カメラマウント開口径と回折現象(考察)
先日のREDCAT91との比較用に掲載したVSD90SSの試写写真ですが,写野左下端に映り込んだ明るい恒星にカメラマウントの回折現象の影響かと思われる星像の悪化が現れています。
この撮影では,VSD90SSの60.2φスリーブに,「PENTAX645用カメラマウント」+「PENTAX645→EOSマウント変換アダプター」(上の写真の状態)を用い,フルサイズのEOS Raで撮影しています。この構成ではネジ込み部がないためEOSマウントの最大径となる48φの開口径を確保しています。
48φあればフルサイズのセンサーサイズを完全にカバーしていますが,他に原因が見あたらないので,ここでの回折現象が影響したものと推測します。
以下は60.2φスリーブに,「PENTAX645用カメラマウント」+「PENTAX645→GFXマウント変換アダプター」を用いGFX-50SⅡで撮影したものです。これでは四隅まで完璧な星像なので上記の推測は正しいでしょう。
以下は今回使用したマウント類で
右側の「PENTAX645→EOSマウント変換アダプター」内部が光っていますが,真鍮のマウントとアルミ筐体の接続面に反射した撮影用光源です。カメラ側からは全く見えない部位なのでこの影響ではないと判断しています。
M48接続の開口径は44~45φ程度です。今回48φあっても回折の影響と思われる事例が発生したことから,M48接続は避けた方が賢明なのかも知れません。
なお何れの場合も「PENTAX645用カメラマウント」前面に58mm→52mmステップダウンリングをねじ込んでいました。この部分の開口径は52φですが55φあるGFXの写野ケラレなど顕著な影響は見受けられません。
| 固定リンク
「ちょっと一息」カテゴリの記事
- 土星食と「TAMRON SP35mm F1.4Di USD」 の試写(2024.12.11)
- FCT-65DとPleiades68の実写比較を行いました(2024.12.10)
- 「星宴2024」は逆転満塁ホームランのような快晴でした(2024.11.05)
- 紫金山ーアトラス彗星を「星宴2024年」の会場で見てきました(2024.10.24)
- カメラマウント開口径と回折現象(考察)(2024.09.11)