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2016年7月

2016年7月31日 (日)

QHY16200A用カメラレンズマウント

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QHY16200A用のスケアリング調整付きカメラレンズマウントが完成しました。
レンズマウントと呼ぶよりQHY16200Aを保持するリングと言ったイメージです。

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このレンズマウントは写真のようにApo Sonnar T*2/135用保持バンドやTB-80ASと
同じ高さで設計しているので,レンズや鏡筒と同一平面で固定できます。


外観では一枚のリングに見えますが,2重構造で内側のリングをQHY16200Aに
固定し,そのリングとマウントが付いたリング間でスケアリングを調整するので
この部分からの光線漏れを防げます。(2mmほどバックフォーカスも調整可)

細かい事ですが,押しネジと引きネジは同一レンチで作業できるようにしています。
 

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紹介した上下2面が平面仕様の場合は,構造上カメラの回転はできないので
縦横構図変換には工夫が必要です。
個人的には,KAF16200のアスペクト比は4:5なので縦横は気になりませんが
回転できるようにTB-80ASで固定する平面なし仕様も指定いただけます。

このカメラレンズマウントはQHY16200A(OAG仕様)とのセット商品です。
セット価格は498,000円(税別)です。(QHY16200A単体は税別485,000円)
なお,マウントはNIKONレンズ用のみでCANON用は未定です。

現ロットで確保した4台は終了いたしました。2016.8.5追記

また,タカハシ製鏡筒などM54接続用としてもカメラレンズ用と同様に
保持とスケアリング(バックフォーカス)調整機能を有したリングを開発中です。
この場合はOAGとセットでバックフォーカスを57mm±1mmに調整可能です。


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2016年7月26日 (火)

SDS38,DP38-190のご紹介-3

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写真は昨日紹介したパーツで補強したスカイメモRに
①FEISOL製パノラマヘッド(PB-70)とSDS38を装着し
②それにSUNWAYFOTO製スライド(DMP-200)の両端に2連カメラを搭載しています。

ここで問題となるのが
①パノラマヘッドの回転固定ノブとSDS38のクランプ部の位置関係(干渉)
②互いのカメラの光軸ズレです。


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SDS38には,この2点を解決するために3カ所にM6の押しネジを装着しており

①に対しては,右上の写真のように任意の位置で(例は90度)固定できます。
中央のUNC3/8でねじ込み後に3カ所の押しネジで突っ張るの方法なので
隙間が生じますが単にねじ込むより強力に固定でき,緩めるのも容易です。

この種のねじ込みで,緩められなくなった経験をお持ちの方も多いと思いますが
この方法なら安心です。傷防止用ステンレスプレート(オプション)も準備します。

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②に対しても①と同じ原理ですが,中央のUNC3/8タップ部を表から
UNC1/4ボルトでルーズに固定し,3カ所の押しネジの締め付け具合で
回転方向と高度方向の微調整を行います。
調整の都度カメラを取り外す必要がありますが簡易方法としては充分でしょう。
これ用として厚手のステンレスプレートも準備しています。

なお,この押しネジ部を裏面から引く方式の光軸調整プレート(AP60-250)も
計画中です。
構造はAP100-300などと同じで,カメラを外さずに裏面から光軸調整が可能です。


1枚目の写真でスカイメモには荷が重いのでは?と感じられるかも知れませんが
極軸保持部の耐荷重はEM-200クラスと思っていいでしょう。
純正のカメラ取付けネジ(UNC1/4)の強度が不安なのでUNC3/8に強化しました。

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2016年7月25日 (月)

スカイメモR用M12-UNC3/8アダプターなど

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先日の記事で紹介した,スカイメモR用のM12-UNC3/8アダプターは
多くのご要望をいただきましたので商品化しました。8月末の販売です。
(写真は試作品なので鉄製ですが商品は真鍮製です)


