« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »

2015年11月

2015年11月30日 (月)

天文用2段式カーボン三脚について-2

B15_11_30_2


昨日に引き続きPTP-C22の紹介ですが,この三脚は来年のインドネシア日食や
2017年の北米日食を視野に入れて企画しました。
昨日は延ばした時の高さについてご紹介しましたが今日は縮めた時の収納長です。


日食遠征では航空機を乗り継ぐことが多く,預けた機材が迷子になってしまう
リスクを減らすために機内持ち込みを望まれる方もおられます。
そのために収納長を機内持ち込みサイズ内(60cm以内)に収めました。


また機内に持ち込まないにしても,三脚などは長尺物として扱わるようで
ベルトコンベアーに載って出てこないことがよくあります。
スーツケースだけ出てくるので不安になって尋ねると
別のカウンターまで取りに行くよう指示されます。
また,航空会社によっては預ける際のカウンターが違なることもありました。

三脚がないと全く撮影できないのでそのようなリスクは減らしたいですよね。

 

写真は日食撮影用として一般的な例で7.5cmの望遠鏡を搭載しています。
この構成で三脚も含め10kg強ですが,身の回りのものを加えても
一つのスーツケースに余裕で収まり,重さも20kg程度になるでしょう。
三脚だけで5~6kgある赤道儀用の三脚では
別に預けるしかなく機内持ち込みも含めると3つ荷物になってしまいます。
 

写真の状態で三脚の強度不足は全く感じられません。
このカーボン三脚は台座部の形状など天体望遠鏡を搭載するために
企画したもので,カメラ用三脚の流用とは別次元のものです。


|

2015年11月29日 (日)

天文用2段式カーボン三脚について-1

B15_11_281

度々紹介していました,2段式の天文用カーボン三脚(PTP-C22)は
12月1日発売になりました。価格は64,800円(税込み,送料は別途)です。
発売記念としてP-2赤道儀用などの各種アタッチメント(前ロット分,在庫限り)を
特別価格でご提供いたします。ご注文時にお問い合わせください。


この三脚の特徴は何度かに分けてご紹介しますが最初は基本仕様です。

 ・質量:約1,900g(石突き装着時)
 ・収納長:530mm(石突,台座取外し時,両方装着時は560mm)
 ・地上高:485~830mm
 ・カーボンチューブ直径:40/36mm
 ・最大径:約140mm
 ・開脚角度:60/35/10度(最低地上高は140mm)
 ・接地円直径:約1,050mm
 ・台座直径:65mm
 ・付属品:UNC3/8カメラネジ台座,ソフトケース,金属石突き
 (写真のストーンバックは市販品で付属しません)
 ・推奨最大搭載赤道儀:8cmクラスの鏡筒を搭載した,P-2,Mark-X,EM-11など
 (赤道儀,バランスウエイト,鏡筒,カメラなどすべて含め15kg程度が目安です)


2段にしたので,以前のPTP-C1やC2より地上高が210mm高い830mmになりました。
この830mmにはちょっとした根拠があり,楽な姿勢で極軸望遠鏡を覗くために
最低限必要な高さと思っています。
大人の場合,普通ひざまずいた状態での目の位置が900mmほどになるためです。

赤道儀や観測地の緯度にもよりますが,これより低いとアングルファインダーが
欲しくなり,高いと中腰になるのでかえって辛いでしょう。

1段のPTP-C2より300g重くなりましたがそれでも2kgをクリアーしました。
もちろんPTP-C2同様,台座部はスリ割り固定式です。


B15_11_282


PTP-C2との比較ですがこうしてみるとずいぶん違いますね。
2段にしたので写真のようなストーンバックも使い易くなりますが
カメラレンズの交換時など,レンズを地面には置きたくないので便利です。
通常のカメラ用三脚より開脚角度を大きく取っているので安定性も高くなっています。


B15_11_28

|

2015年11月27日 (金)

星景写真撮影用ゴニオ写真儀-2

B15_11_271_2

ゴニオステージを使った星景写真儀については1年ほど前に紹介しましたが
来年3月のインドネシア日食はこれを持ってゆく予定です。
今回は日食だけを見に行くいわゆる「弾丸ツアー」なので重たい機材は
もって行きたくないからです。

