65 SYSTEM

2009年6月20日 (土)

50SYSTEM 開発中!

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片持ちフォークユニットやガイドマウントなどで好評をいただいている
65SYSTEMの小型版を開発しています。
シリーズ名は50SYSTEM
65SYSTEMを二回りほど小さくした感じです。
因みに,65や50というのは回転プレートの直径を意味します。

50SYSTEMは65SYSTEMと全く同じ構造なので
65SYSTEMの以下の特徴をそのまま有しています。

・滑らかなフリーストップ回転
・クランプ時の視野のズレが小さい
・クランプを軽く締めるだけで確実に固定できる

50SYSTEM開発の第一弾は、上記特徴が一番活かされる
ガイドマウント仕様を予定しています。

XY軸とも固定部がプレート状になっているので
メインのトッププレートとガイド鏡のバンド固定プレートを兼ねます。
部品点数が少ないので,軽量化(上記の60mm鏡筒バンドを含め750g)及び
コストダウンをはかれます。また,構造上極端な低重心設計です。
鏡筒バンドを重ねた程度なのでバランス上有利です。

メイン側の鏡筒バンドサイズ,60,68,80,90,95,115mmで使用できます。
メイン側のバンド間隔100mm又は150mmから選べます。(写真の試作機は100mm)
(ネジ位置上は125mmにも取付可能ですが
バンドの上部の幅が異なるので美観を損ねます)

ガイドマウント単体価格18,200円,60mm鏡筒バンドとのセット29,000円で
7月から発売開始予定です。

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2009年6月 4日 (木)

65SYSTEMの内部構造

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65SYSTEMは多彩な組合せにより,ガイドマウントや片持ちフォークなど
発展性のあるアイテムとして昨年の冬に商品化していますが
この夏の日食用軽量機材としても大変ご好評いただいております。

その65SYSTEMの中核は回転軸ですが内部構造をご紹介します。
順番が入れ替わっていますが
写真右下のC字状に切り欠いたプレートを
写真中央の鏡筒プレートと写真左のステンレスのプレートで
サンドイッチする構造です。
3枚のプレートは高精度加工された15mmの軸で縫われ
ガタのないスムーズな回転を実現しています。
2枚のプレートはアルミで他は全てステンレス製です。

この構造を採用した最大の理由は固定の確実性です。
C字状のプレートを両端のプレートで挟み込むため
確実にロックすること,しかも締め付け時の視野の移動が少ないのが特徴です。
ガイドマウントとしては究極の構造と自負していますが
軽量なため海外遠征用システムの回転軸としても理想的でしょう。

構造上360度回転できない欠点がありますが
エクリプスパック用として改良した写真の赤緯軸用は330度回転できます。
これですと緯度30度以上の観測地であれば天球上どこでも向けられるので
実質死角はありません。

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2009年4月29日 (水)

ツイン鏡筒での撮影対策

090429

銀塩時代は,ポジとネガ両方で日食撮影したいので鏡筒を2本同架していましたが
デジタルが主流となってもポジフィルムでも撮影したいという方は多いようです。

そうなると2本の鏡筒が必要ですが,重量を抑えるために写真のように
バランスウエイト側にサブ鏡筒を付けることになるかと思います。

ここで問題となるのが両側の重量バランスと
両鏡筒の赤経方向の光軸合わせですが
発売中のEclipse Packはその両方を同時に解決できます。

重量バランスはバランス軸の抜き差しで,また光軸合わせは
シャフトのクランプ部の固定を緩めて少し振ることで対処できます。
簡易的な調整方法ですが充分実用になります。
(写真矢印方向,ルーズ穴として大きく振る事も可能です)

重量バランスは両側の鏡筒重量差2倍ほどまで対応します。


なお,バランス側の赤緯方向の回転とロックはウエイト抜き差しクランプで行いますが
緩めた際抜けるのを防止するためセットカラーを併用します。
(写真には付けていません)


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2009年4月22日 (水)

追求したのは軽量化,そしてバランス

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海外遠征用のポータブル赤道儀に要求されるのは何と言っても軽いこと。
そしてそれは各々のパーツのグラム数よりも,トータルでの重量が問われますね。

