「WIFD FOCUSER」専用EAF取付金具について-5
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こちらの記事で紹介していた、RED CAT91専用のM63接続テーパーリング「TR74-M63M_BF55」が完成しました。
TR74システム標準構成時にM63ねじ込み部からセンサーまでの距離が55mmになり、WIFDのストローク約10mmの位置でピントがでます。WIFDのストロークは35mmあるため、M63ねじ込み部からセンサーまでの距離が約30mm~65mmであれば運用可能です。
55mmが最高性能と言うわけではなく、この範囲であればどこで使われても光学性能は変わりないのでバックフォーカスを気にせずに運用できます。
TR74-M63M_BF55の裏面には52mm径のフィルターをねじ込めます。フルサイズでも48mmでケラレはないと思いますができるだけ開口径を廣く撮りたい方のために52mmを採用しています。
TR74-M63M_BF55の価格は9,900円で4月15日の発売予定です。
なお、Pleiades68専用M54接続テーパーリング TR74-M54F_BF55は開発が遅れております。
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開発が遅れておりました「WIFD FOCUSER」専用EAF取付金具が完成しました。試作からピニオン軸ハウジングへの固定方法を「スリ割りクランプ」式に変更し、本体側の個体差の影響を受けずに確実に固定します。本体側への傷も付きません。
この方法でEAFを装着すると、側面への張り出しが小さくなるのでケースへの収納が容易になります。WIFD FOCUSER式の鏡筒は一般的なドローチューブ式と異なり、ドローチューブを繰り入れなくともケースに収納できるので、ピントが合った位置で収納可能です。これは移動観測にとって大きなメリットでしょう。
「WIFD FOCUSER」専用EAF取付金具の価格は11,000円です。タイミングプーリーとベルトを含みます。(構造変更により以前の案内から変更しています)
発売は4月15日の予定です。なお現時点で確認できている適合機種は以下で紹介したもののみです。今後実機確認ができたものから追加します。
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SeeStar S50適合を確認しました。特にスペーサーは不要ですが高度調整を下げた場合、XY70-55の高度保持部とSeeStar S50の底面が干渉する恐れがあります。その際はスペーサーを併用するか、北側の三脚を少し縮めれば対応できるでしょう。
XY70-55には長短2本の赤道儀固定用ボルトが標準付属するので、長いボルトを使えば5mm程度のスペーサーを併用しても取付できます。3/30日追記
SeeStarの赤道儀モード用としてXY70-55にSeeStar S30を搭載してみました。接続面の干渉などもなく搭載できています。
XY70-55は極めて高い強度(剛性)を誇りますので強度に対する不安はありません。S50については接続面干渉の実機確認ができておりませんが強度上は何ら支障ないでしょう。(写真のXY70-55は高度調整ノブ未装着状態です)
現在、XY70-55は一時的な欠品中で、再入荷は4月20日の予定です。(微かなメッキ不良のパーツで組み立てるB級品も20台ほど予定してます)B級品のご注文(予約)は3月31日で締め切らせていただきます。28日追記 B級品の販売は終了いたしました。31日追記
なお、3月30日~4月5日までは、公共関連工事に伴う出張のために商品出荷などの通常業務は行えません。ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。
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こちらで触れていた、ULTRA CAT 76/F4.8が発表されました。発売は2025.8月の予定とのことなので、ULTRA CAT 56/F4.8とほぼ同時期となる模様です。価格は1,888USDでPleiades68/F3.8より少しお安くなるみたいです。
以下はメーカー公開のスポット図で、参考用にRED CAT71のものも掲載しておきます。
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ULTRA CAT 56のカメラ接続部には「Sensor Tilt Xterminatorと略してSTX」称する新たなチルト調整機構が採用されました。