ここで紹介したように写真の自由雲台をジンバルに変えて撮影する予定です。

写真のゴニオステージは可動部をクロスローラーベアリングで保持しているで
耐荷重は5kgほどあります。精度も高いので328クラスでも運用できるでしょう。

通常のポータブル赤道儀と異なり,写真の状態で南の空の撮影になります。
もちろん天頂付近の撮影もできます。


 
ところで昨日紹介した,TAMRON SP15-30mmF2.8の結露対策の件ですが
同じような経験をされた方からメールをいただきました。
通常のヒーターでは曇ってしまうので,小さなファンで対処されたそうです。
 

このレンズはズーミングで前玉が鏡銅内を前後する構造なので
ヒーターを巻く部分と前玉を納めた鏡銅は縁が切れています。
この構造はCANON EF16-35mmF4も同じですが
SP15-30mmは内側にもフードがあるのでフード内の空気が暖まらないのでしょう。
EF16-35mmF4は保護フィルターを使っていましたが
普通のヒーターで全く問題ありませんでした。

SP15-30は強力なヒーターで暖めるしか有効な対策はなさそうですが
花弁状のフードを交わしてヒーターを巻くには工夫が必要でしょうね。


B15_11_272_2


|

2015年11月26日 (木)

使わなくなった機材の整理

B15_11_26

カメラボディをニコンに変えたため,使わなくなったキャノンのレンズやボディを
整理しました。同時にモータードライブなどの開発のために保有していた
赤道儀なども整理しましたがすべてお買い求めいただきました。
ご活用いただけると機材も喜ぶでしょう。

今回は重い腰を上げて使わないレンズなどから取りかかりましたが
やり始めるといろいろ出てきます。一気に進めた感じですがまだまだありそうです。

 

私のカメラ遍歴はニコン→ペンタックス(645,67)→オリンパス→キャノンでした。
今回一巡?してまたニコンに戻りましたがレンズまで入れ替えるのは大変ですね。

そんななか,残念だったのがキャノンのEF16-35mmF4L IS USMの代わりに
購入したニコン用のタムロンSP15-30mmF2.8です。

異様に大きい前玉は結露防止が大変で,先日紹介した冬のダイヤモンド撮影時も
すぐに曇ってしまいました。
EF16-35はコンパクトでヒータも巻きやすい形状なのでずっと使いやすいです。

SP15-30mmF2.8はF4まで絞っても周辺像はあまり改善されないので
いっそのこと流星が映り込むのを期待してF2.8で使うのが良いかもしれませんね。

|

2015年11月24日 (火)

M-GEN Dithering撮影の設定(移動量)について

M-GENが発売されて半年ほど経つので
Dithering撮影の効果については多くの方が実感されているかと思いますが
Ditheringの「量」の設定についての問い合わせがあったので検証してみました。

と言っても2月にオーストラリアでテストした後は撮影していなので
そのときの写真元に行っています。

その1その2で紹介した結果は,135mmで撮影した写真を元にしていますが
Ditheringの「量」の設定は4Pixelです。
この時は50mmのガイド鏡を使っているので撮影側は
4Pixel×135/50=約10Pixel動きます。(M-GENとカメラのPixelサイズが同じと仮定)

今日紹介するのは同じ設定のままで35mmで撮影した写真です。
同様に計算すると,4Pixel×35/50=約3Pixel写野が動くことになりますが
実際に撮影した結果も2~3Pixelずつずれています。

Compdate


以下が得られた結果ですが2Pixelの写野移動でも劇的な効果が確認されます。
(写真左は1枚画像,右は9枚をコンポジット,いずれもJPEGデーター)

B15_11_241

厳しくみれば赤いノイズが消えきっていないところもあるのでもう少し増やした
方が良いのかもしれません。
なお撮影に使った赤道儀のガイド修正速度は,RA側が±50%
DEC側が30%(RAの恒星時に対し)ですが,20秒ほど要しています。
修正速度や撮影天体の赤緯値によって変わりますが大したロスではないでしょう。


