赤道儀

2020年2月13日 (木)

売却予定のMS-3NとMS-3GOTOの写真

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昨日の記事で紹介した売却品の内,自動導入改造のMS-3についてのお尋ねがありましたので写真を掲載します。

併せてほぼノーマル状態のMS-3N(こちらは商談中です)の写真もアップいたします。なお片持ちフォーク改造のスカイグラフは商談が成立いたしました。いずれも商談中になりました。2/13日追記

 

自動導入に改造したMS-3は赤緯部がP-2改造と同じハーモニックドライブ仕様です。粗動回転機構と一体になったビクセン規格アリミゾが付属します。なお自動導入では不要なうえ,撓みが懸念される極軸の部分微動はロックしています。またオリジナルより長いステンレス製のウエイトシャフトに換装しています。このシャフトだけで7,000円ほど要しました。もちろん極軸望遠鏡(照明付き)も使えます。

この自動導入MS-3は海外遠征用として作ってみました。赤緯ハーモニックドライブ化や赤径の部分微動の排除などで側面への張り出しが大変小さくなっており梱包に有利です。また少ないウエイトで対応できるようシャフトを長くしています。今回の販売価格は赤緯のハーモニックドライブ周りとコントローラー(MTS-3)の材料代程度です。

 

一方のMS-3Nは改造時の事故対応として複数保有した最後の1台で大変綺麗な個体です。これに2軸モーターやポールマスターアダプターなどを含めての販売です。純正の三脚と鏡筒バンドも付属します。三脚との脱着を用意にするためタカハシなどと同じ架台下ボルト式にしています。

価格はいずれも税・送料込みで150,000円です。自動導入のMS-3は三脚は付属せずPTP-Cシリーズ用アダプターとポールマスターアダプターが付きます。

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2019年12月31日 (火)

2019年を振り返ってー高精度ハーモニックドライブの採用

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2019年最大のトピックは高精度仕様のハーモニックドライブ赤道儀の開発です。

ハーモニックドライブは赤道儀の極軸に使うには角度伝達係数(Pモーション相当)が大きい*ことから,当初は日食遠征用として開発しました。日食遠征の場合,追尾精度よりも軽量な上に複数の鏡筒の搭載を搭載できることが大きなメリットだからです。*通常は±30秒角ほどありますがPECを併用すれば10秒角以下に補正できます。

 

5年ほど前にハーモニックドライブと出会い,その後赤道儀への応用を評価してきましたが,今年になってハーモニックドライブ社から高精度仕様の提案があり早速採用しています。

以下は比較的良好な個体のPモーションで±10秒角程度です。(高精度仕様の目標は±15秒角)

モーションの小ささもさることなが周期の短い振れも僅かです。(小刻みな振れはDEC側と変わりなので殆どはシンチレーションの影響と思われます)

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高精度仕様を採用したことでPECに頼らずに星野撮影に使えます。写真のような135mmクラスならガイドも不要です。星野撮影用として極軸延長やカメラプレートなどのオプションを追加しています。

2019年最後の記事となりましたが一年間ありがとうございました。来年も引き続きよろしお願いいたします。

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2019年12月23日 (月)

GE1414HD 星野撮影用カメラプレートのご案内

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GE1414HDの新たなオプションとしてカメラプレートを商品化しました。写真のようなL型ブラケットを装着したカメラでの星野撮影に便利なオプションです。

カメラレンズでの撮影ではガイドカメラの搭載に工夫が必要ですがこのプレートは側面小型のガイドカメラを装着できる構造です。

 

極軸を延長したGE1414HDに今回のカメラプレートを装着した場合,135~200mm程度の望遠レンズならカメラの中心を赤緯軸に合わせられるのでどこを向けても三脚などにぶつかる事はありません。

このカメラプレートは嵩上げ用スペーサーとのセットで9,900円(税込)です。

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以下はプロミナーの500mmF5.6をプレート中心部に搭載した状態です。このクラスでは南の地平線以下に向けようとするとフードは台座部にぶつかりますが,通常の撮影なら北の空を含め長時間撮影が可能です。

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このカメラプレートは裏面から鏡筒バンドを固定することもできます。日食撮影でシンプルな構成を求める場合便利です。軽量化のため肉抜きしていますが十分な厚さを確保しているので8~10cmクラスの鏡筒でも振動は発生しません。

