« 2020年5月 | トップページ | 2020年7月 »

2020年6月

2020年6月29日 (月)

EM-200赤道儀 赤緯軸ハーモニックドライブ化 その6

B2006292_20200629083201

EM-200の赤緯体にハーモニックドライブを装着する部位の仕様を変更しました。

最大の変更点はこの部位に取っ手を設け赤道儀運搬時や据付が片手で行えるようにしています。改造後の重量は12kgほどになるので取っ手を持てば片手で容易に保持でき,据付時の落下や転倒事故が防げます。

 

もう一つはこの部位に簡易的に原点を合わせるための水準器と指標を設けました。

赤径側は水準,赤緯側はカーソルを合わせれば鏡筒は真東(西)の水平線を向いた状態になるので,その位置でアライメントを取れば自動導入ができます。暗闇で認識できるようそれぞれ内部から照明しています。(極軸望遠鏡の視野照明と連動して明るさ調整可)

簡易的な手法ですがこの方法で殆どの場合写野に目的天体が導入されます。その後写野中心に導入補正すれば完全です。Titan TCSはこのアライメント手法用としてEAST(WEST)がアライメントポイントとして登録されています。

B2006293

最後の変更点は張り出した取っ手で美観を損なわないようこの部分の色を黒に変更しました。

 

EM-200赤道儀の赤緯体ハーモニックドライブ改造は初期ロット用として準備した用品分の注文をいただいたので一旦受注を終了します。次期ロットを実施するかは今後の状況により決定しますが最短でも2021年以降となる予定です。

なおEM-200用の極軸望遠鏡視アングルファインダーアダプターの最終ロット40個は入荷しております。(断続的な出張予定があるので発送までお時間いただく場合もございます)

 

以下は真横から撮影した写真ですが,オリジナルの赤緯軸を取り去り,ハーモニックドライブを内蔵したアリミゾを直接ハウジングに装着したイメージです。

このアリミゾ部は鏡筒着脱に伴いすり傷がつくので,改造をご注文のお客様に限り交換部品として18,700円(DS75R-20と同価格)で単体販売します。お客様での交換は容易です。

B2006291

|

2020年6月25日 (木)

BORG 72FL用スケアリング調整プレートの限定販売について

B200625

BORG72FL用(要0.72XDGQ【7872】併用)のスケアリング調整プレートを限定発売します。

写真手前左が鏡筒接続側のM57オスで内側に52mmのフィルターを装着できます。中央がカメラマウント側のM54メスでタカハシのワイドリングやQHY600/ASI6200用テーパーリング(TR74)に適合します。

なお,スケアリング調整プレートを装着すると純正の構成時に比べバックフォーカスが6.5mm伸びるので【7872】付属のスペーサーS(写真右)を取り外してください。(BORG72FLで実機確認しておりますが,メーカー公開情報によれば同じ構成となる71FLでも使用可能かと思われます)

BORG72FL用スケアリング調整プレートの価格は11,000円(税込)で限定10台です。残り3個になりました。6/26日追記 残りは1個となりました。7/2追記

|

2020年6月24日 (水)

単品製作鏡筒バンドの受注について

Sotb_20200624211701  

時折,輸入望遠鏡などを当方のアリガタ/アリミゾ+トッププレート(キャリングハンドル含む)で運用を検討されるお客様からバンドの製作依頼がありますが,これまでは外注先の都合で単品加工はお請けしておりませんでした。

この度,外注先との調整の結果,板厚やプレート取付部の形状などを標準化することで単品(前後2セット)での受注を期間限定で行うことにしました。基本形状(寸法)は上図とし、表面処理はアリガタなどと合わせる意味で銀梨地です。

受注内容は以下のとおりです。前後用1対での受注となります。

  1. 受注範囲:内径100φ~300φ(301φ以上は別途お見積り)
  2. 受注期間:2020.7.15日まで(直販のみとなります)
  3. 納    品:受注後2ヶ月の予定
  4. 税込価格:内径(小数点以下切り捨てたmm)に330を乗じた額(125.8φの場合,125×330=41,250円)

注文は鏡筒名ではなく内径をご指定ください。(内側に傷防止布を張るので実測された鏡筒径に0.8mmを加えた値)

ただ実績のあるTOA-150とε-180EDのみは機種名での注文可能です。TOA-150が179.8なので59,100円,ε-180ED用が232.8なので76,600円です。基本構造を統一することで設計費を最小化しましたので量産品(バンド厚20mmタイプ)の20%アップ程度になっています。

 

|

2020年6月21日 (日)

