2022年を振り返って-4
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今年の3月にはP-2や90S赤道儀用クラッチ付のAMD-1NCを発売しました。
電動追尾のままで両軸の手動操作ができるので惑星や月などの観望用として多くのご注文をいただきました。
当初の想定を遙かに上回るご注文をいただいたので欠品しておりますが,来年1月中旬にはP-2用,90S用を各10台ほど追加予定です。また旧AMD-1,AMD-1N用のクラッチユニット単体も同時期に20台追加します。
今回赤道儀で採用した滑りクラッチは快適な操作を実現するので,電動フォーカサーへの応用も計画しています。望遠鏡設置や撤収時のドローチューブ抜き差しに,電動ではあまりに時間がかかるので手動で操作できれば極めて快適でしょう。
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2022年は側面にアクセサリーを装着できる,側面フラットタイプのアリミゾを5機種(内DS45R-MS3とDS45R-80の2機種は販売終了)を商品化しました。
元々はガイドカメラなどの装着を想定したものですが,キャリングハンドルを組み込んだEM-200改造機で高い評価をいただいた事から,このフラット面へのキャリングハンドル装着を思いつきました。
一般的に赤道儀の運搬や据付の際はクランプは締めないので不安定ですが,キャリングハンドルがあれば写真のように持てるため落下事故を防げます。
アリミゾ後付けタイプの赤道儀であれば殆どの機種へ装着できます。このキャリングハンドルCH35-100S(B)は2023.1末の発売予定で価格は5,940円です。
CH35-100が適合するアリミゾは,DS45T-10,DS45GTi,DS75T-20と販売終了のDS45R-MS3,DS45R-80の5機種です。今後CH35-100適合機種を拡大する予定です。
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今年も残り3日になりましたが,例年通り今年の仕事を振り返ってみます。
本年10月には長らく休止していたEM-200赤道儀の自動導入改造を再開しました。
EM-200用として新に開発したコントローラーAGS-2(CPU部はNS-5000_Wi-Fi/Bluetooth)は,採用するモータードライバーやステッピングモーターの仕様により,無振動仕様(導入速度300倍速)/高速仕様(導入速度600倍速),極望有効/望無効の4タイプからお選びできます。
来年のEM-200改造は,赤緯側をFLEXWAVEドライブ化も含め以下を予定しています。ただEM-200改造で採用するモーター用として100個準備した圧力角14.5度,軸経5φ用の特注ギヤの残りが少なくなりましたので以下台数でEM-200の改造は終了します。
なお,採用するコントローラーは,通常改造はAGS-2,FLEXWAVEドライブ改造はTitanTCSを標準としています。
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写真のようなタカハシε-160EDなどの接眼部に適合するクラッチ付EAF取付アダプターの限定生産を計画しています。
原理的にはP-2や90S赤道儀と同じでハーフクラッチが使えます。なおクラッチ軸の固定は純正ノブと同じ方法を採用するのでピニオン軸に傷はつきません。
写真は他の目的用を流用して組んだものなので,スペーサーを挟んで軸方向の出入りを調整していますが,これでもEAF側のギヤは差し込みが浅くなっています。製品ではギヤの大きさも含め最適になるよう設計します。
クラッチ付EAF取付アダプターの価格は26,400円で発売は2023.2.20の予定です。100台限定生産を予定しています。
適合するのは写真ε-160EDなどと同じ形状の接眼部を用いたタカハシ製鏡筒で,FSQ-106EDなどは対象外です。
構成パーツは以下となります。ギヤカバーの装着については適合機種が制限される場合があります。
ギヤカバー無しから標準装備に見直しました。
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P-2赤道儀用のアングルファインダー接続リングは,これまでに何度となく限定製作していますが,引き続きご要望が多いため再販いたします。
今回は前回製作したものとは事なり全長を短くしたP-2専用品です。前回はH-40,90S,NJPでも使えるようにしたため,P-2で使った場合視野のケラレがありましたが,今回のは解消されています。P-2以外では極望のアイピースと干渉するのでご使用いただけません。
価格は前回同様3,300円(送料370円)で50個の限定品です。適合するアングルファインダーは「CANON ANGLE FINDER-B」のみです。
P-2赤道儀の極望は,①倍率が高い②アイポイントが短い③視度調整ができないために使いづらいいのですが,特に南天でははちぶんぎ座の台形を探すのが大変です。アングルファインダーを併用すると②,③は解消されますが,倍率はどうにもならないばかりか,直視でなくなるため探すのはさらに難しくなります。
そこで極望の補助用として,タカハシの5×25ファインダーを併設するアダプターも作ってみました。P-2の極望は19mm,9倍なので視野の広さと明るさは3倍以上になります。南天でも極望で据付られる方には便利でしょう。
基本的にこのアダプターはアングルファインダー接続リングの併用が条件となるので,セット販売となります。セット価格は7,700円で20個の限定です。
