« 2025年1月 | トップページ | 2025年3月 »

2025年2月

2025年2月28日 (金)

C/2024G3アトラス彗星を追って-11 (1/27日)

2025_1_27_0

遠征11日目の1月27日です。やっと待ちに待った快晴の空になりました。朝6時の気温は18℃ととても冷えていました。

遠征11日目にして全く雲に邪魔されず撮影できました。これまでは105mmがメインでしたが、条件が良かったので200mmで撮っています。複数枚撮影できたので画像処理を天リフの山口さんに依頼した写真です。既に彗星核は崩壊しており、尾だけが写っている模様です。

最後の写真は先にアップしたものですが、彗星の写真を撮り終えた後、ワディファームの空港まで移動して撮ったものです。逆さオリオンに木星や火星が加わった銀河は今しか取れないので、これだけは撮っておきたかった星景写真です。

2025_1_27_1

2025_1_27_4

2025_1_27_3

2025_1_27_2

Img_4982_20250304081701

【彗星撮影データ】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎27日、‏‎22:07(日本時間)
  • カメラ:EOS Ra
  • レンズ:EF200mmF2→2.2
  • ISO:1600
  • 露出:30S露出5枚スタック
  • 赤道儀:P-2ポータブル改造赤道儀
  • 撮影地:ワディファーム
  • 画像処理:天文リフレクションズ、山口氏

【星景撮影データ】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎28日、‏‎0:42(日本時間)
  • カメラ:NIKON D810A
  • レンズ:SIGMA 14-24mmF2.8→14mm,F4
  • ISO:3200
  • 露出:120S露出1枚
  • LEE No2フィルター使用
  • 赤道儀:自作ゴニオステージ赤道儀
  • 撮影地:ワディファーム空港

|

2025年2月27日 (木)

C/2024G3アトラス彗星を追って-10 (1/26日)

1x8a3234-s

遠征10日目の1月26日です。朝の衛星写真では今日もダメかなと思っていたら夕方から急速に回復しました。写真は少し強調していますが、雨上がりの霞のためか低空に町明かり (セルバンテス?)の影響が出ています。

105mm望遠レンズでの撮影ですが相変わらずよく写ります。肉眼でフォーマルハウト(写真右上)まで伸びる尾が確認できました。

2025_1_261

2025_1_262

彗星撮影後、停電2日目の夜、部屋でくつろいでいるところです。停電しているのでヘッドライト頼りですがお酒を飲むには十分です。この時点までは高架水槽に溜まった分で水道は使えていましたが、翌27日からその水も無くなり、停電+断水のサバイバル生活に突入します。

2025_1_263

【彗星撮影データ1】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎26‎日、‏‎21:42(日本時間)
  • カメラ:EOS Ra
  • レンズ:SIGMA105mmF1.4→1.6
  • ISO:1600
  • 露出:10Sの1枚画像
  • 赤道儀:P-2ポータブル改造赤道儀
  • 撮影地:ワディファーム

|

2025年2月26日 (水)

C/2024G3アトラス彗星を追って-9 (1/25日)

2025_1_25_3

遠征9日目の1月25日です。前日遠征したLake Ninanからの帰路は雨でしたが、今日も朝から夕方までスッキリしない天気でした。結局彗星を見ることはできていません。

写真は停電のためにワディで準備してくれた発電機です。フォークリフトでないと運べない容量(13.5kVA)ですが、とてもうるさかったのでこの後、100m程離れた場所に移設しています。

移設しましたが、たまたま施設内に他のキャンパーが居られたのでずっと回す訳にいかず、バッテリーの充電時のみ回しました。

なお、ガスのバーベキューコンロがあったので調理には困らなかったのが幸いです。どうでも良いのですが、レンタカーのナンバーがCMOSカメラの型番みたいでした。

2025_1_25_2

2025_1_25_1

|

2025年2月21日 (金)

P-2など用のAMD-1N(C)の出荷について

B20250221

こちらで紹介していたP-2など用のAMD-1N(C)は出荷の準備が整いました。P-2とH-40用をご予約の方へは注文の案内をお送りしております。(90S用のご案内は2/22日の予定です)

今回は第1ロット(2月25日出荷分)としてP-2用19台、H-40用12台、90S用10台製作しましたが、P-2用とH-40用は多めに作ったので余剰があります。この余剰分は即納(5営業日)できます。90S用は追加分が完成する3月末に余剰がでます。
写真はP-2用とH-40用でギヤの取付など一部は未完成のものも含んでいます。

