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2018年8月

2018年8月28日 (火)

MAMIYA APOレンズ用の電動フォーカサーの補足

B1808285

先の記事で紹介したリニアステージを使った電動フォーカサーの主な仕様は
以下のとおりです。(写真は少し拡大します)

・レンズ側マウント:MAMIYA RZ67用(変更不可)
・カメラ側接続:74.1φテーパーリング,内側にM57P0.75めねじ加工
・カメラ側テーパー接続部からのバックフォーカス調整代:約60~85mm
・スケアリング調整機構:リニアステージをXーY軸方向に調整可
・ガイドカメラ:フォーカサー上部に小型カメラを装着可


最初の写真はカメラ側にFLIのCFW1-5,M72延長筒×2,SX-56冷却CCD
カメラを装着した状態です。
74.1φテーパーリング接続部からCCD面までは約77mm(2+21+4+17+17+16)
になっています。

フィルターホイールや冷却CCDカメラは固定でリニアステージに乗ったレンズ
が前後する構造です。
カメラ側が固定なので重たいカメラでもガタや撓みは無視できるレベルです。
なおフィルターは50φですがレンズに近いためKAF16803を搭載したSX-56
でもけられません。
50角のフィルターホイールは巨大なので50φが使えるのは大きなメリットです。


B1808286_2


上の写真は74.1φテーパーリング接続部でカメラ側(フィルターホイール側)と
分離した状態です。CFW1-5にはテーパーリングを装着しています。

写真手前はテーパーリングのM57部にねじ込んだボーグのパーツで
同社製のNIKONマウントを装着しています。


リニアステージ電動フォーカサーに附属するのはフォーカスコントローラーと
74.1φテーパーリングが1個です。
74.1φテーパーリングは必要に応じて追加購入(4,000円)いただけます。
現時点であと2台受注可能です。
8/29日追記:残り1台となりました。


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2018年8月27日 (月)

MAMIYA APOレンズ用のフォーカサーについて

B1808281

先日紹介したMAMIYA APOレンズ用の固定バンドは多くのご注文を
いただきありがとうございます。
一部の方からフォーカサーやマウントも含めた製作依頼がありましたが
残念ながら個人用として手持ち材料で作ったものなのでお受けできません。
ご自作のために改造例を紹介いたしますので参考になさってください。


上の写真はPENTAX645のヘリコイドタイプ接写リングです。
左側が原形,中央が前後のマウントを取り外した状態,右が改造後です。
ヘリコイドは分解加工が難しいので不要なマウントなどを外すただけで
流用できる事がとても重要です。


下は特注のアルミリングを介してMANIYA RZ67とNIKONのマウントを
ヘリコイドの両側につける状態です。
(MAMIYA67側は装着,NiIKON側は取り付ける前)
どちらのアルミリングにもヘリコイドとマウントに合うようザグリ穴やタップ
加工が必要です。(ザグリ穴,タップはM1.7,M2,M2.6,M3)

右のリングはヘリコイドの後段を保持するための物で67マウントとヘリコイド
を繋ぐリングと3本のスペーサーで連結しています。

前の記事でも紹介しましたがこれらのリングは2,000円前後で製作可能です。
D(100以下),V,T(10以下)を指定いただければ1個でもお受けしますので
ご注文ください。ただしバンドを購入いただいた方のみ対象で8/31日までの
期間限定です。MAMIYA67のマウントは接写リングから取り外した物の場合
はマウントへの旋盤加工が必要ですが他はボール盤があれば製作可能。

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加工に自信がない方はリニアステージを使った電動フォーカサーなら
受注製作が可能です。上記のヘリコイド式とは一線を画す性能です。

構造上,フォーカサーが必要とする光路が極めて短いのでフィルター
ホイールを装着した冷却CCDやNIKONなどのカメラが使えます。
(FLI互換のテーパー接続部からのバックフォーカス調整代は60~85mm)

