カメラレンズ

2024年6月 1日 (土)

カメラレンズと天体望遠鏡

Gf250_1091_95comp_s

このところ「Pleiades68/F3.8(fl260mm)」を紹介していますが,ほぼ同じスペックの「GF250mmF4 R LM OIS WR」と比較してみました。

紹介の写真は「GF250mmF4+GFX-50R」で撮ったM8付近で個人的には素晴らしいレンズと思っています。(JPEG画像の8,256x6,192を2,064x 1,548にリサイズ)

 

以下は「RED CAT51+D810A」と「GF250mmF4+GFX50R」の比較ですが,中心付近はRED CAT51より色収差も小さくシャープです。(GFX50Rはノイズ処理設定に原因があったためかD810Aと比べ微光星を含む背景が綺麗ではありません)

Gfx_d810a

 

ただ,星野写真では素晴らしい性能のGF250mmF4でも,ピクセル等倍で4隅を切り出すと星像の伸びや輝星の割れが目立ちます。Pleiades68/F3.8と比べるとその差は歴然です。

一枚目の写真のように,GFX50の5,000万画素(8256×6192)を,web掲載サイズ(例では2064× 1548)にリサイズするのなら周辺像の流れも気にならないので,軽くて機動性の高いカメラレンズが良いのかも知れません。

  • 写真上「GF250mmF4+GFX-50R」で撮ったオリオン座中心部
  • 写真下「Pleiades68/F3.8+GFX-50SⅡ」 で撮ったアルデバラン付近

Gf250f4

P68_gfx

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2020年10月20日 (火)

旧レンズとミラーレスカメラと自動導入

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前の記事で紹介したFD500mmF4.5にはマウントアダプターを経由してカメラボディ(EOS Ra)を装着しています。フランジバックが短いミラーレスカメラの登場で今回のような古いレンズが使えるようになるのは嬉しいですね。今回はどちらもCanon製ですがメーカー間の垣根もなくなっているようです。

ところで今回はポータブル赤道儀と500mmのレンズでM31を撮影しましたが導入に手間取りました。今までD810Aなど光学式ファインダーならM31のボウッとした光芒を難なく捕えられますが,EOS Raの背面モニターでは恒星とM31の区別がなかなかつきません。

これまでは天体望遠鏡で対象を導入するのと同じようにファインダーを覗きながら恒星の配列で天体を探しましたが,モニターは直感的でないので難しいです。気軽なデジイチでの撮影と言えど,500mmクラスで撮影するなら自動導入機の方が効率的なようです。

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Canon FD500mmF4.5Lのテスト撮影

B2010201

日食の動画撮影に使えないかと思いFD500mmF4.5の中古品を入手しました。中古との事でしたがキャリングケースも含め,使われた形跡の無い新品状態でした。

このレンズは今から40年ほど前のものですが,500mmの超望遠でありながら2.6kgと軽量です。大口径のフローライトとUDガラスが各1枚使われており色収差は極めて小さいです。一番の決め手は後玉が焦点位置の24cmほども前にあり,第二(三)接触時のゴーストが出ないと思ったからです。

Fd500mmf45

カメラレンズはレンズをきつく固定するので,星を撮るとその影響が出るようです。このレンズも動画用と考えていたので期待はしてなかったのですが,碍子の反射光を使ったテストでは期待以上の性能でした。

 

今回のテスト撮影は写真のポータブル赤道儀(ガイドなし)で行いました。カメラはEOS RaでISO3200,3分露出,JPEG画像で未処理です。

4隅も含めほぼ丸い星像が得られ星野撮影用としても充分に使えそうです。

今回使用したポータブル仕様のPENTAX75赤道儀はここで紹介したものでAMD-1の組込や極望の換装を行っています。以前の測定では±5秒角ほどの精度でしたが今回は緯度の高い対象だった事もあり,500mm3分でも満足な追尾ができました。

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ところで,先日紹介したP型など,評価用としてポータブル改造したものが10台ほど溜まりました。主なものはPENTAX75×2台,FC-50赤道儀×2台,P型×2台,P-2×4台です。全てAMD-1Nを装着し,FC-50とP型は極軸高度方位調整装置を付けた状態で売却予定です。お譲りする前に全機種Pモーションを測定する都合上,ご案内は来年1月頃を予定しています。