ご注意
タカハシ5×25のファインダー(販売終了品)はお手持ちをご使用ください。他は使用できません。
手持ちの個体では,上記写真の状態で極望とファインダーの光軸ズレは5分程度でしたのでファインダーだけでも充分な据付ができます。
このアダプターは5×25ファインダーの鏡筒部とアイピース部間に挟んで使用します。そのため,挟む部分の厚み(1.5mm)だで全長が長くなります。ピントはアイピースの視度調整で合わせられるので補助望遠鏡としては役目を果たしますが,十字線はかなりボケでしまいます。このファインダーは十字線の位置を調整できますが手持の個体ではそれだけでは対処できないため,十字線もピントを合わせたい場合は,鏡筒を短縮する必要があります。
また極軸の回転でファインダーが邪魔になる場合もあるため,南天での補助用としてのご使用をお勧めいたします。経験上極めて有効なアイテムと思っています。
赤道儀側は,極望キャップのネジ込み部に挟み込む方式のため,アングルファインダー接続リングはなくても装着は可能です。但し極望との併用はできません。また,以前の90Sなどでも使えるアングルファインダー接続リングでも取付できます。その場合は4,400円で単体販売します。
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先日紹介したTMB92/F5.5の対物レンズは,眼視設計の3枚玉AOPなので星野撮影にはフラットナーが必須です。
この鏡筒はF5.5と明るいのですが,さらに明るさを求め,William Optics製Flat6AⅢ0.8Xフラットナー/レデューサーを使ってみました。Flat6AⅢ装着後は口径92mm,FL405mm,F4.4の写真鏡になります。
紹介のFlat6AⅢなど,ドローチューブに装着する補正レンズは,焦点位置までの距離=バックフォーカス(以下BFと略)により周辺像が変化します。短いと放射状に伸び,長いと円弧を描いた(コマ収差のような)星像になります。
今回使ったFlat6AⅢはBFを回転ヘリコイドで調整できますが,この部分でカメラを1回転させると周辺像は大きく変化しました。ヘリコイドのネジピッチは0.75なので,BFを0.数mmオーダーで前後させるだけで周辺星像に影響が出そうです。
この量は組み合わせる光学系によって変わると思いますが,意外とシビアで補正レンズと焦点面間にフィルターを入れた場合やIR改造したデジタルカメラは,これらが光路長に影響する度合いを再考する必要があるのかも知れません。
その点,Flat6AⅢは実写しながら容易に最適なBFを探れますが,写真のタカハシ製FC35RD0.66Xなど,BFが固定されている機器で周辺像が芳しくない場合は,シムリングなどを用いカットアンドトライで追い込むことになるでしょう。
なお,FSQ-106EDの645レデューサーのように鏡筒側に固定する補正レンズではBFを気にする必要はありません。ペッツバール光学系のFSQ-106直焦点やRED CAT51なども同様で,ピントが合う位置=BFでフィルターの厚みなども影響を受けません。
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手持ちのTMB92/F5.5(トリプレットAPO)でWilliam Optics製Flat6AⅢ0.8Xフラットナー/レデューサーを試してみました。
バックフォーカスはライブビューで四隅の星像を見ながら簡単に合わせただけですが,まずまずの星像です。異なるメーカー製の組み合わせでこれだけの性能が出れば充分でしょう。
このフラットナー/レデューサーはバックフォーカスの調整がとても簡単なので,もう少し追い込んみようかと思っています。以下の写真はEOS Ra,ISO1600,EXP180S,JPEG画像の1/2リサイズです。
なおFlat6AⅢをTMB92の接眼スリーブに装着するために,M63→M75(上の写真左)と,タカハシ鏡筒用としてM63→M72のアダプターリング(上の写真右)を各2個作りました。
何れも1個余剰がありますのでご希望の方がおられたら連絡ください。実物合わせでネジ加工を行っているので高精度です。価格は何れも6,600円です。タカハシ鏡筒では試していませんが,TSA-120などの3枚玉にマッチするかと思います。
タカハシ用M63→M72は完売しました。2022.12.22追記
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これまでキャリングハンドルは,写真のようなTP60シリーズ用(工業製品の流用)を販売してきましたが,適合範囲を広げるために専用品のCH100-35を計画しています。CH100-35はTP60シリーズの他,DP38-190など35mm間隔での機器取付対応プレートに適合します。
さらに,DS75T-20など側面取付対応のアリミゾへも装着できるので簡易的な赤道儀キャリングハンドルとしてもご使用いただけます。
以下は赤緯部をハーモニックドライブ駆動改造したEM-200赤道儀ですが,赤道儀本体の軽量化(16.5kg→12kg)もさることながら,これで組み込んだハンドルには高い評判をいただいています。片手で持ち運べる上,三脚への据付時の脱落の不安から解消されたとの事なので,他の赤道儀でも応用できないか模索した結果です。
ただ赤道儀へのハンドル取付は容易くないのでDS75T-20など側面取付対応のアリミゾの併用です。以下は試作品をDS75T-20経由でEM-200に装着した状態です。