価格はフォーカスコントローラー(NFA-KA)付で88,000円です。
(以前は110,000円でしたが在庫品を流用するので20%OFF,3台限定)
レンズ側はMAMIYA RZ67,カメラ側はFLI互換のテーパーリングでM57の
ネジ加工を施しているのでボーグのパーツでデジタルカメラに対応します。
(上記リンクの下から3番目の仕様)


この場合レンズのバンドは不要です。ヘリコイドを使った改造に電動
フォーカサーを付け加えるなら,こちらの方が安価でしょう。
特に冷却CCDでナローバンド撮影される場合はお勧めです。


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写真は350mmF5.6を装着しておりNIKONのボディでピントが合う状態です。

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胎内星まつり2018に行ってきました

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8/23~26日の4日間(前後2日移動日),胎内星祭り行ってきました。
福岡から会場の胎内までは片道1,250km所要時間15時間の長旅です。

今回も天文ハウストミタさんに便乗させてもらい日食遠征用ハーモニック
ドライブ赤道儀やRR-92+ジンバル式ポータブル赤道儀などを展示しました。
実際に触れていただき強度や使い勝手を体感していただくためです。
(1枚目の写真は拡大します)


いずれの赤道儀も私なりのこだわりを追求したコンセプト機(非売品)ですが
ハーモニックドライブ赤道儀の剛性には皆さん驚かれていました。
また,RR-92+ジンバルフォークは一般的なポータブル赤道儀+自由雲台
での構図合わせやガイドミスに悩まれている初心者方にも評価いただきました。


バックヤードやホテルでは韓国から参加されたHOBYM Obs代表やTAITAN
TCSの開発者との新製品談義も盛り上がりました。


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金曜日は猛暑,土曜日は豪雨と天候には恵まれませんでしたがコンサート
なども催され楽しい2日間でした。

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なんと言っても星まつりの楽しみはこれ!でしょう。
冷やし中で写真にはありませんが常連のお客様からいただいた美味しい
奈良のお酒(大吟醸)で盛り上がりました。

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2018年8月19日 (日)

MAMIYA APOレンズ用の固定バンドについて

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最近MAMIYA RZ(RB)67用のAPOレンズを紹介していますがフォーカサーや
バンドに対するご質問がありました。
先日お譲りした500mmF6用として新規に製作しますのでご希望の方はご一報
ください。

MAMIYA APOレンズ用89φ鏡筒バンド2個セット:14,100円(送料,税込み)
上下分割式,色は黒で平面部はアルカスイスプレートに対応します。
製作の都合上,受付は8月31日で締め切らせていただきます。
写真は手持ちの210,250,350,500mmを並べていますが全てに対応します。

B1808191
 

このフォーカサーはPENTAX645のヘリコイド接写リングとMAMIYAや
NIKONの接写リングを流用したものでNIKONマウントです。
余ったパーツで眼視用のアダプターも製作しました。
全て中古品で,以下のアルミリングも含めた材料費は15,000円ほどです。

ヘリコイドの後段側も保持しているのでヘリコイドの撓みは発生しません。
3種類のアルミリング(D,V,T指定アルマイト処理付,一個2,000円程度)は
外注していますが穴明け工具やM1.4や1.7のタップがあれば工作自体は
さほど難しくありません。(少し大きな写真なのでクリックで拡大します)
 
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私感もありますがこのレンズの特長は以下のとおりです。
・光学性能が高い(私が過去にテストしたカメラレンズの中ではトップクラス)
・鏡筒バンドで固定できる(全て89φが適合)
・バックフォーカスが長い(=スケアリング調整が容易)
・67用なので余裕で36mmスクエアの冷却CCDに対応する
・中古価格が下落している(250mmは2万円前後)
・個体差が殆どない(インナーフォーカス機構が無いから?)