従来の「押し-引きネジ式」に変わるもので、カメラなど接続した状態で側面から容易にアクセスできる調整機構です。今後発売されるULTRA CATシリーズで採用されます。
これまでの「押し-引きネジ式」は光軸方向に調整ネジが配置されるため、接続部の隙間が狭い場合や、径の大きいフィルターホイールが接続された場合はなどは調整が大変でした。場合によっては一度分離しないと調整できないケースもありました。
STXはベース側に対し、チルトプレートの「ジャッキアップ」と、「強力なバネ引張り」機構で構成されています。これによりチルトプレートは4カ所のジャッキアップのみでシーソーのように動き、1カ所を押し上げた場合、対角側を下げて調整する機構です。
このSTXはジャッキアップ用の精密送りネジとバネ引張り機構を内蔵する都合上、大きな光路長を必要とするためWIFD仕様の鏡筒でないと組み込めません。ちなみにSTXとWIFDの構造はWilliam Optics社の米国特許です。
メーカー出荷状態が完全であれば、この様な調整機構は不要と思われる方もおられるでしょうが、組み立て精度には多かれ少なかれ個体差があります。出荷検査で確認できる光軸が合っていても、焦点面の極僅かな傾きは星を撮って見ないとわかりません。これを簡単に調整でき、本来の光学性能を発揮できる調整機構があるのは大きなメリットでしょう。
なお、STXは回転装置の前段に配置されています。そのためCCDセンサーの傾きを打ち消すものではなく、光学系の焦点面の傾きを調整するものです。これについては次に詳しく説明いたします。
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ULTRA CAT 56のピント合わせは独自のWIFDフォーカサーを採用しています。対物レンズを含む全ての光学エレメントが鏡筒内を前後させる方式です。カメラレンズのインナーフォーカスと似ていますが、ほとんどのインナーフォーカス式カメラレンズの場合、動くのは一部のエレメントだけなので少し異なります。
WIFDフォーカサーは通常のドローチューブ抜き差し方式と異なり、鏡筒に直接カメラを装着するので、カメラの重みや抜き差しに伴うドローチューブの撓みが発生しません。
ラック&ピニオン部は完全に内蔵されているので、ドローチューブに塗布されたグリースへのゴミの付着などもありません。デメリットは構造上鏡筒が太く、重たくなることです。
写真はULTRA CAT 56のM54接続部に、直接ZWOのM54フィルタードロワー経由で、ASI6200MC PROを装着した状態です。
ULTRA CAT 56は前述のとおり、ピント合わせで全ての光学エレメントが前後するため、バックフォーカスを合わせる必要はありません。
この組み合わせでのフランジバックは17.5+20=37.5mmですが、ULTRA CAT 56の場合、M54接続部から約30~60mmの範囲であればピントが出るので支障なく使えます。
ドローチューブ式の場合、繰り出したドローチューブにカメラが付くので、そのまま持ち運ぶのは不安な場合もありますが、WIFDフォーカサーならカメラを付けたままでも良いでしょう。もちろんピントが合った位置のままで持ち運べます。この状態で全長はちょうど40cmです。
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William Optics社からULTRA CATシリーズ中、最も小口径となるULTRA CAT 56/F4.8の評価機が届きました。写真は手元にあるVSD70SSとの大きさ比較です。いずれもフードを引き出した状態です。
今後数回にわたり特徴的な構造や試写画像など紹介する予定です。
なお、ULTRA CATシリーズは今後、ここで紹介したULTRA CAT108他がラインナップされる予定です。(91mmは既にRED CATの名称で発売されていますが、光学系はその他のULTRA CATと同じ、SUPER EDガラス×2枚、EDガラス×1枚を使った5枚玉改良型ペッツバールです)
ULTRA CAT56の価格は未定ですが、約900USDのRED CAT 51WIFDより30%強高くなる模様です。以下は光学仕様がほぼ同じAskar SQA55と外形を比較した写真です。(ULTRA CAT 56はフードを収納しています)
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先日ZWOから発売されたカメラローテーター(メーカー名CAA:CAMERA ANGLE ADJUSTER)をTR74システムで使うための新アイテムを開発しています。
写真はVSD70SSにCAAなどを装着したイメージですが、CAAは専用の回転機構を有さない(抜き差しスリーブ部で代用可)VSD70/90SSでは特に魅力的な製品でしょう。
