で商品化の予定はありません。
ただ延長は簡単なので方法については後日ご紹介いたします。
 


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2015年10月 4日 (日)

ポータブル赤道儀の2軸駆動化について

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M-GEN登場の影響かと思いますが,既存のポータブル赤道儀2軸改造の
問い合わせが多く寄せられます。

2軸ガイドを行うためには電動化された赤緯駆動部が必要になりますが
コストや大きさの都合で,現時点ではAP赤道儀の手動モジュールが有力でしょう。
先日から紹介しているスカイメモPに組み付けてみましたがバランスもよさそうです。

残念ながら,お問合せの多いH-40やスカイグラフにはAPモジュールのサイズから
適合できませんが,スカイメモR(RS)なら実現できるかも知れません。

駆動回路の入れ替えもスカイメモR(RS)側面のパネルごと交換する方式をとれば
キット販売もできそうです。

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ただ,ステッピングモーターを組み込んだAP手動モジュールだけで
40,000円ほどの原価なので,これに金具や駆動回路が加わると
それなりの価格になります。

赤緯モーターモジュールを使う手もあるので色々検討してみますが
来年前半まではAP-GOTOで手が一杯なのでその後の取り組みです。
仮に実現したとしても駆動回路の都合で,対応機種はスカイメモR(RS)
に限定されると思います。
プリント基板の製作には多額の初期投資が必要なので
ある程度需要が見込める機種を対象にした開発にならざるをえません。


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タカハシFC50,60,65用の鏡筒バンド(TB-68)の再販

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タカハシFC50(60,65)用のTB-68は,対象となる鏡筒の生産終了に伴い
バンドの販売も終了しています。

ただ終了後も再販のご要望が多いので限定になりますが製作しました。
殆どはご予約分ですが僅かな余剰があります。
価格は以前販売していたときと同額の13,500円で送料は540円です。
 
 
このFCシリーズは日食撮影用としては定評があります。
2枚玉なので周辺はボケていますが日食撮影にはほとんど影響ないでしょう。
シンプルなレンズ構成なのでゴーストが出ないことが優先されるようです。
撮像面がピカピカなデジタルでは銀塩以上に気を配らなくてはならないようです。
 

銀塩と言えばその頃は,常にフィルムの残り枚数に気を使いました。
皆既中に交換される方もおられますが,あまりの緊張で巻き戻さずに裏蓋を
開けてしまうなど,通常では考えられないミスもあったようです。
 

デジタルになってからはその縛りからは開放されましたが
今度はプロミネンスが赤く写らないという新たな悩み?も起きていました。
これにつてはEOS 60DaやNIKO D810Aの登場で解決できるでしょう。
本来は散光星雲の発するHα域の感度を高めた天体写真専用のカメラですが
日食でも活躍するでしょう。
来年3月のインドネシア日食ではこの2台を使う予定です。
 

2010年のイースター島日食写真の内ゴーストが出たカットです。
(拡大に使ったエクステンダーで出たもの。クリックで拡大します)
また,プロミネンスも銀塩のようには赤く写っていませんね。
これらは画像処理で対応できるかも知れませんが写真ではなくなりそうです。


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2015年10月 3日 (土)

LBプレート,EOS6DとSP15-30mmでの不具合について

B15_10_034_2

先日発売しましたRR-110用のLBプレートは
EOS6DなどCANON製ボディをkirkphoto社製ブラケットを介して装着した場合に
TAMRON SP15-30mmが使えない不具合が確認されました。

ご迷惑をおかけしますが,既にご購入いただいたお客様へは個別に対応を
ご案内しますのでよろしくお願いいたします。

このLBプレートは以下の条件で設計しました。
①レンズの中心軸とレボルビングの回転軸をできるだけ合わせる事
②EOS6Dなどに比べレンズマウント位置が高いNIKON D810Aでも
 SP15-30mmが使用できる事

レンズが大きいSP15-30mmをマウント部が高いD810Aに装着した場合に
RR-110の内側との干渉を防止するため4mmシフトしたLBプレートにしました。
そのため写真のようにこの組み合わせではRR-110に対して
上下がほぼ均等な間隙になりますが
逆にEOS6Dでは太い鏡胴がシフトしたLBプレートと干渉してしまいました。
(写真白枠の部分:写真は810Aなので干渉していませんが6Dでは干渉します)
設計課程でNIKONに移行したため完全なミスを犯してしまいました。


