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2019年6月

2019年6月27日 (木)

明日から南米皆既日食に出かけます

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明日6/28~7/10まで7/3日(日本時間)に起きる皆既日食観測のため出張いたします。期間中受注や出荷業務ができずご迷惑をおかけいたします。

 

記事が前後しますが,写真は来年6/21日の金環日食の現地踏査のために先日訪れた台湾の阿里山(正確には小笠原山,2,488m)からの日の出です。中央右寄りのピークが台湾最高峰の玉山(3,952m)です。この時期に晴れることは極めて珍しいそうです。ただ早朝は晴れていますがお昼頃から雲が沸くので観測地は海岸近くになりそうです。

 

下の写真は今回台湾出張のもう一つも目的であるwilliam OpticsのYang社長との打ち合わせ風景です。興味深い新製品ばかりでしたがその多くは胎内星祭の天文ハウスTOMITAブースで展示予定ですのでご期待ください。

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2019年6月25日 (火)

90S用2軸モータードライブの発売について

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開発が遅れていました90S用の2軸モータードライブが完成しました。ご予約の方へは近日中にご注文の案内メールをいたします。

90S本来の高い追尾精度を損ねないよう,赤経側は高品質なステッピングモーターと高精度のギヤを採用しました。赤緯側はコンパクトさを優先しPM型を採用していますが,軸が太く(6mm)安心して使えます。両軸共に赤道儀は無改造で取り付けできます。(写真は細部の確認ができるよう大きなサイズで掲載しています。赤緯側は他の改造で極軸体から切断した状態です)

 

コントローラーは基本的にAMD-2Nですが月や太陽観測される方からのご要望でMTS-3も設定しました。90S赤緯軸の微動は可動範囲が±15度に限定されますが簡易的な自動導入が可能です。赤緯座標があまり変わらい恒星でアライメントをとれば自動導入も可能です。(一例としてベテルギウスでアライメントを取りバラ星雲を導入)頻繁に導入する眼脂観測にはお勧めいできませんが,一晩に1~2天体の撮影を行う場合には実用できます。

価格,および納期は以下のとおりです。

・90S用2軸モータードライブ(AMD-2N仕様):78,840円(税込)。30台限定(すでに20台弱予約をいただいているので新規分は10台程度)

・90S用2軸モータードライブ(MTS-3仕様):118,800円(税込)。数量制限はありませんが上記価格は初期ロット10台のみ,次期ロットからは129,600円となります。

納期は,AMD-2N仕様でご予約の方分は7/15日以降順次(新規分は10月以降),MTS-3仕様は8月15日以降の予定です。

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2019年6月24日 (月)

K-ASTEC特別仕様のREDCAT51入荷しました

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ここで紹介した特別仕様のREDCAT51が入荷しました。先のご案内で早期出荷をご希望の方へは6月27日までに発送いたします。お急ぎでない方は当初のご案内のとおり7月中旬出荷で対処させていただきます。

写真はタカハシ製カメラマウント用スケアリング調整プレートとスターベースオリジナルのニコンFマウントを装着した状態です。

今回のREDCAT51に限ったことではありませんが,海外からの輸入品は全品受け入れ検査(望遠鏡の場合は光学検査)後にお客様へお届けしております。輸入品の場合,輸送中の事故がないことを確認することは,輸入・販売を行う者としての責務と考えるからです。輸入するだけで販売するのならリスクは個人輸入と変わりありません。

なお今回のK-ASTEC特別仕様品のアフターサービスは天文ハウストミタでも行えます。

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2019年6月18日 (火)

海外出張に伴う通常業務休止のご連絡

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6/19~22日は海外出張のため,受注や出荷業務などの通常業務ができなくなります。また6/28~7/10日までは南米へ皆既日食観測に出かけます。業務休止期間が長期間に及びますがよろしくお願いいたします。

