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2024年10月

2024年10月28日 (月)

AMD-1NCの再販準備について-1

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P-2赤道儀など用のAMD-1NCは昨年生産を終了していますが,その後もお問い合わせが多い事から再販の準備を行っています。

再販時期は2025.1月からで,H-40(スカイキャンサー,FC-50赤道儀),P-2,90S用3機種合わせて100台の予定です。

 

価格はクラッチや,極軸望遠鏡視野照明装置など有無により変わりますが,基本的に従来の電池内蔵仕様と同じです。

P-2用の場合,クラッチ仕様で44,000円,照明装置は4,400円です。なお,このロットから3機種とも電池内蔵仕様は廃止し,全てUSB5V仕様に統一します。

また,H-40やスカイキャンサー赤道儀は,TRC-50を使った極軸高度(方位は微動無し)調整装置などのオプションも開発中です。

AMD-1は2008年に発売し,その後AMD-1N,AMD-1NCとモデルチェンジしています。昨年までの15年間で累計400台生産していますが今回のロットで500台に達す予定です。

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2024年10月24日 (木)

紫金山ーアトラス彗星を「星宴2024年」の会場で見てきました

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昨夜は「星宴2024会場」の産山村で紫金山ーアトラス彗星を見てきました。星宴のライブ配信機材の事前確認を行っている「天リフ」さんや「星空のサカイ」さんに合流しています。

良く晴れていたのですが,彗星方向の雲が取れず,雲が地上の明かりに照らされた状況が続き写真はイマイチでした。

 

帰路は阿蘇外輪山の西側を通りましたが霧が出ていました。産山村は外輪山の東側に位置しますが,西側の外輪山で雲が涌いていたのでしょう。

それでも彗星の尾は8×42双眼鏡の視野からはみ出して見えていました。双眼鏡で見つけた後は凝視すれば肉眼でもなんとか彗星が見えていました。

下の写真は雲が少なかったまだ空が明るい時間帯に撮ったものと撮影機材です。レンズは24mmで,ほぼ撮って出しですが銀河は肉眼で見たイメージに近いです。

金星の下に写っている阿蘇外輪山で雲が涌いているのが分かりますが,この後明るい雲にずっと邪魔されました。低い雲(ガス)なので地上の明かりに照らされていたのでしょう。

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2024年10月21日 (月)

カメラマウント接続&バックフォーカス調整セットの発売

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正確なバックフォーカスを要求する光学系*用として「フルサイズ用カメラマウント接続&バックフォーカス調整セット」を発売いたします。

*合焦操作でレデューサーなどの補正光学系がカメラと一緒に抜き差しされる光学系やIFのカメラレンズ

この商品は「M54FD-5AD」(既販売品)に「バックフォーカス調整用シムリング5枚」をセットしたものです。

「M54FD-5AD」は,ZWO社製「フィルタードロワーM54」の後部パーツと交換する事で光路長を5mm短縮できます。これにより,ZWO社製「2インチEFW用カメラマウント」と組み合わせた場合,カメラレンズのバックフォーカスを満足し,同時に有効径(約47φ,フィルター未装着時)を確保できます。(最下段のシステムチャートを参照ください)

さらに,フィルターによる光路長への影響対策として,バックフォーカスを調整するためのシムリング(0.05mm,0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.5mmの5枚)をセットしました。トータル光路長を以下の範囲(最大+1.15mm)で調整できます。

・EOSマウントの場合 : 44.00~45.15 組み合わせにより0.05mmステップ
・Nikonマウントの場合: 46.50~47.15        〃

 

フルサイズ用カメラマウント接続&バックフォーカス調整セットの価格は13,200円で,10月25日発売日です。(M54FD-5ADは引き続き単体販売(9,900円)しますが,シムリングのみの販売は行いません)

【商品構成】

・M54FD-5AD
・バックフォーカス調整用シムリング5枚の2点セット(以下写真)

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【システムチャート】

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【参考説明】
ZWO純正の「フィルタードロワーM54」「2インチEFW用カメラマウント」 を組み合わせただけでは,カメラレンズが要求するバックフォーカスを満足しません。(光路長が5mm長くなる)

