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2019年2月

2019年2月21日 (木)

フォーク式のポータブル赤道儀

B190221


4月の西オーストラリア遠征用として片持ちフォーク式のポータブル赤道儀
(自動導入仕様)を作っています。
基本構成は機材テスト用として屋上に設置しているものと同じで極軸側が
回転ステージの流用,赤緯側がハーモニックドライブモーターです。
重さは約5kgなのでポータブル赤道儀としては限界に近い重さでしょう。

この赤道儀は写真の200mmF2~300mmF2.8クラスを搭載するものです。
この程度のレンズならどこに向けても干渉せず,南天の極付近の長時間
撮影にとしても便利です。
 

フォーク式の場合,極軸に大きなモーメント荷重がかかります。
カメラとレンズの重さが5kg程度なので,極軸側にかかるモーメント荷重は
フォークの重さなどを加えると2kgfm(30cmの位置に7kg)ほどになります。
写真の回転ステージでは少し荷が重いため,本意ではありませんが
ウォーム軸とホイールのかみ合いを少し緩く調整して対処しています。

一方,赤緯側はハーモニック減速機付きの2相ステッピングモーター
(PKP262FD15AW-H100S,許容モーメント荷重約10Nm(1kgfm))を
使っています。
このモーターの軸受けは4接点ボールベアリングなので同サイズの
クロスローラーベアリングを使ったハーモニックドライブに比べると
1/3~1/7ほどの強度しかありませんが,赤緯側に掛かるモーメント
荷重は0.75kgfm(15cmの位置に5kg)なので何とか許容値内です。

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2019年2月17日 (日)

RED CAT51用オプションの開発について

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RED CAT51はまもなく入荷予定ですが,それに合わせて専用オプションの
開発を行っています。
直ぐにでも必要なのがガイド鏡取付けと思いますが,これまでに開発した
QHY5LⅡMやM-GENのガイドシステムがそのまま使えるようにします。
このほかに冷却CCDカメラ用として電動フォーカサーも限定生産予定です。
またこの鏡筒でのツイン撮影用としてAP60-19060を二回りほど小さくした
AP50-11050も開発しています。

(写真は手持ちのアルカスイスプレート経由で仮に付けただけです。
色を合わせるためだけにQHY5LⅡL以外のガイドカメラになっていますが
製品はすり割りクランプサイズの都合上,QHY5LⅡM専用になる予定です)


RED CAT51については天文リフレクションで紹介されていますが海外でも
大変な人気のようでAstrobinでも作例が紹介されています。
下の写真をクリックすると最大解像度でご覧いただけます。
B1902172

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2019年2月16日 (土)

GE1414HD赤道儀用 極軸望遠鏡の補足説明

B190216


この記事で紹介したGE1414HD用極軸望遠鏡(ポールマスターアダプター
装着タイプ)の補足です。

この極軸望遠鏡は,写真のようにコントローラーなどを接続するパネル面を
真下に向けた状態で極軸望遠鏡の接眼部が真上を向くように装着してください。
そうするとアングルタイプなので大変覗きやすくなります。
赤道儀本体と組み合わせて出荷しておりますがこの位置を基準として調整
しています。


この状態で南側から極軸望遠鏡を覗くとスケールパターンは以下の状態で
風景は正立に見えます。(以下の例は倒立像)

B15_07_172_2

Polar Scope Alignで求めた北極星の位置は倒立の場合なので6時間加えた
位置に導入します。以下の例の場合,6時50分の位置になります。

B15_07_175

GE1414HDは2軸ガイド撮影が基本なので,この極軸望遠鏡で合わせる
程度で十分ですが,ポールマスターで合わせる機会があればその際に
一度校正される事をお勧めします。
ポールマスターと入れ替え,その時点の北極星の位置とずれていれば
極軸望遠鏡のレチクルを調整すれば完璧でしょう。

GE1414HDは全台この極望で据え付けて追尾テストを行っていますが
赤緯方向のズレは以下の程度です。

1410098184651


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2019年2月 9日 (土)

製品仕様のRED CAT51入荷+強化マウント

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製品仕様のWiiliam Optics RED CAT51 F4.9が入荷しました。
今回分は販売店展示用で,ご注文(予約)分は今月末入荷予定です。


なお,試写時に気になったカメラマウントの強度ですが,今回銅合金製の
強化版が発売されました。
NIKON,CANONともに純正レンズを装着するのと変わらない固定感です。
この強化マウントの単体販売価格は9,180円(税込)です。

強化マウントはM48ネジ込み仕様のため一般的なM48接続の鏡筒でも
使えますが一体構造なのでマウント部での回転はできません。
(RED CAT51は接眼部に回転装置があるので問題ありません)
 
B1902094

試作品のRED CAT51試写時は手持ちの安価なマウントだったので強度が
不足していました。
すぐにでも製品仕様の RED CAT51と強化マウントで試写したいのですが
天候に恵まれません。

 

これからはGE1414をご購入のお客様への連絡事項となりますが
標準状態のままのGE1414にRED CAT51をツインで搭載した状態です。
ボディはD810AとEOS6Dですが写真の横位置でも干渉しないので
このクラスの鏡筒の場合は標準仕様のままで実用になります。

