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2022年1月

2022年1月31日 (月)

スカイキャンサー用XY70-H40やAMD-1N2などの再販について

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販売を終了していた,スカイキャンサーや H-40用の極軸高度方位調整装置XY70-H40やAMD-1N2は2022.2.1から受注を再開します。
受注を再開するのは関連商品も含め以下のとおりです。

  1. XY70-H40(UNC3/8専用):37,400円写真右のタイプ)→完売 22.5.06追記
  2. XY70-H40(PTP-C22専用):37,400円(写真左のタイプ)→完売 22.3.30追記
  3. AMD-1N2:34,100円(1軸オートガイド対応タイプは38,500円)
  4. 赤緯プレート:5,500円 →完売 22.3.30追記

今回準備するのは,1と2は合計で10台,3は20台,4は10台です。モータードライブは今回のロットからギヤ回りを変更したAMD-1N2になりました。従来のAMD-1Nよりモーター位置が赤道儀に近づき,低緯度でのXY70-H40の高度ねじとの干渉を防いでいます。なお極軸望遠鏡試写照明装置(ポールマスターアダプター取付兼用)は完売しました。標準で簡易照明装置が付属します。

1~4の適合機種

  • スカイキャンサー赤道儀:1,2,3,4
  • FC-50赤道儀:3,4(1,2は赤道儀の高度保持部の切断加工が必要)
  • H-40赤道儀:1,2,3(パノラマヘッド改造はお問い合わせください)

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以下はスカイキャンサー赤道儀とFC-50赤道儀に適合する赤緯プレートです。M8タップを35mm間隔で施しているのでDS38-50などを縦や横位置で装着できます。

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2022年1月23日 (日)

タカハシJシリーズ赤道儀のモータードライブなどについて

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時折,タカハシJシリーズ用の自動導入モータードライブについてのお問い合わせがありますが,赤道儀のメンテナンスを要すケースも多い事から,当方での直販は行わず天文ハウストミタで受注しています。

また専用のアリミゾは販売を終了していますが,現行のDS75-40をステンレススペーサーで嵩上げする方法で適合できます。

DS75-40をJシリーズ用としてご注文いただければ,Jシリーズでは不用な標準附属ボルトをステンレススペーサーに交換します。価格は変わりありません。

写真はJP赤道儀(ウエイトシャフトは直棒に交換)にJシリーズ用のTitan自動導入モータードライブと,DS75-40をスペーサーを介して設置した状況です。不安定に見えますが,4点で完全に固定されるので強度や剛性への影響は皆無です。

 

以下は写真のJP追尾精度をTDMで計測したデーターでエラーは±1.5秒角ほどです。

(高精度エンコーダーの取付方法が確立していないので綺麗なデーターは採りに難く,掲載のデーターは特に良い結果が得られた6分間のものです。(JPのウォーム軸1回転に要す時間)エンコーダー取付の影響はスケールオーバーするほど悪いデーターになりますが,良い方向になる事は考えられないのでこの結果を採用しています)

計測の目的は当方で販売するモータードライブの精度(ステッピングモーターのマイクロステップ誤差やモーター内蔵ギヤヘッドの影響(紹介のJシリーズ用はギヤヘッドはありません)に加えタイミングプーリーの偏心など)が赤道儀の精度に影響を与えていないかを確認するためです。

採用しているモーターやタイミングプーリー,ベルトは全て国産品なのでデーターを見る限りそれらの影響は無視できるレベルのようです。

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2022年1月22日 (土)

XY70-55にポラリエUを搭載してみました

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ポラリエUは基本的には底面固定なのでXY60-35への搭載を推奨していますが,背面固定もできるのでXY70-55に搭載してみました。XY70-55は北側への大きな偏荷重に耐えるので敢えてジンバル仕様で組んでいます。

ポラリエUではXY60-35がコンパクトに纏まりますが,調整の容易さはXY70-55の方が勝ります。構造上アルカスイスクランプも不用なのでこの組み合わせも良さそうです。

なお,初期ロットに附属するUNC3/8ボルトはポラリエUには僅かに長すぎます。次期ロットではポラリエUにも適合するよう改良する予定です。

XY70-55は初期ロットとして54台製作しましたが,おかげさまで残りは2台となっております。次期ロットの完成は4月以降の予定です。

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2022年1月19日 (水)

XY70-55他の在庫状況について

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昨年末に発売しました極軸高度方位調整装置XY70-55の初期ロット在庫は一桁となりました。

