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2015年11月 7日 (土)

ドイツ式ポータブル赤道儀のウエイト軽減化

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M-GEN発売以来,益々ポータブル赤道儀2軸化のご要望が増えていますが
スカイメモRなどのポータブル赤道儀を2軸駆動化する場合は
赤道儀に対するカメラやレンズの大きさからドイツ式に限定されそうです。

そうなるとカウンターウエイトが必須になるのでその軽減化を模索しています。
海外遠征では砂を入れたペットボトルなどで代用もできますが
やはりバランスの調整が容易なウエイトのほうが圧倒的に便利です。
特に一発勝負の日食撮影ではちゃんとしたバランスウエイトが安全でしょう。


ポータブル赤道儀を2軸化する場合,電動で駆動する微動ユニットと
クランプフリー回転とアルカスイスクランプを兼ねるパノラマヘッドが必要です。
それらを積み重ねるとそれなりの厚みになるので
モーメントの関係上それに見合う量のバランスウエイトが必要です。

そこでビクセンのアトラクスなどと同じように微動ユニットをウエイト側に配置して
バランスをみたところ,写真の例でもわずか1kgのウエイト1個で釣り合います。
微動ユニットがモーメントとそれ自体の重さで,ウエイトを要求する方向から
打ち消す方向に変わるので相乗効果で軽減化に寄与しています。

 
ただ、このレイアウトの場合,極望の視野を妨げないよう穴加工した赤緯軸で
微動ユニットとパノラマヘッドを連結しなくてはなりません。
写真はウエイト軽減効果と全体的な強度などを把握するために組んだだけで
まだ赤緯軸はできていませんが完成したら実機テストを行う予定です。
 
単純に積み重ねる場合と比べるとコストアップになりますが
ウエイと軽減のメリットが大きいと感じる場合
スカイメモR用ではこのレイアウトを採用する予定です。
 

以下は今回の赤緯体と専用の極軸体で仮組みしたポータブル赤道儀です。

極軸体は以前紹介した工業用回転ステージを使ったポータブル赤道儀
パーツを使いました。
工業用回転ステージはウォームホールが平ギヤだったため強度の観点から
製品化を見送りました。ご検討いただいていた方には大変申し訳ありませんでした。

今回は両軸ともAP赤道儀の手動モジュールを採用しているので
強度の問題はありませんが今後試作機を作り評価を行う予定です。

なおスカイメモRの2軸ユニットは来年1月から初期ロットを受注予定です。
1ロット当たり10台でトータル2~3ロットを予定しています。

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