以下はMAMIYA APOレンズ(RB用ですがRZ用も光学性能は同じ)の資料です。
色収差まで公開しており天体望遠鏡みたいですね。
350と500mmの軸上色収差は0.1mm以下なので高性能な天体望遠鏡並です。
ちなみに当時の価格は一番安い210mmが26万円,500mmは49万円と高価でした

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2018年8月18日 (土)

FL55SSフルサイズでの試写

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昨夜はカメラの設定を間違ってしまいDXフォーマットで撮影したので
フルサイズ(FXフォーマット)で取り直しました。
バックフォーカスもメーカー推奨値(Fb=63.5)に合わせています。

比較のためにほぼ同スペックのMAMIYA250mmF4.5も(NIKONマウントに
改造)も掲載しました。
FL55SSの周辺減光は67用のMAMIYA250mmF4.5より小さくフルサイズでも
ほとんど目立ちません。

周辺星像はMAMIYA250mmF4.5が勝っていますが若干赤ハロが出ています。


ほぼ同じ写野ですが,MAMIYAの方は保持方法の都合で回転しています。
またステライメージは「周辺減光」ではなく「かぶり」を選択していました。

【FL55SS+フラットナーHD forFL55SS+HD5.5 237mmF4.3】

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Fl55ss


【MAMIYA APO-SEKOR F250mm 1:4.5】

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Z250f45


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FL55SSの試写とGE1414の追尾テスト

B180818


バンドやフォーカサー開発のために導入したFL55SSの試写を行いました。
昨日から抜けるような青空が広がっており今朝も清々しい天気です。
(写真のFL55SS用のバンドはTB-80/65ASでDP38-190に装着しています) 


以下は周辺減光と星像の様子です。
周辺減光が少なく個人的にはフラット補正は必要ないと感じました。
なお他社製のカメラアダプターを使用しているのでバックフォーカスは
合っていません。四隅の星像はその影響を受けているのかもしれません。
以下のカメラレンズでの撮影後,DXフォーマットのままだったので
再度バックフォーカスも合わせてた上、フルサイズで撮影します。追記


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Dsc_2244_qc_2


FL55SSの試写の前にGE1414HDの追尾テストも行いました。
内蔵の極望でセッティング後,ガイドせずに連続して撮影した4コマです。
露出は各3分で,レンズはSIGMA50-100mm1.8の100mm端で撮影しています。
明るい星はデネブで,上下が赤径方向です。

Pモーションが±25秒ほどあるのでpixel等倍では流れがわかりますが
50%程度ならほとんどわかりません。
ここでも照会しましたが,完全な追尾を求めるなら50mm程度まででしょうね。
極望を内蔵しているので広角レンズでの星景写真用としても使えます。

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ちょっと一息 |

2018年8月16日 (木)

訳ありXY50とAZ-GTi 赤道儀化キット

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今回のAZ-GTi 赤道儀化キットなどの限定商品は直販のみの企画です。
これら限定品に関する販売店へのお問い合わせはご遠慮ください

胎内星祭りで展示販売する「訳あり品」を準備していますが,その中には
異機種や傷のある部品*で組み立てたXY50シリーズが含まれます。
X50-0,XY50-15,XY50-35,XY50-55,トータルで30台ほどです。

その中でXY50-55は最近発売されたAZ-GTi経緯台を赤道儀モードで
使う際に便利です。
バランスウエイトやシャフトをセットにしたAZ-GTi赤道儀化キットとして
準備しています。

AZ-GTiは両軸に72φ(144T?)のウォームホイールを採用しているので
写真のような広角レンズなら満足行く追尾ができるでしょう。


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AZ-GTi専用のXY50-55はUNC3/8ボルトでの固定に加え回り止めネジも
追加しています。
(いずれも後加工,ボルトは附属しますが7/32のレンチは附属しません)


