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2019年11月

2019年11月30日 (土)

ASI 1600GTタカハシM54接続リングについて

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先日紹介したASI1600GT(183GTでも使用可)をタカハシ鏡筒に接続するリングの試作品が完成しました。写真のように各機種用CAリングのM54ねじ込み部(デジカメ用のワイドマウントをねじ込む部)に接続します。タカハシの鏡筒はCAリングからバックフォーカスが56mmに統一されているので全ての鏡筒で使用できます。

販売するのはワイドリングに接続するメステーパーリング(写真の3か所にローレットボルトが付いたリング)と,それに対応するスケアリング調整プレートです。ワイドリング(EOS用)は含みません。なおワイドリングにはM48のネジが切ってあるので光害防止フィルターの併用も可能です。

本製品とASI1600GTに付属するM42-M48Fリングを組み合わせれば,CAリングのM54からのバックフォーカスは56.7mmになる設計です。(2mm厚のフィルターによる光路延長を0.7mmで設計)

ASI1600用タカハシM54接続リングの価格は税込み11,000円です。12/25日発売予定で限定数は20台です。

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2019年11月29日 (金)

QHY600用 APO SONNAR135/2フォーカサーなどについて

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昨日紹介したQHY600と台座付きカメラレンズマウント(NIKON-F)は予想以上の反響で,早速APO SONNAR135用のフォーカサーとEOSマウントのリクエストをいただきました。

まだイメージ段階ですがフォーカサーに併せ,ガイドカメラや縦横構図に対応できるよう設計しています。(12/25日予約受付終了後に受注分のみ製作)

  • FWに付ける台座付きレンズマウントは上下+90度の3面フラットタイプ
  • スケアリング調整はセットを組み立てたままで行える
  • 上面にはマイクロフォーカサーとガイドカメラ搭載用トッププレートを装着
  • 下面と90度面にはアルカスイスプレートを装着し縦横構図に対応

なおEOSマウントについてはマウント径の都合で設計が難しいのですが,FW前面カバーへのタップ加工を容認いただければ対応できそうです。

 

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2019年11月28日 (木)

QHY600 台座付きカメラレンズマウントについて

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先日紹介したQHY600とスケアリング調整付きOAGのセットは多くのお予約をいただいたとの事で,追加生産を行っております。QHY16200Aの7枚フィルター用でも使用できることから新たに15台追加製作しています。QHY600とのセットは天文ハウストミタで,QHY16200A用は当方でご注文承ります。

なおQHY600でカメラレンズでも撮影されたい方からのご要望で写真のような台座付きカメラマウントを製作しています。写真は他機種用を流用したイメージですがスケアリング調整も可能です。APO SONNAR135/F2に限ってはフロント固定バンドとマイクロフォーカサーも視野に入れています。

この台座付きカメラレンズマウントは12月25日までにQHY600をご予約の方へ税込み9,900円でご提供します。ただしNIKONマウントのみでレンズのロック機構はありません。(簡単に緩まない簡易ロックは設けます)

カメラレンズの場合,台座とスケアリング調整は必須ですのでこの機会にご検討いただけると幸いです。予約は天文ハウストミタ宛てお願いします。

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2019年11月27日 (水)

P-2,90S赤道儀 自動導入改造の最終受注について

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赤緯側にハーモニックドライブを採用した,P-2及び90S赤道儀の自動導入改造は一旦終了していましたが,その後も引き続きご要望いただいた事から各10台分のパーツを追加製作しました。

現時点でP-2用は4台,90S用は3台受注可能です。いずれもこのロットで最終となります。現在ハーモニックドライブの納期が2か月ほどなので受注後3か月ほどで完成予定です。なおEM-100の改造は再開予定はございません。

価格は組み合わせるコントローラーによりますが,P-2GOTO(MTS-3)改造は203,500円,90S-GOTO(TitanTCS)253,000円です。いずれもオーバーホールを含んだ価格です。

なお1台のみですが大変程度の良い90S赤道儀(塗装はグレーソリッド)をデモで使ったTitanTCS(新品同様)で自動導入改造できます。価格は288,000円です。商談中

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2019年11月26日 (火)

GE1414HD REDCAT51とASI1600GTを搭載

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先日紹介した星野撮影仕立てのGE1414HDに,ASI1600GTを装着したREDCAT51を搭載しました。北天でも長時間露出ができるので分子雲狙いに有効でしょう。先日の写真のSX-56同様,薄型のカメラは三脚などとの干渉に対して有利です。

