PoleMaster南天での極軸合わせについて
このところ,GWにオーストラリアなどへの遠征を計画されている方から
PoleMasteによる南天での極軸合わせのご質問をいただいています。
南天での極軸合わせについては過去に何度も紹介していますが
それは極軸望遠鏡を使った場合の話であって
PoleMasterについては南天で実際に使ったことはありません。
以下は極軸望遠鏡での経験から想像するコメントになりますが記してみます。
上の写真(拡大します)は南の空を広角レンズで撮影したものですが
この写野内に極軸あわせに使う「はちぶんぎ座の台形」が写っています。
「みなみじゅうじ座」と小マゼラン星雲を結ぶ線上で樹木の上にありますが
全くと言って良いほど目立たず,どの星を繋いでも台形になりますよね。
PoleMasterを使う場合でも,極軸望遠鏡を使う場合と同じように
台形を見つけ出す必要があるのですが
PoleMasteは極軸望遠鏡よりずっと暗い星まで写るので
見極めができないと極めて難しいかと思います。
その台形の見極め方法ですが,下のように「台形のとがった底辺」は
小マゼランの直ぐ近くにある球状星団のNGC104を向いていることです。
それと,何度も紹介しているように,台形にはVの字状に並ぶ星があることで
この2点に注意すれば台形を見いだせます。
また示したように,三角形に並ぶ星も目立つのでこれも目安になります。
結局のところ,PoleMasterを使っても上記の予備知識がないと据え付けは
難しいと思いますが,逆に言えばこれが解っていれば極軸望遠鏡で事は済みます。
左上に延ばした黄色い線の近くに南の極があるためです。
(ご要望があったので南の極を緑色の十字線で書き込みました。
近くで三角形を形成する恒星は暗いのですが極望で確認できます)
今はスマホを使えば極軸の方位や高度(傾斜)は概ね合わせられるので
大変便利です。
この状態で極望の視野やPoleMasterの写野に台形は入るので
上記の予備知識+スマホがあればまず大丈夫でしょう。
上記を参考にしてPoleMasterに写った星の中から台形を探し出せれば
このようにしてセッティングできます。
上記で紹介したPoleMasterの画面には概ね以下の写野が写っていますが
ゲインを調整すればこのように見えるかも知れません。(追記しました)
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