訳ありのXY50の価格は税込み8,100円(通常商品の半額です)
AZ-GTiの赤道儀化キットは税込み16,200円です。
キット内容はAZ-GTi専用に追加加工したXY50-55,1kgステンレスウエイト
12φシャフト長さは300mm(写真は200mmです)の3点
高度仕様にもよりますが,最大で10台程度の限定商品です

AZ-GTi赤道儀化キットは残り3台となりましたので申し訳ありませんが
胎内星祭での展示販売は取りやめます。8/17日追記

AZ-GTi赤道儀化キットは完売しました。8/17日追記


送料(実費)は必要ですが通信販売(国内の直販のみ)もお受けいたします。
ただその際は出荷が8/27以降となる事をご了承ください。
通信販売の状況によっては星祭りでの販売は行わない場合もあります。


「訳あり」の説明
・本来のXY50は特殊な三脚固定機能を内蔵していますが訳あり品は
 XY50D用を使っているのでこの機能はありません。
 XY50本体を回転させて三脚に固定します。ネジはUNC3/8です。

・赤道儀固定ネジはレンチで締めるカメラネジでローレットネジではありません。

・XY50D用のパーツを使っているので一部に不要な穴が露出します。

・一部のパーツ(特に高度調整部)に傷があります。

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2018年8月13日 (月)

GE1414HD光軸調整アングルと極軸望遠鏡

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ツイン鏡筒の場合,基本的には並列同荷を推奨しておりますが今日紹介
するのはL型の光軸調整アングルを利用したツイン搭載です。
赤緯軸は半回転に制限されますが日食撮影では問題となりません。
L型構造なので2本のボルトを調整すればX-Y方向に振れます。(要工具)

なおこの光軸調整アングルの取付部にはガイドカメラも搭載でき,その際は
赤緯軸の回転制限はありません。
(光軸調整アングルに対応する鏡筒取付プレートは標準附属でM8-35及び
PENTAX75の鏡筒バンドに対応します。
側面につける光軸調整アングルやガイド鏡取付プレートはオプションです)

写真(試作品)では光軸調整アングル側にFOA-60+D810Aを搭載していま
すが強度的な不安は感じません。

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次は極軸望遠鏡についてですがこの1年間試作を繰り返し最終結論に
達しました。最後まで苦労しましたが事実上の内蔵を実現しています。

この極望はI-Optlonの極望とCanonのアングルファインダーBを組み合わ
せており正立像です。
試作段階では天頂プリズムを利用する計画でしたが鏡像になるために
スケール上で北極星を導入する位置が混乱します。
最終的には真上から覗く方法にしていますが側面から見る場合はさらに
混乱します。
正立の場合はスマホのアプリなどを利用した北極星の時角を12時間補正
するだけで使えます。

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高度方位調整装置は極望を内蔵したために腰が高くなっていますが
最初の例のような7.5cm+6cmツイン鏡筒でも十分な強度です。

極望と連動して高度方位調整装置も試作を繰り返した末,最終的には
基本的な形に落ち着きました。
重心が三脚台座の真上にくるので安定性が高い(三脚の固定クランプ
を緩めても回転するだけで脱落の危険性は低い)事や高度調整の支持
位置に偏荷重がかからず微動ノブの小型化が図れるためです。
これで微動ノブと極望の干渉を防げます。
(高度調整範囲は10~75度,40度以上では南側の微動ノブを取り外します)


以下は対物レンズ側です。
正立プリズムの仕様上,有効経は13mmになりますが北半球での使用なら
問題ありません。南半球ではポールマスターを併用します。
試作機にはありませんが本体から暗視野照明装置の電源が供給されます。

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2018年8月11日 (土)

PENTAX75SDHFとMAMIYA67 APO500mmF6

B1808111

このところ碍子の反射光を使って色々な望遠鏡やカメラレズの比較しており
今日はPENTAX75SDHF(500mmF6.7)とMAMIYA APO500mmF6を見比べました。