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カメラプレートの表と裏側です。片側のみにオフセットしているのは赤道儀の収納サイズに影響を与えないためです。手前の四角いブロックはDS38を中心近くに取り付けた際,クランプノブ部とプレートの干渉を防ぐための嵩上げスペーサーです。なお来春予定しているスカイキャンサー(FC-50)赤道儀用のプレートも同様なデザインを予定しています。

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2019年11月24日 (日)

GE1414HD 星野撮影用極軸延長オプションについて

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GE1414HDを星野撮影用として使う際に便利な極軸延長オプションが完成しました。様々な検討/試作を行った結果,以前ここで紹介したタイプからの上の写真の筒状に変更しました。大きな理由は,①日食用(標準状態)との切替が簡単,②南端に極軸望遠鏡を装着できる,③外観がスマートになるためです。

この延長筒の長さは105mmで,装着した状態で赤緯軸中心から三脚までの距離は約150mmになります。ちなみに太さは56φでここを持っのに都合の良い大きさです。

価格は税込み16,500円です。GE1414HDをご購入のお客様へは個別に案内いたします。

なお,この延長筒を付けた状態でのGE1414HD一式(コントローラー,極望含)の重さは約3kgです。

 

最初と以下の写真は200mmのカメラレンズを須着した冷却CCDカメラです。この撮影システムはどこを向けても干渉しません。またこの程度の荷重(この例は4,2kg,最大8kg程度)なら電源が遮断されても状態を保持します。

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これはNikonD810Aと135mmレンズの組み合わせですが十分な余裕があるのでリモート操作でも安心です。

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以下はD810Aとプロミナー500mmF5.6の組み合わせです。さすがにフード側を三脚に向ければ干渉しますが,筒の前後方向のアンバランスを許容するハーモニックドライブなら大きくシフトできるので極軸を1回転しても干渉を防げます。

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写真は方位調整ネジを取り外しています。可能な限り干渉を防げるよう短いタイプを準備中です。なお北側の高度調整ネジも同理由で取り外していますが重心が北に偏るために不要です。南側は強く回せるT字状のハンドルに交換しています。(延長筒に付属)

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2019年10月28日 (月)

高精度ハーモニックドライブを評価するーその4

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前回の記事から一月半ほど時間が経ちましたが今回はハーモニックドライブの試験成績書についてです。

これまでは赤径軸分のみ高精度仕様のハーモニックドライブを調達していましたが,高精度仕様と言えど出荷前の実機追尾テストで目標値の±15秒角をクリアーできない個体もあり納期遅延の原因になっていました。

現在受注分は全て高精度仕様となっていることから,対策として,今回調達したハーモニックドライブ10台は赤緯軸分も含め全て検査成績書付きの高精度仕様にしました。

この内,精度が高いものから半数を赤径軸に,残りの半数を赤緯軸に採用します。なお角度伝達誤差は360度回転する際の誤差なので赤道儀で言うPモーションとは若干異なりますがこれを選別の基準として最終的には出荷間に実際の星で追尾テストを行います。

以下が今回入荷したハーモニックドライブの成績表です。一番高精度なのが19秒角で悪いもので48秒角で2倍ほどのバラツキがありますが標準仕様の規格値が90秒角なので十分高精度です。まだ実機に組み込んでいませんが,19秒角の個体はPモーション10秒角以下になるでしょう。

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私は赤道儀の基本精度を追求するタイプなのでハーモニックドライブを使ったGE1414HDは軽さや強度が優先される日食観測用としてスタートしましたがハーモニックドライブ社のご協力を得ることで十分な精度の赤道儀に進化したと感じています。

 

なおハーモニックドライブ赤道儀の技術面で情報を共有しているHobymObservatory社(国内代理店は天文ハウストミタ)からCRUX-140Travellerがまもなく発売されます。

GE1414HDと同クラスのハーモニックドライブを採用した軽量バージョンです。こちらは強力なPEC機能でPモーションを10秒以下を達成する魅力的な商品で価格は40万円(税別)を切るのでGE1414HDの良きライバル?ですね。

以下は現在モンゴルで行っている実機テストの様子で15cmF5のダルカーカム鏡筒を搭載しています。

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2019年10月22日 (火)

