星景写真撮影用ゴニオ赤道儀の実用化
ゴニオステージを使ったポータブル赤道儀については2年ほど前に紹介
しましたが,何台かの依頼があったため実用化を進めています。
ゴニオステージで赤道儀を作る場合,問題となるのは減速比の確認です。
採用するゴニオステージはカタログ上,1回転で約1.53度となっています。
360÷1.53=235.294.....となるため,235枚相当と思いますが不安が残ります。
ウォームホイールの場合は一周の歯数は数えれば簡単ですが
ゴニオのギヤはホイールの一部を切り取った形状なので数えられません。
そこで実際に星を追尾して確認することにしました。
MTS-3はメニュー画面から駆動周波数を変えられるので追尾状況を見ながら
微調整すれば簡単です。
結果的には236.8枚相当で恒星時が合致しました。235枚とはかなり違っています。
下の写真で巨大なホイールの一部を切り取った形状のギヤが確認されますね。
なお,テストは2台のゴニオを直角に合わせ疑似的な2軸駆動で行いましたが
実用化するのは極軸のみです。
星景写真用として三脚と自由雲台の間に挟み込む形状で,手軽に使えるよう
乾電池も内蔵します。
以下のガイドグラフはほぼ恒星時が合った状態です。
Y軸1目盛は約10秒角なので,Pモーションは±5秒角ほどなので星景撮影
に使うにはオーバースペックでしょう。
なお,耐荷重(水平)のカタログ値は5kgです。
赤道儀として使う場合,モーメントがかかりますがクロスローラーベアリング
保持なのでカタログ値程度なら何ら問題ないと判断しています。
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