ハーモニックドライブ改造と異なり回転する部位への取付なので安定感は若干損なわれますが,片手でつり下げられる事やいざという時の安心感は充分でしょう。
写真は試作品のためメッキしていませんが,商品はシルバー(CH100-35S)と黒(CH100-35B)の化学研磨処理を施します。
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ZWO社製のAM5赤道儀は標準で極軸セッティング機能を有していますが,使い慣れたポールマスターでのセッティングを望まれる方も多いようです。またそれほど据付精度を要しない電子観望などでは極軸望遠鏡が便利でしょう。
そのようなご要望から,AM5赤道儀用のポールマスター接続アダプターDP31-AM5を製作しました。赤道儀への取付は赤緯体側面のファンダーシュー又は附属のM4ボルトで直付けです。
DP31-AM5には前面にポールマスターを,背面にXY70-55用の極軸望遠鏡を装着できます。(写真はAM5と同じ原理の減速機を採用した赤道儀へ取付けています)
このXY70-55用極軸望遠鏡は,取付面に対してレチクルの芯出を行って出荷しているので,電子観望程度の用途では充分な精度ですが,ポールマスターとの併用を活用し,ポールマスターで極軸合わせ後に,一度極軸望遠鏡のレチクルを微調整しておけば完璧でしょう。その際は再現性の観点から,アダプターの装着はファインダーシュー経由ではなくAM5へ直接ボルト固定をお勧めいたします。
この商品は協栄産業大坂店でお買い求めいただけます。適合機種はAM5赤道儀及び31mm幅のファインダーシュー対応機器です。
参考用としてハーモニックドライブ(又は同原理品)の分解写真です。一部の中空タイプを除き以下のような部品構成となっているため回転軸中心に極軸望遠鏡を通すことはできません。
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先日紹介したテーパーリング/クランプに対応する極軸高度調整装置TR50-Y35に引き続き,写真の背面固定とした初代ポラリエ用TR50-Y55を加えました。
TRC50をベースとしたシステム構成(今後の予定も含め)や価格ついては,別途ご紹介しますが,今回紹介する写真のTRC50+TR50B+TR50-Y55+ポラリエ背面接続アダプターで構成した極軸調整装置の価格は31,900円です。TRC50ベースでは方位微動はありませんが三脚との脱着がワンタッチになります。
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少し間が空きましたが,テーパーリング/クランプに対応する極軸高度調整装置TR50-Y35をラインナップしました。
シンプルな構成で三脚へのポータブル赤道儀搭載(方位調整)と極軸高度の調整が行えます。
ポータブル赤道儀の据付程度なら方位の微調整は必ずしも必要ではなく,どちらかと言えばクランプを緩めて東西に振った方が早いと感じる方も多いようです。
三脚と赤道儀の脱着は以下写真のようクランプ(TRC50)とリング(TR50)で行います。TRC50は三脚に,高度微動を取付けたTR50は赤道儀に付けたままなのでセッティングは極めて容易です。また,三脚の1本を北側に向ける事も容易です。
高度微調装置の上面はポラリエUの底面に嵌合する構造なので,中央1本の固定でも回転する事はありません。
これまでに紹介したTRC50/TR50関連記事は以下のとおりです。
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NIKON AF-S 8-15専用のリングヒーターは,2020.3月に製作しましたが,知り合いからの依頼などで再度製作する事にしました。併せて受注もお請けいたします。
今回はヒーター仕様を変えるためヒーター定格や外観は写真とは変わります。現時点では5Vで2W程度,5V-9Vステップアップケーブル併用時は6W程度を予定しています。加熱構造はCマウントレンズ用のHF34(40.5)と同じ仕様です。
受注は12/20日までで,完成は2023.2末の予定です。価格は前回同様12,100円です。NIKON AF-S 8-15専用設計なので他のレンズには適合しません。
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P-2赤道儀用旧型モータードライブのAMD-1及び,クラッチ適合前のAMD-1N用クラッチユニットが完成しました。
諸事情で開発が遅れてしまい申し訳ございませんが,ご予約の方へは個別にご注文の案内を差し上げております。
基本的にご予約分のみを製作しておりますが7台ほど余剰があります。価格は専用のギヤカバー付で14,300円です。再生産は行いません。
準備した22台は完売しました。ただ極めて短時間で完売しましたので,今後ご注文分は少量でも追加生産いたします。納品は来年になりますが,引き続き12月15日まで受注いたしますのでよろしくお願いいたします。12/11日追記
追加の受付は12/15日までとしていましたが,注文数が多かったことから余分に製作しています。本日時点で11台の余剰がございます。12/16日追記
写真はAMD-1に装着した状態です。AMD-1はその後のAMD-1Nとはギヤを付ける側が逆(西)になっていますが,ギヤカバー固定ネジ部を長穴にしているので何れにでも適合いたします。
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