GE1414HDツイン鏡筒とケーブル接続方向
引き続きGE1414HDをご予約いただいている方を対象とした記事となりますが
今回はツイン鏡筒とケーブル接続パネルについて紹介します。
日食の撮影では複数の鏡筒を赤道儀に搭載することが多くなりますが
多くの場合,バランスウエイト側にサブ鏡筒を搭載します。
昨年の北米日食ではPENTAX75赤道儀を用いこのスタイルで撮影しました。
これでバランスウエイトが不要になり機材の軽量可が図れました。
PENTAX75赤道儀は赤緯軸が貫通しているため両方の鏡筒は連動します。
両側のバランス対策さえとればさほど不便は感じませんでした。
ただ,できる事なら2本を並列に並べた方が操作性は格段に良くなります。
バランスを気にしなくて良いハーモニックドライブ赤道儀では写真のように
並列同荷を推奨します。互いの光軸合わせも容易です。
写真のFS-60CBとFL55SS(いずれもD810A装着)は別の目的でセットした
もので2本で約6.5kgほどになります。
三脚も含めた強度や電源が喪失した際の安全性(鏡筒の重みで回転しない)
などを考慮するとこの程度の荷重が運用上の上限でしょう。
(採用しているハーモニックドライブ(CSF-14-100-2UH-LW)の許容トルクと
モーメント荷重は4kgfm程度なのでハーモニックドライブ自体は20kg程度の
荷重でも耐えます)
私は次の日食では北米日食同様にFOA-60と300mmのカメラレンズを
搭載する予定です。
赤緯回転は連動しませんが,底の蓋部にもパノラマヘッド経由で機材を
搭載できます。バランス対策として予備の機材を搭載するのも良いでしょう。
次はケーブルを接続するパネル面の方向についてです。
通常の星野撮影では東の空を向けるケースが多いと思いますがその場合
赤道儀の西側にコネクターを設置するとケーブルは下側に垂れます。
高度調整ネジなどとの干渉は起きない設計ですが,接続の容易さなら上面
(東側)が便利です。
東西どの方向で起きるかわからない日食観測では関係ありませんが星野
撮影時の夜露なども考慮するとやはりケーブルが垂れる方が良いでしょうね。
ちなみにタカハシのEM-11や200もこの方向です。
お問い合わせいただいておりますがこの赤道儀は希望者を募って限定
生産するものです。(昨年9月末で締め切っております)
現時点は再生産の予定はありませんが,予約のキャンセルや予備で
製作しているハウジングなどに余剰がでた場合のみご提供が可能です。
予備の部品で再製作が可能な場合でも,ハーモニックドライブの納期の
都合で2019年夏以降となり,7月の南米日食には間に合いません。
写真は最終試作品です。
製品ではパノラマヘッド対応の底蓋やポールマスター取付部がつきます。
また高度調整部は写真のXY-140の強化型になります。
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