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2018年5月

2018年5月30日 (水)

ハーモニックドライブを使った改造受付終了のご連絡

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ハーモニックドライブを使ったP-2及び90S赤道儀の自動導入改造は
2018.6月末をもちましてご予約の受付を終了いたします。
90S改造の予約受付は終了しました。(6/2日追記)

現在の状況ですが当初の予定から半年ほど遅ています。
2017年受注分のP-2は全数完成,90Sは6月末までに完成予定です。

2017年分としてご予約いただいてる90Sについては9月完成予定です。
ご予約の方へは近日中にご注文方法などを案内いたします。


今後の予定ですが,P-2,90Sともに2018年分でご予約の方へ確認の
ご案内をいたします。
新規は2018.6月末までご予約を受付ます。その後の予定はありません。
90Sの新規は早期に受付を終了する場合がございます。(5/31日追記)

その後ハーモニックドライブを調達しますが,現在10ヶ月ほどの納期を
要す事から改造の着手は2019年夏以降となります。
(申し訳ありませんが諸般の事情で2018年下期でご予約の方も同様です)

改造費用はP-2(MTS-3仕様)が216,000円,90S(TITAN仕様)が246,600円
です。いずれも税込みでオーバーホール費用を含みます。
(90Sは次期ロットから270,000円で案内していましたが据え置きとしました)
 

上の写真は手持ちと現在改造中の90Sを並べたところです。
90Sは古い順(写真左から右へ)黒,グリーン系のハンマートーン,灰色
ウグイス色の4色が存在しますが全て揃ったので記念に撮影しました。
一台はベルトカバー未装着状態です。クリックで拡大します。

以前も紹介しましたが下の写真は90Sの赤緯ヘッド面です。
ハーモニックドライブとは16本のボルトで固定していますが強度の観点
から鉄製のボルトを使っています。

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2018年5月28日 (月)

EM-100赤道儀 自動導入改造受付終了のご連絡

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EM-100赤道儀の自動導入改造は用品の在庫が少なくなりましたので6月末
をもちまして予約の受付を終了いたします。今後再開の予定はありません。

既に2018年改造でご予約いただいている方へは今月末を目処に直接ご案内
いたします。新規の方は6月末までにご予約いただけると幸いです。
受注数量にもよりますが実施時期は今年末~2019年春を予定しております。

なお現在の改造費用はここで紹介したとおり139,180円(O/Hは別途18,000円)
ですが今後入荷するMTS-3はCPUなどの変更で100EUR値上げされます。
それに伴い改造費用も13,000円アップする予定です。


EM-100は今年分からP-2GOTOや90S-GOTO同様にベルトカバーが付きます。
これらは3機種共用ですが,次期のP-2と90S分を除くと残り僅かになりました。
(次期のP-2GOTOと90S-GOTO改造については別途ご案内いたしますが
これらも次のロットで終了いたします)


現在改造中のEM-100を並べてみました。
左がベルトカバー未装着状態,中央が完成状態,右が改造前です。
手前はこれから改造を行いますが全て6月上旬には納品予定です。
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紹介する赤道儀の自動導入改造などはサポートの都合などで直販のみです。
販売店への問い合わせはご遠慮ください。

今回EM-100の予約をお受けしますが,他の改造は受注を休止しております。
受注しているのは改造を伴わないNJP用の自動導入モーターなどのみです。

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2018年5月26日 (土)

伝達系の偏心によるPモーション相殺-2ギヤへ戻す

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先日から「伝達系の偏心によるPモーション相殺」にチャレンジしていますが
ベルトはプーリーを5/100mm偏心させても目立った変化はありませんでした。
ある程度予想していましたがベルトはギヤほど偏心に敏感ではないようです。

写真は8mm用のプーリーを8.05mmのリーマーで内径加工している様子です。

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そこで効果が現れにくいベルトは保留にしてギヤで試すことにしました。
最初の写真のようアイドラーギヤをなくして1:1のギヤで伝達にしました。
 

先日紹介したギヤ伝達は国産の高精度ギヤを使っていますがそれでも
アイドラーギヤも含めた偏心の影響が出ています。
ギヤ精度に不安のある赤道儀ではベルトに交換するだけで追尾精度が
改善されるかも知れません。
これは実際にあった例ですが10/100mmほどのギヤの偏心で大きな
Pモーションが発生しておりました。(赤緯側を赤経に使ったため)

月は大きいのですが今日は大変良く晴れているのでテスト日和です。
まずはギヤ伝達でモーションを相殺する事が可能かチャレンジしてみます。

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2018年5月21日 (月)

伝達系の偏心によるPモーション相殺-1ギヤとベルトの比較

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五藤光学6.5cm赤道儀は両軸全周微動なので自動導入改造に適しています。
基本構造や,ウォーム回りの仕様はマークXと同じなので強度や精度は
変わりありませんが極軸望遠鏡は内蔵されていません。
ポールマスターが使える現在では大したデメリットではなくなり,マークXの
ように分離できない構造のために軽くてコンパクトです。
またモーターをスマートにレイアウトできる構造はマークXにない魅力です。
 