 
スマホて撮ったPENTAX75SDHFの焦点外像ですが色収差が目立ちます。
一方,MAMIYA67 APO500mmF6の色は皆無と言って良いでしょう。

B1808112

実はMAMIYA67 APO500mmF6(バックフォーカスを揃えるために全てRZ用)
は3本所有しています。

3本並べてHa,S2,O3を同時撮影しても良いかな?と思っていましたが
今の状況では作っても撮影する事は無さそうです。
1本残して他の2本は手放す予定なので興味のある方はご連絡ください。
中央(美品レベル)が70,000円,右(ほぼ未使用レベル)が100,000円です。
8/15日以降はオークションに切り変えます。(こちらの方が安価でしょう)
90mmのバンドが必要となりますが直接購入の場合のみ無償で製作します。

MAMIYA67 APO500mmF6はピント合わせ機構がないので(これが安定した
性能の要因と推測)PENTAX645のヘリコイドを流用しNIKONマウントに
改造しています。
バックフォーカスが100mm以上あるので色々なアイデアが活かせます。

追記しますがこのレンズには合焦機能はありません。一番左の例の
ようなフォーカサーをご自身で取り付ける必要がございます。
2本とも終了しました。

 

色収差は極めて小さくPENTAX75SDHFの比ではありません。
星像は僅かに歪みPENTAX75SD-HFにはかないませんがプロミナー
500mmF5.6より優れています。
67用なので35mmフルサイズで使った場合周辺減光が目立ちません。
(前玉の直径は10cmほどありますが,シャッター部で絞られており
F6になっています。35mmで使った場合口径食は感じられません)
個人的な感想ですが星像に限っては天体望遠鏡に及びませんが
カメラレンズとしては最高レベルと思っています。
過去にPENTAX67の300mmや400mmEDも試していますがMAMIYAには
遠く及びませんでした。

B1808113


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2018年8月 8日 (水)

GE1414HDツイン鏡筒とケーブル接続方向

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引き続きGE1414HDをご予約いただいている方を対象とした記事となりますが
今回はツイン鏡筒とケーブル接続パネルについて紹介します。
 

日食の撮影では複数の鏡筒を赤道儀に搭載することが多くなりますが
多くの場合,バランスウエイト側にサブ鏡筒を搭載します。
昨年の北米日食ではPENTAX75赤道儀を用いこのスタイルで撮影しました。
これでバランスウエイトが不要になり機材の軽量可が図れました。

PENTAX75赤道儀は赤緯軸が貫通しているため両方の鏡筒は連動します。
両側のバランス対策さえとればさほど不便は感じませんでした。
 

ただ,できる事なら2本を並列に並べた方が操作性は格段に良くなります。
バランスを気にしなくて良いハーモニックドライブ赤道儀では写真のように
並列同荷を推奨します。互いの光軸合わせも容易です。

写真のFS-60CBとFL55SS(いずれもD810A装着)は別の目的でセットした
もので2本で約6.5kgほどになります。
三脚も含めた強度や電源が喪失した際の安全性(鏡筒の重みで回転しない)
などを考慮するとこの程度の荷重が運用上の上限でしょう。
(採用しているハーモニックドライブ(CSF-14-100-2UH-LW)の許容トルクと
モーメント荷重は4kgfm程度なのでハーモニックドライブ自体は20kg程度の
荷重でも耐えます)

私は次の日食では北米日食同様にFOA-60と300mmのカメラレンズを
搭載する予定です。
赤緯回転は連動しませんが,底の蓋部にもパノラマヘッド経由で機材を
搭載できます。バランス対策として予備の機材を搭載するのも良いでしょう。


次はケーブルを接続するパネル面の方向についてです。
通常の星野撮影では東の空を向けるケースが多いと思いますがその場合
赤道儀の西側にコネクターを設置するとケーブルは下側に垂れます。
高度調整ネジなどとの干渉は起きない設計ですが,接続の容易さなら上面
(東側)が便利です。

