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2017年6月

2017年6月29日 (木)

新型レボルビング装置RR-92について-ご確認用情報

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連投になりますがD810(A)専用のRR-92は「他のボディでは使えないか?」との
問い合わせをいただいております。ご説明や備忘録も兼ねてアップします。

この夏の北米日食ではオプションとしてイエローストーンやグランドキャニオンを
訪れる方も多く,星景写真用としてご使用を検討いただいています。
汎用タイプは間に合いませんがご要望の多いD810(A)用は7月末の完成予定
なので流用いただけるかも知れません。


結論から言えば重要なのはX(光軸とブラケット取付ネジPのX座標のズレ量)です。
写真はD810AとD500を比べていますが両者のXはほぼ同じです。
Yは逆方向にずれていますがP点のLに対するY座標は同じなので影響ありません。

従いましてD810(A)用はD500でそのままご使用いただけます。
kirkphotoのD810用ブラケットはD800と共通なのでD800でも使用できそうです。
D810(A)専用のXは12mmなのでそのズレ量=RR-92とレンズの偏心量です。
Xが10~14mm程度ならTAMRON SP15-30mmでもご使用いただけます。

Rr96_2


次にボディとRR-92の距離(L)はD810(A)専用では68mmです。
ストロボを内蔵したD810(A)なので長目になっており,他の機種では支障には
ならないと思います。

また,ボディの高さはD810(A)専用の場合,L型ブラケットを含みHL=60mmです。
D810AとD500は全く同じなので他のNIKON製ボディでも大差ないでしょう。
HL寸は写真のようにDPL-100に装着して計測すれば正確に採寸できます。

なお,kirkphoto社製ブラケットの幅は38.1mmなのでA寸は38.2mmです。
同じアルカスイス規格ですがSUNWAYFOTO社製は幅が広いので適合しません。


以上まとめると以下の条件をクリアーするボディではご使用いただけそうです。
①Xの長さが10~14mm程度(PとOのシフト方向に注意)
②HLが58~62mm
③P点がAのほぼ中央にあるkirkphoto社製ブラケットの併用


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2017年6月28日 (水)

新型レボルビング装置RR-92について-他機種への展開

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今回はRR-92に関して多くのご質問をいただいている今後の展開についてです。

NIKON D810(A)用のRR-92はkirkphoto社製のL型ブラケットを装着した状態で
写真の寸法を決定しています。(クリックで拡大します)

この内,ボディに関する基本情報はHとLのみです。
Hはボディ固定面からレンズ中心までの高さで
Lは固定部(カメラネジ部)からRR-92までの長さです。
グリップやストロボ部の張り出しを考慮して決定しています。

D810(A)以外のカメラでも上記に加えP点(X,Y,Z)が決まれば設計可能です。
(Aはkirkphoto社製のL型ブラケットの場合38.2mmで設計)

ただ他のボディ用を開発するためにはボディ(H,Lの採寸)に加え
P点特定のためにkirkphoto社製ブラケットも入手する必要があります。
商品として販売する以上,実機での確認も必要なので難しいのが実情です。


ご質問の中には小型のミラーレスカメラでの使用に関するものも多いため
L型ブラケットは併用せずにHとLを調整できる汎用タイプを検討しています。
L型ブラケットを使わない場合,重たいレンズでは’お辞儀’が心配ですが
先に紹介した’詰め物’で軽く保持すれば問題ないと判断します。
(固定部Oがレンズ中心CLにあっているボディのみの対応となります。
またボディとRR-92間へのアルカスイスプレート/クランプは適合しません)

HとLの調整幅は,比較的サイズの大きいフルサイズ用と小型ミラーレス用の
2タイプを検討しています。現時点では価格や発売時期は未定です。


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2017年6月25日 (日)

新型レボルビング装置RR-92について-機能性

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新型のRR-92は小型化やハンドルを装着するなど機能性も追求しています。
内径が大きかったRR-110は,リングとレンズの隙間に指をかけられましたが
RR-92では指を通せる隙間はありません。
カメラボディとレンズなどで3kgほどの重さになるので事故防止の目的で
キャリングハンドルを準備しました。
アルカスイスクランプとプレートの嵌合が不確実な場合でも
片手で持っておけば脱落を防げます。