以下のように,UNC3/8立て込みボルトの六角穴を使いアームにねじ込み後
回り止め用のM8ホーローネジ(付属)で固定します。

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スカイメモR用M12-UNC3/8アダプターの価格は2,160円で送料は540円です。
(現在スカイメモR用PoleMasterアダプターとガイドケーブルをセットで
ご注文いただいている方はガイドケーブルと一括発送するので送料は不要です)

スカイメモR用M12-UNC3/8アダプターは完売しました。
 

代理店のサマーセールに伴い,8月31日まではPoleMasterは通常価格の
15%OFF(40,500円→34,500円)でのご提供です。
また,QHY5LⅡMも通常の10%OFF(35,800円→32,220円)なので
この機会にスカイメモRのオートガイド化を検討されてはいかがでしょうか。
 

PoleMaster本体とスカイメモ用のPoleMasterアダプター,ガイドケーブルを
同時にご注文の場合は,M12-UNC3/8アダプターをプレゼントいたします。
PoleMaster本体を含めた4点セットの価格は,45,300円(送料別途)で
QHY5LⅡMを加えた場合は,77,520円(送料込み)でのご提供となります。


なお,スカイメモ用のPoleMasterアダプターとガイドケーブルは各100個
M12-UNC3/8アダプターは50個の限定生産です。
現時点では半数ほどのご注文をいただいております。

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2016年7月23日 (土)

完全復帰の南阿蘇ルナと清和高原天文台

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今週は南阿蘇ルナ天文台と清和高原天文台へ出張していました。
ルナ天文台ではドームなどの本格復旧作業や極軸の調整などを行いましたが
数十トンもある赤道儀の極軸調整は大変で深夜(早朝)まで及びました。
 

写真は昼間に恒星を使った自動導入テストのあと
シリウスを長時間追尾してズレを確認しているところです。
焦点距離が12,300mmもあるので,6mmのアイピースで2,000倍ほどの倍率に
なりますが導入や追尾のズレもなく良好でした。
82cmで自動導入後にファインダーを覗いて気づきましたが,昼間のシリウスは
ファインダーでも見えるのですね。(ファインダー本来目的とは逆ですが)

 
 

その後,ルナ天文台に引き続き清和高原天文台の作業も行いましたが
こちらは震災で断線したハンドコントローラーの修理なので簡単な作業です。
これで両天文台ともに修復作業のお手伝いはすみました。

 
ちなみにルナの82cmはジンデン鏡で,清和高原の50cmは苗村鏡です。
いずれも大変シャープな見え味です。


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南阿蘇と清和高原は車で1時間ほどの距離です。
清和高原天文台にはレストランやロッジが併設されているので宿泊もできます。

「九州ふっこう割」の効果もあり,両施設ともお客様が増えているとのことですが
まだ,夏休み期間中でも空室があるそうです。
なお,8月11日にはジャズライブもある「清和高原スターフェスタ」が開催されます。


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清和高原天文台は広大な芝生内に,持ち込んだ赤道儀を据え付ける
基礎もあるので便利です。(赤道儀の据え付けは施設への確認が必要)

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2016年7月18日 (月)

SDS38,DP38-190のご紹介-2

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先日紹介したSDS38はUNC3/8ネジを使ってパノラマヘッドに装着していましたが
開発の一番の目的は,今回紹介するP-2などの小型赤道儀への装着です。
 

328クラスの望遠レンズは,事実上ドイツ式でないと運用できないと思いますが
小型で高精度なP-2や,MS-3N,PENTAX75赤道儀などは最適でしょう。
これらの赤道儀なら,ガイドしなくても328クラスを追尾します。
(スカイメモRは上記の半分ほどの精度なのでガイドなしでは難しいでしょう)


P-2,MS-3N,PENTAX75赤道儀の鏡筒取付け部の直径は60φなので
SDS38の設計ではこれらの赤道儀とのマッチングを考慮し幅を60mmにしています。

DS38を含め一般的なアルカスイスクランプは50mm角なので収まりが悪くなりますが
SDS38は幅が合っているので見た目も綺麗です。
  
P-2やMS-3赤道儀は強度・精度ともに大変優れていますがスタイルも綺麗です。
オプションの開発では美観を落とさないようにすることも重要ですよね。


下の写真は,PCD35アダプター経由でSDS38をMS-3に装着した状態です。
(MS-3用PCD35アダプターは僅かですが在庫ございます)

