新型ゴニオステージ赤道儀は駿河精機製のステージ面60×60mmのゴニオステージ(中古品)を使っています。
ウォームギヤ式で1回転当たり1度,移動量±5度,回転軸中心高が125mmなので,直径250mm,歯数360枚のウォームホイールの1/36に相当します。可動部の保持はクロスローラーベアリングです。廃盤機種ですが現行品ではこの機種相当で赤道儀が1台買えるほど高価なものです。
中古品ですがギヤ面の状況から殆ど使われていない(動いていない)ようです。念のためにクロスローラーベアリングの与圧とウォームギヤの噛み合わせ調整を行っています。
電気的な仕様は5相のステッピングモーター駆動で,原点(未使用)と両端のセンサーが内蔵されています。モーターは2相に換装していますがコストを抑える為にセンサーやコネクターはそのまま使いました。(追尾時間を延ばすためにセンサー位置を変え,最大12度(48分間の追尾)としています)
このゴニオステージの下面側には専用に製作したアルカスイスプレートを,上面にはジンバルや自由雲台を搭載するカメラプレートを取り付けています。
カメラプレートには以下の写真のようにアングルファインダーを装着できます。倍率が1倍なので明るい空では北極星は見づらいのですが素通しより良いようです。(評価中ですがマグにファイヤーを併用すれば良く見えそうです)
以下は上記で紹介した分を組み立てた状態ですが一式で1kgもありません。
このゴニオの可動部の保持はクロスローラーベアリング式でハーモニックドライブと同じです。極めてコンパクトですが大きな耐荷重を有しており,この製品は5kgfです。5kgfはステージ面に真っ直ぐかかる力ですが,これは角度の秒オーダーの剛性を保証する場合の値であって,分オーダーを許容できる赤道儀で使用するのなら,これ以上の荷重やモーメント荷重に対しても問題ないと感じています。
これまでの実験結果から,先日のジンバル仕様で300mmF2.8クラスやFC100DLクラスまでが搭載の目安でしょう。
追尾精度については次の機会に詳しく紹介しますが以下は代表例のガイドグラフです。条件を統一するために75mmレンズ+QHY5L2Mを使ったPHD-1のグラフで,Y軸1目盛は約10秒角です。P-Pで5秒角ほどの振れしかなくこれなら500mmでも追尾できそうです。