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2016年11月

2016年11月29日 (火)

シリカゲルの除湿能力

CCDカメラのウインドウガラス曇り防止用などとして採用した,シリカゲル
パックの除湿(吸湿)能力について考察しました。備忘録としてアップします。

このパックには120gのシリカゲルが入っていますが
以下は3段重ねで乾燥する前後の重さです。乾燥後は34g軽くなっているので
1個当たり11g(シリカゲルの重さの約10%)の水分を吸湿してた計算になります。

一方,飽和水蒸気量は15℃の場合,1立方メーター当たり12.8gなので
120gのパック1個で,湿度100%の空気を900リッターほど乾燥できる計算です。
あくまでも吸湿した水分量からの計算ですが思った以上に吸湿しますね。
 
パックは専用の温風乾燥機で行いますが,3個の場合3時間ほど要します。
乾燥の度合いは,シリカゲルの色でも判断できますが,完全に乾くとパック
上面の温度が上昇し内部に水分が残っていない事が解ります。
電子レンジでの乾燥でここまで水分を飛ばすのは難しいのかも知れません。

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2016年11月28日 (月)

鏡筒バンドへのQ5L75GSS-2固定方法について

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先日紹介したQ75GSS-2ですが,鏡筒バンドに直接取り付けル方法について
お問い合わせをいただきました。

そのまま鏡筒バンド頂部のカメラネジにクランプなどをねじ込んだ場合
ガイド鏡の向きが合わないので回転できるパノラマヘッドなどが必要です。

シンプルな構成を望まれる場合は,立て込まれたカメラネジを抜き取り
上面からボルトでクランプを固定する方法を推奨していますが
回り止めされたボルトはを抜き取るのは技量が必要な上,内側のフェルトも
剥がさなくてはなりません。

 
そこで今回,Q5L75GSS-2固定用として太ネジアダプター(UNC3/8→1/4)
を加工したナットで上面から固定してみました。
加工と言っても,ねじ山部を旋盤で落としただけですが実用になります。
写真手前の左が加工前で,右がUNC3/8のねじ山を落とした状態です。

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太ネジアダプターの形状から使用できるアルカスイスクランプは限定されるので
ご希望の方はQ5L75GSS-2(Q5L75GSS-2CP)ご注文時に申し付けください。
Q5L75GSS+クランプ購入額+200円(太ネジ加工費)でご提供いたします。
(クランプ購入額は流動的なのでご注文時にお見積もりいたします)
 

以下は好評をいただいている,Q5L75GSS-2CPをL型ブラケットに装着した例です。
Q5L75GSS-2CPも上記方法で鏡筒バンドへ固定できます。

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2016年11月27日 (日)

1年ぶりの天体写真

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先週末はお休みをいただき久しぶりに観測所で過ごしました。
観測所の内装工事と,Apo SonnarT*2/135用フォーカサーの動作確認などが
目的でしたが,大変良い天気だったので軽く撮影してみました。
TAMRON SP15-30mm2.8(15mmF3.5で撮影),D810A,ISO1600,120S,JPG1枚

一年前と殆ど同じ構図ですが,やはり登るオリオンは撮りたくなりますね。

左下に観測所のテラス(の屋根)が写っていますが,下の写真はそのテラスから
撮った明け方の風景です。(上の写真同様クリックで拡大します)

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最低気温は-3℃ほどでしたが薪ストーブがあるので自宅より快適です。
この春に伐採したクヌギを玉切りしましたが太いものは直径40cmほどあります。
年内には薪割りし,来シーズン以降用として保存します。

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なお,Apo SonnarT*2/135用バンドは新型のフォーカサーの開発のため
商品化が遅れております。
申し訳ありませんが今暫くお時間いただけると幸いです。


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2016年11月25日 (金)

PROMINAR500mm F5.6FLのガイドシステム

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PROMINAR500mm F5.6FL(以下P556と略)のガイドについてお客様から
ご質問をいただきましたのでご紹介いたします。