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なお,写真のP-2アングルファインダー用接続リングは完売しました。
お問い合わせいただき申し訳ありませんが再販売の予定はございません。

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2016年7月15日 (金)

QHY16200Aのテスト撮影

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QHY16200A用のカメラレンズマウント(NIKON)を試作していますが
久しぶりに晴れたのでピント位置の確認を行いました。
薄雲越しの撮影ですがピントの確認には影響ありませんでした。

ピント確認が目的なので-5℃までしか冷却していませんが
ノイズや目立つ縞もなく綺麗な画像です。(ムラは雲の影響です)
大きな画像はこちらにリンクしています。
 

AF-S NIKKOR 200mmF2 は試作のマウントでQHY16200Aに装着しただけで
調整は行っていません。
そのために右側の周辺像は良くありませんが,スケアリングを調整すれば
APS-Hの16200A使うには十分な星像が得られそうです。
周辺減光も半絞りほどなので開放でも使えそうです。

撮影データーは以下のとおりです。
・QHY16200A,1×1bin,冷却温度-5℃,露出60S,IRカットフィルター装着
・レンズ:AF-S NIKKOR 200mmF2 →F2開放
・自作赤道儀で自動追尾

KAF16200はアスペクト比が4:5なので正方形に近い写野です。
正方形の16803を見慣れていると違和感はありませんが
D810Aなどアスペクト比が2:3の画像と合成する場合は無駄が出そうです。

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SuperなSDS38

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関連記事で紹介していた大型アルカスイスクランプが完成しました。
商品名はDS38の頭にSuperをつけ,SDS38にしています。
全製品共通ですが,DSはDovetail Saddle,DPはDovetail Plateの略です。
 
 
今回Superと銘打ったのは従来のDS38に比べ二回りほど大きくなっただけでなく
P.C.D.40に配置したM6タップなど,幾つかのアイデアが込められているからです。
それらについては今後紹介しますが,まずはその大きさが解るように現行品の
DS38と並べてみました。
なお,奥のアルカスイス規格プレートは,SDS38と同時発売するDP38-190(奥)と
現行品のDP38-110(手前)です。
DP38-190はトッププレートとしても使えるよう多様な穴やタップを加工しています。
 


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写真は市販のパノラマヘッドにSDS38を取り付け
5kgほどの機材(200mmF2の望遠レンズとQHY16200A)を搭載しています。
クランプのノブが30φと大きいことも相まって328クラスでも不安なく運用できます。
 

詳細な仕様は追って紹介しますが,SDS38とDP38-190の価格はそれぞれ
9,720円,8,100円(税込み)で,いずれも8月の発売予定です。

 
2014年5月に天文用としてのアルカスイスクランプDS38を商品化しましたが
発売後2年間で1,400個ほど出荷し,DP38-110も含めると2,400個に達します。
アルカスイス規格製品は天文用として完全に認識されたと感じていますが
より重量級の望遠レンズや鏡筒を搭載するためにSuperなSDS38を企画しました。


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2016年7月 9日 (土)

スカイメモR用PoleMasterアダプターなど

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スカイメモR(RS)用のPoleMasterアダプター(PMAD-SMR)については
6月に紹介しましたが多くのご予約をいただきありがとうございます。
既に予定した50台に迫るほどのご予約をいただきましたので50台追加しました。
生産数量を増やしたために販売価格を見直しております。

また2月に紹介したガイドケーブル(GC-SMR)は開発が遅れていますが
8月末の完成予定です。PMAD-SMRと同じく100台限定です。
途中に回路と電池を内蔵した小さなボックスが入りますが,QHY5LⅡM等の
RJ11端子とスカイメモRのハンドボックス用ジャック(3.5φステレオ)と直結できます。