35mmでの撮影なら,ガイドは必要ないのでM-GENの目的はノイズ除去用です。
広角レンズでの撮影といえども,M-GENで制御できる赤道儀は魅力ですね。

 
それからM-GENはパソコンと繋げないか?との質問もいただきます。
スタンドアローンガイダーとパソコンを繋ぐ意味があるかは疑問ですが
以下のようにUSBケーブルでリンクできます。
離れた車の中でガイド状況や撮影状況を監視するのには便利かもしれません。

B15_11_243

|

2015年11月23日 (月)

FLI社製冷却CCDカメラの接続リング製作について

B15_11_231


冷却CCDカメラをε-180EDなどの鏡筒に接続するためのエンジニアリング
これまでStarlightXpressやQHYCCD社製で行いましたがFLI社製品も始めました。
冷却CCDカメラやフォーカサーなどは特殊な接続となる場合が多いため
これらの接続リングの設計・製作などを含めて一括で受注します。

上の写真は2台のVELOCE RH200に,FLIのAtlas focuserを装着し
片側のRH200にはフィルターホイール(CL-1-10)とML-09000を
もう片側はL画像専用のML-16803で撮影するツインシステムです。

RH200の場合は,メーカー純正でAtlas focuser接続KITが商品化されていますが
既製品が無い場合はユーザーで作るしかありませんでした。
冷却CCDカメラとの同時注文時に限りますが特注(現物合わせ)で製作します。

 
以下はこれらのサービスを行うために入手した英Oraion社製AG-10(25cmF3.6)です。
評価が完了したので写真のAtlas focuserなどとのセットで販売します。(1セット限り)

・AG-10とAtlas focuserのセット:900,000円 終了しました11.24日追記

・上記に一例としてML-09000を加えた場合:2,450,000円
いずれも送料や税込みで,接続リングまで含めた価格です。
(Atlas focuserやML-09000はご注文後手配するため3ヶ月ほどの納期を要します。
またML-09000はこの鏡筒に最適と思われるので一例として上げていますが
ML-29050(Grade2)の場合は2,400,000円,他機種は別途お見積もりいたします)

なお,VELOCE RH200は納期が安定しないので当面の間受注を休止しております。

B15_11_232


|

2015年11月22日 (日)

上る冬のダイヤモンド

B15_11_221

先週観測所に行く用件があったのでTAMRON SP15-30mmf/2.8 Di VC USD
(SP15-30と略)の試写を行いました。雲の多い空でしたが何とか試写できました。
この写真は雲が多かった北側(左側)をトリミングしています。

以下は別のカットですが写野に観測所も入れてみました。
いずれも絞りF3.5,ISO1600で3分露出,PENTAX75赤道儀でガイドしています。


B15_11_222

ところで,SP15-30はカメラをNIKONに変えたので新たにNIKON用を入手しましたが
CANONなら,EF16-35mm F4L IS USM(EF16-35と略)との性能差が気になるところでしょう。

撮影条件が異なるので単純には比較できませんが
左は今回,SP15-30→15mmF3.5(D810Aボディ)で
右は2月にオーストラリアで撮影したEF16-35→16mmF4(5DM2)写真の周辺部です。
いずれのレンズも大変シャープですが
周辺部での星の流れはEF16-35の方が少ないようです。

B15_11_223


|

2015年11月19日 (木)

Apo Sonnar T*2/135はドイツ式赤道儀で

B15_11_19


再製作をご案内したApo Sonnar T*2/135のバンドは大変多くの注文をいただき
ありがとうございました。このレンズの人気ぶりを伺い知ることができますね。

ところで,135mmくらいの焦点距離になると,ほとんどの場合で写野の縦と横を
天の赤経,赤緯に合わせる構図をとりますが
そうなると自由雲台での運用は難しくなり写真のようなドイツ式が便利です。


ただ先日紹介したポラリエをドイツ式で運用する例では
箱状のボディとカメラの干渉を防ぐために赤緯軸を伸ばしており
結果的に重たいウエイトが必要になります。
先日紹介した例では,1.5kgのウエイトを搭載してバランスをとっていました。