明日からの出張先は台湾で2020.6.21日の金環日食観測の適地踏査が主な目的です。昨年も同様の踏査を中国の四川省で行っていますが両者を比べツアー先を決定する予定です。

今回の出張では事前に観測地や気象などの情報をWillamOpticsのYang社長からいただいています。現地でお逢いするので8月の胎内星祭で展示する同社の新製品などの打ち合わせも行う予定です。

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2019年6月17日 (月)

高精度ハーモニックドライブを評価する-その2

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ハーモニックドライブは写真の3つのパーツから構成され,左からサーキュラスプライン,フレクススプライン,ウエーブジェネレーターで,今回評価する高精度ハーモニックドライブは写真左のサーキュラスプラインの歯面を研磨しています。

ハーモニックドライブの追尾テストはこれまでに20~30個体ほど行っていますがそれから得た感想は個体差が大きいことです。(個体差はメーカー公称値の90秒角の範囲内に収まっています)

個体差は角度伝達精度(Pモーション相当,以下振れと表現)の大きさに加え滑らかさも大きく異なります。振れは大きいが滑らかな個体やその逆など様々です。中には周期性があまりない個体もあるようです。

これらのデーターについては後日改めて紹介する予定ですが,まずは一番気になる高精度仕様品と標準品の比較です。高精度側のデーター数が少ないのであくまでも参考程度です。いずれも後半はガイドしています。

以下が両者の代表的な例で,上が高精度仕様,下が標準仕様です。Y軸1目盛りが約10秒角なのでPモーションは高精度側が±15秒角,標準側が25秒角程度でしょう。納入仕様書記載の値(目標値)90秒角→60秒角への改善に見合う結果が得られたようです。(いずれもステッピングモーターのステップムラの影響が無視できるほど小さい,1:50のギヤヘッド付きのPM型モーターで駆動しています)

なおハーモニックドライブの場合,振れの周期はウエーブジェネレーター1回転で2周期となります。紹介のCSF-14-100の場合,減速比は1:100で周期は約7.2分です。(1:100のウォームホイールの場合の周期は14.4分です)

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2019年6月12日 (水)

シリコンラバーヒーターの追加販売について

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K-ASTEC特別仕様のREDCAT51には標準で1本のシリコンラバーヒーターが付属しますが,お客様からのご要望により追加分を販売します。追加をご規模の場合は,REDCAT51の納期などについて本日個別にご案内しましメールのご回答時にご注文お願いします。

追加分は1本当たり2,160円です。写真の2.1φDCジャック→USB(A)変換ケーブル付きです。

ヒーターの定格は12V15Wなので熱放散が大きいいメタルフードなどに貼りつければ12Vでも運用できますが通常は5Vでの使用を推奨します。その場合の発熱量は2.6Wです。シリコンラバーヒーターは金属への密着性が高いので,写真のようなメタルフードを効率的に加熱できます。結露してしまった場合に12Vを印加して乾かすこともできます。

なお特別仕様のREDCAT51販売終了後となりますが一般の受注も行う予定です。一般分は7月15日以降に再度案内をいたしますのでその後にご注文お願いします。仕様や価格は変わりありません。全体で100本準備しています。

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2019年6月10日 (月)

P-2,90S赤道儀用セミロング ウエイトシャフトの頒布について

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P-2や90S赤道儀改造を依頼されたお客様からのご要望により,同赤道儀の付属品より少し長いシャフトを頒布します。頒布の受付は7/31日までで,発送は8月末の予定です。 (6月下旬以降は出張が続くのでメールでの受注案内や出荷時期が遅れる場合がございます。予めご了承の上ご注文いただけると幸いです)

価格は消費税,送料込みで3,870円(本体3,510円+送料360円)です。発送はレターパックライトを使用しますのでご自宅のポストへの投函となります。

 

以下の長い方が頒布するウエイトシャフトです。標準付属品は全長が290mmに対し約50mm長くなっています。表面は硬質クロムメッキ処理ですが素材は鉄なのでネジ部は素材のままです。全長400mmまでは同じ価格で作れますが,程よい長さとレターパックライトと送れる長さから340mmとしました。ちなみにEM-11などに付属するのは390mmです。

 

今月下旬以降は海外出張や公共関連工事が続きます。これに伴い新規の赤道儀改造やモータードライブの受注は当面の間休止させていただきます。再開は来年以降になる予定です。(すでにご予約いただいている改造やAMD-2Nなどは引き続き継続いたします)

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2019年6月 9日 (日)

日食遠征用GE1414HDツイン鏡筒用オプションについて

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南米日食までひと一月をきりましたがツイン撮影用オプションが完成しました。当初の構想から変更し通常の赤緯端に2本搭載する方法と裏面(一般の赤道儀ではバランスウエイト側)に分ける方法のいずれにも対応します。赤緯端側に2本,裏面に1本などの搭載も可能です。

一枚目と下の2枚の写真は赤緯端に2本搭載した場合です。アルカスイスクランプの固定を調整することで,それぞれの鏡筒をX,Y方向に振れます。両者の光軸合わせが簡単なので通常はこの搭載方法を推奨します。(細部が確認できるよう全ての写真は大きなサイズで掲載しています)

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以下は赤緯端部のアップです。GE1414HD標準付属のプレートより少し長いため2本の鏡筒間隔が大きく取れます。また方側のアルカスイスクランプは裏面からの固定(調整)も行える設計です。

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以下は赤緯端と裏面に鏡筒を搭載する場合です。裏面側は赤緯端側との連接プレートで回転します。中心軸を固定しているので強度的な不安はありません。バランスの観点ではこの搭載方法が有利です。連接プレートにはUNC1/4のタッフ゜があるので風景撮影用カメラなどの搭載も可能です。

価格は赤緯端プレート,底面回転プレート(上の写真に連接しない状態で写っています),連接プレートの3点セットで13,500円(税込)です。

最後の写真は来月の南米日食撮影状態のイメージです。日没1時間ほど前の西の空で見られます。なお搭載する鏡筒はタカハシのFOA-60で接眼部は他社製で軽量化しています。

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2019年6月 6日 (木)

高精度ハーモニックドライブを評価する-その1

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ハーモニックドライブの赤道儀への応用は5年ほど前に開始し,昨年は日食遠征用として特化したGE1414HDを商品化しました。当初は写真左側にあるハーモニック減速機付きのステッピングモーター*から始め,その後は目的に合ったハーモニックドライブを採用しています。(*このタイプはフォーク式構成の赤緯用として便利ですが2020.3で生産終了されます)

ハーモニックドライブは大きなトルクを出せる上にバックラッシュはほぼ0なので赤道儀駆動用として魅力的ですが,赤道儀用(極軸側)として満足できないのは追尾精度です。写真のCSF-14型の場合,メーカー公称値の角度伝達精度は1.5分角(90秒角)で,実測値はその2/3(±30秒角)ほどです。たびたび紹介するP-2や90Sなどと比較すると1/5ほどの精度しかありません。

対策としてHOBYM Observatory社のCRUXは強力なPEC機能を内蔵しPEC学習後は1/10ほどに抑えらます。またMTS-3でも1/5ほどまで改善できるのでハーモニックドライブ赤道儀ではPEC機能は必須でしょう。

ただ個人的にはPECに頼らず,機械精度だけで市販のウォームギヤ式赤道儀並みの赤道儀を作れないかと思っていました。敢えてGE1414HDを日食遠征用と謳ったのは星野撮影用としては不満があったためです。

 

前置きが長くなりましたが,以前からこれらの状況をハーモニックドライブ社に相談していました。その結果,角度伝達精度の改善と追尾の滑らかさを実現するにはサーキュラスプラインの研磨が有効とのことでその対策品が完成しました。入荷した型番の末尾についたSPはその証です。写真は第二ロット(予約分で新規の受注はありません)のGE1414HD用として入荷した高精度仕様(RA用)と,標準仕様(DEC用)のハーモニックドライブです。

以下は高精度仕様のサーキュラスプライン,フレクススプラインとウエーブジェネレーターです。見た目は標準仕様と変わりありませんが記念に掲載しました。その-2に続きます。

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2019年6月 4日 (火)

EM-100赤道儀の自動導入改造状況について

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ここでご案内した,EM-100赤道儀のTITAN自動導入改造はまもなく完成いたします。ほぼ全てがオーバーホールに加え極軸望遠鏡のレチクル交換の依頼があったため,当初のご案内から2週間ほど遅れてしまいましたが来週中には納品予定です。

今回の改造はコントローラーにTITAN TCSを指定された分で,写真以外にもう一台継続しています。MTS-3仕様分は7月完成予定です。なお,EM-100の自動導入改造は今回で最後とアナウンスしていましたが,一部の改造が特注の用品を使用しない改造に変更されたため,用品に数台分の余剰がでました。秋以降となりますが3~4台ほど追加受注が可能です。これ以降の改造予定はありません。

以下はTITAN仕様となった赤道儀サブパネルです。TITANとはワンタッチ接続ができる特殊コネクターを採用しました。

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こちらは極軸望遠鏡レチクル交換の光軸調整部です。普通に組んだ状態では調整ネジが露出しないので専用の治具を作っています。

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特別仕様REDCAT51を予約のお客様へのご案内


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K-ASTEC特別仕様のREDCAT51は当初ご案内の通り,今月末入荷,7月中旬の出荷で進めております。お支払いのご案内は出荷の段取りがついた7月10日頃を予定していますのでしばらくお時間ください。

なおREDCAT51用のスケアリング調整プレートはWO社純正及び,タカハシ製カメラマウント用の2タイプを準備していますが,写野のコーナーと調整ネジの位置関係を合わせる事ができるタカハシ製用(スターベースオリジナル含む)をご推奨いたします。その場合は48φのフィルターも使え便利です。

スターベースオリジナルのカメラマウントは軽量な上,安価なのでお勧めです。対応カメラが豊富なのも魅力です。WO社純正でご予約のお客様へは個別にご案内いたしますが純正同様に,タカハシ製(またはスターベースオリジナル)も当方でお取り寄せできます。

REDCAT51(天文ハウストミタ扱い分)はバックオーダーが多く,標準仕様も含め在庫の確保ができない状況です。K-ASTEC特別仕様は予約で終了していますがほぼ同構成のTOMITAオリジナル仕様のご予約を受けています。価格はWO純正カメラマウント付きで税込み98,000円,納期はK-ASTEC仕様と同じです。カメラマウントはスターベースオリジナルなどへ変更可能です。

 

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2019年6月 2日 (日)

WO純正カメラマウント用スケアリング調整プレート限定発売

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ここで紹介したWO社純正カメラマウント用のスケアリング調整プレート(SAP-RC51_M48M)が完成しました。発売は当初の発表より少し早くなり6月5日の予定です。

価格はタカハシ製カメラマウント用(SAP-RC51_M54F)と変わりありませんがフィルターは装着できません。他店も含め,すでにWO社純正カメラマウント仕様で購入された方を対象とした商品のため20台限定です。今後REDCAT51のご購入はタカハシ製カメラマウント用のSAP-RC51とのセットをご推奨します。(この場合48mmのフィルターが使えます)

写真はSAP-RC51_M48M単体,とWO社純正のカメラマウントを装着した状態です。

 

なお、WO社純正カメラマウントは回転機構がないために写野四隅と調整ネジの位置関係を合わせることができません。対策としてSAP-RC51とカメラマント間に挟む,0.05mmと0.1mmのシムプレートを準備しました。2枚セットで1,080円です。

0.05mmで約24度,0.1mmで約48度回転位置を変えられますので,挟み込み方により24度~72度調整可能です。

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