また,ハンドルはリモートコントローラーのケーブルなどの固定用としても
便利です。

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真上から見た状態ですが,RR-92はボディサイズとあまり変わりません。
これなら一式組み立てたままでも持ち運びできます。

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2017年6月22日 (木)

日食遠征用赤道儀完成しました

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2年前のインドネシア日食関連記事でPENTAX75赤道儀を紹介したところ
複数の遠征仲間から製作依頼がありました。
今年の北米日食までの完成で請けていましたが2年はあっという間ですね。
何とか間に合って良かったです。

写真は以前からの所有品とこの2年間で集めたPENTAX75赤道儀です。
1台は愛用のポータブル赤道儀もう一台はここで紹介した大胆な改造機です。

残りの6台が今回の依頼分でここで紹介した2軸電動仕様です。
同じ赤道儀が9台も集まることなどないので記念撮影しました。
(後列左側の1台は緊急対応用としてオリジナルのまま保管しています)
 

さすがに赤道儀のストックはなくなりましたがご支給での改造はいたします。
実施は秋以降になりますが改造用品の在庫数(10台分ほど)の都合で
ご予約いただけると幸いです。

今回は2軸電動化などの改造済み赤道儀として100,000円で販売しました。
内訳は中古のPENTAX75赤道儀本体25,000円,2軸モータードライブ50,000円
オーバーホール,赤道儀改造,PTP-C22台座取付が25,000円です。
従いまして赤道儀ご支給の場合の改造費用は75,000円になります。
 

赤道儀改造には両軸モーター取付のため微動軸を短くしています。
特に赤経側の微動軸はデリケートなので,モーターが付かない方は
根本から切断し輸送中のトラブルを防いでいます。

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新型レボルビング装置RR-92について-バランス

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昨日に引き続きRR-92関連です。本日はバランスについて紹介します。

写真はD810AボディにSIGMA135mmF1.8を装着した状態です。
このレンズは1,1kgほどですが,RR-92を乗せた台がほぼ重心位置です。

重たいレンズをつけたカメラは’お辞儀’するので星が流れると言われますが
重心位置を支えれば安定します。カメラをあまり上に向けない星景写真では
特に重要で自由雲台でも運用できそうです。
 
 
ところで重いレンズではマウントの撓みを懸念されるようです。
個人的には上記の’お辞儀’が原因でマウントの強度が足りないとは
感じていません。心配であれば以下のようにRR-92のリング内側と
レンズ外周の隙間に’詰め物’を挟むこともできます。
専用設計によりレンズが正確にRR-92の中心を通るからできる裏技?です。


以下は樹脂製のC型リングを挟んでいますが,1cmほどにカットしたホース
がお勧めです。ホースはいろいろな太さがあるので便利でしょう。
回転してもリング内側とレンズの位置は変わらないのでズレたりしません。
 

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2017年6月21日 (水)

新型レボルビング装置RR-92について-開発の背景

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発売中のレボルビング装置RR-110は2012.2月に発売を開始し
5年ほど経過した現在でも大変な人気商品です。

RR-110はAPS-Cフォーマットのカメラボディで設計していますが
この5年の間に大口径レンズやNIKON D810Aの登場など
レボルビング装置に要求される環境が大きく変わりました。

写真のTAMRON SP15-30mmを代表とする,前玉部が異常に大きい
超広角レンズや,三脚固定面からレンズ中心までの距離が長い
D810AなどのNIKON製カメラは設計時点では考慮していませんでした。

それらに対応するようLBプレートなどを投入してきましたが今後さらなる
大口径レンズの登場も予想されるため根本的な見直しを行いました。
 

以上の事から新たにRR-92を商品化します。
RR-92は適合機種を限定※するうえkirkphoto社製のL型ブラケットも
必須ですが,回転リング部をレンズの細い部分に正確に配置できるので
サイズが大きなRR-110よりレンズの適合幅が広がります。
RR-110と大きな相違点はレンズを後でボディに装着する事ですが
内径92φのリングがマウント直前に配置されるのでレンズの着脱は容易です。

