赤道儀の追尾エラーを修正(計測)する TDMについて-1
このお正月,ネットオークションでTDM(Telescope Drive Master)と言う赤道儀の追尾エラーを修正する装置を入手しました。このような装置があることすら知らなかったので年明け早々の大発見です。
調べてみると,このTDMは市販の赤道儀の極軸望遠鏡を抜き取り,そこに専用の高精度エンコーダーを装着します。TMDからの信号を赤道儀のオートガイド(RA側のみ)入力する事で追尾エラーを±1秒角程度まで改善できます。電源投入と同時に,回転方向などを学習するため使用に当たっての煩わしさは全くないようです。
早速,写真の回転ステージに接続するシャフトを作り試してみましたが,取説をみなくても10分程で使えました。0.2秒(1秒と切変)毎に修正する動作には驚かされました。
TMD本来の追尾エラー修正には大変興味があり,Pモーションの大きなハーモニックドライブ赤道儀への適合ができそうです。
また,以下のようにPモーションを計測する測定器としても活躍しそうです。赤道儀本来の精度の他,アイドラーギヤ偏心の影響や,駆動用モーター内蔵のギヤ精度に起因する追尾エラーなどを計測できます。
以下は写真の回転ステージ(ウォームホイール歯数180枚,周期8分)を10分間計測したグラフです。概ねプラス6秒角程度のPモーションを確認できます。振幅は以前にPHD Guiding測定したデーターと概ね合っています。
またハーモニックドライブの選別用としても使えそうですが,今回入手した機種は測定幅が±15秒だったので,誤差がこれより大きいハーモニックドライブ測定するにはもう少し測定幅の広い機種でないと使えないようです。
なお,ハーモニックドライブ赤道儀の追尾補正用として組み込む場合は,北側に向いた出力軸を南側に導く必要があるので,以下のような中空タイプでないと装着できません。
昨日入手したばかりですが,これから一般的な赤道儀用のPモーション計測用のアダプターを作り計測してみる予定です。
これまで数多くの赤道儀のPモーション実測してきましたが,セッティングや気象条件などの影響を受けず定量性のあるデーターが取れそうです。今後何回かに分けて紹介する予定です。
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