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RED CAT51のアリガタはDP38-110に交換していますがベストマッチです。

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2019年2月 7日 (木)

Mark-X赤道儀関連アイテムの生産終了について

B190207


MTS-3を使た自動導入モータードライブなど,全てのMark-X赤道儀用
アイテムは生産を終了しました。
なお,MTS-3を使った自動導入モータードライブ及び,AMD-2Nのみ
極少量の受注が可能です。(業務多忙につき受注は10月以降です)
 
 

ご購入いただきました

Mark-X赤道儀関連アイテムの開発終了につき,写真の赤道儀を
お譲りいたします。
お譲りするのはMTS-3自動導入仕様の赤道儀本体,バランスウエイト
純正木製三脚で,写真の鏡筒と鏡筒バンドは含みません。
写真以外にDS65MXとDP65-288(いずれも新品)が付属します。
赤道儀は程度の良い中古品,MTS-3 は展示品,モーターは新品です。
極望のレチクルは南北両用の最終パターンです。
以上一式での価格は200,000円(税,送料込)です。


実はこのMark-Xはこれまで所有した中でも最も高精度な個体です。
以下は参考程度ですが,一番上のグラフが今回お譲りするMark-Xの
データで,下の2つは他の個体です。
Y軸の1目盛りは約10秒角なのでP-2や90S並みの精度です。
(ガイド鏡の焦点距離は同じですが,その他の件は変わっています。
厳密な比較ではありませんので参考程度です。
お譲りする個体の精度を保証するものではありません)

Mx_n_75mm


Mx1_1


Mx2


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2019年2月 6日 (水)

IDAS NB1フィルター

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2/1に発売されたばかりのIDAS NB1フィルターを入手しました。
ほかにも同様のものがありますが,決め手は52mmサイズもあったことと
ナローバンド強調の効果が他より緩やかと思えたからです。

PENTAXの鏡筒ではドローチューブに58φフィルターネジがあるので
58→52ステップダウンリングで装着できます。
ここは焦点位置から12cm前方なので52mmあればフルサイズオーバー
でも使えないかと思っています。

以下は48mmと52mmの比較です。数字以上の差を感じますよね。
(有効径は46mm弱と48mm弱なので2mmしか差はありません)

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2019年2月 3日 (日)

ATIK製冷却CCDカメラとQHYCCD製品の接続

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ATIK-16200をご購入いいただいたお客様からの依頼でATIK-16200に
QHY CCDのフィルターホイールとOAGを接続しました。

必要光路長が短い機器を選択した上で,特殊なアダプターを作ったので
ε-130DのM54接続部からの光路長56.5mmを満足しています。

以下は備忘録を兼ねた光路長のメモです。
・タカハシワイドリング:1.5mm
・ワイドリング-OAG接続リング:6.0mm
・OAGユニニット:10.0mm
・フィルターホイール:17.0mm
・フィルターホイール-CCDカメラM54用接続アダプター:1.0mm
・ATIK-16200フランジバック:19.5mm
以上合計:55mm

1.5mm+α(フィルターの厚みによる影響)短いですが途中に調整リング
を入れて調整します。

 
今回のように冷却CCDカメラは接続形状やバックフォーカスなどの都合で
買ったままでは使えない場合があります。
冷却CCDカメラなどをご購入の際は,ショップで今回のような作業を請けて
もらえるか確認されたがいいでしょう。
(当方では今後,接続アダプターの製作や作業はお請いたしません)


記録のために側面,裏面の写真を追加しました。

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2019年2月 2日 (土)

GE1414HD赤道儀 出荷前のご確認事項-2

B1902021_2

先日に引き続き日食遠征用GE1414HD赤道儀の出荷前連絡事項です。

日食撮影時は複数の鏡筒を同架しますが一般的には写真のようなツイン
鏡筒に加え,ウエイト側に動画撮影用カメラを搭載されると思います。
極めて剛性の高いGE1414HDならスチルカメラとビデオカメラの混載も
可能です。


2本の鏡筒は光軸を合わせる必要があるのでここで紹介したAP60-19060
同様の光軸調整プレート(AP50-11050?)をオプションとして準備しています。
 

ただ機材重量が増すために,写真の例のように6~7.5cm鏡筒と
300mm程度のカメラレンズなら標準仕様で搭載できるよう変更しました。
裏面からの固定できないだけで基本的な構造はAP60-19060と同じです。

今回は全てこの仕様で出荷させていただきますのでご自身の機材に
マッチしない場合はオプションをご注文ください。
この部分の仕様が決まらずお待たせしてしまいましたので両側のDS38も
お付けします。写真のPENTAX75SDHF程度ならDS38で十分です。

なおPENTAX75SDHF側のDS38は赤緯軸中心にも固定できます。
側面のDS38を利用したガイド撮影用としても便利です。

ご連絡だけなので,この件に対する返信は必要ありません。

B1902022


仕様が変わったので窮屈になりましたがソフトケースで出荷いたします。

B1902023


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