本日時点での受注可能数量は以下となっております。

  • H-40用:AMD-1N:42,900円  10台
  • H-40用:AMD-1NC:49,500円 7台 (即納8台)
  • P-2用:AMD-1N:42,900円  15台 
  • P-2用:AMD-1NC:49,500円  37台 (即納6台)
  • 90S用:AMD-1NC:49,500円   8台

|

2025年2月18日 (火)

C/2024G3アトラス彗星を追って-8 (1/24日)

1x8a3197s

遠征8日目の1/24日です。出張などで更新が滞りましたが、ここからは遠征後半になります。

前日は何とか雲間から観測できましたが、相変わらず予報が芳しくなかったのでワディファームから180km程内陸に入った、「Wongan Hills」と言う小さな町に移動しました。

幾つか候補地がありましたが、西が低空まで開けている「Lake Ninan」と言う塩湖に決めました。乾季だったので車で乗り入れる事もできましたが、雨期は水が溜まる模様でウユニ塩湖っぽい写真が撮れそうです。

上の写真は105mmで撮っていますが、なかなかの迫力でした。このときは既に彗星核は崩壊しており大量のダストを放出していたのでしょう。塩湖の雰囲気を出したかったので強調処理はほとんど行っていません。

下はほぼ同じ時刻に24mmで撮影したもので、金星が雲に隠れています。あえて対岸を走る車のライトが映り込んだ写真を選びました。

撮影を終えワディに戻る途中から雨になりました。移動しなかったメンバーに聞いたところ夕方から雨だったそうなので移動は正解でした。この夜、日付が変わったころから停電になり、丸3日間続くサバイバルが始まりました。

Dsc_6152s

2025_1_24_2

2025_1_24_1

2025_1_24_3

【彗星撮影データ1】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎24‎日、‏‎21:48(日本時間)
  • カメラ:EOS Ra
  • レンズ:SIGMA105mmF1.4→2
  • ISO:1600
  • 露出:20Sの1枚画像
  • 赤道儀:P-2ポータブル改造赤道儀
  • 撮影地:Wongan Hills Lake Ninan

【彗星撮影データ2】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎24‎日、‏‎21:58(日本時間)
  • カメラ:NIKON D810A
  • レンズ:SIGMA14-24mmF2.8→24mmF2.8
  • ISO:1600
  • 露出:30Sの1枚画像
  • 赤道儀:自作ゴニオステージ赤道儀
  • 撮影地:Wongan Hills Lake Ninan

|

2025年2月10日 (月)

C/2024G3アトラス彗星を追って-7 (1/23日)

1x8a3156s

遠征7日目の1/23日です。サイクロンはインド洋上に遠ざかり昼間の天気は回復しましたが、低空の雲はなかなか取れません。

最後に見た19日から3日も経ったので、彗星はさぞかし小さくなっているだろうと思っていましたが、肉眼でもハッキリわかり雲間から見える姿は大きく、怪しく感じました。 3日前より暗い空で見られるようになったことや、雲間だったからかも知れませんが、これまでで一番雄大に感じました。

写真は105mmでの撮影ですが尾は写野からはみ出しているでしょう。通過する雲にやきもきさせられましたが、これはこれで雰囲気ありますよね。

【撮影データ】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎23‎日、‏‎21:52(日本時間)
  • カメラ:EOS Ra
  • レンズ:SIGMA105mmF1.4→1.4
  • ISO:400
  • 露出:20S
  • 赤道儀:P-2ポータブル改造赤道儀
  • 撮影地:ワディファーム

|

2025年2月 8日 (土)

C/2024G3アトラス彗星を追って-6 (1/22日)

Dscf0273-_s

遠征6日目の1/22日です。サイクロンはインド洋上に遠ざかりましたが今日も彗星は見られませんでした。これで3日間お休みです。

今日は滞在先での食事事情でも紹介しようと思いますが、ご飯の写真で始まるのもどうかと思うので、まずは最終日の1/29日深夜に撮った「みなみじゅうじ座」付近の銀河でも。空が良いので2分1枚のほぼ撮って出しでもそこそこの写真が得られます。

GFX50SⅡ,GF110mmF2→2.8,ISO1600,2分,JPEG1枚画像を1/2(4,128×3,096)にリサイズ(さらにブログ掲載サイズまで縮小されています)

2025_1_22_1

 

ワディファームの食事は自炊です。食事を作るのも遠征の楽しみ?なので期間中はほぼ毎日3食作りました。ご飯もその度に炊いています。

食材は車で1時間ほどの近く?町へ買い出しに行きますが、日本食材はパース郊外にある日本食材店で買いました。日本食材がないと、バーベキューなど肉料理に偏りがちですが、和食が作れるとワンパターンにならずにすみます。朝の味噌汁があるだけでも料理が1品増えて楽です。
お昼は素麺、うどん、お好み焼き、麻婆豆腐など作りました。また野菜を摂るよう心がけました。

