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2017年8月

2017年8月30日 (水)

Mewlon180CとRST-150Hで撮影した日食動画

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Rainbowastroのスタッフがハーモニックドライブ赤道儀のRST-150Hと
Mewlon180Cで撮影した第2接触から第3接触の動画を紹介します。

自動化したRST-150Hで第2接触終了から太陽の周囲を2周半トレースします。
皆既の継続時間や接触位置,それにトレース速度や構図の縦横など
全てを計算し尽くされた事が最後のシーンでわかります。

昨年のインドネシア日食は12.5cm屈折を用い同様の手法で撮影されましたが
今回は18cmなのでさらに解像度が増しています。

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2017年8月29日 (火)

皆既日食の4K動画

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420mm,900mmで撮影した4K動画を紹介します。
時間に余裕があったので食分30%の太陽も撮影しました。
黒点が次第に月に隠されていく様子をご覧いただけます。
皆既1分前に位置合わせを行ったため画像が上下左右に振れています。
(4K動画なので最高解像度に設定いただけるとより鮮明です)

 900mmで撮影した食分30%の太陽
 900mm  〃   第2接触90秒前~第3接触終了まで
 420mm  〃   第2接触90秒前~第3接触終了まで

なお上の写真は420mmで撮影した皆既日食動画の1フレーム
下は900mmで撮影した食分30%付近の太陽動画の1フレームです。
いずれもクリックで拡大します。


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2017年8月28日 (月)

素晴らしい日食でした

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アイダホ州Weiserでは抜けるような空のもと素晴らしい日食を堪能しました。
天候でハラハラしなかったのは18年前のトルコ日食以来です。

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今回は900mmと420mmの2連ですが,いずれも動画なので第2接触の
1分30秒前にフィルターを外した後は赤道儀を外れて肉眼で見ていました。
第2接触から第3接触まで全過程を肉眼で見たのは初めてです。


以下は900mm側の動画をスクリーンキャプチャした画像です。
900mm420mm,での皆既及び,部分食の動画は改めてアップ予定です)


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観測地まで道路の大渋滞が予想されたので(結果的には大した渋滞に遭わず)
一部のコースでは観測地を変更しましたが,ツアーに参加いただいた方
全員に素晴らしい日食を見ていただきホッとしています。

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2017年8月19日 (土)

18年と11日後の日食

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いよいよ本日から8/27日まで北米日食に出かけます。
観測地はアイダホ州のWeiser Memorial Parkを予定しています。
期間中は出荷やメールのご回答ができず申し訳ございません。


この写真は私が初めてコロナ見た1999.8.11のトルコ日食観測風景です。
(初トライは1991.7.11日のハワイ日食ですが残念ながら曇られました)
 

同じサロスの日食は18年と11日周期で,地球上を120度ずつ西へ
移動した地点で繰り返します。
今回の北米日食はトルコ日食と同じ145番のサロス周期で
あれから18年と11日経ちます。

今回から18年と11日後の2035.9.2日には,さらに120度西に移動して
日本で皆既日食が起きます。これまでは元気でいたいですね。


そうなると今回の日食は私にとってちょうど折り返し点です。
皆既日食は3年に2回の頻度で地球上の何処かで起きるので
2035年までに12回チャンスがあります。
洋上や南極などを除いても,あと8回ほどはトライできそうです。


トルコ日食は佐賀・長崎から55名のツアーでしたが今回は99名です。
私もスタッフとして参加しますが大勢でのツアーは今回が最後で
これからは少人数での旅行になりそうです。
 

今回改めてトルコ日食の機材写真を見ましたが
この頃から軽い機材を心がけています。
今回の荷物の総重量(機内持ち込みも含め,機材に衣類やスーツケース
など含めた一式)は約28kgです。
今後はもっと気楽に行けるよう20kgほどにまとめたいと思っています。


荷造りをしているとネコが邪魔します。さすがに9kg近いネコは連れて
行けませんね。
我が家のネコはPTP-Cカーボン三脚とあまり変わらない身長?です。

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2017年8月14日 (月)

90S-GOTO赤道儀の紹介-その2

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昨日紹介した90S-GOTO赤道儀にVELOCE RH200を載せてみました。
鏡筒の他に冷却CCDカメラやフォーカサーなど含めた一式の重量は
約18kgになりますが実用になりそうです。

ちなみに昨日紹介したFCT-150は30kgほどあるそうでそれに比べると
まだ軽いですね。
そのFCT-150のお客様からお電話いただきましたが,高倍率でピント
合わせても振動は気にならないそうです。
ただ,それには訳があって極めて肉厚のある特注ピラーや
以下で説明する軸回りの与圧を極限まで強くするチューニングが
施されているそうです。
 