 
価格は以下の取りですが,いずれも小物なのでセット販売も行います。

・スカイメモR(RS)用PoleMasterアダプター(PMAD-SMR)単体:7,560円
・PMAD-SMRとスカイメモR(RS)用ガイドケーブル(GC-SMR)のセット:10,800円
・送料:540円(分納時でも同額です)
納期は,PMAD-SMRが8月上旬で,GC-SMRが8月末を予定しております。

7月末までにセットでご注文いただいた場合,GC-SMRの完成まで時間があるので
PMAD-SMRを8月上旬に,GC-SMRは8月末のお届予定です。
 

また,スカイメモR(RS)でタカハシ(18φ)やビクセン(20φ)のバランスウエイトを
使用できるシャフトを4,050円(長さにかかわらず同額)で受注製作します。
長さは,200,250,300,350,400mmのいずれかを選択できます。
(250mmまでは一律540円で発送できます。また上記との同梱も可能です)
「18φ-250mm」などとご指定ください。7月末日までの受付です。
一枚目の写真は20φのシャフトにPENTAXのウエイトを装着しています。


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さらに,パノラマヘッドなどを装着するためのM12-UNC3/8アダプターも検討中です。
写真のように望遠鏡を搭載する場合,純正の真鍮製コマでは強度的に心配なので
中心のM12タップにねじ込んで使用します。価格は数量で変わるので
別途お見積もりとなりますが興味のある方はご一報ください。


今週は出張や打ち合わせのために殆ど外出しておりました。
お問い合わせなどの回答が滞っておりますが一両日中にご連絡いたします。


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2016年7月 3日 (日)

Apo Sonnar T*2/135用保持バンドについて

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Apo SonnarT*2/135用保持バンドは,1年ほど前に販売を終了しましたが
その後も引き続きご要望が多いので再販を準備しています。

このレンズは,CANON用とNIKON用で形状が異なりますが
今回のロットでは,それぞれ専用品を製作します。
D810Aの登場でNIKONユーザーが急増したため両機種用を製作しますが
試作から評価まで時間を要し,完成は秋以降になる予定です。

多くのご予約をいただいておりますが完成まで今暫くお時間いただけると
幸いです。


なお,以前からご案内していますが個人的には,このレンズを
EOS6DやNIKON D810Aなどで使用する場合は以下の写真のような
カメラブラケットを併用すればこのバンドはなくてもいいでしょう。
このバンドが真価を発揮するのは,上の写真のように
冷却CCDカメラやミラーレスカメラなどでの撮影時と思っています。


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QHY16200AにはNIKONマウントのApo SonnarT*2/135を装着していますが
フランジバックは合っていません。
今後実写でフランジバックを確認しスケアリング機構付で商品化予定です。


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2016年7月 1日 (金)

ルナ天文台本復旧の準備

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今日は2ヶ月ぶりに南阿蘇ルナ天文台に行きました。
4月に仮復旧したドームやスライディングルーフの本復旧打合わせです。

今日から始まる「九州ふっこう割」のおかげで,夏休みは大勢のお客様
が期待できるそうです。
それまでには完全普及できるようスケジュールの調整などを行いました。
(現在も天文台の公開も含め営業されています)

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このドームのスリットは上下を2個のモーター(ドーム外設置)で駆動する方式なので
停電や電気系のトラブル時には動かすことができません。
対策として1つのモーターで上下を駆動するよう改良しますが
モーターはドーム内に設置しハンドルも付加するので緊急時は手動で対処できます。

今回は天文ハウストミタさんのお手伝いで電気系を担当します。
ドームの回転やスリットの開閉は赤道儀との同期や雨滴センサーとの連動ために
改造されていますがその内容などを調査しながらの切り替えになります。

写真のようにドームは頂部まで6mあります。
中央に座った82Cm赤道儀を避けて足場をかけるのは容易ではないようです。


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