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2016年5月28日 (土)

MS-3とMS-3n赤道儀

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PENTAXのMS-3(MS-3n)赤道儀は,モーター駆動用とは別の微動装置が
ついていることは以前の記事で紹介しました。
この機構は眼視観望や日食撮影時に大変便利ですが
万が一,モーター系が故障した際の緊急対応として手動追尾にも使えます。
 

実は,3月のインドネシア日食時に知人の赤道儀が故障していました。
輸送中のショックが原因かと思いますが,過去に2~3度同様の経験があります。
この日食では第1接触を過ぎた頃に追尾していないことに気づかれましたが
その場でウォーム部を分解し皆既の30分ほど前に追尾できるようになりました。
私はこの修理をすませたあと,観測場所を変えると言うドタバタ劇を演じています。
 

最近の赤道儀はモーターが内蔵されていますが,このようなトラブルが起きると
撮影に大きな支障が出ます。
その点MS-3(MS-3n)は手動でも追尾できるのでいざというときには便利です。

モーター外付けの赤道儀で遠征される場合は,緊急用として手動ハンドルも
持って行かれると安心でしょう。

 
ところで,MS-3とMS-3nの違いをご存じでしょうか?2台並べてみましたが
外観上の違いは,右のMS-3nには架台部に水準機があるだけに見えます。

注意して見ると,極軸側の目盛環を指す指標の位置が
左のMS-3はクランプフリーで回転する赤緯体側に
右のMS-3nは三脚に固定されるハウジング側に配置されています。

単に指標の位置が違うだけでなく,MS-3nの目盛環はウォームホイールの
外周に配置されており,内側のウォームと一緒に回転する仕掛けです。

これがMS-3とMS3nの大きな違いで,この構造のMS-3nの目盛環は
常に恒星時を示すので目盛環を使った導入に便利な赤道機です。


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MS-3は少し重たいのですが,万が一に備える意味では日食用として便利でしょう。
極僅かですが,専用のアタッチメントをセットしたPTP-C22も販売しております。

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