この6.5cm赤道儀は同社のマークXやスカイグラフの標準的な値と変わらず
±10秒角強のPモーションがあります。
充分高精度なのですが,P-2や90Sなどと比べるとやや劣るため伝達系での
軽減を試してみる予定です。
Pモーションは極めて滑らかなサインカーブを描くので伝達ギヤの偏心を
逆手にとった手法でモーションを相殺できるかも知れません。

ギヤ伝達の場合,ギヤの偏心は噛み合いが深くなったり浅くなったりする
ために駆動の進み遅れが発生し,その量は私の経験ではギヤの偏心が
5/100mmほどで10秒角ほどと記憶しています。
位相が180度ズレた位置で故意にスパーギヤを偏心させればPモーションを
相殺するという理屈で初代ATLUX赤道儀でも採用されています。

ただ問題は軸間距離やPECの適応性(この件は別途記事にする予定です)
のためベルト伝達を採用していますがギヤ同様の現象が起きるか不明です。
プーリーの偏心でベルトの張りが変化して同じことになるかと想像しますが。
 

 
前置きが長くなりましたが,ベルト伝達でのPモーション相殺テストを行う前に
ギヤとベルト伝達の比較を行いました。
まずは互いにどのような相違があるかを整理しておきたかったからです。

以下のガイドグラフは同一個体のウォーム軸とモーター軸をそれぞれで
伝達した場合で上がベルト,下がギヤです。
(最初の写真は比較のためにベルトとギヤは別の個体となっています)

ギヤ伝達の場合,アイドラーギヤも含めたギヤの偏心で複数の波が重畳
していますが振幅やモーションの傾向に変わりはないようです。
このデーターを元にベルト伝達でもモーションの相殺が可能か試してみます。

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2018年5月18日 (金)

初代ATLUX赤道儀 自動導入改造終了

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AGSシリーズを採用した初代ATLUX赤道儀の自動導入改造は終了しました。
2006.4月の開始から今回までの12年間に65台の改造を行なっています。
2013年9月からはモーター回りのレイアウトを改良した新方式に移行しました。


奇しくも最後の1台は未使用で保管されていた個体となりました。
保管中に駆動部は固着してしまい全く動作しない状態でしたが駆動部の
一式交換により高速(最大400倍速)自動導入機として蘇っています。
以下の写真は細部がわかるよう少し大きいサイズで掲載しました。

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今回,初代ATLUX赤道儀の改造を終了するのはウォームブラケットなどの
改造用品がなくなったためです。

今後のご要望がまとまれば(最低10台)改造用品を作成してTITAN を
用いた改造(以下で説明)を行えますので,ご希望の方はご一報ください。
2018年末までお受けし,最低ロット数量に達する目処が立った場合に
限りますが2019年に一括受注を行う予定です。

ただ,業務縮小のために今後,K-ASTECとして中型赤道儀の改造作業は
行わない予定です。業務提携先の天文ハウストミタで施行予定です。


今回の改造で初代ATLUX赤道儀も多機能なTITAN TCSを用いた改造が
可能なことを確認できています。
TITAN TCSは高速駆動時にモーター供給電圧を30Vまで昇圧するため
500倍速ほどでの高速駆動が可能です。
AGSでは極望の照明回路をAGS本体から供給していますがTITANの
場合は赤道儀側面のパネルに設ける(簡単な作業)ことで解決します。

なおAGS-1Sを採用した改造は148,000円でしたが,TITAN TCS仕様の
場合はコントローラー差額分(54,000円)だけアップする予定です。


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2018年5月13日 (日)

RR-92用Apo Sonnar T*2/135フォーカサー販売

今回のApo Sonnar T*2/135関連商品などの限定商品は直販のみの企画です。
ブログで紹介する限定品に関する販売店へのお問い合わせはご遠慮ください。

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ここで紹介していたRR-92対応のApo Sonnar T*2/135(Nikonマウント)用
フォーカサーが完成しました。
指定のNikon D810Aブラケットを装着したRR-92専用で受注生産品です。

ヘリコイド部に装着したバンドの爪部を微動ユニットに通す必要があるため
レンズの装着には若干の要領が必要です。
(専用の取説は附属しませんが,要領はメールでお伝えいたします)
そのために頻繁にレンズを交換するようなご使用にはお勧めいたしません。

ただApo Sonnar用のフォーカサーが目的ならバンド式よりお勧めです。
プレートを含めたバンド一式の価格とRR-92の価格と大差ないため
星景撮影も行われるのであればRR-92+今回紹介するフォーカサーの方が
良いでしょう。


