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2024年4月

2024年4月30日 (火)

VSD90SS用クラッチ付EAF取付アダプターの開発状況について

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こちらの記事で紹介していた,ビクセンVSD90SS用のクラッチ付EAF取付アダプターの試作品が完成しました。

設計に当たってはTTP60-117Mに取り付けたキャリングハンドルやASI AIRのコネクターとの干渉も考慮しています。今後ギヤカバー製作後,6月中旬の発売予定です。

なお,VSD90SSのピントノブはFSQ-106EDなどと比べるとやや固いため,伝達ギアで1.6倍ほどのトルクを稼いでいます。

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2024年4月27日 (土)

P-2ポータブル改造の終了について

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2021.3月から受注している「P-2赤道儀ポータブル化改造」は準備した材料の残数が2台分となりました。この2台をもちまして改造は終了いたします。(写真は今月納品する個体で,右は改造途中です)

精度・剛性共に高いP-2赤道儀の極軸体を用いているので通常の星野写真に加え,日食撮影にも便利です。昨年の日食の動画もこの赤道儀を使いましたが,強風の影響もあまり受けずブレの少ない動画を得られています。

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これまでの改造費用は赤道儀のオーバーホールを含み55,000円でしたが,殆どの場合,極軸望遠鏡のレチクルが汚れているためその清掃と再調整や,写真のアングルファインダー取付金具込みで77,000円に改訂させていただきます。赤道儀お預かり期間は約2か月です。なお専用フォークアームは完売しました。

以下は日食遠征の際にこの赤道儀で撮影したη-カリーナ星雲です。EOS Ra(QBPフィルター併用)と200mmF2→2.5の組み合わせで120秒露出したJPEG1枚画像ですが,この程度なら余裕です。

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2024年4月23日 (火)

カメラマウント運用時のスケアリング(チルト)調整について

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昨日の記事と関連しますが,センサーサイズの大きい冷却カメラでスケアリング調整(チルトアジャスト)が必要なのは,殆どがフィルターホイールの平面性に起因しています。

フィルターホイール前後の開口部(54φ)面間で0.1mm以上傾いた個体もあり,要求される精度を満足していません。径の大きい筐体と薄い蓋による構造が影響しているのでしょう。

 

これに対してフィルタードロワーとFDCM-6200ADを組み合わせた部位の平面誤差は0.01~0.02mm程度です。

写真は昨日紹介したカメラマウント構成のASI6200MC PROなどで,CMOSセンサーに対するカメラマウント面の傾きを測定している状況です。これまでに複数台同様の測定を行っていますが,何れもスケアリングは調整(チルトアジャスト)は不用でした。

 

写真のコリメーターの平面性検出精度は,カメラマントと光学ガラス間の片側にo.o1mmのシムテープを挟んだ時のズレ量ほどです。

60φほどに対して0.01mmなら要求される精度を満足しています。(因みにコピー用紙の厚みは0.09mm,薄いレシートが0.05mmほどです)

カメラを回転させない場合は,鏡筒側のエラーをここで合わせる手もありますが,できればカメラは完全な状態が望ましいでしょう。

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2024年4月22日 (月)

カメラマウント接続アダプター FDCM-6200ADⅢについて

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フィルターホイールが必要なモノクロカメラでは,天体望遠鏡と冷却カメラの接続は荷重に耐えるテーパーリング接続を推奨していますが,フィルタードロワーで充分なカラーカメラでは,シンプルなカメラマント(バヨネット)接続が便利でしょう。デジタルカメラとの切り替えなど運用の幅が広がります。

 

以前のZWO社製カメラマウントはバヨネット部の強度や精度の面で敬遠されていましたが現行品は改善されています。

フィルタードロワー一体型のカメラマウントもラインナップされていますが,ZWO社純正構成はM42接続のため,フルサイズやガイドチップ付きのカメラは使用できずApo Sonnar135/2専用のFDCM-6200ADⅡをお求めになるケースが増えています。

ただ,FDCM-6200ADⅡ(限定商品)は,Apo Sonnar135/2を含む手持ちレンズでテストを行い,フィルター有無でもピントが出るフランジバックを決めています。(基準値より0.3mm長い,EOS用44.3mm,Nikon用46.8mm)