対応はkirkphoto社製ブラケットを装着したEOSボディでも
TAMRON SP15-30mmが使えるように
シフト量を無くした専用のLBプレート(LB-0)を製作いたします。
この場合①の条件が4mm上方にズレてしまいますが
(NIKON810Aと同じになる)SP15-30mmも使用できるようになります。
 
ただレボルビング装置は①の条件が優先すると思うので
今後も現行の4mmシフトしたLBプレートのみ販売します。


今回の対応はブログの記載に間違いがあったので
ご購入された方を対象に行いますが,今後LBプレートを購入される場合は
EOSボディではSP15-30mmは使えないと認識ください。

何れおいてもLBプレートは,kirkphoto社製ブラケットとの併用が
前提になりますがSP15-30mmの場合は,僅か4mmのシフト量の差で
異なる2点が干渉するか否かのギリギリな状態です。
レンズがあまりにも大きいので,ボディをRR-110固定した後に
レンズを装着するなどの制限がつく事もご了承いただけると幸いです。

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シリーズ初代のスカイメモPについて

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お客様からの依頼でスカイメモP赤道儀の駆動系入れ替えを行っています。

シリーズ初代のスカイメモPは今から40年以上前の商品ですが
駆動系はヒステリシスシンクロナスモーター(AC100V仕様)と
鉛蓄電池からAC100V(50Hz)を得るインバーターで構成されていました。
今回は故障して動かないとの事なので
ステッピングモーターに換装し駆動回路は本体に内蔵します。

左奥の個体は私のものですが,赤緯体やウエイト部にも手を入れています。

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写真は砲金製のホイールと焼き入れ後研磨されたウォームギヤです。
駆動系は今となっては時代遅れですが
機械系は当時の「良いものを作る」という職人気質が感じられます。

その後シリーズはスカイメモQ(ST)→NS→R(RS)と変わって行きました。
初代Pの作りの良さは天文誌でも評価されていましたが
最新のスカイメモSは海外製品のOEMになったようです。

今回の改造はオーバーホール込みで32,000円でお請けしていますが
少し追加すれば最新のスカイメモSを購入できる費用です。

古くても良いものに手を入れて使い続けるか
新品に買い直すかは個人の判断ですが,度々紹介する
タカハシのH-40や五藤光学のスカイグラフ,ペンタックス75などと同じように
今後これらを超えるポータブル赤道儀は世に出てこないと思われる方は
前者を選択されるのでしょう。

 
このスカイメモPはモーターレイアウトの都合で極軸が35度傾斜しています。
敢えて高度・方位調整装置はつけず直接三脚に搭載した方が
安定感があり綺麗です。XY50(D)を作っていて言うのもなんですが
慣れれば三脚の開きや台座部の回転で十分なセッティングができます。

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2015年10月 1日 (木)

TAMRON SP15-30mm専用バンドの出荷について

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7月にご紹介しておりましたTAMRON SP15-30mm専用バンドは
明日以降順次発送いたします。
9月末でご案内しておりましたが少し遅れてしまい申し訳ありません。

その他TAMRON SP15-30mm専用バンドに関連する記事1

その他TAMRON SP15-30mm専用バンドに関連する記事2

取付はオリジナルのアルカスイス規格プレート(DP38-110)を想定していますが
76mmの固定間隔が取れれば市販品でも可能です。
ただ,DP38-110はUNC1/4ボルトがそのまま通る穴加工に対して
市販品では首を盗み加工したボルトでないと通せません。
何れにも対応できるよう,全ネジ3本と盗み加工したボルト2本が付属します。
DP38-110へは前バンド1ヶ所,後バンド2ヶ所で
市販品には前後各1ヶ所での固定となります。


なお,以前の記事では,来年2月にも受注生産する旨ご案内しておりましたが
諸般の事情で今回のみとなりました。
ご検討されていた方には大変申し訳ありませんが
極少量余剰がありますのでこの機会にご検討いただけると幸いです。

申し訳ありませんが完売いたしました。10月1日追加


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