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2017年11月

2017年11月30日 (木)

アルカスイス規格プレート対応電動フォーカサー

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先日紹介した新規格のアリガタ/アリミゾシステム対応フォーカサー続き
アルカスイス規格プレートに対応する電動フォーカサーの紹介です。
ギヤヘッド付PM型モーターを採用したローコストタイプです。

フォーカスモーターはTB-68ASやTB80ASのトッププレート(DP38-190)で
保持するため側面に張り出しません。
特殊な接続金物が不要なので安価にご提供できます。

FS60CBなどのピントノブはラジアル方向の荷重をかけられないので
モーターとはフレキシブルカップリングで直結しています。
 

以下は開発中の’NanoFocus’フォーカスコントローラーのイメージです。
フォーカスモーターに加え2系統の結露防止ヒーターもコントロールできます。

FS60CB用の場合,フォーカスモーターとコントローラーのセットで45,000円
ほどの予定です。(製品はシルバーの予定)

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写真のFOA-60とQHY163Mは実際に撮影できる構成ではありません。
FS60CBではガイド鏡がモーターの後方になりますが光路を妨げない設計です。
この構成では鏡筒を90度回転して使用するためファインダーは使えません。
またベース側のアリガタとの干渉を防ぐためモーターを付けない側のピントノブも
取り外す必要があります。
PM型の場合,モーターを装着すると手動でのピント合わせは行えません。
モーターはTB-68AS,TB-80ASに固定したDP38-190にのみ装着可能です。


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2017年11月28日 (火)

新規格アリガタ/アリミゾシステム対応の電動フォーカサー

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本年末の完了を目指して新規格のアリガタ/アリミゾシステムへの移行を
行っていますが,そのオプションとして電動フォーカサーも準備しています。

これまではFSQ-85/106EDなどを対象とし鏡筒にフォーカスモーターを
取り付ける方法を採用していましたが,一般的なFS60CBなど80~95φ
鏡筒(タカハシ製に限ります)へも適合範囲を広めます。
FS60CBなど小口径の鏡筒場合は鏡筒にフォーカスモーターを付けると
「取って付けた」ようになりますが,トッププレートにモーターを設置する
ことでスマートな外観となります。

写真はFSQ85EDP用としてTP60-222に装着したフォーカスモーターですが
この方法なら多くの屈折望遠鏡に適合できそうです。

これに併せて新たなフォーカスコントローラー’NanoFocus’を開発しています。
これについては近日中に紹介いたします。
先日から紹介しているQHY163Mや367Cでの撮影には必須アイテムでしょう。

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新規格アリガタ/アリミゾシステム対応の電動フォーカサーは3タイプの
フォーカスモーターを準備します。

1.FS60CBなど用としてPM型モーターを採用したローコストタイプ
2.FSQ-85/106,TOA130/150用バックラッシュレスTHギヤードタイプ
3.最高級ハーモニックギヤタイプ

価格は,1:15,000円,2:35,000円,3:70,000円ほどを予定しています。
フォーカスコントローラー(NanoFocus)は35,000円ほどです。
当面は鏡筒径68,80,95φのタカハシ屈折望遠鏡及びTOA-130,150用
のみで2018.3月の発売予定です。

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2017年11月23日 (木)

タカハシ鏡筒用QHY367Cスケアリング調整プレート

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先日紹介したタカハシ鏡筒用QHY367Cスケアリング調整プレートの案内です。
お問い合わせをいただきましたので実際の鏡筒に接続してみました。

鏡筒はフラットナーを装着したFSQ85EDPでOAGも含めピントが合った状態です。
細部がわかるよう少し拡大します。
ちなみにQHYCCDのHPに掲載されている構成ではOGA側のピントはでません。

CAリングやレデューサーとの接続部はタカハシ製のM54のワイドリングを使用
するのでタカハシ製鏡筒であればバックフォーカスやOAGのピントは合います。
フランジバックは55~58mm間に調整可能です。(出荷時は56.0mmに設定)
 