REDCAT51には電動フォーカサー(販売終了)を付けているのでリモート撮影が可能です。なおREDCAT51用電動フォーカサーは間もなく発表されるREDCAT71/91でもベルトの交換だけで使用できる予定です。

 

REDCATシリーズはバックフォーカスの縛りがないのでASI1600GTは付属のM48F-M42Mリングで簡単に接続できますが,補正レンズを併用するタカハシの鏡筒の場合,CAリングのM54ねじ込み部から56mmに合わせる必要があります。

そこでタカハシCAリング専用のASI1600GT接続キットを製作しています。以下のREDCAT51の写真と同じ方法のスケアリング調整付きです。

ASI1600GT専用のタカハシCAリング接続キットの価格は11,000円(税込,20台限定)で12月25日発売予定です。ねじ込み回転位置を調整するシムリングが付属しますがタカハシのワイドマウント(CANON用)は付属しません。

なおQHY600用のCAリング接続OAGユニットも並行して製作しており,12月25日完成予定です。

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2019年11月24日 (日)

GE1414HD 星野撮影用極軸延長オプションについて

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GE1414HDを星野撮影用として使う際に便利な極軸延長オプションが完成しました。様々な検討/試作を行った結果,以前ここで紹介したタイプからの上の写真の筒状に変更しました。大きな理由は,①日食用(標準状態)との切替が簡単,②南端に極軸望遠鏡を装着できる,③外観がスマートになるためです。

この延長筒の長さは105mmで,装着した状態で赤緯軸中心から三脚までの距離は約150mmになります。ちなみに太さは56φでここを持っのに都合の良い大きさです。

価格は税込み16,500円です。GE1414HDをご購入のお客様へは個別に案内いたします。

なお,この延長筒を付けた状態でのGE1414HD一式(コントローラー,極望含)の重さは約3kgです。

 

最初と以下の写真は200mmのカメラレンズを須着した冷却CCDカメラです。この撮影システムはどこを向けても干渉しません。またこの程度の荷重(この例は4,2kg,最大8kg程度)なら電源が遮断されても状態を保持します。

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これはNikonD810Aと135mmレンズの組み合わせですが十分な余裕があるのでリモート操作でも安心です。

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以下はD810Aとプロミナー500mmF5.6の組み合わせです。さすがにフード側を三脚に向ければ干渉しますが,筒の前後方向のアンバランスを許容するハーモニックドライブなら大きくシフトできるので極軸を1回転しても干渉を防げます。

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写真は方位調整ネジを取り外しています。可能な限り干渉を防げるよう短いタイプを準備中です。なお北側の高度調整ネジも同理由で取り外していますが重心が北に偏るために不要です。南側は強く回せるT字状のハンドルに交換しています。(延長筒に付属)

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P-2用AMD-1Nの受注開始について

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こちらの記事で紹介していたP-2用のAMD-1Nを受注開始します。

先行したH-40用はご注文分∔αの30台ほどを一括生産したため効率的な作業ができました。この経験を活かし,P-2用も期間を定めて受注後,まとめて生産する方法を基本とさせていただきます。(対応に限りがありますがお急ぎの場合はご連絡ください。ご注文後1~2週間で納品可能です)

P-2用AMD-1Nの受注は以下のとおりです。

  • 受注期間:11/25~12/25
  • 納期:2020年1月末の予定(USB-5V仕様は2月中旬)
  • 受注可能数量:50台(ただしPOLEMASTREアダプタ兼極望照明装置は30台)
  • 価格(税込):AMD-1N本体33,000円,照明装置4,400円,ガイド機能4,400円

AMD-1N本体は50台(照明装置はAMD-2Nと共用のため30台)準備しているので無いとは思いますが受注期間中でも予定数量に達した場合は受注を終了します。期間中の受注が少なかった場合,来年春以降再受注します。

 

以下は先行したH-40用のAMD-1Nの完成写真です。写真の28台は全て電池内蔵タイプでこのほかにUSB-5V仕様を4台製作しました。P-2も両タイプに対応しますが,H-40で電池タイプの人気が高かった事から,電池内蔵タイプを標準としUSB-5Vは特注で別納期とさせていただきます。

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H-40用は照明装置の数量の都合で受注を終了しましたが,AMD-1N本体は6台(写真の内の6台で全て電池内蔵タイプ)の余剰があります。この分の照明装置は2020年2月のご提供となりますが,H-40用はこの6台で販売を終了します。

 