TSA-120N用鏡筒バンドTB125TSAの限定販売について

B200621

TSA-120Nの限定販売に伴い,TSA-120N専用のTB125TSAを販売します。限定10台で7/30日発売です。

TB125Nは接眼部の回転ノブとアリガタの干渉や前後バンドの間隔が小さくなるFSQ-106ED専用に設計したもので,背が高い上にショルダープレートに対応するなど特殊な形状となっています。鏡筒径は同じなのでTSA-120Nでも使用できますが,眼視がメインのTSA-120に見合うシンプルなTB125TSAを限定販売します。

TB125NとTB125TSAの相違点は以下のとおりです。

  1. プレート設置面から鏡筒中心までの高さ TB125N:90mm→TB125TSA:75mm
  2. ショルダープレート対応        TB125N:2面→TB125TSA:非対応
  3. 価格                 TB125N:30,800円→TB125TSA:27,500円

対応するアリガタ(DP75シリーズ)やトッププレート(TP60シリーズ),キャリングハンドルはTB125Nなどと共用です。

 

別件ですがFSQ-106EDP専用バンドセットは限定25台の内,20台ほどのご予約をいただき残りわずかとなっております。また時折ご要望のああるTOA-150用のTB179(55,000円,限定10台)の製作を検討しています。確定したら改めてご案内いたします。

6/22日から数日間は出張しますのでメールのご回答が遅れる場合もございます。

|

2020年6月20日 (土)

縦横構図切替用L型ブラケット LB38-90の紹介 その3

B2006201

本来の使い方の紹介が最後になりましたが,LB38-90開発の主たる目的はPROMINAR500mm/F5.6を当方のバンドで運用する場合の縦横構図変更のためです。

PROMINAR500mm/F5.6用のフロント,リアバンドの上下にDP38-190,MFA-P556を装着し,それをLB38-90で固定した構成です。MFA-P556にはSR31.7B4でガイドカメラを搭載しています。

 

LB38-90は以下のようにDP38-190(またはTP40-190AS)の縦方向2箇所のM6用通し穴に取り付けます。(縦横は掲載する写真での方向を示します)

LB38-90とDP38-190の取り付けは,LB38-90の横方向に並ぶ3か所のタップとDP38-190の固定穴(6.3または6.3×35の長穴)を選べば最大67.5mmスライドできます。(以下の写真の固定点がD810Aクラスで前後バランスがとれます。この位置から右に17.5mm,左に50mmスライドできます)

なおDP38-190の長手方向(写真の横方向)の固定穴を利用してLB38-90に取付れば固定点を大きく左に移すことも可能です。その際はLB38-90のM6タップが横に並ぶ面(段差がない方)を使ってください。なおベースプレートとしてDP45-190Lをご使用の場合はこの方法で運用できます。

B2006202

以下は縦構図状態で正面からの状態です。LB38-90はPROMINAR500mm/F5.6を想定したシフト量としています。

B2006203

LB38-90の価格は13,200円で7月1日発売です。初期ロットは予約で終了しました。次期ロットは7月末再入荷予定です。またここで紹介したSIGMA135mm/F1.8用三脚台座(SM135)を縦横構図変換するブラケットSM135BLは専用品を開発中(10台限定,9,900円,7/10発売予定)です。

なお,6月22日からは暫くの間は出張が続くのでメールの回答が遅れる場合もございます。

|

2020年6月15日 (月)

XY70-H40ほかH-40関連アイテムの状況について

B2006151

XY70-H40などH-40(スカイキャンサーやFC-50含む)関連アイテムは6月末完成予定で進めておりますが一部の材料調達の都合で1~2週間ほど遅れが生じております。

また改造やオーバーホールを含むご注文が全体の半数以上となったため,申し訳ありませんがこれらについてはさらに半月ほど遅れる場合もございます。

B2006152

紹介するのは既に完成したスカイキャンサーやFC-50赤道儀用の赤緯プレートです。写真のように複数のM8とUNC1/4タップを35/17.5mm間隔で配置しているので小型望遠鏡やカメラなどの搭載に便利です。

SIGMA135mm/F1.8を装着したD810A(Kirk BL-D800N併用)を搭載した例です。オフセットした位置にカメラを搭載しているので赤緯軸のバランスもとれています。カメラ固定部からみればレンズ側が重たいのですが,保持が完璧なBL-D800Nを併用しているので長時間露出でも何の不具合もありません。

 