※当面はNIKON D810(A)専用のみ。9月発売予定で価格は28,620円(税込)。
年内を目処にCANON 6D用を開発予定。


下は左がRR-110,右がRR-92です。RR-92はボディからのはみ出しも小さく
大変スマートです。重さもRR-110の460gより100g軽くなっています。

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RR-92とkirkphoto社製のL型ブラケットの取付部です。
RR-92とL型ブラケットは嵌合するのでリングの中心と光軸が再現します。

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2017年6月18日 (日)

RST-400とRST-150H

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RainbowAstro社製のRST-400とRST-150Hを並べてみました。
RST-400は据付用,RST-150Hは究極の遠征用なので対照的な赤道儀です。

【RST-400】
 ウォームホイール式,搭載荷重40kg,本体質量24kg,Pモーション±2.5秒以下
 (機械精度,全品実測データ付き),GPS,メカニカル原点センサー内蔵
 税込価格956,000円

【RST-150H】
 ハーモニックドライブ式,搭載荷重15kg(大きさの関係上500mm程度を推奨)
 本体質量3.4kg,Pモーション±15秒程度,GPS,メカニカル原点センサー内蔵
 税込価格864,000円


使用目的が全く異なる機材を比べる意味はないのですが
14インチRCでも運用できるRST-400に対して
比較にならないほど小さいRST-150Hは割高に感じられます。

ただRST-150Hは高価なハーモニックドライブに加え
高度方位調整部などのパーツは徹底的な軽量化が施されており
製造原価はRST-400と大差ないそうです。

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中央の写真のように高度を90度に調整すれば
直径12cm高さ18cmの筒状になるので極めて高い携行性です。
比較のためにSIGMAの135mmF1.8と並べました。
RST-150Hはレンズ後ろのソフトケースに収納できます。

バランスウエイトやシャフトも不要なうえ,ドライバー類も内蔵しているので
パソコン制御時はコントローラー(Hubo-i)も不要です。
実質3.4kgの本体だけあれば10cmクラスの鏡筒でGOTO撮影できる
RST-150Hは海外遠征派にとって価格に見合う製品と思っています。


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2017年6月15日 (木)

ハーモニックドライブ赤道儀用極望のテスト

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このところの九州北部は梅雨とは思えない天気が続いています。
せっかくなので先日紹介したハーモニック赤道儀用の極望を評価してみました。

結果的には以下のガイドグラフのように十分な据え付けができました。
前半はガイドを行い後半はガイドを切っています。
この程度の赤緯ズレならガイド撮影時の写野回転は無視できるレベルです。
 
Rst150h_75mm
 
北の高気圧に覆われているためシーイングは良くないようです。
風の影響もありそうでガイドON/OFFに係わらず±2~3秒角ほど振れています。
(グラフはいつもどおりY軸の1目盛は約10秒角です)


鏡像になるうえに極望を覗く方向でパターンと北極星の位置関係が変わるので
心配しましたが,結果的には以下のように取付れば問題ありませんでした。

写真の状態で高度調整を上下し,パターンの12時と6時を結ぶ線に沿って
北極星が動くよう接眼部を回転させます。(12時が真上に向くよう)
あとは鏡像分を考慮するだけなので,そのときの北極星が3時の位置だったら
9時の位置に導入します。


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結果が良かったので天頂プリズムを探したところ7個ほど見つかりました。
RST-150HCRUX-170HDを購入いただいた方全員へご案内できそうです。

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2017年6月12日 (月)

逆?POLE MASTERアダプター

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ハーモニックドライブ赤道儀を購入いただいたお客様からのご依頼で
POLE MASTER接続部に極軸望遠鏡を取り付けるアダプターを試作しました。