P556へのガイドカメラの搭載については以前のブログでも紹介していますが
フォーカサーに付けたSR31.7B2でQHY5LⅡMを固定する方法をお勧めします。

SR31.7B2はフォーカサー下面からからの固定となるので装着したままでの
運用になりますが,クランプを緩めればQHY5LⅡMは前方に抜き取れます。
SR31.7B2は2点保持なので再現性も良くQHY5LⅡMのキャプチャー映像を
ファインダー代わりとしても使用できます。

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なお,現行のP556用フォーカサーにはSR31.7B2などを装着するための
ボルト(低頭M6-16)と嵩上げスペーサー(8mm)を同梱しておりますが
初期出荷分には同梱されていません。
対象のお客様はSR31.7B2をご注文の際に申し付けいただければ
無償で添付いたします。

SR31.7B2の価格は4,860円です。在庫限りの限定商品となります。
先日紹介したQ75GSS-2Q75GSS-2CP同様に
SR31.7B2はQHY5LⅡMやLM75JCとのセット販売も行います。
LM100JCもお選びいただけますので価格はお問い合わせください。


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2016年11月17日 (木)

何処にでも?つけられる Q5L75GSS-2CP

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昨日紹介したQ5L75GSS-2はアルカスイス規格プレート仕立てなので
DS38などのアルカスイス規格クランプへ装着します。
撮影鏡筒と並列に設置したり,鏡筒バンドのトッププレートに搭載する
いわゆる「親子ガメ式」としてポピュラーな使い方です。


ただポータブル赤道儀とカメラレンズで撮影する場合は,L型ブラケットなど
プレート側にガイド鏡をつけた方がスマートなケースも多く,それについては
以前のブログで紹介しました。今でも時折お問い合わせをいただきますが
大きなヒットとなった現在の小型ガイドシステムの原点なのかも知れません。
 

そこでクランプ,プレート両方への固定を可能としたQ5L75GSS-2CPを組ました。
写真のようにSR31.7B2をクランプ兼プレートのいずれかの面に装着します。
クランプで使う場合,光軸を90度回転できるのでL型ブラケットや対物レンズの
下面でも運用できます。
これ一つあれば多くのシーンでご使用いただけるので海外遠征時などで便利です。


なお,プレートで使う場合は,上の写真のようにSR31.7B2は2本のボルト固定ですが
裏返してクランプで使う場合は中央1点止めとなります。
ここで紹介した例のように1点止めでも支障はありませんのでご安心ください。

Q5L75GSS-2CPのセット価格は49,680円(税込み)です。

クランプ兼プレートに特殊な加工を行う都合上,単品販売は行いません。
昨日紹介したQ75GSS-2も含め,市販品に後加工するため
加工部のアルマイト処理は剥離します。また加工に伴う小傷があります。
Q75GSS-2,Q75GSS-2CP共に市販品を流用した限定商品です。

以下に3つのパターンを紹介します。

【並列ガイド】
Q75GSS-2CPをプレートとして使いますが,基本的には「親子ガメ」式と同じです。

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【Lブラケットガイド】
Q75GSS-2CPをクランプとしてL型ブラケットに装着します。

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【トップガイド】
上記同様にQ75GSS-2CPをクランプとして使いますがSR31.7B2を
90度回転させています。
またケーブルが干渉しないようにQHY5LⅡMのリア側を保持しています。

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2016年11月16日 (水)

安価なガイドシステムQ5L75GSS-2など

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ご好評をいただいている,QHY5LⅡMとCマウントレンズを組み合わせた
ガイドシステムにお求めやすい商品(Q5L75GSS-2)を追加しました。
QHY5LⅡMの値下げや,システム構成の変更でリーズナブルになっています。