写真は赤緯プレート,AMD-1N,XY70-40H(試作品),規格統一バランスウエイト,アングルファインダー,PTP-C22(販売終了)でカスタマイズしています。モーター駆動や極望の照明電源も内蔵した理想のポータブル赤道儀でしょう。

何度か紹介していますが以下はこの個体(FC-50赤道儀)の追尾状況でPモーションは±5秒角程度です。Pモーションの値もさることながら内蔵ギヤによる小刻み振れがでないステッピングモーターを採用しているので極めて滑らかな追尾です。

Fc50_2_20200615102201

紹介するXY70-H40や赤緯プレートは過日注文いただいた20セットのみ製作しているので現時点では余剰はありません。ただ引き続きお問い合わせが多いことから年内に10セットの追加を予定しています。(年内再製作はXY70-H40のみで赤緯プレートは取りやめました。6/28追記)

|

2020年6月13日 (土)

ASI6200/QHY600用の特注接続リングについて

B2006131

ASI 6200/QHY600(いずれもモノクロ)はASI/QHY共用のタカハシ(M54)及びビクセン(M60/M56)鏡筒との接続用のテーパーリング(TR74シリーズ)を商品化していますが,RH200所有のお客様からのご依頼で専用のテーパーリングを作りました。

FLIのATLAS FOCUSER仕様のRH200ではOAGとの干渉が懸念されたので実機確認しました。

 

このような特注の接続リングは現物合わせが必要となるので当方(またはASI/QHYカメラ供給元の天文ハウストミタ)でASI6200やQHY600を購入いただいた方限定となりますが受注いたします。受注時に対象鏡筒(または接眼部)をお預かりする場合もあります。なおCELESTRON社製鏡筒は対象外です。

手前は同じお客様からの依頼でApo Sonnar135/F2とASI6200を組み合わせるカメラ(販売終了)です。こちらはFFに電動フォーカサーを組み込みます。

 

以下はビクセンM60M/M56Fテーパーリング(9,900円 標準在庫品)でVSD100用F3レデューサーにASI6200MM+OAG+FF(7)に接続した状態と(上下逆となっています),分解状態及び,TR74-M65M/56Fの単体裏表の写真です。

B2006132

B2006133_20200613120501

|

2020年6月12日 (金)

縦横構図切替用L型ブラケット LB38-90の紹介 その2

B2006121

昨日に引き続きLB38-90の紹介です。今回はApo Sonnar135mm/F2と当方オリジナルバンドを固定した例です。

上の写真は縦構図(長編が赤径に平行)下が横構図で,空いた側に小型ガイド鏡を取り付けています。

B2006122

 

LB38-90のX面とY面は異なった形状とタップや通し穴加工を施しています。片側には幅40mmの段差を付けているのでApoSonnar用のプレートやTP(TTP)40シリーズは中央一本の固定でも安定します。

DP38シリーズの場合は2mm程隙間ができるので2本固定を推奨します。中央1本と17.5mm間隔2本固定や前後のバランス調整用に多彩な穴(タップ)加工を施しました。穴はM6及びUNC1/4,タップはM6に適合します。X,Y頂部側面のUNC1/4のタップ部に小型クランプを装着できます。

商品名のLB38-90は38mm幅のアルカスイス規格対応で,X,Y部の高さが90mmを意味しています。クランプ固定部は55mmなのでDS38など長さ50mmのクランプ対応です。SDS38では使えないのでご注意ください。

なお紹介したApoSonnar135mm/F2用のバンドセット(Nikon/Canon兼用)は2台在庫がございます。完売しました。6/19追記

B200613

|

2020年6月11日 (木)

縦横構図切替用L型ブラケット LB38-90の紹介 その1

B2006111

Prominar500mm/F5.6やApo Sonnar135mm/F2などを,当方のバンドで運用する際,縦横構図切替に便利なL型ブラケットを開発しました。

肉厚のアルカスイスプレートを90度折り曲げた構造です。(写真は細部の構造が解るよう大きなサイズでアップしています)

標準~広角レンズでの撮影では自由に回転できるレボルビング装置が便利ですが,望遠レンズは構図の縦横を赤径・赤緯に合わせるのが一般的です。Prominar500mm/F5.6などの他,縦横切替がないレンズでの天体撮影に便利です。

 

紹介する写真は三脚固定台座(ishoot SM135)を装着したSigma135mm/F1.8をLB38-90で赤道儀に固定した状態です。この台座は回転機構がないのでこのような例でも使用できます。(この例では構造上前後方向のスライドができなくなるのでクランプ付きのアルカスイスプレートを併用しています)

