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2022年8月24日 (水)

湾曲ダブテールクランプとプレートの開発について-7

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今回は湾曲ダブテールクランプ/プレートと従来の円形レボルビング装置の比較です。

今回開発した,湾曲ダブテールクランプ/プレートはカメラを限定しないなど,以下長所がありますが同時に短所もあります。

特に円形レボルビング装置は天頂を向けても滑らかな回転ができますが,湾曲ダブテールクランプ/プレートは構造上,仰角が大きくなると「回転」と言える状態ではありません。

地上の風景を写し込む星景写真ほどの仰角では「回転」と言える動作ですが,仰角が大きくなるとスムーズな回転はできず,任意の回転位置に取り付けるクランプ/プレートといったイメージです。そのために敢えてレボルビング装置とは呼んでおりません。

構図によるバランスの崩れがあまり問題とならない,固定撮影や搭載重量に余裕のある赤道儀なら自由雲台の方が便利な場合もあります。

湾曲ダブテールクランプ/プレートは,上の写真のように,構図によるアンバランスの影響が大きいポータブル赤道儀での星景写真や,対象の向き(中心)を保ったまま,地平線を平行に写す際に威力を発揮します。自由雲台では構図そのものが変わることがあり,特に重量級のレンズでは顕著です。



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【湾曲ダブテールクランプ/プレート:写真右】

長所

  • 機種を特定せず,多くのカメラやレンズで使用可能
  • 赤道儀に搭載した状態でカメラボディやレンズの交換,ピント操作などが容易
  • リモート端子との干渉がおきにくい

短所

  • 仰角を大きく取るとスムーズなスライド(回転)ができない
  • 回転方向の調整範囲が約140°に限定される
  • サイズが大きい*(約200φの半円状,質量420g:CDS38,CDP38-196の合計)

*最大でD810AやGFX-50Rの搭載を想定した大きさです。これらのカメラではカメラの光軸と回転中心がほぼ一致します。

 

【円形レボルビング装置:RR-92:写真左(販売終了品)】

長所

  • 天頂に向けてもスムーズに回転できる
  • 360°自由に回転(レボルビング)可能
  • 小型・軽量(直径約120mm,質量300g)

短所

  • カメラボディや併用するカメラブラケットが限定される(開発取止めの要因)*
  • カメラの交換にやや手がかかるため,頻繁な交換は難しい
  • レンズによってはピントや絞りリングを覆うため操作性が劣る
  • 回転位置によってはリモートケーブルと干渉する

*レボルビングの操作性に限っては円形の方が遙かに優れていますが,カメラやブラケットが限定されるために湾曲ダブテールクランプ/プレート方式に切替ました。

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