乾燥空気発生装置(DAG)のその後
半年ほど前に紹介していた乾燥空気発生装置(DAG)は大幅な設計変更を行い
やっと完成いたしました。
ご注文のお客様には長期間お待ちいただきありがとうございました。
内蔵するブロアーの構造上,吐出側にシリカゲル室を設ける必要がありますが
冷却CCDのチャンバーなど密閉された空間へ送気する場合,ブロアーの圧力に
シリカゲル室のシールが耐えられず大幅な設計変更に至りました。
以下のように蓋の厚みや,シールリング部の構造を見直し
内圧がかかった場合のエア漏れを完全に防ぎました。
蓋の内側は軽量化のために肉抜きしています。
このDAGは冷却CCDカメラのフィルターホイールなど,ほぼ密閉された空間に
乾燥空気を送るには内蔵のブロアーで充分です。
もしも大きなエア量が必要な場合はホースをつなぎ替えるだけです。
(シリカゲル室を通過する際に乾燥される量は限られているので
むやみにエア量を増やしても意味はないと判断しています)
最初の写真は内蔵ブロアーの出口とシリカゲル室を接続した状態です。
これらのニップルはコーナー部のくぼみに配置しているので破損を防げます。
この乾燥空気発生装置を思い立ったのは粒状のシリカゲルは管理が
難しいからです。
熱風で完全に乾燥できるこのパック式を使えば管理が容易なうえ安全です。
冷却CCDのセンサーやウインドウガラスは一度結露してしまうと
その後の撮影が台無しになる場合もありますが,この乾燥空気発生装置は
それらを極短時間で乾燥できる能力を有しています。
いつでも直ぐに使えるので緊急対応用としても便利でしょう。
この乾燥空気発生装置はご注文いただいた分のみ(11台)製作しました。
余剰や今後の製作予定はありません。
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