商品構成と価格(税込)は以下のとおりです。
価格を改定しております。2018.2.6追記
・QHY367CとOAG対応M54接続スケアリング調整プレートのセット:522,000円
・QHY OAG-M:27,800円
・タカハシワイドリング:3,024円
・QHY2インチフィルターホルダー:2,176円
・QHY5LⅡM用CSマウント:-
以上合計:555,000円

OAGはCSマウントのQHY5LⅡMを装着した場合4mm引抜いた位置で合焦します。
Cマウントタイプではピントがでない場合があるのでCSマウントを添付します。
 

なお,FSQ85EDPは新規格の鏡筒バンドとアリガタやプレートを装着しています。
新規格製品システムチャート
鏡筒が短いのでバランス対策としてアリガタでのオフセットを推奨しますが
比較的軽量なQHY367Cやデジタルカメラの場合は長さ222mmのDP75-222を
フィターホイールを併用する冷却CCDカメラでは257mmのDP75-257がお勧めです。


写真はカメラレンズ用のスケアリング調整プレートを流用した試作品なので
両側にプレート取付面がありますがM54接続用はありません。
また構造上スケアリング調整には六角レンチが必要となりますがQHY367Cを
取り付けたまま調整できます。
QHY367Cはテーパーリングで脱着できるので輸送や保管に便利です。

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2017年11月22日 (水)

QHYCCD製品クリスマスセール特価

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先日の記事で触れましたが11/18~12/25日までの期間,QHY CCD製品は
クリスマスセール特価となっております。
一例としてQHY5LⅡMは通常31,320円を期間中は28,188円でのご提供です。

写真はQHY5LⅡMに75mmレンズやSR31.7B3などをセットしたQ5L75GSS-3で
QHY5LⅡMのクリスマス特価に伴い通常48,600円を45,468円での販売です。

セット内容は以下のとおりです。
・QHY5LⅡM(Cマウント仕様)
・KOWA LM75JC(ビニル製簡易フード付き)
・SR31.7B3(QHY5LⅡM専用品,50台限定生産品)
・DPL-70(ノーブランドのアルカスイスプレートを加工したもの)

基本構成は以前販売していたQ5L75GSS-2と変わりありません。

また,アルカスイス規格のクランプ兼プレートをセットしたQ5L75GSS-3CP
期間中は49,680円から46,548円となっております。
 

以下はアルカスイスクランプとプレートを使わずにSR31.7B3を直接新規格の
トッププレート(TP60-152)に装着した状態です。
新規格製品システムチャート

SR31.7B3はキャリングハンドルと干渉しないようオフセットした17.5mm間隔
2本のM6ボルトで固定できます。
傾斜キャリングハンドルが保護の役目も果たすため敢えてクランプを使い
着脱する必要はなさそうです。
このキャリングハンドルはUSBケーブルなどの固縛用としても便利です。


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2017年11月19日 (日)

NikonD810AかQHY367Cか

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これまで紹介したスケアリング調整プレートはカメラマウント仕様ですが
今回はタカハシ製鏡筒を使った直焦点撮影に用いるタイプです。
(写真手前のCAリングやレデューサーなどにM54でねじ込み接続する仕様)
 
 
製品紹介の前にタイトルの「NikonD810AかQHY367Cか」についてですが
ご存じのとおりD810AとQHY367Cは同じSONY製のセンサーを採用しています。
一長一短があり,どちらが優れるかは使用目的によると思いますが
個人的にはカメラレンズで撮影するのであれば優れた画像処理エンジンを
内蔵したD810Aの方が優位と思っています。なんと言っても手軽です。

ただ,望遠鏡での直焦点撮影となるとD810A場合は
①カメラマウントやミラーでのケラレが発生する(回折で写野周辺の星像が悪化する)
②OAGの適合が難しい
③スケアリング調整が容易に行えない
などの難問がつきまといます。特に長焦点ではOAGが使えないのは深刻です。


これに対してフランジバックが短いQHY367Cは今回紹介する調整プレートを使用
すれば上記の不具合は起きません。
このアイテムを使えば直焦点撮影においてはQHY367Cの方が優位と感じます。