通常のPOLE MASTER用アダプターは極軸望遠鏡部にPOLE MASTERを
取り付けるためなので逆アダプターのようなものですね。

試作したアダプター(極軸望遠鏡)は手前の直視型と中央のアングル型です。

アングル型はPENTAX製の天頂プリズムを流用しています。
通常の極軸貫通型と同じように極軸を回転して光軸調整ができますが
中古の天頂プリズムが必要なことや鏡像になるのでパターンと北極星の
位置関係が難しくなります。

一方直視型は一般的なポータブル赤道儀の外付けタイプと同じです。
中古品に頼らす製作できるのでこちらなら製品化できそうです。

ハーモニックドライブ赤道儀は構造上極軸内に望遠鏡を通せません。
観望やM-GENでのガイド撮影ではパソコンが必要なPOLE MASTERは
面倒なので対応を進める予定です。

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2017年6月 9日 (金)

赤緯を全周微動化された90S赤道儀

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写真右側は天文ショップの中古コーナーで目に留まった90S赤道儀で
赤緯の扇型ギヤを使った部分微動を全周微動に改造されていました。

改造された90Sはほぼジャンク状態だったのでウォームホイールのみを
手持ちの90Sに付け替えています。(写真左)


赤経側に付けられていたモーターから,改造の目的は2軸ガイドと
推測しますが2軸ガイドだけなら敢えて全周微動にする必要はないので
もしかしたら自動導入も見据えての事だったかも知れません。

中~大型赤道儀では自動導入を目的として今回のような改造事例を
見かけますが小型機では初めてです。
ウォームホイールの場合,軸偏心が懸念される事や改造が大がかりになるので
今後行う場合はハーモニックドライブを採用する事になるでしょう。


改造状況からウォームホイールの加工精度が懸念されましたが
自動導入には支障ない精度でした。
失礼ながら一般的には中古と言うよりほぼガラクタですが
このような改造が好きな私にはお宝で是非復活させたいと思っています。

赤道儀側は加工せずに一般工具だけでホイールを交換できるので
再生後はホイール部だけを西オーストラリアに持ってゆき
現地に預けている90S赤道儀を自動導入改造できたらと夢が膨らみます。


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2017年6月 8日 (木)

日食撮影機材の機内持ち込みについて

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先日の記事で日食用の鏡筒について紹介しましたが
望遠鏡は機内に持ち込んだ方が安全か?との質問をいただきました。

私は大きな鏡筒は持って行かないので,いつもそのまま預けています。
鏡筒が小さければ機内に持ち込めばいいのに?と思われるでしょうが
小口径のレンズはショックに強いため預けても大丈夫と判断されるからです。

私が参加するツアーは観光も充実しているため乗り換えも多くなります。
できるだけ機内持ち込みを軽くして旅行を楽しみたいですしね。


私は過去7回の日食遠征ではトラブルは経験していませんが
知り合いは予防として対物レンズのセル部分だけ機内に持ち込んでいます。
殆どの屈折望遠鏡では対物レンズのセル部などで分割できるので
大切な部分だけ機内に持ち込めば安心ですね。


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2017年6月 6日 (火)

この夏の日食撮影用鏡筒選び

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早いもので,この夏の北米日食まで2ヶ月半ほどになりました。
赤道儀は先に紹介したPENTAX75になりそうですが鏡筒選びはこれからです。
本来,撮影用の鏡筒は固定した方が良いのでしょうが
新しいものを使いたい気持ちや動画にも挑戦したいので悩んでいるところです。


手持ちの中で重量や焦点距離などを考慮すると候補は以下の3本です。
写真手前から
・PENTAX 75SDHF(D75mm,FL500mm 日食に不要なフードは取外しています)
・KOWA PLOMINAR 500mmF5.6FL
・タカハシFOA-60(D60mm ,Fl530mm 写真はエクステンダー1.7XR装着状態 )

いずれも焦点距離は500mm前後,重さ約は2kg,フラットフィールドで
鏡筒(レンズ)を分離できる点も共通のメリットです。
 

今のところ今回の日食では動画を撮りたい気持ちが強いので
有力なのは焦点距離を900mmまで延ばせるFOA-60です。
動画の場合,外部コロナよりプロミネンスを狙った方が面白そうだからです。