 

そのため補正レンズ併用時のフランジバックに合わない事や,レンズによってはフィルター未装着時にピントが出ない可能性があるため,新にフランジバックを基準値どおりにした,FDCM-6200ADⅢを設計しています。同梱のシムリングで0.7mm延長もできる予定で,通常商品として販売予定です。

以下は,ZWO社製フィルタードロワー付カメラマウントにFDCM-6200ADⅡを接続した例です。

左がNikonマウントと6200MC PRO,右がEOSマウントと2600MC DUOです。FDCM-6200ADⅢの外観はこれと変わりありません。

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2024年4月14日 (日)

再販中のP-2用AMD-1NCの受注可能数量について

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4月1日から5台限定で受注を再開したP-2用クラッチ付AMD-1NCは残り1台となりました。

この5台はクラッチ対応のギヤカバー在庫からの制限ですが,クラッチなしのギヤカバーを後加工したものでしたら1,100円OFFでのご提供できます。クラッチノブで隠れる部位なので外観は変わり有りません。この場合はさらに5台追加できます。

  • クラッチ付AMD-1NC(電池内蔵仕様):46,200円(加工カバーは45,100円)
  •       〃      (USB5V仕様):44,000円(加工カバーは42,900円)
  • 極軸望遠鏡試写照明装置           :4,400円
  • オートガイド機能(USB5V仕様は適合不可) :4,400円

クラッチ無しの場合,上記より11,000円お安くなります。また写真のP-2専用(他機種では使用不可)アングルファインダー取付金具(3,300円)の在庫もございます。

通常仕様は完売しました。ギヤカバー加工品またはクラッチ無しは合計で5台受注可能です。24.4.14日追記

追加分の,クラッチ無し仕様及び,カバー後加工仕様も完売しました。4/22追記

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Apo Sonnar135/2専用 CMOSカメラ関連製品について-3

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暫く間があきましたが,Apo Sonnar135/2とCMOSカメラを組み合せ例の紹介です。

手前はダブルチップのASI2600MCDUOとEFマウントのApo Sonnar135/2で構成した例で,縦横構図変更はアルカスイス/ビクセン両用アリガタで行います。ガイド鏡が不用なのでカメラレンズとの組み合わせはスマートです。

奥はフルサイズのASI6200MCPROとニコンFマントののApo Sonnar135/2で構成しています。ガイド鏡やASI AIRなど全てセッティングした状態です。キャリングハンドルも付けてみました。(市販品のアルカスイスプレートを併用しています)

 

前にも書きましたがApo Sonnar135/2はIFレンズと事なり,全てのレンズが移動してピントを合わせます。そのためフィルター有る無しでのバックフォーカスは気にする必要はなく,フィルター装着時はレンズを少し繰り出した位置(∞位置より手前側)でピントがあうだけです。

なおここで紹介した専用のEAF搭載プレート(受付は終了しています)は諸事情で完成が遅れております。申し訳ありませんが ご予約の方は今暫くお時間ください。

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2024年4月13日 (土)

TR74システム用キャップの発売について

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お客様からのご要望が多かった,TR74システム用キャップが完成しました。鏡筒側に付けたTR74-M54Fなどのテーバーリングに装着する側とカメラ側のTR74-SAP側の2個セットです。

写真手前は製品状態で,奥は鏡筒とカメラに装着した状態です。

TR74CAP Setの価格は税込み8,800円(送料370円)で4月22日の発売予定です。なお単品でも販売いたします。その場合,鏡筒側がTR74CAP-F,カメラ側がTR74CAP-Mとなります。単品価格は何れも4,400円です。

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2024年4月 1日 (月)

赤道儀自動化改造の受注を再開しました

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昨年度後半は公共天文台関連工事対応のため,小型赤道儀自動化の改造受注を休止しておりましたが,本日から再開いたします。当面は先日紹介したEM-200とP-2赤道儀のみですが,夏頃からEM-100も再開予定です。

写真は先月末に自動化を行った「清和高原天文台」のテスト風景です。スマホでの手持ち撮影ですが,バランスウエイトの上辺りにカノープスが写っています。

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