たとえばモータードライブの電源を例にあげると
AMD-1は単三ニッケル水素電池4本(92g)で駆動できますが
メーカー純正は単一アルカリ電池8本(1,120g)が必要です。
1kg以上も異なりますが駆動時間に差はありません。

これに,トータル重量に大きな影響を与える三脚を含めて考えると
機能や強度は同じでも,3kg以上の差がついてしまいます。
(PTP-2と同程度の強度を有するHAL-70を比較した場合)

それともう一つ要求されるのがバランス。
当然ですが軽量化されたシステムは安定性を欠きます。
軽量化と安定は相反するのでやむを得ないことですが
だからこそバランスが重要です。

極軸オンリータイプに自由雲台を使って構図をとるときは
カメラの重量を手で支えるため赤道儀にかかる
重量や重心が大きく変化し極軸がズレる事もあります。
(写真ではバランスウエイト側に自由雲台を使っていますが
サブカメラをバランスウエイトの代わりや補助的に搭載した例です)

また日食撮影時はバランスウエイト側にカメラを取り付けるケースも多いのですが
ほとんどの場合極軸周りのバランスはとれません。
軽量化されたポータブル赤道儀は,完全にバランスがとれる事が必須条件でしょう。

そこで今回,65SYSTEMに完全なバランスを実現するアイテムを追加します。

一つは以前紹介したレボルビング装置で改良を重ね,5月から正式発売します。

もう一つは抜き差し式のバランスシャフトを採用した赤緯体で
バランスシャフトの端にはカメラをつけられます。
スリ割り式のクランプですのでガタやカメラの重量で軸が緩むのを防止できます。

また,継ぎ足し自由のシャフト(長さ100mm)は,標準で2本附属しますので
片側が重量級の望遠レンズ(300mmF2.8クラス)で
バランス側が軽量のカメラという場合でも完全なバランスがとれます。
もちろん通常のバランスウエイトとの併用も可能です。

極軸,赤緯軸それにレボルビング軸,この3つの軸で如何なる構図の時でも
バランスは崩れません。

下の写真のセットで32,000円で発売します。(31,000円の間違いでした09.04.24追記)
また,赤道儀(AMD-1,極望つき),軽量三脚も含めたフルセットも準備中です。
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AMD-1と同時使用時は極軸望遠鏡の視野照明も使えます。
写真のセットでの重量は約1300gです。

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2009年2月22日 (日)

65SYSTEM増殖中!

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65SYSTEMは,日食遠征用の片持ちフォークやガイドマントとして
好評をいただいていますが,今後次々に新アイテムをラインナップして行きます。

今回ご紹介するのは鏡筒バンド関係です。

一つは,前にも紹介しましたFS-60C等用の80mm鏡筒バンドです。
重たいカメラをつけた状態でもバランスが取れるプレートと一緒に
発売します。(プレートは現在製作中で写真にはありませんが)

もう一つはこれも現在製作中で写真はありませんが68mm鏡筒バンド。
日食に良く使われる,FC-50,FC-60用です。
(鏡筒バンドは形状上加工が難しく高価になります。
加工費を下げるため,まとめて10~20set製作しますが80mm,68mm
何れも1ロットのみの製作となります)

さらに,これも日食撮影に多用されるボーグ鏡筒を65SYSTEMに
取り付けるプレート。ボーグ純正のバンドに対応しています。
トッププレートも準備しましたので77ED等でガイド撮影される場合
親子ガメ式にも対応します。


今後も主に日食をターゲットにしたアイテムをリリースします。

洋上での撮影を容易にするフリーストップ経緯台や専用三脚。
三脚は太さ40φの直パイプを使用しますが重さはなんと2kg!。
同重量のカメラ三脚とは比較にならない強度です。
65SYSTEMのアイテム以外,カメラネジ(W1/4又はW3/8)取付器機
にも対応します。

最小構成ではフリーストップ経緯台と三脚のセットで3kg程度です。
3月下旬の発売を予定しています。

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2008年5月21日 (水)

80SYSTEM試作完了

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65SYSTEMの兄貴分となる80SYSTEMの試作が完成しました。
65や80は回転部のサイズ(直径)を示しているのですが,両者はサイズ以上に構造が全く違います。