ただ,動画撮影中にピントを合わせ直す場合は柔らかいヘリコイドの
PLOMINARが断然有利でしょう。
PLOMINARも850mmまで延ばせるので悩むところです。
FOA-60の口径6cmに対してPLOMINARは約9cmあるので
解像力の差も気になります。


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ところで長期間欠品していたFOA-60用の鏡筒バンドは再入荷しました。
黒い方がDP38-190などのアルカスイス規格プレートに対応するTB-68AS
シルバーは従来仕様でビクセン規格アリガタのDP45-125などに対応する
TB-68です。両方とも即納で価格はいずれも15,120円です。


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2017年6月 4日 (日)

H-40(スカイキャンサー)用アイテムの在庫状況などについて

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これまでにXY50-35HなどのH-40(スカイキャンサー)用アイテムを
販売してまいりましたがモータードライブ以外は販売を終了しました。
それに伴い写真のような赤緯体の改造も終了させていただきます。


【販売を終了した製品(改造)】
・H-40(スカイキャンサー)用極軸高度方位調整装置(XY50-35H)
・       〃       用POLE MASTERアダプター
・       〃       フルカスタマイズ改造(PTP-C2,22を含む)


【在庫限りで販売を終了する製品】
・H-40(スカイキャンサー)用AMD-1(納期は3ヶ月ほど要します)
お問い合わせの多いH-40(スカイキャンサー)用AMD-2Nは秋以降に
なりますが受注生産予定です。


なお継続して販売するモータードライブや赤道儀の改造は以下のとおりです。
申し訳ありませんが特注製作品の都合で単品改造はお請けしておりません。

【新型MTS-3を使った自動導入モータードライブ(改造も含む)】
※MTS-3入荷の都合で今後の受注は秋以降(第5ロット)の対応となります。

EM-10,100,200,P-2,90S,NJP,NewATLUX,SX系,SP/GP系,Mark-X
(P-2と90Sは赤緯ハーモニックドライブ改造,ハーモニックドライブ納期の都合で
受注休止中,再開は2018年春の予定)

【AMD-2Nを使った2軸モータードライブ】
P,P-2,90S,H-40,Mark-X,PENTAX75,MS-3(N)

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FC-100DLの試写

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FC-100DLの眼視性能の高さは2年前の「星を求めて会場」で実感し
100本限定につられて入手していました。
入手後使わないままでしたが,再販が決定したので(今回も限定)
参考用として気になる写真(星野)性能も評価してみました。

 
以下は写野中央付近を1,200×1,200ピクセルで,四隅を400×400ピクセルで
切り出した写真です。(追尾エラーで少し星像が伸びています)

色収差は感じられずフルサイズ周辺まで良好な星像です。
FSQ-106EDは使用した事はありませんが,メーカー発表の
FC-35レデューサーを併用すれば「FSQ並みの性能」は間違いないでしょう。

Fc100dl_rd


ただ以下のように四隅に強いケラレが発生しています。
これは開口径の小さいニコンマウントの影響ですが,同じNIKONマウントでも
VSD100ではここまで強いケラレは発生しません。
PENTAXの設計が踏襲されているVSD100はカメラレンズに近いからでしょう。
(そのためか小さな後玉の口径食により輝星の割れが発生するようです)


Fc100dl_rd2

【撮影データー】
使用カメラ:NIKON D810A,ISO3200,60秒,FC-35レデューサー併用(F5.9)
屋上設置の五藤光学8cm赤道儀搭載


NIKONマウントでのケラレは気になりますが,個人的には長焦点を活かす意味でも
DXフォーマットで使いたいと思っています。
焦点距離が伸びる訳ではありませんが,フルサイズ1,000mm相当の画角となるので
大型の銀河や球状星団などに適すでしょう。

比較的軽量な上,2枚玉なので輸送中の光軸ズレの心配がありません。
次のオーストラリア遠征ではタランチュラ星雲をアップで狙ってみたくなりました。
眼視と写真性能を高い次元で両立できる鏡筒なので遠征で使うのも面白そうです。


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