度々取り上げていますが,ドイツ式の場合はバランスウエイトが必要で
それを軽減するにはカメラを搭載する赤経軸を短くするしか方法はありません。
ポラリエよりさらにラジアル方向に大きいポータブル赤道儀を
ドイツ式で運用する場合はこのことも重要かと思います。
 
また,ポラリエの場合は極軸内に極望を通せるので
極望とカメラは干渉しませんが極望が外付けタイプならこの干渉も厄介です。

購入当初は自由雲台で運用し,不便を感じたらパーツを買い揃えてドイツ式に
移行するのならこの点も考慮すべきではないでしょうか。

写真は極軸ハウジングが細い筒状のスカイグラフに
Apo Sonnar T*2/135と5DM2を搭載していますが,1kgのウエイトでも余裕です。

|

2015年11月18日 (水)

Apo Sonnar T*2/135用のバンドとフォーカサーについて

B15_11_181

Carl Zeiss Apo Sonnar T*2/135用の固定バンドについては
先日の記事で再製作を案内しましたが,予想以上の反響をいただいたので
前回と同じ仕様で製作します。(バンド形状はBタイプのみ)
注文は20日までの受付となりますがよろしくお願いいたします。


価格は以下のとおりです。
・Apo Sonnar T*2/135用固定バンド(LB-S135,Bタイプ):19,500円
・アルカスイス規格プレート(DP38-110):4,300円
・送料(一律):540円
 


また開発が遅れていました専用フォーカサーも同時に受注いたします。

Apo Sonnar T*2/135はバンドとヘリコイドの相対位置が変わるので
開発が難航しましたが,最終的にはフラットな樹脂(硬質ウレタン)を
押し当てる方式にしました。
樹脂はヘリコイドのローレットに対して線状に接しますが
その線の方向はピント合わせ時の移動方向と同じなので
ピント合わせ時の撓みは発生せず保持時の反動を防げます。
ローレットが金属製なので,ローレットに噛み合う構造でテストしましたが
シンプルな構図がベスト一番でした。
ただ,押し当てる力加減は微妙です。
そのためにツマミでテンションを調整できますが緩めるとフリーになります。

Apo Sonnar T*2/135専用フォーカサーは12,400円(専用プレート付)です。

B15_11_182


いずれの商品も必須アイテムとは思いませんがあれば便利でしょう。
このレンズはピント位置により僅かですが赤ハロがでるので
その対策としてのフォーカサーは有意義かもしれません。
ごくわずかに無限位置から近距離側にずらすとかなり改善できるようです。


バンドの受注は11月20日,フォーカサーは11月末までで納期は約1.5ヶ月を
予定しております。


|

2015年11月14日 (土)

ポラリエ極軸延長キット頒布終了のご連絡

B15_11_141

こちらの記事で紹介していましたポラリエ極軸延長キットなどの頒布は
多くのご注文をいただきありがとうございました。
受付は明日(15日(で締め切らせていただきます。


ご質問が多かったレボルビング装置(RR-110)との併用は問題ありません。
写真ではポラリエの公称搭載荷重の2倍以上(約4.2kg)の荷重をかけていますが
完全にバランスがとれているので,ウォーム周りへの悪影響はありません。
極軸のバランスが全くとれない自由雲台での運用より
遙かに赤道儀への負担は少なくなるので追尾も安定します。


なお先の案内では,極軸の延長はポラリエの化粧板を外して
北側(写真では右上側)からボルトで固定する方法でしたが
下の写真のように側面3カ所からの固定に変更しました。
従いましてポラリエ本体には手を入れず簡単に取り付けできます。
(極望用の照明配線を引き出す際は,カバーを開けるために
化粧板を一旦取り外す必要があります)

B15_11_142


今回頒布するポラリエ用の赤緯アームは,先日紹介した
2軸駆動のポータブル赤道儀と同じ仕様なので共用できます。

電動化した赤軸体を,今回の赤緯アームと入れ変えるだけで
軽量な1軸駆動のポータブル赤道儀になります。
AP手動モジュールとポラリエは同じサイズのウォームホイールですが
強度は全く異なり,この場合は300mmF2.8クラスでも搭載可能です。