東西どの方向で起きるかわからない日食観測では関係ありませんが星野
撮影時の夜露なども考慮するとやはりケーブルが垂れる方が良いでしょうね。
ちなみにタカハシのEM-11や200もこの方向です。


B1808074

お問い合わせいただいておりますがこの赤道儀は希望者を募って限定
生産するものです。(昨年9月末で締め切っております)
現時点は再生産の予定はありませんが,予約のキャンセルや予備で
製作しているハウジングなどに余剰がでた場合のみご提供が可能です。
予備の部品で再製作が可能な場合でも,ハーモニックドライブの納期の
都合で2019年夏以降となり,7月の南米日食には間に合いません。

写真は最終試作品です。
製品ではパノラマヘッド対応の底蓋やポールマスター取付部がつきます。
また高度調整部は写真のXY-140の強化型になります。

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2018年8月 7日 (火)

ハーモニックドライブ赤道儀で観望

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何日か雲の多い天気が続きましたが2日ほど前から透明度の高い空が
戻ってきました。
昨夜はハーモニックドライブ赤道儀で火星や土星を見ましたがシーイング
もそこそこ良かったみたいです。
(極望やパノラマヘッドの仕様が定まらないために底部の蓋は未装着です)


バランス調整が不要なハーモニックドライブ赤道儀は,鏡筒を筒先側に
シフトできるため接眼部の位置を高くできます。
特に短い三脚+長焦点屈折では天頂付近が見やすくなり便利です。
写真の例では一式で7kgほどなので気軽な観望にも使っていただけるでしょう。

また両軸ともバックラッシュがないので操作時のレスポンスが心地よいです。
この感覚や強度は実際に体感しないとわからないと思います。
胎内星祭りで展示予定ですので興味のある方は実機に触れてみてください。

 

一通り観望したあと,いつものガイドテストを行いました。
PENTAX75SD-HFの鏡筒バンドにつけたガイド鏡を用い前半はガイドなし
後半はガイドを行っています。
ガイドなしで±20秒程度なので広角~50mmまで,ガイドありで±2~3秒
なので500mmクラスでの撮影は完璧でしょう。

Ge1414hd
 

これは自宅屋上で撮った一昨日の空で,火星,土星,木星が写っています。
D810A(DXフォーマット),TAMRON10-24mm→10mm,ISO1600,F4.5,露出5秒

B1808072

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2018年8月 5日 (日)

日食遠征用赤道儀の納期について

B1808051

昨年9月にご予約いただいておりました日食遠征用赤道儀(GE1414HD)は
採用するハーモニックドライブが入荷しました。
今回入荷したのは半数で残りの半数も10月の入荷が確定しております。

ご予約の方へは近日中にご注文の案内を差し上げます。
ハーモニックドライブが分納されるため,最初のロットが10月,次のロットが
12月の完成予定です。

なおハウジングの構造や品質(パネルの組み合わせから一体削り出し構造)
の変更や高度方位調整装置の見直しなどにより価格を見直しております。

案内価格(税別)は275,000円でしたが295,000円に変更させていただきます。
申し訳ありませんがご理解いただけると幸いです。
極軸望遠鏡は高度方位調整装置組込タイプとなり価格は20,000円です。
 

 
GE1414HD開発のコンセプトは8cmクラスでの日食遠征撮影用なので
参考としたのはPENTAX75SD-HFを搭載したMS-3Nです。
さすがにGE1414HDの4.2kg(PTP-C22三脚込)に対してMS-3Nは11.8kg
(アルミ脚込)なのでMS-3Nの強度には少し及びません。
もちろんですが,PENTAX75SD-HFクラスや5~6cmクランスのツインを
搭載して日食を撮影するには十分な強度です。


GE1414HD+PTP-C22三脚+PENTAX75SD-HFの重さは6.4kgになります。
カメラなどの観測機材一式でも10kgを超える事は無いでしょう。
以下のような小型のモバイルバッテリーでも5時間以上駆動できるのも
メリットです。