次期ロットは現ロット完売後,2~3が月後の生産となりますので暫くの間は欠品状態となります。また写真のポラリエ用アダプターは少量の限定商品でしたが,ご注文が多いことから次期ロットに合わせ追加いたします。

なお,写真の極軸望遠鏡は受注の集中で一旦販売を終了しました。この極軸望遠鏡本体は,海外メーカーからパーツとして調達していますが手続きの都合上,暫くは再入荷の予定はありません。

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AZ-GTi専用ビクセン規格アリミゾ他の一時的欠品について

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AZ-GTi用ビクセン規格アリミゾ他は使用する部品調達の都合上欠品していす。また共通部品を使うDS45,DS38シリーズも,完成品として在庫している機種以外は出荷できません。全ての商品の出荷再開は3月上旬の予定となっております。

現在欠品している商品は以下とおりで,その他完成品として在庫しているDS45,DS38シリーズの在庫も各5台前後です。

  • DS45-GTi
  • DS45R-76
  • DS38N-BK
  • DS38R-60
  • DS38R-76

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2022年1月13日 (木)

赤道儀の追尾エラーを修正(計測)する TDMについて-4

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これまではTDMを計測器として追尾精度の測定に用いましたが,今回は本来目的の制御装置として試みた例です。個人的にはこの装置は追尾精度があまり高くないハーモニックドライブ赤道儀にとって極めて有効と思っています。

今回は写真のように中空型のハーモニックドライブ(SHD25-160-2UH-LW)を使った模擬の極軸体にTDMのエンコーダーを装着しています。エンコーダーは極軸の南端に付けるために中空型のハーモニックドライブが必要になります。右上側が出力軸です。

 

以下がTDMの動作状況で,前半8分間(ウエーブジェネレーター1回転に要す時間は約9分)ほどは制御なし,その後は制御しています。

制御なしでのPモーションはTDMの計測範囲±15秒角を振り切っていますが,制御時は概ね±2秒角に収まっています。制御中でも約4.5分周期で振れているのは大きなモーションを完全に補正できないためで,この現象は恒星を使ったガイド撮影でも現れます。

Hd25_con_mts

 

こちらは,マイクロステップ中間精度の確認のためにコントローラーをMTS-3(1/64分割)からTitan(1/256分割)に変えた状態です。小刻みな振れが小さくなっていますが大きな差はないようです。

また17分以降はTDMの制御を,1秒周期,1秒角不感帯から0.125秒周期,0.5秒角不感帯に変更しています。変更後は±0.5秒角ほどで,1秒角を超える事はないようです。

ハーモニックドライブの急峻な挙動を抑えるには高速制御が有利かも知れません。(サンプリング周期とグラフの連動ができないため,後半は時間軸が1/8になっています)

Hd25_con_titan_1s0125s

 

TMDの追尾精度改善効果や運用性は期待を大きく上回るものでした。ハーモニックドライブ赤道儀用としては,高精度エンコーダーに対応した赤道儀駆動装置もありますが,一般的な駆動装置+TDMも選択肢になりそうです。今後評価用の赤道儀として組み立て,デザガイド時の挙動などを実際の星で確認してみます。

 

備忘録ですが,制御周期0.125秒で不感帯0.5秒角(上),1秒角(下)の場合です。(時間軸は1/8になります)

0125s_05s_mts

0125s_1s_mts

以下は長時間記録のために制御周期1秒(不感帯0.5秒角)のデーター。1秒角をクリアーし4.5分周期の波もほぼなくなっています。ハーモニックドライブはレスポンスが良いので不感帯は0.5秒が良いようです。(12分の乱れは机にショックを与えたため)
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2022年1月10日 (月)

赤道儀の追尾エラーを修正(計測)する TDMについて-3

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五藤6.5cm赤道儀に引き続きタカハシP-2赤道儀のPモーションを計測してみました。

P-2は極望があるので極望のキャップ部にアダプターを取付けて,そこにエンコーダーを装着しています。この取付方法では,極軸とエンコーダー軸の偏心が懸念されるのでエンコーダー本体は赤道儀に固定せず板バネで回転方向だけを支えています。

 

以下は個体1のPモーションです。概ね±3秒角ほどなのでP-2の中でも高精度な個体です。以前測定したPHDのデーターとほぼ合致します。

P2f6

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以下は個体2の状況です。周期性がない上に途中から大きく振れていますが本来の精度なのかエンコーダー偏心の影響なのかもう少し検証する必要がありそうです。