以下の構成ではポラリエにオプションを追加するのと大差ない価格で
ご提供できるかもしれません。

B15_11_143


|

2015年11月12日 (木)

2軸駆動のポータブル赤道儀

B15_11_121

2軸駆動のポータブル赤道儀は以前から何度も記事にしていますが
ほとんどは個人所有の機材やお客様からご支給いただいた赤道儀の改造でした。
 

少量生産の場合,微動部をゼロから作るのは,ウォームホイールなどの
製作コストの観点から難しいため,市販品として流用できる
回転ステージなどで評価してきましたが強度などの問題で形になりませんでした。
 

そのようななか,ちょうど一年前にビクセンからモジュール式のAP赤道儀
発売され,それをベースに自動導入仕様のAP-GOTO赤道儀を製作しています。
(MTS-3入荷の都合で完成が遅れていますが,第1,2ロットは
ご予約で終了しています。次のロットは新型MTS-3完成後となります)

このAP-GOTO赤道儀はウォーム周りのバックラッシュを極小化する意味で
手動モジュールを採用していますが,基本的にはAP赤道儀そのものです。
海外遠征を前提としているので,随所に軽量化を図り,三脚も含め5kg強ながら
8cmクラスの望遠鏡で十分運用できる強度と精度を有しています。


ただ,デジタルカメラと200mm程度の望遠レンズでの撮影に使用する,いわゆる
”ポータブル赤道儀”としては少し大きすぎるようです。
AP-GOTO赤道儀の設計から手が離れたので,このモジュールを使った
2軸駆動のポータブル赤道儀の試作に着手しました。

B15_11_122

このポータブル赤道儀の特徴は,先日紹介したウエイトを軽減するために
赤緯側のモーター駆動部をウエイト側に配置することと
全体を小型化するために極軸ハウジングを北側の面で保持していることです。

重心が低くて全体のバランスもよくなり,さらには剛性も高くなります。
この部分で高度の微動も可能ですが(調整範囲は35度±5度程度)
一番の目的は駆動回路を入れるスペースを作るためで
ここに駆動回路を入れると外圧でスイッチなどが破損することを予防できます。


年末までに実際に撮影などを行い,すべての評価を完了する予定ですが
その後商品化の時期については現時点では未定です。
微動部は流用しますが基本はゼロからの設計なのでAP-GOTOより
遙かに難しいためです。
 


以下は純正で2軸駆動化したAP赤道儀と,APモジュールを使った
ポータブル仕様の比較ですがこんなに違います。
小さいけど純正構成以上の強度で,バックラッシュは極めて小さくなりますが
外付けのコントローラー(SB-0)が不要なのが最大のメリットではないでしょうか。

B15_11_123


|

2015年11月11日 (水)

アルカスイス規格対応鏡筒バンドについて

B15_11_111


アルカスイス規格のプレートに対応するバンドはカメラレンズ保持用として
限定的に製作しましたが(写真のもので全て販売を終了しています)
タカハシFS60Cなどに対応する鏡筒バンド(通常商品)を準備しています。
また,ベース,トッププレートとしてとして使える
専用のアルカスイス対応フプレート(DP38-125)も開発中です。

写真はカメラレンズ用として製作したものですが,鏡筒用もすり割りを入れた
バンド固定式です。
横からねじで鏡筒を押すリング式とは比較にならないほどの締付け強度なので
長時間露出する天体撮影用としてご使用いただけます。

アルカスイス規格プレートへの固定面の幅は40mmで,中心にUNC1/4を
中央割振り17.5mmにM6タップ,同30mmにM4タップを加工しています。


現在準備中のバンドは内径60φのTB-60ASと,80φのTB-80ASの2機種で
カメラレンズ保持用としても適合するケースもあるので1個単位で販売します。
価格はTB-60ASが7,020円,TB-80ASが7,800円(税込み,予定価格)で
2016.1月の発売予定です。
 