また同社の「フィルタードロワー付カメラマウント」はバックフォーカスは満足しますが,カメラとの接続がM42なのでフルサイズカメラやDUOカメラでは使えません。

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2024年10月17日 (木)

FCT-65D 接眼部へのガイドカメラ搭載について

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FCT-65Dの接眼部へのガイドカメラ搭載の紹介です。ファインダー取付部にDS38-30とDP38-30Aでガイドカメラを搭載しています。
(写真はTB95ASに専用のトッププレートTTP40-82を用いているのでここへ搭載できますが,FCT-65Dなどでガイドカメラ搭載場所がない場合に便利です)

DS38-30はFCT-65Dなどで採用されている接眼部に適合しますが,FCT-65Dの場合すぐ前に鏡筒バンドがあるため,バンドとの干渉を防ぐためにプレート側はDP38-30AとガイドプレートDP33-114の2段重ねになっています。DP38-30AやDP33-114は無加工で構成できます。

なお,以下の例などDP38-30AとSR31.7B4で固定できるガイドカメラでは鏡筒バンドとの干渉はないため2段重ねの必要はありません。

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価格は以下の通りで全て在庫品です。DP38-30AとDP33-114を同時にご購入の場合,2段重ね用の長いボルトが附属します。

  • DS38-30 :8,800円
  • DP38-30A:4,400円
  • DP33-114:4,950円

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2024年10月15日 (火)

紫金山ーアトラス彗星を追いかけて-4

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今回の海外遠征機材は彗星撮影に絞り,カメラレンズとポータブル赤道儀のみとしました。レンズは12mm~200mmまでの6本です。

私は広角レンズでの星景写真と言えど赤道儀を使用します。職業柄?か星が点に写らないのは追尾エラーみたいで嫌いです。

今回はカメラを付け直す時間はないので,ゴニオステージ赤道儀に自由雲台に搭載した広角系と,ジンバルに搭載した望遠系での同時撮影を行いました。

紹介する写真はSIGMAの14-24mmと105mmF1.4を同荷しています。時折強風が吹いていましたが200mmF2でも耐えてくれました。上の写真ではシャッターコントローラーが風で揺れています。

 

なお,今回使用したゴニオステージは構造上追尾時間が約1時間に制限されます。

始点と終点は光センサーで検出し自動停止しますが途中で巻き戻すこともできます。広角側で地上の風景がバランス良く収まる位置を始点にし,撮影の度に始点まで巻き戻せば,どのカットも地上の風景は同じ構図になります。始点に戻す操作はコントローラーのボタンを2~3秒押すだけです。

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2024年10月12日 (土)

FCT-65D用トッププレートTTP40-82M(DP38/45構成)-1

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DP75構成用のTTP60-82Mに引き続き,アルカスイス/ビクセン規格アリガタ用のTTP40-82Mの紹介です。クラッチ付EAF取付金具経由でEAFも装着してみました。

鏡筒バンドはベース部の幅が40mmのTB95ASが,アリガタはDP45-152,DP38/45-152が適合します。

ただ152mmのアリガタでは前後バランスがとりにくいケースもあるため,重たいカメラでもバランスがとれるDP38/45-222Nを準備中です。(フラットナー構成の場合でレデューサー構成時は発売後に確認予定)

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2024年10月11日 (金)

FCT-65D用トッププレートTTP60-82M(DP75構成)-2

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昨日に引き続きTTP60-82Mの紹介です。今回はTTP60-82MにキャリングハンドルCH35-100やASI Air,ガイドカメラなどを搭載した状態です。

FCT-65Dの鏡筒は特殊な形状なので片手で持ちにくいようです。アリミゾ固定時は鏡筒を片手で保持する必要があるのでキャリングハンドルは有益でしょう。

 

以下はフラットナー構成時の前後バランス確認です。ピントノブ付近がバランス位置になります。

条件は,ドローチューブ抜き出しは合焦位置,カメラはASI6200MC PRO,ASI Airや小型ガイドカメラ装着で,アリガタはDP75-222です。

フラットナー構成時はピント位置が後になるのでアリガタはDP75-222を推奨します。この場合アリガタのほぼ中央で前後バランスが取れます。

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2024年10月10日 (木)