以下は90S赤道儀のパーツを並べたところです。(クリックで拡大します)
中段左が赤緯体ハウジングとそれにねじ込まれた砲金製の極軸です。
この赤緯体と下段右から2番目の与圧ナット(銀色のリング)間には
2対のテーパーローラーベアリングが組み込まれ強い与圧がかけられます。
与圧で極軸は引っ張り,極軸ハウジングは圧縮力が加わり
一体で強度がでる構造です。もちろんハウジングに対して軸は回転しますが
強度上は一つの塊のようなものです。


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この与圧はパイプレンチで強く締めるので数100kgからトンオーダーの
力になっているでしょう。対のテーパーローラーベアリング
(または片側がスラストベアリング)だからできる事で
ボールベアリングの場合は締めすぎるとゴロゴロした回転になります。

回転を滑らかにするためにボールベアリングやニードルベアリングを
使用するのとは強度の観点から見れば異なります。


90S赤道儀の構造説明になりましたが,上段一列がGOTO改造で取り外す
部品で1.7kgほどです。追加するハーモニックドライブなどを加えた最終的な
赤道儀の重量は8.5kほどなので移動用として負担にならないでしょう。
話が前後しますが90S-GOTO改造でも与圧は強めに設定します。


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2017年8月13日 (日)

90S-GOTO赤道儀の紹介

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P-2GOTO赤道儀に引き続き,自動導入を目的に赤緯側をハーモニックドライブ
駆動化した90S-GOTO赤道儀のご紹介です。
基本的にP-2GOTOと同様ですが,ワンクラス上のハーモニックドライブを
組み込んでいます。赤経側は保護カバー付のベルト駆動です。
(NJP,EM-100用ベルトドライブMTS-3についても2018販売分からカバー付に
なります(価格据置),NJP,EM-100のハーモニックドライブ化の計画はありません)


いずれも改造は機種名のとおり自動導入が目的ですが赤緯のバックラッシュが
なくなりガイド精度が向上する事や軽量化も図れます。
P-2や90Sは赤緯軸が短いのでせいぜい1kgほどですが,軸が貫通したEM-200
では3.5kgほどの軽量化が可能です。(EM-200HDは評価段階)

 
カタログ上の90Sの搭載荷重は最大12kgです。
ただ以下はお客様からいただいた写真で90SにFCT-150を搭載されています。
充分に実用になるそうで,これをみるとTOA-130クラスでも搭載できそうです。

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90S-GOTO改造は以下の予定です。
【2017年】
 ・既に注文いただいている分は9月上旬の完成。
 ・ご予約の方分は12月の予定。(8月末を目途に個別に案内いたします)
【2018年】
 ハーモニックドライブの納期に8ヶ月要す事から,年末までのご予約分は
 2018年9月頃の実施予定です。(2018年以降は225,000円から248,400円に改訂)


なおP-2,90S共に改造用として準備した赤道儀が複数ございます。
いずれもグレー塗装タイプでGOTO改造後にお譲りいたします。
三脚の有無などによりますが,本体のみの場合GOTO改造費+5万円ほどです。
P-2は9月,90Sは12月のお引き渡し予定です。
(写真の90Sは評価用に改造した個体なので程度は良くありません)

また,たいへん程度の良い(ほぼ未使用)のP-2S(クリーム色,極望2015年)
もございます。これはAMD-2Nセットで162,000円でお譲りいたします。
ご希望の場合,赤緯軸短縮改造も無償で行います。
純正三脚,Pライト,リングレベル,延長筒など一式での価格です。

用意した90S,P-2は全てご注文いただきました。8.14追記
 
 
FCT-150の写真を見るとハーモニックドライブの強度を心配されるかと思いますが
採用しているSHG-17型の許容モーメント荷重は124Nm(12.6kgfm)です。
鏡筒取付面から25cmの位置なら50kgほどのモーメント荷重に耐えます。
鏡筒取付ヘッド固定ボルトの数もご覧のとおりです。

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2017年8月11日 (金)

RR-92 SUNWAYFOTO社製ブラケットへの対応

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D810A専用として発売中のRR-92はkirkphoto社製ブラケット(BL-D800N)の
併用が条件でしたがSUNWAYFOTO社製ブラケットへの対応を進めています。
またこの秋に発売するEOS 6D用RR-92についても同社製に対応予定です。

具体的には以下のとおりです。
【NIKON D810/D810A】
 ・kirkphoto社製:BL-D800N       発売中
 ・SUNWAYFOTO社製:PNL-D810R  10月発売予定

