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2016年8月15日 (月)

QHY16200Aウインドウガラスの結露対策

B16_08_141

この数日はQHY16200Aのテストを行っていますが,気温が下がり出す
夕方からは湿度が上がるためにウインドウガラスの結露が確認されました。

ウインドウガラスの結露は,QHY11やStarlight XpressのSXVR-H36などの
フルサイズカメラで経験していますが,これらはウインドウガラスを
加温していないので日本の気候ではやむを得ないのかも知れません。

ただ,QHY16200Aはウインドウガラスを加温しているので
効果を期待していましたが曇ってしまうことが多いようです。
同じ環境で使っているSTX-16803は,夕方のセンサー温度の約40℃から
マイナス20℃まで一気に冷却してもまったく曇りません。

この差は,ヒーターのパワーやガラスの材質(厚み)にもよるかと思いますが
決定的な差は,フランジバックを優先した設計が影響しているのでしょう。

ウインドウガラスの直ぐ後ろにセンサーが配置されているため
空気の熱伝導でガラスが冷やされて結露に至っていると推測します。


B16_08_142


実は先日紹介したスケアリング調整プレート(OAG併用のM54接続仕様も同様)は
パージエア対応になっています。
上下に設けた固定タップは内部に貫通しており,ここからフィルターホイール部へ
極少量のドライエアーを流せば結露を防げる事が確認されました。
30℃以上から一気にマイナス10℃(100%冷却)テストを繰り返しましたが一度も
結露は発生していません。

乾燥空気源は一枚目の写真にある,パックされたシリカゲルとマイクロブロア
組み合わせた装置を開発中です。
消費電流が極めて小さいので小さなモバイルバッテリーでも数十時間運転できます。

今回QHY16200Aをご注文のお客様へは,この乾燥空気発生装置(DAG)を特別価格
でご提供いたします。
シリカゲルパック4個と再生器(AC100Vで再生)などフルセットで25,000円ほどです。
QHY16200A以外でもカメラレンズの結露防止などに使えるので便利です。


QHY16200AはOAGを含めたフランジバックは44.64mm(ウインドウガラスなど
影響を加味した光学的距離は46.50mm)と大変短いために
ε-180などのM54取り合いからのバックフォーカス56mmを満足できます。

バックフォーカスが短い鏡筒でもOAGを使えるメリットと結露のデメリットを
どうとるかですが,乾燥空気発生装置を併用すれば結露から解放されるので
メリットの方が大きいと思います。


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