PENTAX105SDHFで撮影したηカリーナ星雲と電磁誘導トラブル
今回のワディでは眼視観望も行うためPENTAX105SDHFを持ち込みました。スケジュールや夜露のために結果的にあまり観望は行えなかったのですが3晩ほど撮影に使っています。
この写真は南天でもっとも華やかなηカリーナ星雲で3分露出のJPEG1枚画像です。中心部が極端に明るいので多段階露光で撮影していますので後日,画像処理に挑戦してみたいと思っています。
撮影データ:PENTAX105SDHF 700mm(F6.7)直焦点,D810A,ISO3200,3分露出1枚画像を1/4にリサイズ,デジタル現像+レベル補正処理,2軸電動に改造した90S赤道儀,75mmCマウントレンズ+QYH5L2Mでガイド
実は,この撮影を行った日はなぜかガイドができないトラブルに見舞われました。常用しているPHD1ではキャプチャーするがキャリブレーションに移行せず,最新のPHD2ではキャリブレーションが異常に長い(半分フリーズしたような動作でキャリブレーションステップを20,000にしても30分ほど要す)一つ前のバージョンのPHD2ではガイドまで移行するが途中でカメラが遮断される。
前日まで順調な上,過去に経験したことのない症状ばかりだったので完全にお手上げ状態でした。ガイドカメラやケーブルの不良も考えましたが,決め手は゛前日と何が変わったか?゛でした。
下の写真にも写っていますが鏡筒には結露防止のためにAC240Vのコードヒーターを巻き付けています。前日は鏡筒のみの加熱でしたが,当日は結露が酷かったので鏡筒に加えヒーターの一部をガイドカメラに巻き付けたことです。これしか無いと思いヒーターを外してみると見事に解決しました。直接AC電源で加熱したので電磁誘導*でカメラが誤動作したのでしょう。ここまでに4時間も費やしてしまいましたので防備もかねて記事に残しました。
*一般的なテープ状の凍結防止ヒーターはヒーター線が2本並行しているのでAC電源でも電磁誘導は起きませんが,使ったヒーターは紐状なので磁性体に巻けば強い電磁誘導が発生します。これによって発生した誘導電流がガイドカメラ内部の電子回路に悪影響したものと推測します。
この写真は天文リフレクションの編集長に撮影してもらったものです。前日の状態で鏡筒のみに巻いた紐状のヒーター線が写っています。翌日,余った部分をガイドカメラに巻いて失敗しました。(軽量化のためにトッププレートは使わず鏡筒バンドにガイドカメラを搭載しています)
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