価格は微動ユニットとヘリコイドバンドのセットで10,800円です。
別途Nikon D810(A)用のRR-92(28,620円)が必要となります。
(最初の写真は細部が解るよう少し大きいサイズでアップしています)
 

数がまとまってから製作するので納期は受注後3~4ヶ月ほど要します。
なお本年5月以前の出荷分はフォーカスユニットを固定するための加工が
必要になります。RR-92本体をお送りいただければ無償で加工いたします。
 

別件ですがご要望が多いApo Sonnar T*2/135用バンドと専用フォーカサー
も最後の頒布をお受けしております。
Nikon D810Aの場合は今回のRR-92用をご推奨しますがその他のカメラや
冷却CCDなどとの組み合わせでは必須でしょう。

こちらは5月末までの受注で納品は8月を予定しております。
詳細は以前のご案内を参照ください。(今回分は仕様の見直しがあります)
【最終型の仕様や外観の紹介】
【価格や注文方法など】


レボルビング装置の記事でちょくちょく登場するジンバルフォーク赤道儀です。
やっとモーター部のカバーなどができあがり,残すはアルマイト処理のみです。
PENTAX75赤道儀を改造したものですが,これで星景から135mmまでの星野
撮影をこなせます。駆動用電池や極望の試写照明装置も内蔵しました。

コンセプトはGF50と変わらず,星景~135mm程度までならジンバルフォーク
赤道儀とレボルビング装置の組み合わせがベストと感じています。

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2018年5月 8日 (火)

D型赤道儀にスラストベアリングを組み込む

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D型赤道儀の極軸は1対のテーパーローラーベアリングで保持されていますが
ウォームホイールとハウジング間のスラスト力は赤いファイバーワッシャーで
受けているために強い与圧をかけられません。
ファイバーワッシャーを挟んでいますが与圧をかけようとすると摩擦が大きくなり
クランプフリー回転が渋くなります。

対策としてワッシャーをスラストベアリングに代えれば与圧をかけられますが
見た感じではそのままでベアリングが組み込めそうです。

D型の上位機種の8cm用にはスラストベアリングが採用されているので両機の
ウォームホイールやハウジングが共通ならD型にもそのままでベアリングが
組み込めそうです。彫り込み部の直径や深さも市販のベアリングに合致するので
試してみたら案の定ほぼ無加工で組み込めました。


上の写真の赤いリングがファイバーワッシャーで手前がスラストベアリングです。
ハウジング側にはスラストベアリングの受け側を装着しています。
改造前はファイバーワッシャーがホイールの上面とハウジング間に
挟まれていましたが改造後はスラストベアリングがこの役目を果たします。


下はウォームホイールにスラストベアリングを装着した状態です。

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なおウォームホイールの経年変化で若干内径を研磨する必要はありました。
下は研磨後のホイールです。

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与圧の目的は単にクランプフリー回転を滑らかにするだけでなく
ここで紹介したとおり剛性が増します。
また与圧がかけられない赤道儀ではクランプとウォームの相対位置で
ウォームの噛み合いが微妙に変化しますがこれも小さくなります。


与圧とは関係ありませんが,この時代のタカハシ製赤道儀はホイールを
押さえる真鍮版(ハウジング内部の板状のもの)とハウジングの隙間を
鉛棒で埋められています。
クランプを締めた際に軸が微妙に回転するのを防ぐためなので分解時は
紛失に注意が必要です。

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2018年5月 5日 (土)

RR-92用のカメラブラケットやプレートについて

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RR-92にカメラを装着するにはカメラボディ専用のL型ブラケットまたは
平なカメラプレートが必要です。

L型か平たい方か,悩むところですが,RR-92で自由に回転できるので
普通に取り付けるだけなら敢えてL型ブラケットの必票はなく写真のような
平たいカメラプレートが便利です。
特にNIKON D810Aの場合はカメラコントロールケーブルを接続する位置
の都合でL型より平らなプレートが使いやすいようです。

ただL型の場合,クランプに固定していない方にガイドカメラを装着できる
メリットがあります。
ガイドやデザリング撮影など行う場合はL型が便利でしょう。


今回紹介するのはNIKON D810A用のMarkins社製カマラプレート
対応するRR-92for P810Uです。
今回のP810U用のリリースでD810A,EOS6DともにL型ブラケットと
カメラプレートを選択できるようになりました。

RR-92対応のL型ブラケット/カメラプレートは以下の5種です。

【NIKON D810A用L型ブラケット】
 kirkphoto社製:BL-D800N
 SUNWAYFOTO社製:PNL-D810R

【NIKON D810A用カメラプレート】
 Markins社製:P810U

【EOS 6D用L型ブラケット】 
 kirkphoto社製:BL-6D

【EOS 6D用カメラプレート】 
 SUNWAYFOTO社製:PC-6DR

以下はMarkins社製P810UとRR-92の接続部です。
シリーズ中では一番スマートです。

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