なお販売終了後もお問い合わせの多い,Carl Zeiss Apo Sonnar T*2/135専用
レンズ保持バンドはご要望がまとまれば再生産いたします。

今回の鏡筒バンドと同時生産するものなので以前の限定品とは仕様が変わります。
ご希望の方は11月20日までにご連絡いただけると幸いです。
最小ロットの都合でご要望が少ない場合は生産しないことを予めご了承ください。

|

2015年11月 8日 (日)

ポラリエ用極軸微動雲台

B15_11_08


ビクセン純正の極軸微動雲台については,極軸延長キットの頒布記事
紹介しましたが早速入手しました。
ポラリエの極軸を延長してドイツ式で運用する場合に
北側の高度調整ノブがウエイトシャフトとの干渉しないかを確認するためです。
結果はまったく問題ありませんでした。

ところでこの極軸微動雲台は良くできています。
大変軽量(300g)ですがポラリエで使うには十分な強度です。
支点と作用点の距離が短いために,高度や方位調整ノブの回転に対する動きが
大きいことが少し気になりますが慣れれば問題ないでしょう。
特に高度調整部はノブを緩めるとガクンと高度を下げてしまうので
できれば粘りの強いグリースを入れて緩和してもらいたいです。

 
写真ではポラリエにNikonD810AとTAMRON SP15-30を搭載していますが
この微動雲台が特に弱いとは感じないレベルです。
軸周りは完全に釣合っているので全カットで点像の写真が得られるでしょう。
 

追記----------------------------------------------------------

早速グリースを入れ替えてみました。
水飴状のとても硬いグリースを使いましたが,スカスカした動きから
ネットリとした動きになり,少しだけ高級感がでたように感じられます。 

B15_11_081

|

2015年11月 7日 (土)

ドイツ式ポータブル赤道儀のウエイト軽減化

B15_11_071

M-GEN発売以来,益々ポータブル赤道儀2軸化のご要望が増えていますが
スカイメモRなどのポータブル赤道儀を2軸駆動化する場合は
赤道儀に対するカメラやレンズの大きさからドイツ式に限定されそうです。

そうなるとカウンターウエイトが必須になるのでその軽減化を模索しています。
海外遠征では砂を入れたペットボトルなどで代用もできますが
やはりバランスの調整が容易なウエイトのほうが圧倒的に便利です。
特に一発勝負の日食撮影ではちゃんとしたバランスウエイトが安全でしょう。


ポータブル赤道儀を2軸化する場合,電動で駆動する微動ユニットと
クランプフリー回転とアルカスイスクランプを兼ねるパノラマヘッドが必要です。
それらを積み重ねるとそれなりの厚みになるので
モーメントの関係上それに見合う量のバランスウエイトが必要です。

そこでビクセンのアトラクスなどと同じように微動ユニットをウエイト側に配置して
バランスをみたところ,写真の例でもわずか1kgのウエイト1個で釣り合います。
微動ユニットがモーメントとそれ自体の重さで,ウエイトを要求する方向から
打ち消す方向に変わるので相乗効果で軽減化に寄与しています。

 
ただ、このレイアウトの場合,極望の視野を妨げないよう穴加工した赤緯軸で
微動ユニットとパノラマヘッドを連結しなくてはなりません。
写真はウエイト軽減効果と全体的な強度などを把握するために組んだだけで
まだ赤緯軸はできていませんが完成したら実機テストを行う予定です。
 
単純に積み重ねる場合と比べるとコストアップになりますが
ウエイと軽減のメリットが大きいと感じる場合
スカイメモR用ではこのレイアウトを採用する予定です。
 

以下は今回の赤緯体と専用の極軸体で仮組みしたポータブル赤道儀です。

極軸体は以前紹介した工業用回転ステージを使ったポータブル赤道儀
パーツを使いました。
工業用回転ステージはウォームホールが平ギヤだったため強度の観点から
製品化を見送りました。ご検討いただいていた方には大変申し訳ありませんでした。

今回は両軸ともAP赤道儀の手動モジュールを採用しているので
強度の問題はありませんが今後試作機を作り評価を行う予定です。

なおスカイメモRの2軸ユニットは来年1月から初期ロットを受注予定です。
1ロット当たり10台でトータル2~3ロットを予定しています。

B15_11_072


|

« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »