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2019年7月

2019年7月28日 (日)

90S赤道儀用2軸モータードライブの受注状況について

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一月前にご案内した90S用の2軸モータードライブは多くのご注文をいただきありがとうございます。中でもMTS-3仕様のご注文が多く初期ロット限定価格分の残りは僅かとなっております。本日現在の初期ロット受注可能数量は以下のとおりです。

  • 90S用2軸モータードライブ AMD-2N仕様(78,840円):5台→完売(7/31追記)
  •         〃         MTS-3仕様(118,800円 ):3台

AMD-2N仕様は初期ロットで終了です。MTS-3仕様はご予約状況により年末頃再販を検討します。その場合の価格は129,600円になります。

 

90S赤道儀は赤緯軸が部分微動なので,自動導入コントローラーのMTS-3を選択しても自動導入はできません。ただ赤緯の微動範囲を導入毎に把握すれば簡易的な導入は可能です。この時期ですと赤緯座標があまり変わらないデネブでアライメントを取り,北アメリカ星雲を導入することは可能です。

またデジカメでの撮影の場合は試写結果を元に構図の微調整を行うかと思いますが,試写結果でアライメントを取り直せばパソコンから構図の微調整ができます。

90Sの赤緯微動は扇型ギヤを採用していますが,216枚(ピッチ円直径108mm)のウォームホイール相当です。自動導入には適しませんがこの大きさはガイド撮影に威力を発揮します。EM-100の62mmよりずっと大きいのでガイド撮影に重点を置けば90Sが有利でしょう。

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2019年7月16日 (火)

特別仕様のREDCAT51は出荷の準備が整いました


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7月中旬出荷でご案内しておりましたK-ASTEC特別仕様のREDCAT51(写真右)は全数の出荷準備が整いました。ご入金確認次第発送いたします。

全数疑似星を使った光学検査及び機械部の点検を行い必要なものは調整を行っています。光学検査は標準器(先のオーストラリアで評価した写真左の赤い鏡筒)との目視比較ですが,この個体は極めてシャープな写りなのでこれとの比較を行うことである程度の定量化を図りました。

 

以下はアリガタの長さと固定位置ですが,赤の標準仕様の場合,この位置にしか付かないので多くの場合前後バランスがとれません。対策として黒の特別仕様は自由度の高いロングタイプを設定しています。(出荷時は写真で下側に寄せた状態で装着) なおゴールドのものは標準仕様を加工しバランスがとれるようにしたものです。

 

入荷検査などが完了したことから,この赤とゴールドタイプは売却いたします。価格はいずれも税込み68,256円(定価の20%OFF)です。赤は試写に使用したものですがスケアリング調整の必要がないほど周辺まで良好な個体です。

ゴールドは未使用ですが前ロット品です。わずかな光軸ずれがあったために今回特別仕様と一緒に調整を行っています。(光軸は赤同様に合わせていますがスケアリング調整が不要かは不明です)

何れもご購入いただきました。ありがとうございました。(7.16 22:00追記)

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2019年7月14日 (日)

南米日食の観測地や機材の概要

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今回の南米日食の観測地や機材について簡単に紹介します。忘備録としての詳細な記事は後日改めて改めアップする予定です。

前の記事でも触れていますが観測場所はアルゼンチンのベジャビスタと言う小さな町に作られた広大な特設会場です。この会場は約800人が利用しましたが,現地の方と欧米人が殆どで日本人は私たち14名だけでした。

 

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今回の撮影機材はタカハシのFOA-60(900mmF15仕様)の2連で静止画と動画用です。赤道儀はこのために開発したGE1414HDです。

GE1414HDの両軸には34Nmのモーメント荷重(軸中心から20cmの位置に17.5kg*)に耐えるハーモニックドライブを採用しているので極軸の回転方向や鏡筒の前後方向などのバランスを気にせずに搭載できます。複数の鏡筒を搭載する日食撮影では重要な事で,GE1414HDを敢えて日食観測用と呼んでいるのはそのためです。

*干渉時のリスクを軽減する意味で駆動モーターの電流を制限し許容モーメント荷重の半分ほどの8kg程度に設定しています。今回のFOA-602連の場合,カメラなどを含めた偏荷重は6kgほどなので,電源脱落時でも姿勢を保持します。

 


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今回は航空機の乗り継ぎが多い(12回)ので機材は丈夫なケース(上の写真に写ったPROTEX製)にしました。度重なる航空機への積替時が一番リスクが高いためです。ただこのケースは通常のスーツケースに比べ重い上,国際線以外の預け入れ重量制限は23kg(有効数字の関係で23.9kgまで可)1個までなので機材の軽量化が最重要でした。以下が内訳で合計23.7kgです。

  • 機材収納ケース(PROTEX CR-5000):7.7kg
  • 赤道儀,三脚,鏡筒×2本:8kg(鏡筒はフードなどを取外し軽量化しています)
  • 既皆中の風景撮影用カメラ(D810A),レンズ,三脚,鏡筒バンドなど:4.5kg
  • 衣類他:3.5kg(結果的に不要でしたが冬場の高地(約2000m)だったので防寒対策をしていました)

 

以下は出発前に確認した2本の鏡筒の調整状況です。GE1414HDはシンプルな調整機構を有すのでそのための微動装置は不要です。一般的な赤道儀の場合,微動雲台などの光軸調整装置やプレートの併用が必要なためそれだけでも1~2kgほどの負担が増えてしまいます。


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2019年7月12日 (金)

日食遠征用GE1414HD赤道儀の再受注について

 

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今回の南米日食遠征に同行した方からの要望によりGE1414HD赤道儀を再生産する事にしました。数量に制限はありませんが受注生産です。受注要項は以下のとおりです。

受注機器:ハーモニックドライブ赤道儀 (GE1414HD)標準仕様及び高精度仕様

受注期間:2019.10.31まで

受注価格:追尾精度±25秒角の標準仕様機  295,000円(税別)

       追尾精度∔15秒角の高精度仕様機 320,000円(税別) 

納  期:2020.3.31の予定

本体価格(消費税率変更のため今回は税別で表記)や仕様,オプションは前回と変わりありませんが,今回からここで紹介した高精度仕様も加えました。

標準仕様でも全品追尾テストを行い,目標の±25秒角を超える場合は赤緯側と入れ替えるなどの対策を行っているので100mm程度までならガイドなしで撮影できます。

なお専用の小型コントローラーは在庫数が一桁となっているため場合によっては標準仕様のMTS-3となります。(機能に変りはありません)また初期ロットはPTP-C22三脚のみの対応でしたが,今回はUNC3/8用なども特注で受注します。仕様にもよりますが追加費用は10,000円程度です。

写真は初期ロット分でオプションを装着しています。オプションの一部は仕様や価格が前回と異なります。追尾精度は目標値で保証するものではありません。

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2019年7月11日 (木)

南米日食から帰国しました

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7月2日(現地時間)の南米日食から帰国しました。「西九州日食観測同好会」の一員として参加しましたが今回は総勢14名と小規模でした。

観測地は晴天率を重視し,アンデス山脈の東側になるアルゼンチンです。結果的にはチリ側も好天でしたが,冬場はアンデス山脈の東側の晴天率が高かったためです。

写真は4K動画から切り出したものですが皆既終了後,写野に偶然飛び込んだ鳥です。今回もほとんどは肉眼で堪能したのでこの鳥も鮮明に見えましたが動画にも何とか映り込んでいました。

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2019年7月 8日 (月)

第三接触の写真

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まだペルーに居ますが今日は少し時間があるの先日の日食の写真をアップします。トリミングだけの撮って出しです。

低空だったためかシャープさに欠けますが私の好きな日食画像が得られたと思います。

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2019年7月 4日 (木)

地球の裏側で見た皆既日食

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アルゼンチンのビジャベスタ(チリのラ・セレナ東約200km、高度約2,000m)で観測した皆既日食は素晴しい天候に恵まれました。紹介する皆既中の写真は本影錐の様子が良くわかります。アンデスの山々と糸杉の並木が良いアクセントになってくれました。

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