Q5L75GSS-2セットは,QHY5LⅡM,コーワLM75JC,SR31.7B2
70mmアルカスイスプレートの4点構成で樹脂製の簡易フードが付属します。

SR31.7B2と,ノーブランドのアルカスイスプレートを採用したことなどで
Q5L75GSS-2 一式の価格は48,600円(税込み)です。


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SR31.7B2はスリ割り固定式なので1点でもQHY5LⅡMを完璧に保持します。
アルカスイスプレートへの固定は2本のボルト固定なのでご安心ください。

従来の2点保持に比べにコンパクトにまとまるので,ポータブル赤道儀用など
2台目としてお勧めです。ドライバーなどの使用環境を考慮すると
メインでQHY5LⅡMをご使用でしたら統一したほうがずっと便利でしょう。
 
 

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もう一つはPOLE MASTERとスカイメモR(RS)の取付けアダプターのセットです。
スカイメモR(RS)での使用に必要なもののみをセットしたので安価です。
セット内容は,POLE MASTER本体,スカイメモR(RS)の取付けアダプターに
QHY純正アダプター(写真中央の赤いリング)で,価格は39,960円(税込み)です。
 
 
以下はスカイメモR(RS)用のオートガイドケーブル(GC-SMR)や
UNC3/8のパノラマヘッドなどを接続する変換アダプター(M12-UNC3/8)を併用して
300mmクラスの望遠レンズでガイドを行う例です。
パソコンは必要になりますが,確実に300mmクラスをガイド撮影できます。
撮影した結果を確認するにもパソコンは必要と思うので
望遠レンズでの撮影ならスタンドアローンガイダーより便利なのかも知れません。


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2016年11月11日 (金)

MAMIYA-APOレンズとQHY16200Aのセット

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先日から紹介しているハーモニックドライブ赤道儀のガイドテストで使っていた
MAMIYA-APOレンズとQHY16200Aに電動フォーカサーを組み込み完成しました。
次の南天遠征の候補なので備忘録として残しておきます。

他の焦点距離も使えますが,今回は写真は500mmF6をセットしました。
ナローバンドで撮ってみたい対象(ηカリーナやタランチュラ星雲)は
500mmほどの焦点距離は欲しいので,このレンズをセットしましたが
両対象は明るいので充分でしょう。

このセットは以下から構成されていますが,一式でちょうど5kgなので
FSQ106EDなどでセットする場合の半分ほどです。
これなら赤道儀などは現地に置いているので気軽に持って行けそうです。

・MAMIYA K-500mmF6 APO/L(TB-90,アルカスイスプレート)
・レンズヒーター(本来120V75W仕様ですが,12V→30V昇圧で使い約5Wの発熱)
・PENTAX645ヘリコイドを改造した電動フォーカサー(スケアリング調整付)
・オフアキシスガイド(QHY5LⅡMで実用可)
・乾燥空気取り入れニップル
・QHY16200A冷却CCDカメラ
 
 

QHY16200AにUSBハブやRS232Cコンバーターを内蔵しているので
パソコンとの接続はUSBケーブル1本で済みます。
また,12V電源の出力もあるので,フォーカサーやヒーターにも供給します。

そのため,赤道儀周りから外部に伸びるケーブルは以下の3本です。
1.赤道儀駆動用12V電源
2.QHY16200A用12V電源
3.QHY16200Aとパソコンを接続するUSBケーブル


以下の6本は赤道儀やカメラ間での接続となります。
1.赤道儀自動導入用RS-232C(QHY16200A←→赤道儀)
2.オートガイド信号(QHY5LⅡM←→赤道儀)
3.オートガイダー用USB(QHY16200A←→QHY5LⅡM)
4.フォーカサー用USB(QHY16200A←→フォーカサー)
5.フォーカサー用電源(QHY16200A←→フォーカサー)
6.ヒーター用電源(QHY16200A←→ステップアップ→ヒーター)

全て接続した状態で画像へのノイズなども含め異常が無いことを確認できています。
いつもの事ですがここまでが一番楽しい作業です。

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2016年11月 5日 (土)

XY50,50D,65の在庫状況について

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XY50やXY50DとXY65の在庫状況についてお知らせいたします。
全て現品限りで販売を終了させていただきます。

