« SIGMA180mmのバンドは完売しました | トップページ | 海外遠征に伴う休業のお知らせ »

2016年3月 1日 (火)

Pole Masterの登場で変わる環境

B16_02_221

ちょっと間があきましたが,今日はPole Masterの登場で変わる環境について
触れてみます。Pole Masterは私の仕事環境にも大きな変化を与えそうです。

最初に思いつくのは,極軸望遠鏡を内蔵していない古い赤道儀への対応でしょう。

写真は40年ほど前のタカハシ80mm屈折赤道儀の極軸部ですが
(外観はD型に似ていますが,80mm用の極軸はD型の20mmに対して25mm)
Pole Master付属のアダプターで取り付けできます。
今まで極望がないために見捨てられていた赤道儀でも復活できるため
モータードライブのニーズも高まりそうです。

ただ,タカハシの場合,昭和48年6月以前に販売された一部の赤道儀では
モーター駆動しても精度が出ないので見極めが難しいところです。
紹介の80mm赤道儀の場合は,製造番号が77281以前の機種では
適合していないとの事です。
(I,P,H,V-1型は全てで適合,同社製モータードライブのカタログより)



次に思いつくのは極軸望遠鏡のレチクル交換作業です。
下の写真は90S赤道儀のレチクル交換状況ですが
メーカー施工(タカハシ)の場合,2~3万円ほど要します。
1~2万円の追加でPole Masterが購入できる費用です。
オーバーホールに併せて交換もお請けしていましたが今後は必要なくなる
かも知れません。

タカハシ製赤道儀の多くは1985~2015年までのパターンなので
ちょうど切り替え?時期に達しており,微妙な判断になりそうです。

ただ,個人的には2015年までのスケールでも目盛りを目測で延長すれば
当面は問題なく使えると思っています。
私が使っているH-40やP-2,90Sは,1975~1985年のパターンですが
(内円:48分,外円:51分)今でも目測で延長して据え付けています。
(上記3分の隙間を2.5倍ほど目測で内側に延長)

何度も書いていますが,個人的には完全に調整された極軸望遠鏡が
(スケールは古くても)内蔵されていて,その原理を把握できていれば
必ずしもPole Masterは必要ないと思っています。
古いタカハシ製の極望は時角の計算を必要とするパターンですが
ここで紹介した’Poler Scope Align’を使えば最新式よりずっと簡単です。


B16_02_29
 


最後は一番影響が大きいEM-200などのモーター換装作業です。
写真はEM-200用のBLD(バックラッシュを抑えたモーター)ユニットですが
極軸望遠鏡の視野を妨げないよう工夫しています。
単にモーターを持ち上げて光路部を確保するだけでなく
モーターを微妙に傾け開口部との干渉を避けた設計です。
赤道儀に組み込んだ写真で,赤緯側(上)のモーターが微妙に傾き
かつ捻れているのはそのためです。


B16_02_222

Pole Masterを使用することを前提にすれば難しいモーターレイアウトから
解放され換装費用も安価になります。
改造する古いEM-200では極望の期限?の問題やスケールの汚れ(カビ)
なども見受けられるので,それらの対応を考慮するとPole Masterを使った方が
かなり安くなります。

今後EM-200やEM-10の改造ではPole Master使用を前提とした(セット販売)
改造メニューに変更予定です。
現状のMTS-3を使ったBLD改造費用は168,000円ですが
シンプルなモーターレイアウトに変更すれば
複雑なパネルも不要となるため3万円ほど安価になります。
Pole Masterもセットした場合でも現状に近い費用で改造できそうです。

|

« SIGMA180mmのバンドは完売しました | トップページ | 海外遠征に伴う休業のお知らせ »

CCDカメラ」カテゴリの記事