ちなみに今回の遠征費用に対する食材代(アルコール含む)の割合は20%で、宿泊費が45%、レンタカー+ガソリン代が35%です。食材と宿泊費は仕方ないのですがレンタカー代が高いのが痛いですね。
1日当たりの食事代(アルコール込み)は3,000円強で、6泊7日間滞在した人の宿泊費など全てを含めた現地費用は約100,000円でした。外食していないので意外と安く済んでいます。


2025_1_21_7

2025_1_21_8

2025_1_22_2

2025_1_22_3_20250208173201

2025_1_21_4

2025_1_21_5

2025_1_21_6

最後にスイカのテイスティングしているところを。とても美味しかったです。

2025_1_21_9

 

|

2025年2月 6日 (木)

C/2024G3アトラス彗星を追って-5 (1/21日)

2025_1_21_3

遠征5日目の1/21日です。サイクロンはインド洋上に抜けましたが、西オーストラリア州の大部分は雲の中です。移動も考えましたが500km以上内陸へ走らないと晴天域へ達しそうもないので断念しました。

と言うことで、彗星の撮影はあきらめ、まったりと過ごしました。 昼食はパスタで、夕食は伊勢エビの刺身と蒸し焼きです。伊勢エビは近くのセルバンテスにあるロブスター・シャック言うレストランで買ってきました。この日やった事は食材の買い出しと預け入れ機材の整理程度です。

2025_1_21_1

2025_1_21_2

|

2025年2月 5日 (水)

C/2024G3アトラス彗星を追って-4 (1/20日)

2025_1_20_1

遠征4日目の1/20日です。22日までは撮影できなかったので遠征に至る経緯を紹介します。

今回の遠征は、C/2024G3アトラス彗星が発見された3ヶ月後の2024.7月に決め(航空券購入)ました。掲載の予想光度曲線は発見当初のものですが、この時点での最大予想光度は-1等級、観測可能な頃は4~5等級でした。近日点通過時に崩壊する可能性が大きいと報じられおり、メディアで取り上げられることはなかったようです。

それでも遠征を決めたのは、2024.9~10月に遠征した紫金山ーアトラス彗星(こっちは航空券を購入できる1年前に決定)と同じく、見られる所に行ってみない事には始まらないからです。C/2006P1マックノート彗星では決断が着かず悔しい思いをしています。

その教訓から、C/2012S1アイソン彗星はモンゴルまで遠征しましたが、残念ながら近日点通過時に消滅しました。今回と紫金山ーアトラス彗星遠征は幸運にも成功を納める事ができました。特に今回のC/2024G3は予想を大幅に超える立派な彗星になり帰国の前日まで楽しませてくれました。

 

1/20日の状況ですが、サイクロンはエクスマウス沖で猛烈に発達し、フェーン現象が起きたためか午後のワディの気温は44℃ほどに達しました。エアコンの効いた涼しい部屋で機材のメンテナンスを行いました。

余談ですが2023.4月のエクスマウス日食の際、今回のようなサイクロンに巻き込まれていたらと思うとゾッとします。何日間も狭いキャンピングカー内で過ごす事になったでしょう。

2025_1_20_3

2025_1_20_2

2025_1_20_4   

|

2025年2月 4日 (火)

90S用AMD-1NC 追加予約の受付について

Photo_20250204151001

昨年12月でご予約を終了しました90S用AMD-1NCは、その後のご要望が多いことから追加製作を行います。

追加製作数は10台で納期は3月末です。本日時点で7台ご予約いただけますのでよろしくお願いいたします。

写真は今回、GFX-50SⅡとGF500mmF5.6で撮影したηカリーナ星雲です。モーター仕様は異なりますが以下の90Sで撮影しました。ガイドしていないので流れたカットもありますが、極付近なので500mmでもほぼ実用になります。

ηカリーナ星雲の写真は、RAW1枚をレベル色合い調整、ISO1600、露出120S、高温で発生する熱かぶり部をトリミングしています。

B25_02_04

|

C/2024G3アトラス彗星を追って-3 (1/19日)

2025_1_19_1

2025_1_19_2

遠征3日目の19日です。今日は200mmと500mmの2本で撮影しました。とても風が強かったので2台の赤道儀を使っています。

200mmはポータブル改造P-2で、500mmはSP-DXで撮影しています。200mmはF2,ISO400,露出10秒なので、前日よりさらに5~6倍ほどの露出をかけられました。(撮影時刻や空の状況にもよるので参考程度です)SP-DXの方は追尾エラーが発生しています。