【XY50-xx】
0,15,35,55度併せて30台ほどの在庫があります。
ただH-40やスカイキャンサー用のXY50-35H(写真右)は2台のみです。

【XY50D-xx】
先日紹介しましたが20台追加生産中です。
既に半数ほどご予約をいただいていますので残りは10台ほどになっています。

完売しました。2017.1.15日追記


【XY65-35】
装着対象となるPTP-Cシリーズの販売は終了しましたが,ごく僅か在庫があります。
対象赤道儀はマークXとスカイメモR(RS)のみです。

 

追加するXY50Dは先にご案内したとおり,2種の高度プレートで構成します。
片側はフリー状態なので切り替えが必要ですが簡単な作業です。
以下は左側の0度プレートを両側から押して高度を微調整しますが
右側のプレートはフリー状態です。

台座への固定面と極軸が35度傾いたポータブル赤道儀でご使用の場合
0度と15度を組み合わせると緯度20~65度をカバーできます。
(三脚の引き出し長さを調整すれば15度~70度ほどでも問題なく使えます)

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2016年11月 4日 (金)

ハーモニックドライブのレスポンス試験

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このところ九州北部は良い天気が続いていますが,昨夜は風が強かったので
ハーモニックドライブ(赤緯のみ)のレスポンスをテストしてみました。
500mmの望遠レンズを使いQHY16200Aのオフアキテストも兼ねています。
 

以前も紹介しましたが,自宅は風が強いと僅かに揺れるためオートガイドの
大きな外乱になり,特に赤緯側はハンチングを起してしまいます。
このような状況の中,ハーモニックドライブはチューニングの効果が出るのか
試してみたので記録として残しておきます。
 

以下は露出時間1秒で,赤緯の最大動作時間を100mSに設定しています。
かなり振られいますが,ハンチングは起こしません。
焦点距離が500mmなのでY軸1目盛が約1.5秒角になりますが概ね±1秒角に
収まっています。(PHDのRMSは0.2なので,平均では0.3秒角になります)

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次に赤緯の最大動作時間を1/10の10mSにしてみました。
風の影響はシーイング同様にガイドでは追えないので動作を緩慢にするためです。
ハーモニックドライブはバックラッシュがないので10mSでも制御できていますが
少し改善した程度です。
風の影響は赤経も同じように出ているハズなので,赤経の振幅より大きな動きは
不必要な修正動作によるものでしょう。
動作を緩慢にすれば抑えられると思いましたが劇的な変化は見られないようです。

 
ただ,風にあおられる環境下でも赤経と大差ない振れに収まっています。
ハンチングを起こさないのはハーモニックドライブの大きなメリットでしょう。


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2016年11月 2日 (水)

PTP-C22カーボン三脚 単体販売終了のお知らせ

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PTP-C22カーボン三脚の単体販売は終了いたしました。
ご購入いただきありがとうございました。


PTPシリーズは,初期のアルミから,フラット三脚,カーボン(3タイプ)へと推移し
トータルでは500本ほど販売いたしました。
基本は延ばしては使わないポータブル赤道儀用の三脚として,強度と軽量化を
最優先した企画でしたが,趣旨をご理解いただけたと感じています。
市販の4~5段式ではご満足いただけなかった方から支持をいただきましたが
海外のお客さまからは「世界中どこを探しもない三脚」と絶賛いただきました。
 

販売は終了しましたが,保守用としての予備品(商品状態)や
以下のような部品レベルでも保有していますのでご安心ください。

上の写真は,来春に発売されるRainbowAstro社のハーモニックドライブ
赤道儀(RST-150H)を搭載したPTP-C22です。
三脚開発のコンセプトに最もマッチする赤道儀なので記念撮影しました。
(RST-150Hは専用のカーボンピラー脚が発売される予定です)

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なお,来年の日食をターゲットとした次期ロットのAP-GOTO赤道儀など
(2017.2月発売予定,合計25台)にはPTP-C22がセット販売されます。


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