試作のAMD-1NとP-2赤道儀のセット販売について

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先日販売したPENTAX MS-3N同様に,お客様預かり赤道儀の事故対応用として確保していたP-2赤道儀を売却します。試作のAMD-1N他以下のセット品です。一通り揃っているので直ぐに撮影でき300mm3分程度の撮影なら流れることはないでしょう。

赤道儀は複数あり程度によりA(極美品),B(並品),C(写真のもので傷が多いです)とランク分けし,以下のセット価格(税,送料込)での販売です。

  • AランクのP-2とAMD-1Nほかのセット:120,000円
  • BランクのP-2とAMD-1Nほかのセット:100,000円
  • CランクのP-2とAMD-1Nほかのセット:  80,000円

3台全てお買い求めいただきました。10/22 21:10追記

赤道儀本体価格をA:60,000円,B:40,000円,C:20,000円と設定し,AMD-1Nやオーバーホール費用などを60,000円で計算しています。すべて共通で以下の付属品や改造を行っています。AMD-1Nは試作品ですがギヤカバーなど一部パーツのメッキ処理が製品仕様と異なるだけです。写真は電池内蔵タイプですがUSB5V仕様も選べます。

  • AMD-1N:POLEMASTER兼用照明装置,オートガイド機能付き
  • 赤道儀オーバーホール(極望レチクル交換をご希望の場合20,680円加算)
  • 赤緯微動部の短縮改造
  • アルカスイスクランプSDS38(デモ使用品)
  • 高度調整ネジの交換(写真青いタイプ)
  • アングルファインダー取付リング+アングルファインダー
  • 純正木製三脚,ウエイト(1.4kg),ウエイトシャフト(赤道儀の程度に準じたもの)

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2019年6月17日 (月)

高精度ハーモニックドライブを評価する-その2

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ハーモニックドライブは写真の3つのパーツから構成され,左からサーキュラスプライン,フレクススプライン,ウエーブジェネレーターで,今回評価する高精度ハーモニックドライブは写真左のサーキュラスプラインの歯面を研磨しています。

ハーモニックドライブの追尾テストはこれまでに20~30個体ほど行っていますがそれから得た感想は個体差が大きいことです。(個体差はメーカー公称値の90秒角の範囲内に収まっています)

個体差は角度伝達精度(Pモーション相当,以下振れと表現)の大きさに加え滑らかさも大きく異なります。振れは大きいが滑らかな個体やその逆など様々です。中には周期性があまりない個体もあるようです。

これらのデーターについては後日改めて紹介する予定ですが,まずは一番気になる高精度仕様品と標準品の比較です。高精度側のデーター数が少ないのであくまでも参考程度です。いずれも後半はガイドしています。

以下が両者の代表的な例で,上が高精度仕様,下が標準仕様です。Y軸1目盛りが約10秒角なのでPモーションは高精度側が±15秒角,標準側が25秒角程度でしょう。納入仕様書記載の値(目標値)90秒角→60秒角への改善に見合う結果が得られたようです。(いずれもステッピングモーターのステップムラの影響が無視できるほど小さい,1:50のギヤヘッド付きのPM型モーターで駆動しています)

なおハーモニックドライブの場合,振れの周期はウエーブジェネレーター1回転で2周期となります。紹介のCSF-14-100の場合,減速比は1:100で周期は約7.2分です。(1:100のウォームホイールの場合の周期は14.4分です)

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2019年6月 9日 (日)

日食遠征用GE1414HDツイン鏡筒用オプションについて

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南米日食までひと一月をきりましたがツイン撮影用オプションが完成しました。当初の構想から変更し通常の赤緯端に2本搭載する方法と裏面(一般の赤道儀ではバランスウエイト側)に分ける方法のいずれにも対応します。赤緯端側に2本,裏面に1本などの搭載も可能です。

一枚目と下の2枚の写真は赤緯端に2本搭載した場合です。アルカスイスクランプの固定を調整することで,それぞれの鏡筒をX,Y方向に振れます。両者の光軸合わせが簡単なので通常はこの搭載方法を推奨します。(細部が確認できるよう全ての写真は大きなサイズで掲載しています)

