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2022年12月23日 (金)

補正レンズのバックフォーカスについての考察

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先日紹介したTMB92/F5.5の対物レンズは,眼視設計の3枚玉AOPなので星野撮影にはフラットナーが必須です。

この鏡筒はF5.5と明るいのですが,さらに明るさを求め,William Optics製Flat6AⅢ0.8Xフラットナー/レデューサーを使ってみました。Flat6AⅢ装着後は口径92mm,FL405mm,F4.4の写真鏡になります。

紹介のFlat6AⅢなど,ドローチューブに装着する補正レンズは,焦点位置までの距離=バックフォーカス(以下BFと略)により周辺像が変化します。短いと放射状に伸び,長いと円弧を描いた(コマ収差のような)星像になります。

今回使ったFlat6AⅢはBFを回転ヘリコイドで調整できますが,この部分でカメラを1回転させると周辺像は大きく変化しました。ヘリコイドのネジピッチは0.75なので,BFを0.数mmオーダーで前後させるだけで周辺星像に影響が出そうです。

この量は組み合わせる光学系によって変わると思いますが,意外とシビアで補正レンズと焦点面間にフィルターを入れた場合やIR改造したデジタルカメラは,これらが光路長に影響する度合いを再考する必要があるのかも知れません。


その点,Flat6AⅢは実写しながら容易に最適なBFを探れますが,写真のタカハシ製FC35RD0.66Xなど,BFが固定されている機器で周辺像が芳しくない場合は,シムリングなどを用いカットアンドトライで追い込むことになるでしょう。

なお,FSQ-106EDの645レデューサーのように鏡筒側に固定する補正レンズではBFを気にする必要はありません。ペッツバール光学系のFSQ-106直焦点やRED CAT51なども同様で,ピントが合う位置=BFでフィルターの厚みなども影響を受けません。

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