FCT-65D用トッププレートTTP60-82M(DP75構成)-1

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こちらの記事で紹介していた,タカハシFCT-65D用のトッププレートTTP60-82Mが完成しました。
写真は3インチアリガタ構成で,TTP60-82とTB95NとDP75-152を組み合わせた状態です。

アルカスイス/ビクセン規格運用のTTP40-82も入荷しております。明日以降順次掲載予定です。

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海外出張から帰国しました

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写真は出張期間中に私達が滞在したアーガイルリゾートのロッジ(一番安価なロッジ)です。

この一帯は2028.7月の日食の皆既帯になのでその際の滞在地と目論んでいましたが,既に欧米などから多くの問い合わせが入っており,予約は受け付けていませんでした。やはり皆既帯のリゾートは目を付けられていますね。

こちらは同行のグループが明かりの無い庭先で撮影するために滞在した一番高級なロッジです。室内もとてもゴージャスでした。

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リゾート近くの展望台から見たアーガイル湖です。この湖はオーストラリア第二の人工湖だそうです。(写真に写っているのはアーガイル湖の一部のパニキン湾で,全体はこの数十倍あります)

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2024年10月 8日 (火)

紫金山ーアトラス彗星を追いかけて-3

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今回の遠征地はダーウインの南西、約800kmの「アーガイル湖の北部」ですが、ここを選んだのは以下の3つの理由からです。

  • 登ってくる彗星と太陽の位置関係が良い(地平線に対して、太陽が彗星の真下になる緯度)
  • この時期天候が安定している
  • 2028.7月の皆既日食の皆既帯に入っている

 

緯度条件が良いとは言っても、アーガイル湖付近の地形は起伏があるため、観測ポイントの選定は綿密に行いました。

上の地図は、長野の小林氏が、地形図やGooglemapなどネット上の写真などを元に作成してくれた資料です。これがあったので4駆車しか入れない悪路の先のポイントに辿りつけました。そのためにレンタカーも4駆を選びました。

 

事前準備の甲斐あって、アーガイル湖付近(正確にはパニキン湾)を前景に、尾を真上に伸ばした彗星と冬の銀河の写真は、「ほぼ」イメージ通り撮影できました。

「ほぼ」なのは予想しなかった強風で湖面が波立ており、湖面に映る彗星は叶いませんでした。

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以下は事前調査のB地点ですが、ここへ辿りつくには、荒れた道路を登って行く必要があります。Img_4088    

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2024年10月 6日 (日)

紫金山ーアトラス彗星を追いかけて-2

Img_3752(C/2011W3 写真はwikimediaより)

今回、紫金山ーアトラス彗星を南半球まで追いかけたのは、2011年に南半球に現れたラブジョイ彗星(C/2011W3)の写真の印象が強烈だったからです。

彗星が写っているだけでなく、南天の銀河や大小マゼラン雲が写った写真を見て何時かはチャレンジしたいと思っていました。

 

今回は事前のイメージから14mm縦構図で狙い、逆さオリオンまで入れた構図を取りましたが満足のゆく写真が撮れました。うっすらですが黄道光やガム星雲も写っています。

欲を言えば彗星の尾が銀河まで伸びてくれればと思いますがそれは贅沢なのかもしれません。来年のアトラス彗星(C/2024G3)に期待します。

 

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2024年10月 5日 (土)

紫金山ーアトラス彗星を追いかけて-1

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ブログの更新が滞っていますが、9/30日早朝から本日10/5日まで、6日連続で紫金山ーアトラス彗星を追いました。霞の影響はありますが前半は低空まで晴れていましたが10/3以降は雲が多くなりました。

写真は長期滞在するアーガイルリゾートのすぐ近くのダムの上で撮ったものです。前の陸地が3度ほど低空を妨げていました。14mmで撮っているので銀河やηカリーナ星雲も写っています。

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