TR74システムは、TR74-SAPを核とした構成ですが、TR74-SAPはOAGやEX-12.5などにM2.5のボルト固定式です。これに対してCAAはM54ねじ込み式なので、これにに適合するM54仕様のテーパーリング請けを開発しています。フィルタードロワーの光路長を5mm短縮するM54FD-5ADを併用することで各社*のバックフォーカスを満足します。
開発中のTR74-SAP*は、TR74-SAPに対してテーパーリング固定ノブ位置を1mm鏡筒側にずらす必要があるため、M42/M48-BF55mm接続のテーパーリングには使用できません。
*システムチャートではTR74M54と記していますがテーパーリングと似た名称なので後日正式に定めます。
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FCT-65他、アクセサリー開発に使用した機材を売却いたします。今回売却するのは以下の3機種で、FCT-65とRED CAT91は試写に使用したので展示品レベルです。ASI6200MC PROは間もなく入荷する新機種テストに必要なため販売を延期しました。3/10日追記
FCT-65+65D FUレデューサーは写真のバンドやプレート類とのセット販売もいたします。その際、それらのパーツは通常価格の60%でのご提供となります。お引き渡しには確認事項がありますのでメールでお問い合わせお願いします。
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WilliamOptics社製鏡筒用のアクセサリーについては諸事情で先のご案内から遅れておりますが以下の予定で開発中です。写真はRED CAT91にTR74-M63M_BF55を取り付けたイメージです。
EAF取付アダプターは,ラック&ピニオンブラケットへの差込構造で進めていましたが、機種による僅かな個体差が確認されたために、バンド式に変更しています。
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遠征14日目、1月30日です。1/17日に西オーストラリア入りした遠征も今日で最終日になりました。サイクロンの影響や停電などのアクシデントもありましたが、楽しくて充実した日々を過ごす事ができました。帰りにワディ入り口で楽しく過ごした方々と帰記念撮影。
今回のC/2024G3アトラス彗星は夕方だったので、遅くても24時頃には就寝しています。昨年遠征した紫金山アトラス彗星は明け方だったので、深夜2時頃に起きて観測場所まで移動する日々でした。今回はほとんど移動しなかった事もあり、酷暑の中、疲れずに乗り切れたのでしょう。無事にパース空港に戻ってホットしているところです。
今回の撮影は主に改造したP-2赤道儀を使いましたが、明るいうちの据え付けなので南の極付近の暗い星では据え付けられず、スマホの傾斜と方位機能で行いました。
狙った改造ではありませんが、北側面(南半球では南)はフラットなのでスマホを当てるのに適していました。この方法でも数十秒の露出なら200mmでも何ら問題無く追尾できています。
撮影に使ったレンズは、200mmF2と105mmF1.4がメインですが、明るいレンズなのでライブビューを見ながら、両軸クランプフリー回転で容易に彗星を捕らえられました。単三電池駆動なので電源の心配もありません。
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遠征13日目の1月29日です。長かった遠征ですが彗星を撮影できるのは今夜が最後になりました。相変わらず日中は暑く40℃を超えています。
天候に悩まされながらも彗星の写真は撮れたので、昨年の紫金山ーアトラス彗星の様に、彗星と南天の銀河の写真を撮りたくなりました。構図的に両者を納めることができることは27日にワディで確認していましたが、最終日なので最良と思えるロケーションを目指し、再びニナン湖を目指しました。
快晴でしたが、最高のロケーションだったハズのニナン湖は、ちょうど彗星の方向に明かりがあり長い露出をかけられません。26日に訪れた時は気づかなかったのでショックです。
西の方向に町が無いことは予めGoogie Mapで調べていたのですが、後で見てみると対岸に農場があり、そこの照明だったかも知れません。ニナン湖のあるWongan Hillsと言う町は小麦で有名で大きな農場が点在していました。まあ、行き当たりばったりの撮影なので仕方ないですね。天体撮影では良くあることです。
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