以下のD810AはNikon用ワイドリングを付けたカメラマウントを,QHY367Cは
EOS用ワイドリングを装着した状態で,いずれも鏡筒とはM54取り合いです。

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写真のM54接続のスケアリング調整プレートはOAGの位置の確認用の
試作品です。(OAGの位置確認のためスペーサーで調整しています)
製品はOGAユニットなども組込み367C本体とのセット販売となります。
(一連のQHY関連製品は後日システムチャートをアップいたします)


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2017年11月18日 (土)

QHY163M用スケアリング調整プレートなど

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先日紹介したQHY367C用に引き続きQHY163MなどMedium Sizeカメラ用の
スケアリング調整プレートを開発しています。
スケアリング調整部は367C用と共通で,カメラを接続する部分が163Mなどの
Medium Sizeカメラ専用品です。
この部分で367Cと光路長を合わせておりカメラの回転や着脱ができます。

以下はHαフィルターを装着したスケアリング調整プレートにQHY163Cと
EOSマウントのカメラレンズを装着しています。
これにカメラレンズ用フォーカサーとQHY5LⅡMを取り付けたコンパクトな
ナローバンド撮影システムです。

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このスケアリング調整プレートはフランジバックの調整もできることは
367Cの記事で紹介しましたが,具体的には以下の方法で調整できます。

2mm厚のIRカットフィルターを装着した場合,以下の基準位置に合わせれば
レンズのピント目盛は合致(∞位置で星にピントが合う)します。
レンズによっては正確にフランジバックを合わせないと星像が悪化する
事もあるので便利です。(上のSIGMA70mmMACROレンズは
インナーフォーカスでないので厳密ではありません)
計算上3mm厚のフィルターでしたら皿バネが2枚見える位置で良いでしょう。

基準位置:調整ツマミ右側に僅かに見えている皿バネ(厚み0.3mm)が
1枚見える位置。下は拡大写真

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このQHY163M用スケアリング調整プレートも367C同様の販売形態です。
本日から,QHY製品はクリスマス特価となっておりますのでこの機会に
ご検討いただけると幸いです。

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2017年11月17日 (金)

M-GEN用マルチチャンネル シャッターコントローラー

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長いタイトルですが,M-GENで複数のカメラのシャッターを制御する
マルチチャンネルシャッターコントローラー(MCSC)を試作しました。

撮影時間短縮のために複数のカメラ(他メーカー間も含む)で
同時撮影を行うシャッターコントローラーのご要望は多いのですが
動作確認用のカメラボディが手元にないことなどでお断りしておりました。
簡単な回路ですがやはり実機テストを行ったものでないと商品としては
出荷できません。

今回,新型レボルビング装置(RR-92)の設計のために新たにEOS-6Dを
入手しましたので以下のカメラは実機テストが行えるようになりました。
以下の機種であればメーカーが異なるD810Aと6Dの組み合わせも可能です。
①NIKON D810(A) ②EOD 6D ③EOS Kiss


試作品は回路自体はここで紹介したものをそのまま使っています。
フォトモスリレーでチャンネル間を絶縁したスイッチでカメラのシャッターを
ON/OFFするだけの簡単なものです。

ただ,今回は汎用性を持たせるために,MCSC本体は共通でカメラ専用の
接続ケーブルを選択する方法を採用します。
カメラ接続ケーブルは10cmしかありませんのでカメラボディにつけたままの
運用を推奨します。MCSCとは市販のステレオミニ延長ケーブルで繋ぎます。
 

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写真のようにカメラ接続ケーブルは上記3機種の他にオリンパスRM-CB1,UC1
ソニーS1,S2ケーブル互換品も入手しています。
これら機種については今後実機テストができればラインナップに入れる予定です。