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2018年8月 4日 (土)

FL55SSとFS-60CBの色収差比較

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碍子に反射する太陽光を使いFL55SSとFS-60CBの色収差を比較しました。
結果は先の記事で触れたようにFL55SSの色収差補正は良好ですが
FS-60CBは色にじみが目立ちました。
ピント位置の内側で碍子の周りに赤の,外側で緑のにじみが見受けられます。

ただ今回の比較は,直焦点での眼視比較なのでフラットナーやレデューサーを
併用した撮影時は異なるのかも知れません。
ちなみにFS-60CBは高性能フラットナーが発売されました。
両者の選択がさらに難しくなったようですね。


今回比較して気になったのはFL55SSはピント合わせ時に視野が動きます。
FS-60CBは気づかないレベルなので,FL55SSの接眼部もFS-60CB並の
クオリティが欲しいです。特に写真撮影では重要でしょう。

FL55SSの光学性能は5~6cm鏡筒の中ではトップクラスと思います。
ただライバルのFS-60CBより30,000円※以上も高価なので価格に見合う
高級感も求められると感じました。

同社のVSD100の開発はPENTAXの技術が投入されたと聞きますが
FL55SSにもPENTAX75SD-HFの接眼部が採用れれば完璧でしょうね。

B1808041

※いずれも鏡筒単体の税込み価格(専門店の販売価格)で比較。
FS-60CBは6×30ファインダー付,FL55SSはスライドバーM付

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2018年8月 3日 (金)

6cmクラス鏡筒の見比べ

B1808031


福岡も35℃越えの猛暑日が続いていますが夜になると透明度が良くなり
自宅からも夏の銀河がうっすらと見えます。
接近中の火星や土星などを見ていますがシーイングは良くないようです。
 

FC100DLで惑星を一通り見た後に,最近入手したビクセンのFL55SSと
タカハシのFOA-60やFS60CBの見比べを行いました。

焦点距離300mmのFL55SSはOr6mmを,900mmのFOA-60(1.7EX併用)
にはOr18mmをつけているのでいずれも倍率は50倍です。

B1808032

星で見比べる前に碍子に写る太陽反射光で色収差を見比べましたが
FL55SSの色は僅かで,全く感じないFOA-60との差は小さいようです。

手放したので比較できませんがFC-60は明瞭な色収差を感じていたので
FC-60より優れているでしょう。
今回,FS-60CBは昼間比較は行っていませんがFC-60より劣っていたと
記憶しています。(後日FL55SSとFS-60CBの直接対決?を行う予定です)
 

肝心な恒星や惑星(主に土星)の比較ではFOA-60>FL55SS≒FS-60CB
と言った感じです。
同一倍率(50倍)ではFOA-60とFL55SSの差はあまり感じませんが
F15のFOA-60はOr6mmやSw4mm(TMB製)で150倍以上の倍率を掛けても
破綻せずさすがに良く見えます。

ほぼ同じ口径ですがF15とF5クラスの眼視性能を比較するのはナンセンス
かと思いますがFL55SSの眼視性能は予想以上のものでした。
軽量なのでフラットナーを装着(312mm)すれば日食用としても魅力的です。


また昨夜はFL555SSとNikonの古い300F2.8など望遠レンズの眼視比較も
行いました。
ちなみに写真の328はVR(手ぶれ補正)が入っていませんがレンズ構成は
現行と同じです。VR有無の差かMTFチャートは歴代328でトップです。

カメラレンズと望遠鏡の眼視性能を比べる事もナンセンスですが
F2.8ではFL55SSの圧勝,F4まで絞ってもFL55SSには遠く及びません。
写真性能は328をF4まで絞ればFL55SSと大差ないと思います。
F4で良ければ軽量な55FL(レデューサー併用)の方に魅力を感じますが
如何でしょう。


B1808033


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