65は中心軸を持った回転体を両サイドのプレートで挟み込み方式ですので
鏡筒バンド等のアクセサリー取付は片面からしかできません。
(一般的な赤道儀の鏡筒バンド取付と同じ方法)

一方,80は回転プレートをバンドで締める方法を採っているので中心軸はありません。
そのため写真の様にどちらの面も同じ形状となっており
貫通穴もあるのでアクセサリーの反対側から固定する事もできます。
また構造上65には回転角度の制限がありますが80にはありません。

両タイプとも回転の滑らかさやクランプの信頼性(確実な固定と視野の移動少なさ)
は変わりありません。

65,80と一昔前の対物レンズの大きさみたいですね。そうなると50もラインナップしなくちゃいけません?

写真は試作品で製品は肉抜き等変更予定です。
また65SYSTEMとも組合せできるよう穴位置を追加します。
正式発売は7月からの予定です。

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2008年5月 2日 (金)

65 SYSTEMの高倍率限界は?

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65 SYSTEMの回転軸は,3枚のプレートを中心のシャフトで締める構造で
クランプフリー時に適度な回転トルクを得るため皿バネで予圧をかけています。

一方クランプ時は,真ん中のプレートを両側のプレートで挟むため利きは良く
軽く締めれば確実にロックしガタは発生しません。

この様な構造ですのでクランプフリー時に皿バネの強度以上の荷重がかかると
プレート間に極僅かな隙間ができてしまい,クランプを締めると視野が動く事に
なります。

もともと400~500mm程度までの直焦撮影や5~6cm程度の小型ガイド鏡用の
マウントとして作ったのですが,予想以上?の強度があるようなので限界を
試してみたくなりました。

SKY90+1.6Xエクステンダー+Or18mmの約45倍では快適です。
クランプフリーでの操作性も良くクランプを締めても視野内の星の動きはあまり
気になりません。さすがにOr4mmでは200倍近い倍率となり撓みが気になります。
クランプを締めると視野の1/5程星が動きますので皿バネの限界を超えている
ようです。

バネの限界は荷重に影響されるため倍率は関係ないのですが低倍率時には
気にならないだけですね。

以上の事から低倍率での観望ならSKY90でも問題ないようですが
やはり65システムはFS-60Cクラス用と思っていただければと思います。

なお上記のクランプを締める事による視野のズレは角度の数分ですので
直焦点撮影ならSKY90でも問題ないと思います。

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2008年4月 2日 (水)

海外遠征アイテムその2(システム型回転装置)

B08_04_02

現在,組み合わせ自在なシステム型回転装置を開発しています。
組み合わせ方により色々な応用が可能で下記はその一例です。

1.2個をL字状に組み合わせたガイドマウント
2.GPやマークX赤道儀の極軸体に取付た片持ちフォークの赤緯軸
3.            〃           2連カメラ用の赤緯軸

中核となる回転軸は,構造と大きさが異なる65型と80型の2タイプを準備します。
さらに両タイプとも腕の長さが異なるものや,専用アリミゾ,レボルビング装置も
ラインナップしますので,使用目的や同架する望遠鏡やカメラによって
使い分けできます。

両タイプともクランプフリー時は適度な回転トルクを与えていますので
構図を決め易く,一旦クランプすれば強固に固定できるのが特徴です。

今回紹介するのは,65型のGP/GP-D赤道儀用2連カメラ赤緯軸です。
2本の鏡筒を同架した日食撮影や星野撮影に威力を発揮します。

専用アリミゾ仕様ですので両側の重さが異なっても完全なバランスが取れます。
片端にFS60クラス,もう方端にSKY90クラスでも完璧です。
(両側の平行度調整は鏡筒バンド取付部にシムを挟むことで対処可能です)

専用アリミゾには極望視野照明用LEDを内蔵しておりますが
電源は先にご紹介したAMDからの供給です。

以前プラネットタウンの「VENUS」を製作していましたが、ご記憶の方があれば
今回の商品はそれに回転軸がついたものと考えていただけばけっこうです。

他のアイテムは完成したものから順次ご紹介しますが
商品としての発売は5月上旬からを予定しています。


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