 

2台体制での撮影風景です。この時点では西の空は比較的晴れていますが東の空は雲が多く虹も出ていました。この後、空全体に雲が広がりましたが、奇跡的に彗星の方向だけ雲が切れてくれました。

2025_1_19_4

2025_1_19_5

以下は19日17:21の衛星写真です。サイクロンはエクスマウス付近まで進んで来ており、既にワディ付近は雲がかかっています。この後20~22日までは撮影できませんでした。

2025_1_19_3

【撮影データ-1 上段】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎19‎日、‏‎21:39(日本時間)
  • カメラ:EOS Ra
  • レンズ:CANON EF200mmF2→2
  • ISO:400
  • 露出:10S×2枚
  • 赤道儀:P-2ポータブル改造赤道儀
  • 撮影地:ワディファーム空港
  • 画像処理:天文リフレクションズ、山口氏

【撮影データ-2 下段】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎19‎日、‏‎21:32~:33(日本時間)
  • カメラ:GFX-50SⅡ
  • レンズ:GF500mmF5.6→5.6
  • ISO:1600
  • 露出:10S×6枚
  • 赤道儀:SP-DX赤道儀
  • 撮影地:ワディファーム空港
  • 画像処理:天文リフレクションズ、山口氏

|

2025年2月 3日 (月)

C/2024G3アトラス彗星を追って-2 (1/18日)

G3_0118_1x8a3003

遠征2日目の18日です。17日のイメージが小さかったので、レンズを500mmに変えています。当初からそれほど大きな彗星とはならないと予想していたので、500mmのレンズを2本持ち込みました。2本ともセッティングしましたが、風が強かったこともあり手前のFD500mmF4.5のみで撮影しました。

2025_1_18_3

17日の105mm撮影時とほぼ同じF値、ISO感度で撮っていますが、17日の露出時間1/10秒に対して18日は4秒と40倍近い露出をかけられました。この頃は1日3度ほど太陽との離隔が大きくなりますがその影響は絶大です。

 

以下は18日6:51の衛星写真です。北部のブルーム付近でサイクロンが発生していますが、19日以降の天気に大きく影響しました。
2025_1_18_1_20250203094501

 

ワディファームの室内で準備中のこの日の撮影機材です。ポータブル改造したP-2赤道儀にファインダーを付けたFD500mmを搭載しています。

サイクロンに吹き込む南風がとても強かったのですが支障なく撮影できました。なお、改造したP-2赤道儀は不動点からレンズまでの距離が短いので1kgのウエイトでバランスが取れます。

2025_1_18_2

【撮影データ】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎18‎日、‏‎21:25:43(日本時間)
  • カメラ:EOS Ra
  • レンズ:CANON FD500mmF4.5→4.5
  • ISO:800
  • 露出:4S
  • 赤道儀:P-2ポータブル改造赤道儀
  • 撮影地:ワディファーム空港

|

2025年2月 2日 (日)

C/2024G3アトラス彗星を追って-1 (1/17日)

G3_0117_1x8a2899

今回のアトラス彗星遠征の紹介です。備忘録として記していますので、後日修正や加筆を行う場合があります。

現地入り初日の1/17日のC/2024G3の写真です。

1/16日に福岡空港を出発し、翌17日の早朝にパース空港に着いた時の天候は曇りで、ワディへの移動は雨の中でした。15時頃から急速に回復し、夕方は極低空に雲が残るものの綺麗に晴れ渡りました。

この日の光度はマイナス1等級程ですが(以下の光度曲線は1/18日のもの)、初日でどの程度のイメージかわからないので、とりあえず105mmでの撮影しました。(赤道儀には14-24mmも同荷していますが撮影していません)

2025_1_17_4

写った彗星は、太陽からの離隔が小さいため露出をかける事ができずとても小さなイメージです。ただ双眼鏡では核は輝き、尾も明るくシャープに見えました。彗星とは関係ありませんが、撮影していると餌をもらえるとおもったのか羊が集まって来ます。

2025_1_172025_1_17_2

【撮影データ】

  • 撮影日時:‎2025‎年‎1‎月‎17‎日、‏‎21:04:33(日本時間)
  • カメラ:EOS Ra
  • レンズ:SIGMA105mmF1.4→5.6
  • ISO:800
  • 露出:1/10S
  • 赤道儀:自作ゴニオステージ赤道儀
  • 撮影地:ワディファーム空港

|

« 2025年1月 | トップページ | 2025年3月 »