William Optics新シリーズ ULTRA CAT 56/F4.8について-3
ULTRA CAT 56のカメラ接続部には「Sensor Tilt Xterminatorと略してSTX」称する新たなチルト調整機構が採用されました。
従来の「押し-引きネジ式」に変わるもので、カメラなど接続した状態で側面から容易にアクセスできる調整機構です。今後発売されるULTRA CATシリーズで採用されます。
これまでの「押し-引きネジ式」は光軸方向に調整ネジが配置されるため、接続部の隙間が狭い場合や、径の大きいフィルターホイールが接続された場合はなどは調整が大変でした。場合によっては一度分離しないと調整できないケースもありました。
STXはベース側に対し、チルトプレートの「ジャッキアップ」と、「強力なバネ引張り」機構で構成されています。これによりチルトプレートは4カ所のジャッキアップのみでシーソーのように動き、1カ所を押し上げた場合、対角側を下げて調整する機構です。
このSTXはジャッキアップ用の精密送りネジとバネ引張り機構を内蔵する都合上、大きな光路長を必要とするためWIFD仕様の鏡筒でないと組み込めません。ちなみにSTXとWIFDの構造はWilliam Optics社の米国特許です。
メーカー出荷状態が完全であれば、この様な調整機構は不要と思われる方もおられるでしょうが、組み立て精度には多かれ少なかれ個体差があります。出荷検査で確認できる光軸が合っていても、焦点面の極僅かな傾きは星を撮って見ないとわかりません。これを簡単に調整でき、本来の光学性能を発揮できる調整機構があるのは大きなメリットでしょう。
なお、STXは回転装置の前段に配置されています。そのためCCDセンサーの傾きを打ち消すものではなく、光学系の焦点面の傾きを調整するものです。これについては次に詳しく説明いたします。
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