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2020年8月16日 (日)

MAMIYA645→GFXマウントアダプター

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個人用としてMAMIYA645用のレンズをフジのGFXで使用するアダプターを作りましたが,GFX用の純正レンズを揃えたため売却を検討しています。

MAMIYA645レンズの中でデジタルでも使用できる120mmF4 MACROと150mmF2.8の2本のレンズをセットして税込み110,000円です。ご希望の方がおられたらご一報ください。(受付は8月末で終了させていただきます)

 

120mmF4MACROの性能は度々紹介していますが今回売却する個体は4本所有した中で一番良かった1本です。

また,使用したMAMIYA645用のマウントアダプターは,∞遠が出なかったため(GFX用に限らず出ない個体があります)光路を短縮加工しました。マウントアダプターを加工しSIGMA150mm用の台座を付けているので回転もできます。

以下は,光路短縮改造に伴う像面の傾き確認のために,MAMIYA120mmF4MACROを装着して試写したものですが全く問題ないと判断しています。その下は比較用のGF100mmF2(絞り開放)です。

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Gfx100f2_qc

 

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2019年12月19日 (木)

QHY600用MAMIYA645マウントについて

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先日から紹介しているQHY600スケアリング調整付きOAG用にMAMIYA645マウントを追加しました。

このOAGは写真のように台座が付く形状なので,タカハシ用M54接続テーパーリング部をMAMIYA645マウントに交換するだけでカメラレンズで撮影できます。カメラレンズでOAGを使う事はないかと思いますがその場合はFWの上下を入れ替えると赤道儀への搭載が楽になります。

MAMIYA645のレンズは豊富ですが中でもMACRO MF120mmF4の性能は素晴らしくPHASE ONEでも採用されるほどです。参考ように過去に撮影した記事を以下にリンクします。その他ではA150mmF2.8も使えそうです。

QHY600用MAMIYA645マウントの製作はお客様から接写リングを支給品いただく事が条件です。価格は接写リング組込み費用を含み8,800円です。

なおご希望の方へは,完成品のMAMIYA645マウントに加え,写真のMACRO MF120mmF4と200mmF2.8の3点で100,000円でお譲りいたします。200mmF2.8はレンズ内のゴミや改造を行っているのでオマケ程度ですが本命の120mmF4は新品同様です。

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2019年4月26日 (金)

開発などに使用したカメラレンズの売却について


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①,②,③、⑤はご購入いただきました。④は売却を取りやめました。2019.4.28追記

冷却CCDカメラ関連アクセサリーやバンド類の開発用として入手したカメラレンズを売却します。興味のある方はご一報いただけると幸いです。もう少し詳しくご案内いたします。

①手前左:SIGMA 70mmF2.8MACRO EOSマウント 価格15,000円 

②手前左:SAMYAG 35mmF1.4 EOSマウント 価格10,000円

③奥左:SIGMA APO MACRO180mmF2.8 EX NIKONマウント  価格100,000円

④奥中央:AF-S NIKKOR 200mm F/2G ED VR 価格380,000円

⑤奥右:AF-S NIKKOR 300mm 1:2.8D 価格180,000円

①~④はほとんど使っていないので外観レンズ共に綺麗です。⑤は外観は綺麗ですがレンズ内に小さなゴミがあります。

②,③は四隅が揃った星像なので当たりレンズと思っています。

③は前玉部のバンド(ガイドカメラ設置可)とマニュアルフォーカサーが付属します。

④はハーモニックギヤードモーターを使った電動フォーカサー(コントローラー付き)が付属します。これは新品でVRⅡを購入しましたが満足行く性能でなかったのでメーカー修理に出しましたが,それでもダメだったので入れ替えた新古品の旧型レンズです。こちらの方がはるかに優れています。

④と⑤は複数のレンズから厳選した,いわゆる当たりレンズですが,いずれもフードはありません。(④のフードは行方不明なので出てきたらお付けします)

