シリーズ初代のスカイメモPについて
お客様からの依頼でスカイメモP赤道儀の駆動系入れ替えを行っています。
シリーズ初代のスカイメモPは今から40年以上前の商品ですが
駆動系はヒステリシスシンクロナスモーター(AC100V仕様)と
鉛蓄電池からAC100V(50Hz)を得るインバーターで構成されていました。
今回は故障して動かないとの事なので
ステッピングモーターに換装し駆動回路は本体に内蔵します。
左奥の個体は私のものですが,赤緯体やウエイト部にも手を入れています。
写真は砲金製のホイールと焼き入れ後研磨されたウォームギヤです。
駆動系は今となっては時代遅れですが
機械系は当時の「良いものを作る」という職人気質が感じられます。
その後シリーズはスカイメモQ(ST)→NS→R(RS)と変わって行きました。
初代Pの作りの良さは天文誌でも評価されていましたが
最新のスカイメモSは海外製品のOEMになったようです。
今回の改造はオーバーホール込みで32,000円でお請けしていますが
少し追加すれば最新のスカイメモSを購入できる費用です。
古くても良いものに手を入れて使い続けるか
新品に買い直すかは個人の判断ですが,度々紹介する
タカハシのH-40や五藤光学のスカイグラフ,ペンタックス75などと同じように
今後これらを超えるポータブル赤道儀は世に出てこないと思われる方は
前者を選択されるのでしょう。
このスカイメモPはモーターレイアウトの都合で極軸が35度傾斜しています。
敢えて高度・方位調整装置はつけず直接三脚に搭載した方が
安定感があり綺麗です。XY50(D)を作っていて言うのもなんですが
慣れれば三脚の開きや台座部の回転で十分なセッティングができます。
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