こちらの記事で紹介した写野隅の星像悪化は自作カメラマウント不良ではなく,Pleiades68本体の僅かなスケアリングズレが原因でした。昨夜も晴れたため純正のカメラマウント(EOS)に変えて調整してみました。
Pleiades68には,回転角度が刻まれた化粧カバーの内側に写真のようなスケアリング調整機能が付いています。回転装置の前段に配置されているので光学系のみの調整ができます。
調整はデジカメを使いましたが,センサー方向とパソコンのモニター上に写し出される画像の相対位置を把握しておけばCMOSカメラでも同じ要領で行えます。
具体的な方法は以下になります。デジカメ背面モニーターの隅に写った星の位置と,それに対応する調整ネジの位置関係が解かれば20~30分もあれば調整できます。
- カメラ回転装置で,デジカメの背面モニターと調整ネジの位置関係を下図のようにする
- ライブビューで写野中心にピントを合わせた状態で4隅の星像を確認する
- 仮に図のように左上の星像が伸びていたら,ピントノブを操作し,前後どちらでピントが合うか確認する
- もしも後側(繰り出し側)でピントが合えば,対向する右下の押し引きネジを押す側(調整プレートを浮かす側)に調整する
説明の場合,右下を押す方向に調整するが,逆の場合,既にプレートが密着していれば引く事ができないのでその場合は対向する側を押す。
以下は調整後の中央と四隅の星像ですがフルサイズのカメラでも満足行く星像になりました。
昨夜似たような状況で試写したVSD90SS(カメラはGFX-50SⅡ)にひけを取らないように見えます。(Pleiades68はVSD90に対して焦点距離が約半分なので星像はその分小さくなります)
Pleiades68はVSD90SSより2倍以上明るいので完璧を求めるなら調整は必要でしょう。面倒と思えるかも知れませんが1つの要素のみで調整できるので,反射系カメラの調整と比べれば至って容易でしょう。
Pleiades68がこれほどの性能となるとVSD90SSとほぼ同じ価格のPleiades111/F4.8の存在が気になりますね。