これから内蔵電池の交換方法やチャンネル数(2Chまたは4Ch)などを決めます。
販売するのは2018.3月頃の予定で,MCSC本体が5,000円程度(2Chの場合)
カメラ接続ケーブルは500円(全機種用同額)程度を予定しています。
(MCSCはプリント基板,未加工のケースなど材料一式の販売も行います。
材料キットの場合2,500円ほどの予定です)
なお,カメラ接続ケーブルは海外調達品です。販売までには十分な数量を確保
予定ですが手配がつかなくなった場合は数量限定商品となります。

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2017年11月 7日 (火)

MTS-3のPEC機能について

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従来型のMTS-3はディスプレイが付属しないためにパソコンの併用を推奨して
きましたが,本年入荷分からはディスプレイが内蔵されたため
今までできなかった単体での自動導入やPEC機能が使えるようになりました。
(PECはボタンの操作とLEDの色でも判断できるのでディスプレイは必須では
ありませんがやはり表示がないと不便でした)
 

この内,PEC機能についてはPモーションが大きいハーモニックドライブ赤道儀
では大変魅力的な機能で,CRUX用として開発されたTITAN TCSでは大な効果
を発揮しています。

そこでMTS-3のPEC機能についても詳しい調査と実機テストを行ってみました。
もしも実用的ならハーモニックドライブの日食遠征用GE140HDでも使えます。

実はMTS-3はリアルタイムクロックのバックアップ電池を内蔵していないので
PECの学習結果を保持できず,できるのは電池を内蔵したDynoStar
(MTS-3の上位機種)だけと思い込んでいました。
PECの有効性は理解できますが,その都度学習させる必要があれば
実用的ではなく興味がありませんでした。今回詳しく調べたり実機テストを
行った結果,MTS-3も学習結果を保持できる事が解った次第です。


以下は上の写真の構成で,PECの有効性を確認したガイドグラフです。
PECを有効にした状態で,前半1/3ほどはガイドを行い
途中からガイドを止めていますが(DECのカーブがズレて行くところから)
PECの効果で±20~25秒角ほどあったPモーションが大きく改善されています。
途中で電源を切ったり,高速導入などを繰り返しましたが
概ね±5秒角,最大でも±10秒角以下に収まりました。
PECとガイドの干渉も見受けられないのでPECは常時ONで良いでしょう。
(Pモーションが大きい赤道儀でもガイドすれば撮影に支障ありませんが
雲の通過でガイド星を見失った場合PECが効いていれば大きく暴れません)


Ge140hd_pec_onoff2_2

一度オートガイドを行い学習したPEC情報は以下の操作を行わない限り
保持します。(PECが有効な状態ではLEDが常に赤く点灯します)
1.ドライブをOFFにする前に供給電源が遮断された場合
2.モーターが脱調した場合
3.モーターを接続せずにMTS-3の駆動操作を行った場合

2についてはギヤヘッド付の駆動モーター+ハーモニックドライブではまず
あり得ません。
また3についても電源とモーターが一括ケーブルになっているのでそのような
操作は防げます。
1のみ注意すれば写真の300mmでもノーガイドで撮影できそうです。


なお今年出荷した一部のディスプレイ内蔵MTS-3はPECの事前設定(RAMG)*
がなされておりません。
PECを使用される場合は「PEC」→「RA-Motor*Gear」の確認をお願いします。
* RAMGは以下の駆動系の減速設定で添付の設定表に記載しております。
モーターギヤ比×アイドラーギヤ比×ステッピングモーターのステップ数
また添付した直訳版の取説ではPECの操作はわかり難いようです。
近日中にPECに関する簡易マニュアルを作成しますので少しお時間ください。
英語版のMTS-3マニュアル(PECは20ページに記載)はこちらを参照ください。


写真のGE140HD(写真は評価用の試作機)やP2-GOTO,,90S-GOTOなど
ハーモニックドライブを採用する赤道儀は40台ほどのご予約を頂いております。
2018~2019年前半の販売や改造はこの予約分で手一杯な状況なので
当面の間は新規のご予約は休止させていただきます。
なお納期が短いハーモニックユニットがセットされたステッピングモーターは
H-40やスカイグラフの自動導入改造用として上記とは別に検討しています。


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