価格は消費税,送料込みです。写真では保護フィルターが付いたものもありますが取り外します。また元箱やケースなどは付属しないものもあります。

以下は一例として⑤をF3.2に絞った星像です。NIKONの328でこれほどの像は見たことがありません。その他のレンズについては星像の写真は公開しませんが自信をもって勧めらるものばかりと思っています。

Web_f32

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2018年11月 2日 (金)

カメラレンズ用のバンド

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先日手放したニコンの300mmF2.8(AI AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF))は
写真のようなバンドを試作していました。
ちょうどFSQ-106ED用などのバンドの新型への以降時期と重なったことから
量産には至っていません。

手元に残ったもう一本の328は冷却CCDと組み合わせて使う予定ですが
冷却CCDの場合,接続リングに固定座があるので前後2点固定となります。
このバンドは不要になったのでメッキ処理をしてから328をご購入いただいた
お客様へ差し上げることにしました。

希にこのような1点物の製作依頼がありますが,単品の場合お勧めできない
価格となるためお請けしておりません。

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2018年10月21日 (日)

ニコンの300mmF2.8

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冷却CCDカメラでナローバンド撮影する場合,一晩で撮り終えるためには
明るい光学系が便利です。
私の場合ニコンの200mmF2を使っていますが300mmF2.8(以降328と略)も
所有しているので今後は300mmも試してみたいです。
300mmはイメージサークルが広いので16803との組合わせも面白いでしょう。
 

ところで,この328は「AI AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)」と言うもので
現行の数世代前のレンズです。
VR(手ぶれ補正)がない事とAF故障時の修理ができない事から比較的
安価に入手できます。
このレンズは手動で絞れる(D仕様)ため冷却CCDでの撮影でも便利です。

肝心な光学性能ですがMTF曲線で判断する限り現行と同じ(VRユニット
ない分僅かに良さそう)のようです。
VRもAFも天体撮影には不要なので狙い目ですね。


実は知り合いからもう1本譲っていただいたので,手元に同じレンズが
2本あります。一本は手放しますので希望の方はご一報ください。
殆ど使用されていない綺麗なもの(外観はほぼ無傷,レンズ内ゴミも皆無)で
実際に星を撮り以下200mmの例のような異常が無いことを確認しています。
 

フードが1台分しかないのでフード有り170,000円,フードなし150,000円で
如何でしょうか。
  レンズは売約済みとなりました10/23追記


また写真のATIK16200も含めたフルセット(完成状態)もお譲りいたします。
フィルターは2インチの抜き差し式でHaとO3が附属します。
(S2は行方不明です。出てきたらお付けしますがないものと考えてください)

フルセットで500,000円となります。(フード付きの場合520,000円)
ATIK16200は昨年12月にドイツのTSで400,000円弱で購入したものです。
実際の使用時間は僅かです。


先出の200mmF2は2台目です。
現行の「AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II」の新品を購入したところ
以下のような星像だったので,メーカーに再調整を出しましたが
少し改善された程度でこれ以上は無理(メーカー基準内)との事でした。

やむなく一代前の「AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR」の中古に入替ました。
中古の方が遙かに良かったからです。

月が大きいので簡単なテストしか行っていませんがお譲りする328は四隅の
星像も揃っており良好な個体と判断しています。

200f2_vr2_qc


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2018年8月27日 (月)

MAMIYA APOレンズ用のフォーカサーについて

B1808281

先日紹介したMAMIYA APOレンズ用の固定バンドは多くのご注文を
いただきありがとうございます。
一部の方からフォーカサーやマウントも含めた製作依頼がありましたが
残念ながら個人用として手持ち材料で作ったものなのでお受けできません。
ご自作のために改造例を紹介いたしますので参考になさってください。


上の写真はPENTAX645のヘリコイドタイプ接写リングです。
左側が原形,中央が前後のマウントを取り外した状態,右が改造後です。
ヘリコイドは分解加工が難しいので不要なマウントなどを外すただけで
流用できる事がとても重要です。