B2006112

これはTB-80/60ASで固定したBORG72FLをLB38-90を固定した状態です。TB-80/60ASはプレート取付面が3面あるのでLB38-90を使わなくても縦横構図切替はできますが,プレート取付が底面のみのProminar500mm/F5.6では大変便利です。特にマイクロフォーカサー(MFA-P556)併用時は必須でしょう。

LB38-90の価格は13,200円です。高い強度を持たせるために厚さ40mmのブロックからの削り出しで製作しているので高価ですが様々なシーンで役に立つアイテムです。Apo Sonnar135mm/F2への取付例やLB38-90の構造についてはその2で紹介します。

B2006113

|

2020年6月10日 (水)

レボルビング装置 RR-92 の販売終了について

B2006101

RR-110の後継機種として販売しておりましたRR-92は次回入荷分をもって販売を終了いたします。

RR-92は以下のようにカメラの専用ブラケット(GFX-50R用BL-50Rの例)を併用しますが,主な対象となるNikonD810AやEOS6D用のブラケットが市場から消えつつあるためです。

この例のように水平線を写し込む星景写真(追尾撮影)では必須アイテムと思います。今回で販売終了となりますのでこの機会にご検討いただけると幸いです。

B2006102

準備中の最終ロットではご要望の多かったEOS 6DMarkⅡを10台準備しました。SUNWAY FOTO社製PCL-6DⅡに対応します。

最終ロットの販売は7月20日の予定で機種と数量は以下25台です。 価格は全機種とも29,150円(税込)です。

  1. RR-92 GFX50R For BL-50R   :2台(これのみ即納)
  2. RR-92 D810 For BL-D800N  :2台 完売しました6/12追記
  3. RR-92 6D For PC6DR      :8台 残り2台となりました6/12追記
  4. RR-92 6D For BL6D         :3台
  5. RR-92 6DMⅡFor PCL-6DⅡ :10台 残り7台となりました6/12追記

 

|

2020年6月 6日 (土)

EM-200赤道儀 赤緯軸ハーモニックドライブ化 その5

B2006061

現在FSQ-130EDをEM-200Temma2Mで運用されているお客様のリクエストで赤緯軸を改造したEM-200に同クラスの鏡筒(APM130/780 F6→F4.5)を搭載してみました。EM-200Temma2MにFSQ-130EDを搭載する場合はウエイトは2個では足らず3個かシャフトの延長が必要とのことです。

結果は写真のとおりウエイト1個で極軸回りのバランスがとれまだ余裕があります。

写真の鏡筒にバンド類やカメラを加えた実測値は約13kg弱で,FSQ-130ED+ファインダー12.7kgとほぼ同じです。これならバンドやカメラなどを加えてもウエイト1個で運用できそうです。

B2006062

EM-200DHD改造は,本日現在8件のご予約をいただいております。調達中の改造用品は11台分なので,あと3件で一旦予約の受付を終了させていただきます。なおMTS-3仕様は販売を終了しました。

写真のカーボン三脚はSUPER MOUNT社製(天文ハウストミタ扱)のCYG54Gです。

|

2020年6月 2日 (火)

EM-200赤道儀 赤緯軸ハーモニックドライブ化 その4

B2006021

本日紹介するのはハーモニックドライブ改造したEM-200DHD(写真左)と標準状態のEM-200TEMMA2M(右)の極軸バランスの比較です。

それぞれFSQ-106ED+D810Aを搭載した例ですが,左のEM-200DHDは5kgのバランスウエイト1個で余裕なのに対し,標準状態ではバランスウエイト1個では足りないため2個にするかウエイトシャフトの延長が必要になります。EM-200DHDではガイドカメラなどを搭載してもウエイト1個で運用可能です。

改造で赤道儀の重量が4kgほど軽くなっているのでウエイトの軽減分まで含むと9kg赤道儀への荷が軽くなっています。EM-200のメーカー推奨搭載重量は16kgですが,9kg荷が軽くなるのであれば25kgの機材を搭載できる計算です。

B2006022

|

2020年6月 1日 (月)

William Opticsハーフピラー P-2,90S用アダプターについて

B2006011

william Optics製ハーフピラーにタカハシのP-2や90S(EM-100)赤道儀を搭載するアダプターが完成しました。

WO製ハーフピラーアダプターP-2及び90Sの価格は7,700円で各10個の限定販売です。なお当方ではハーフピラーは扱いません。アダプター単体は当方へご注文いただけますが,ハーフピラーと一括でご検討の方は天文ハウストミタへお問い合わせください。

B2006012

 

|

« 2020年5月 | トップページ | 2020年7月 »