南天専用の赤道儀を作る
先日紹介したように西オーストラリアには複数の赤道儀を預けており,南天が初めての方や持ち込まれた機材のトラブル時などに貸し出しています。その内の2台は自動導入仕様ですが自動導入機が人気なので次の機会にもう一台追加する予定です。
せっかくなので初心者でも簡単に極軸合わせができるように,PENTAX製の7×35正立ファインダーを極望として内蔵したEM-2(自動導入改造)を作りました。
私は以前から南天では極望の指標は使わず,以下の方法でセッティングしています。指標のない極望でも使えることや,指標があっても極軸を回転しながら星の位置と合わせるのは意外と難しいからです。この方法でP-2や90Sの高倍率(9倍)の極望でも合わせますが視野が狭いので初心者にはハードルが高すぎます。十字線しかないファインダーですがこの方法なら使え,広い視野と正立像を生かして楽に台形を探せます。(当然ですが極軸との光軸調整機構は必要です)
また,大きな口径と視度調整も有効です。3.5cmあれば南の極と三角を形成する6.8等と7.8等星もよく見えるのでより正確なセッティングが可能です。(通常はσ星から7.2等に伸ばした紫の線と直角に同じ距離だけ伸ばした位置で十分です。先日のηーカリーナは700mmで撮ってますがこの方法で合わせただけです)
なお,はちぶんぎ座の台形の探し方は天文リフレクションで詳しく説明されているので参考になさってください。
追記:図はステラナビゲーター10の星図(2000年点分)をトレースして作成しています。天文リフレクション様からのご指摘により概ねですが歳差分を書き込みました。
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