下は特注のアルミリングを介してMANIYA RZ67とNIKONのマウントを
ヘリコイドの両側につける状態です。
(MAMIYA67側は装着,NiIKON側は取り付ける前)
どちらのアルミリングにもヘリコイドとマウントに合うようザグリ穴やタップ
加工が必要です。(ザグリ穴,タップはM1.7,M2,M2.6,M3)

右のリングはヘリコイドの後段を保持するための物で67マウントとヘリコイド
を繋ぐリングと3本のスペーサーで連結しています。

前の記事でも紹介しましたがこれらのリングは2,000円前後で製作可能です。
D(100以下),V,T(10以下)を指定いただければ1個でもお受けしますので
ご注文ください。ただしバンドを購入いただいた方のみ対象で8/31日までの
期間限定です。MAMIYA67のマウントは接写リングから取り外した物の場合
はマウントへの旋盤加工が必要ですが他はボール盤があれば製作可能。

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加工に自信がない方はリニアステージを使った電動フォーカサーなら
受注製作が可能です。上記のヘリコイド式とは一線を画す性能です。

構造上,フォーカサーが必要とする光路が極めて短いのでフィルター
ホイールを装着した冷却CCDやNIKONなどのカメラが使えます。
(FLI互換のテーパー接続部からのバックフォーカス調整代は60~85mm)

価格はフォーカスコントローラー(NFA-KA)付で88,000円です。
(以前は110,000円でしたが在庫品を流用するので20%OFF,3台限定)
レンズ側はMAMIYA RZ67,カメラ側はFLI互換のテーパーリングでM57の
ネジ加工を施しているのでボーグのパーツでデジタルカメラに対応します。
(上記リンクの下から3番目の仕様)


この場合レンズのバンドは不要です。ヘリコイドを使った改造に電動
フォーカサーを付け加えるなら,こちらの方が安価でしょう。
特に冷却CCDでナローバンド撮影される場合はお勧めです。


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写真は350mmF5.6を装着しておりNIKONのボディでピントが合う状態です。

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2018年8月19日 (日)

MAMIYA APOレンズ用の固定バンドについて

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最近MAMIYA RZ(RB)67用のAPOレンズを紹介していますがフォーカサーや
バンドに対するご質問がありました。
先日お譲りした500mmF6用として新規に製作しますのでご希望の方はご一報
ください。

MAMIYA APOレンズ用89φ鏡筒バンド2個セット:14,100円(送料,税込み)
上下分割式,色は黒で平面部はアルカスイスプレートに対応します。
製作の都合上,受付は8月31日で締め切らせていただきます。
写真は手持ちの210,250,350,500mmを並べていますが全てに対応します。

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このフォーカサーはPENTAX645のヘリコイド接写リングとMAMIYAや
NIKONの接写リングを流用したものでNIKONマウントです。
余ったパーツで眼視用のアダプターも製作しました。
全て中古品で,以下のアルミリングも含めた材料費は15,000円ほどです。

ヘリコイドの後段側も保持しているのでヘリコイドの撓みは発生しません。
3種類のアルミリング(D,V,T指定アルマイト処理付,一個2,000円程度)は
外注していますが穴明け工具やM1.4や1.7のタップがあれば工作自体は
さほど難しくありません。(少し大きな写真なのでクリックで拡大します)
 
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私感もありますがこのレンズの特長は以下のとおりです。
・光学性能が高い(私が過去にテストしたカメラレンズの中ではトップクラス)
・鏡筒バンドで固定できる(全て89φが適合)
・バックフォーカスが長い(=スケアリング調整が容易)
・67用なので余裕で36mmスクエアの冷却CCDに対応する
・中古価格が下落している(250mmは2万円前後)
・個体差が殆どない(インナーフォーカス機構が無いから?)

以下はMAMIYA APOレンズ(RB用ですがRZ用も光学性能は同じ)の資料です。
色収差まで公開しており天体望遠鏡みたいですね。
350と500mmの軸上色収差は0.1mm以下なので高性能な天体望遠鏡並です。
ちなみに当時の価格は一番安い210mmが26万円,500mmは49万円と高価でした

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より以前の記事一覧