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以下は赤緯端部のアップです。GE1414HD標準付属のプレートより少し長いため2本の鏡筒間隔が大きく取れます。また方側のアルカスイスクランプは裏面からの固定(調整)も行える設計です。

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以下は赤緯端と裏面に鏡筒を搭載する場合です。裏面側は赤緯端側との連接プレートで回転します。中心軸を固定しているので強度的な不安はありません。バランスの観点ではこの搭載方法が有利です。連接プレートにはUNC1/4のタッフ゜があるので風景撮影用カメラなどの搭載も可能です。

価格は赤緯端プレート,底面回転プレート(上の写真に連接しない状態で写っています),連接プレートの3点セットで13,500円(税込)です。

最後の写真は来月の南米日食撮影状態のイメージです。日没1時間ほど前の西の空で見られます。なお搭載する鏡筒はタカハシのFOA-60で接眼部は他社製で軽量化しています。

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2019年6月 6日 (木)

高精度ハーモニックドライブを評価する-その1

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ハーモニックドライブの赤道儀への応用は5年ほど前に開始し,昨年は日食遠征用として特化したGE1414HDを商品化しました。当初は写真左側にあるハーモニック減速機付きのステッピングモーター*から始め,その後は目的に合ったハーモニックドライブを採用しています。(*このタイプはフォーク式構成の赤緯用として便利ですが2020.3で生産終了されます)

ハーモニックドライブは大きなトルクを出せる上にバックラッシュはほぼ0なので赤道儀駆動用として魅力的ですが,赤道儀用(極軸側)として満足できないのは追尾精度です。写真のCSF-14型の場合,メーカー公称値の角度伝達精度は1.5分角(90秒角)で,実測値はその2/3(±30秒角)ほどです。たびたび紹介するP-2や90Sなどと比較すると1/5ほどの精度しかありません。

対策としてHOBYM Observatory社のCRUXは強力なPEC機能を内蔵しPEC学習後は1/10ほどに抑えらます。またMTS-3でも1/5ほどまで改善できるのでハーモニックドライブ赤道儀ではPEC機能は必須でしょう。

ただ個人的にはPECに頼らず,機械精度だけで市販のウォームギヤ式赤道儀並みの赤道儀を作れないかと思っていました。敢えてGE1414HDを日食遠征用と謳ったのは星野撮影用としては不満があったためです。

 

前置きが長くなりましたが,以前からこれらの状況をハーモニックドライブ社に相談していました。その結果,角度伝達精度の改善と追尾の滑らかさを実現するにはサーキュラスプラインの研磨が有効とのことでその対策品が完成しました。入荷した型番の末尾についたSPはその証です。写真は第二ロット(予約分で新規の受注はありません)のGE1414HD用として入荷した高精度仕様(RA用)と,標準仕様(DEC用)のハーモニックドライブです。

以下は高精度仕様のサーキュラスプライン,フレクススプラインとウエーブジェネレーターです。見た目は標準仕様と変わりありませんが記念に掲載しました。その-2に続きます。

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2019年5月11日 (土)

2019年のP-2赤道儀 自動導入改造状況について

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ここで紹介した,2019年のP-2赤道儀自動導入改造は15台のご予約をいただいていますが,その内の4台が完成しました。来週の発送予定です。

ハーモニックドライブの供給状況が昨年までとは一変し,今では2か月ほどで入荷するようになりました。そのため昨年のご案内より3~4か月ほど前倒しで進めています。本年の2回目と3回目でご予約の方へは個別にご案内しましたが,いずれも前倒しでの施工が可能です。また5台ほどは追加の受注もお請けできます。 追加受注の受付は終了しました。2020年以降の改造計画は未定です。2019.5.15追記

今年受注分からコントローラーはMTS-3に加えTITAN TCSもお選びできます。そのために赤道儀側のサブパネルは無くし,両軸のモーター配線のみとなりました。ワンタッチ接続の高級コネクターを採用していますが,サブパネルがなくなった分改造費用を見直しています。

改造費用は以下の通りです。いずれも税込みで,赤道儀のオーバーホール費用も含みます。極望のレチクル交換費用は19,200円です。

【MTS-3仕様】199,800円

【TITAN仕様】237,600円

以下は両軸のモーターコネクターを接続した状態です。赤緯側はモーター信号を利用した極望の照明も内蔵しました。

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