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2019年11月17日 (日)

QHY600専用OAGユニットの開発について

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QHY600をご予約のお客様からタカハシ鏡筒との接続ユニットを依頼された事を紹介しましたが,それに必要な専用のOAGを開発しています。

QHY純正のOAGを使う場合,残された光路の7.5mmにテーパーリングやスケアリング調整機構を組み込むのは不可能ではありませんが、薄いテーパーリングの接続強度などに不安が残るので,それらの機能を統合した専用のOAGを設計しました。先日の記事と重複しますが専用のOAGは以下の機能を有します。

  • タカハシ鏡筒とはCAリングやレデューサーなどのM54接続
  • 鏡筒と専用OAGは大口径(74φ)のテーパーリング接続,手回し可能なM4のローレットボルトで回転/脱着可
  • ガイドカメラ側の光路長は純正のOAG-Mと同じ
  • 組み立てたままで調整できる押し引きネジ式のスケアリング調整機構
  • スケアリング調整機構でバックフォーカスを56~58mmで調整可
  • OAGとFWの接続はスケアリング調整ネジとは別の機構で行う

最後に紹介した件ですが,一般的なスケアリング調整ネジはOAGとFWなどの接続も兼ねますが,今回開発したOAGはFWとの接続は独立しています。フィルター交換時にはOAGと分離する必要がありますがその際スケアリング調整部に触れる必要はありません。

紹介する図はイメージです。これまでこの手の製品は数多く手がけましたがOAGまで作るのは初めてです。

今回のQHY600用OAGは単品製作の予定でしたが,コストを抑えるために5セット製作しています。余剰分は天文ハウストミタで引き受けていただき,QHY600とのセット販売に活用されるそうです。興味のある方は天文ハウストミタ宛てお尋ねください。

 

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2019年11月15日 (金)

QHY600とタカハシM54接続ユニットの設計

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QHY16200Aなどの冷却CCD関連の接続リングの製品しての販売は終了していますが,当方からカメラをご購入いただいたお客様へは特注製作はお請しており写真中央のリング(以下は拡大)はFLIの冷却CCDカメラとFW間の距離を10mm伸ばす延長リングです。(一部機種用のスケアリング調整プレートは天文ハウストミタで引き続き販売中です)

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今回特注のご要望はQHY600(フォトグラフィック版)を導入予定のお客さまからで以下を満たすことが条件です。

  • 望遠鏡との接続はタカハシM54(ネジ込部からのバックフォーカスは56mm)
  • 接続部は脱着や回転が容易で十分な強度を有すテーパーリング式
  • 押し引きネジ式のスケアリング調整機能内蔵
  • OAG,カラーフィルターホイールは必須

QHY600のフランジバックとOAGとFW(5枚用)の光路長の合計が48.5mmもあるのでハードルは高いのですが何とか実現できるでしょう。

 

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2019年11月10日 (日)

AMD-1N 伝達ギヤなどの精度について

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H-40やP-2用AMD-1Nは赤道儀本来の基本精度が高いのでガイドは行わないことを想定しています。そのためには精度に悪影響を与える伝達ギヤ偏心量の管理は重要です。また写真の外付けギヤのみならず採用する減速機付きステッピングモーターにも言えることです。

対策として伝達ギヤについては全品受け入れ検査を行い偏心量が3/100mm以下のものを採用します。

ステッピングモーターについては過去の実績などから信頼性の高い日本パルスモーター社製を採用し,念のために抜き取り検査(1ロット100台中5台程度)を行います。同社のステッピングモーターはAGSシリーズ以降1,000台以上採用しており,現在はAMD-1N, 2NやGE1414HDで採用していますが不具合事例はありません。

 

以下のガイドグラフはモーター抜き取り検査のための追尾テストです。いずれも写真のFC50赤道儀で,上段と中段は日本パルスモーター社製,下段は参考用の他社製です。赤道儀や外付け伝達ギヤの影響で発生するPモーションは約10分周期になりますが,他社製モーターでは内蔵ギヤ偏心の影響で,その1/3周期の小刻みな波が表れています。(振幅そのものは赤道儀の基本精度と大差はありません)

測定条件によるので参考程度ですが,Y軸1目盛が約10秒角なので,上記を考慮したこのFC50の追尾精度は±6~7秒角と標準的な値です。伝達ギヤやモーターは赤道儀本来の精度へ影響を及ぼしていないと判断します。

Fc50_2

Fc50_and1n2

Fc50_sxxx  

 

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