【EOS 6D】 
 ・kirkphoto社製:BL-6D         11月発売予定
 ・SUNWAYFOTO社製:PC-6DR    11月発売予定

以上は専用LBプレートが同梱されたRR-92 forBL-D800Nなどの商品名となり
価格は全機種とも28,620円(税込)です。
各機種用のLBプレートはLB forBL-6Dなどとして単体発売します。
なお,上記のSUNWAYFOTO社製品はRR-92とセット販売も計画しています。
D810A用のPNL-D810R対応品は10月,EOS6D用はいずれも11月発売です。


以下がSUNWAYFOTO社製PNL-D810R(右置く)とPC-6DR(右手前)です。
左の2個は参考用として入手したD800用とEOS5DM3用ですが現時点では
対応の予定はありません。

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今回の記事とは直接関係ありませんが,以下はRR-92に装着した
RR-92対応のApo Sonnar T*2/135用フォーカサーです。

Apo Sonnar T*2/135用バンドは多くのご要望をいただいており11月の
再販で準備中ですが,このレボルビング+フォーカサーもお勧めです。
カメラを回転してもピントへは影響しない構造なのでたいへん便利です。
詳細は後日改めて紹介いたします。

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2017年8月 9日 (水)

QHY367Cタカハシ接続アダプター

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昨日紹介したQHY367Cをタカハシ鏡筒に接続するイメージです。
タカハシの望遠鏡は専用のCAリングで接続した場合,M54接続部からの
バックフォーカスは56mmに設計されています。
写真はQHY16200A用をQHY367Cに装着しているので,M54接続部から
センサーまでの距離は46mmです。

QHY367Cはまだ10mmの余裕があるので望遠鏡にカメラを付けたまま
工具レスでスケアリングを調整する機構やカメラの保持リングなどが
組み込めそうです。
また昨日紹介したカメラレンズ(ニコン及びキヤノン)用マウントアダプターは
同様のスケアリング調整と三脚台座を製作予定です。


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2017年8月 8日 (火)

QHY367C用のアクセサリー開発について

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フルサイズセンサーを搭載したカラー冷却CMOSカメラQHY367Cが入荷しました。
NIKON D810(A)と同じSONY製IMX094を搭載しています。
昨年星空研究会の帰りの車中で発表を知り心待ちにしたカメラです。

写真はNIKON用マウントアダプターを介しApo Sonnar T*2/135を装着しています。
今後,カメラレンズ用マウントアダプターや,ここで紹介したタカハシ製M54接続
と同様のアダプターや保持バンドなどを製作予定です。

QHY367Cは台数限定ですが発売記念として税込み500,000円での販売中です。
(QHY製品はQHYCCD国内総代理店の天文ハウストミタからの供給です。
今後当方で開発するアダプター類は天文ハウストミタでもお求めいただけます)

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2017年8月 6日 (日)

日食関連機材の出荷予定について

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日食ツアーの出発まで2週間ほどになり機材最終確認をされているかと思います。
そのためか,ここ数日AP赤道儀にFS-60CBを搭載する際のバランス対策の
お問い合わせをいただいています。

FS60CBなど小型の望遠鏡はカメラ側が重たくなるので接眼部を保持する方法
推奨していますが,販売している基本構成はアルカスイス規格仕様なので
AP赤道儀などのビクセン規格では装着できません。

そこで長期在庫のビクセン規格アリガタ(長さ200mm)とセットしてみました。
鏡筒バンドの固定穴は後加工ですがバンドとアリガタの幅もマッチしており
なかなかスマートです。

このアリガタは型落ち品なので数量限定の特別価格です。(バンドとのセットのみ)

写真のFS60CB用のTB-80/52ASとのセットは19,872円(17,712円+2,160円)です。
TB-80/60AS,TB-68ASなどとのセット販売もお受けします。
(FS-60CBではフラットナーの併用が条件となります)
 

これらの日食関連商品は8月12日(土曜日)まで出荷可能です。
なお8/13~8/15は定休日,8/19~8/27日は出張のため休業いたします。

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2017年8月 5日 (土)

今回の日食撮影スタイル

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今回に日食は動画で撮影し,できるだけ眼視観望するよう機材を選定しました。
メインは900mmで4K動画,サブは420mmで4Kフォトを撮影する予定なので
基本的に撮影は機材に任せてゆっくり観望できるでしょう。

やっと最終形になったので備忘録や(まだ赤緯のモーターは未装着状態)
先に紹介したPENTAX75赤道儀でツインシステムを組まれる方への参考用です。


ここで紹介した時点ではウエイト側にメインのFOA-60を搭載していますが
本来の形に戻しウエイト側にサブの望遠レンズを搭載しています。

メインとサブのバランスは以下の延長シャフトの長さ(30mm)で調整しており
少し手を入れたSP50-15でメインとの光軸合わせも行えます。
一見簡単に回ってしまいそうですが5mm厚のステンレスプレートを介して
赤道儀まで貫通したM12の引きネジと,M8×2本の押しネジで強力に
締め付けるため回る事はありません。
押しネジを少し緩めればSP50-15は任意に回転を調整できます。