P2pota3

感触的には,少しは偏心の影響もあるかと思いますが,1の固体が良いことや,大きな振れは直ぐに戻すので,どちらかと言えばこの個体の精度(±10秒角程度)の可能性が高いような気がします。なお14分付近の乱れは計測範囲(±15秒)を逸脱したためです。また固体1には小さな振れがあるのは昨日の五藤6.5cm同様,ステッピングモーター回転ムラの影響です。個体2は1:300のギヤヘッド付なのでその影響はありません。

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上記の個体2ですが,エンコーダーを接続するシャフトの偏心を2~3/100mmに抑えて再計測したところ,以下の結果が得られています。周期性のあるカーブで±4秒角なので上記は偏心の影響で大きな誤差が出た模様です。1/10 15:00追記

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2022年1月 9日 (日)

赤道儀の追尾エラーを修正(計測)する TDMについて-2

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TDMによるPモーション測定の手始めとして五藤の6.5cm用赤道儀を計ってみました。この赤道儀は極望が内蔵されていないのでエンコーダーの取付が容易です。

グラフでは±8秒の振れがありますが,恒星時が少しズレ*ていて進んでいます。(グラフでは下方にずれる)それを見込むと±5~6秒角程度でこれまでにPHD Guidingで計った値と概ね合致します。五藤6.5cmのウォームホイールはMark-Xと同じ126枚なので,モーションの周期は11分25秒ほどとです。

 

TDMでの計測ではステッピングモーターのマイクロステップ精度に起因する2秒角ほどの小刻みな振れが検出されます。PHD Guidingでの計測ではシーイングの影響と判断がつかないのですが,エンコーダーだと顕著に解ってしまいます。

*原因はウォームギヤのピッチ誤差かと推測しますが他の部位や他の固体で試してみる予定です。

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2022年1月 8日 (土)

赤道儀の追尾エラーを修正(計測)する TDMについて-1

このお正月,ネットオークションでTDM(Telescope Drive Master)と言う赤道儀の追尾エラーを修正する装置を入手しました。このような装置があることすら知らなかったので年明け早々の大発見です。

調べてみると,このTDMは市販の赤道儀の極軸望遠鏡を抜き取り,そこに専用の高精度エンコーダーを装着します。TMDからの信号を赤道儀のオートガイド(RA側のみ)入力する事で追尾エラーを±1秒角程度まで改善できます。電源投入と同時に,回転方向などを学習するため使用に当たっての煩わしさは全くないようです。

早速,写真の回転ステージに接続するシャフトを作り試してみましたが,取説をみなくても10分程で使えました。0.2秒(1秒と切変)毎に修正する動作には驚かされました。

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TMD本来の追尾エラー修正には大変興味があり,Pモーションの大きなハーモニックドライブ赤道儀への適合ができそうです。

また,以下のようにPモーションを計測する測定器としても活躍しそうです。赤道儀本来の精度の他,アイドラーギヤ偏心の影響や,駆動用モーター内蔵のギヤ精度に起因する追尾エラーなどを計測できます。

以下は写真の回転ステージ(ウォームホイール歯数180枚,周期8分)を10分間計測したグラフです。概ねプラス6秒角程度のPモーションを確認できます。振幅は以前にPHD Guiding測定したデーターと概ね合っています。

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またハーモニックドライブの選別用としても使えそうですが,今回入手した機種は測定幅が±15秒だったので,誤差がこれより大きいハーモニックドライブ測定するにはもう少し測定幅の広い機種でないと使えないようです。

なお,ハーモニックドライブ赤道儀の追尾補正用として組み込む場合は,北側に向いた出力軸を南側に導く必要があるので,以下のような中空タイプでないと装着できません。

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昨日入手したばかりですが,これから一般的な赤道儀用のPモーション計測用のアダプターを作り計測してみる予定です。
これまで数多くの赤道儀のPモーション実測してきましたが,セッティングや気象条件などの影響を受けず定量性のあるデーターが取れそうです。今後何回かに分けて紹介する予定です。

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2022年1月 5日 (水)

新年あけましておめでとうございます

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新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今年は年明け早々に観測所に出かけました。写真は1月4日の日の出です。

今回は,スライディングルーフの開口が以前の半分になったので,2台の赤道儀の間隔などを確認するのが目的です。据付位置が決まったので次回は床の張替えなどを行います。

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