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今回の遠征では紹介する写真の機材一式でちょうど10kgになりました。
これでも星景写真撮影用のD810AとSP15-30mmなどの撮影機材に加え
スーツケース,パソコン,身の回りの物すべてで26kgほどです。
機内持ち込みが7kg,預け入れが19kgの予定です。

かなり軽量化しましたが旅行を楽しむにはまだまだ重すぎるようです。
次回からは望遠レンズ1本+より軽量な赤道儀など,トータルで20kgに
納めて殆どを預けたいと思っています。まだ2年も先の事ですが。


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2017年8月 4日 (金)

3インチアリミゾ DS75-20発売

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新規格の3インチアリミゾ※にDS75-20を追加しました。
既に発売中のにDS75-10に加え9月にはDS75-40を追加します。
※75シリーズをロスマンディ規格と呼んでいましたが今後は3インチと表記します。

シリーズの10,20,40は推奨搭載荷重(kg)で,DS75-10はDS45やDS65と同クラス
DS75-20はDS80L,DS75-40はDDS80Lと同クラスです。

・DS75-10:写真のEM-10/11やSXPクラスでの運用を想定
・DS75-20:写真のEM-200やAXDクラス    〃
・DS75-40:RST-400,NJP,EM-400,EM-500クラス  〃
 DS75-40はダブロック仕様,全機種とも基本取付穴は4×M8 P.C.D.35用
(DS75-20は4×M8(UNC5/16)P.C.D.76,DS75-40は4×M10P.C.D.100も可)


DS75-20とDS75-40はDS80LやDDS80Lより全長が短くなりました。
特にDS75-20はEM-200の赤緯ヘッド部にジャストフィットする大きさです。

DS80シリーズより長さ方向が短くなっていますが理想の3点でアリガタを
掴む構造なので締め付け強度に対する心配は無用です。

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3インチアリミゾ/アリガタシリーズの価格は以下のとおりです。
 ・DS75-10:15,120円
 ・DS75-20:18,360円
 ・DS75-40:25,920円(9月発売予定)

 ・DP75-152:11,880円
 ・DP75-222:12,420円
 ・DP75-252:13,500円(9月発売予定)
 ・DP75-292:14,580円(9月発売予定)

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2017年8月 3日 (木)

2軸電動仕様AP赤道儀の自動導入改造について

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ここで紹介しました,ご支給のAP赤道儀(2軸電動仕様)からのGOTO改造は
MTS-3の手配がついたので予約の方を対象にご案内いたします。


改造ではMTS-3の駆動回路一式を内蔵したケーブルレス仕様も準備しました。
パソコンを使った撮影の場合,ハンドコントローラーは必ずしも要らないので
全て内蔵しています。
以下のようにBluetoothアダプターを内蔵すれば,外部から赤道儀に接続する
ケーブルは電源のみです。(オートガイドケーブルは別途)
オプション(3,240円)のステップアップケーブルを使用すれば5V駆動可能です。
 

以下は北側からの写真で左がMTS-3駆動回路,右がBluetoothアダプターです。
中央のスイッチはここで紹介した子午線越えに伴う南北導入方向の入替用です。

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下の写真は換装するハイブリッド型ステッピングモーターです。
純正のモーターハウジング内にギリギリ収まっています。
(上の写真ともカバーを取り外した状態です)

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改造対象は両軸が電動ユニット仕様のAP赤道儀で内容は以下のとおりです。
・ステッピングモーター,伝達ギヤ交換
・専用インターフェースパネルの設置(POLE MASTER対応)
・ディスプレイ付の新型MTS-3付属(または駆動回路内蔵)
・規格統一仕様バランスシャフト及び2kgステンレスウエイト×2個付属
・メタルコンセント仕様の電源,オートガイドケーブル付属

改造費用
・外付MTS-3仕様:140,400円
・内蔵MTS-3仕様:129,600円
・Bluetoothアダプター内蔵の場合は22,000円加算されます。
極軸望遠鏡や三脚の交換は別途お見積もりいたします。

改造受注次期及び期間
・9月上旬からの受注で赤道儀お預かり期間は1.5ヶ月

なお,今回の案内はご予約いただいているお客様への確認が目的です。
AP-GOTO赤道儀(改造含む)は特注モーターやインターフェースパネルの
在庫数か5台分になりました。
保守用品を考慮すると新規の受注(2018年分)は2台ほどです。

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