オートガイド/ガイドシステム

2019年5月 9日 (木)

撮影鏡とガイド鏡の焦点距離の関連について

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QHY5LⅡMを使った小型ガイドセットを検討されるお客様から,「75mmと100mmどちらが良いか」と相談を受ける場合がありますが,以前C5(125mmF10のシュミカセ)と50mmレンズでのテストした結果などを基に,焦点距離が800mm程度までなら75mmを推奨しています。75mmは全長が短いうえに,前玉部が軽いのでヘリコイドや保持部のたわみを受け難くなるメリットの方が大きいと感じるからです。

上の写真は先日紹介したPENTAX105SDHF(700mm)とD810Aで3分間撮影したηーカリーナ星雲の中心部のpixel等倍です。ガイド鏡は75mmでクランフ゜は1点固定,ここで紹介したように片側のバンドに固定しただけです。これで僅かなエラーはありますがコンポジットすれば問題ないレベルでしょう。この結果からもガイド鏡は撮影側の1/10倍ほどで十分と言えそうです。

以下のガイドグラフはηーカリーナ撮影当日(4日目)の状況です。撮影に使った90S赤道儀は,初日にこの方法で極軸を合わせ(2000年位置)たままだったので,その間の極軸ズレに伴い1方向に赤緯側が修正されています。常に1方向の修正はバックラッシュの影響が出ないので風であおられても暴れることなく良い結果が得られるでしょう。なおこの程度なら視野の回転は感じませんでした。

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2018年9月14日 (金)

CCA-250などのオフアキシスガイド装置について

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当方からCCA-250をご購入いただいたお客様から,EOS6Dで使用できる
オフアキシスガイド装置(OAG)の相談があったのでFC-100DLと同じように
CAリング(CCA-250は2種アダプター)にOAGを組み込みました。

FC-100DLのCAリングに対しCCA-250の2種アダプターは長さ方向の余裕
があるのでOAGユニットの組込は容易です。
以下の左がCCA-250用,右がFC-100DL用でいずれもQHY CCDのOAGを
流用しています。
 

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加工は2種アダプター(CCA-250)にOAGユニットを通す角穴加工とOAG
ユニットの切断なのでその気になれば一般工具でも何とかなりそうです。
(FC-100DL用の加工には旋盤が必要)

今回は鏡筒を購入いただいたので特別に製作しましたが一般の受注は
お請けできません。
2種アダプター(CCA-250)はFSQ-106/130EDでも使うのでメーカーでの
商品化が望まれますね。
(自作される場合の参考用として今回掲載の写真はクリックで拡大します)

 
以下はVSD100取り付けたASTRODON製MonsterMOAGでKAF16803に
対応します。VSD100はPENTAXの設計なのでPENTAX67マウントからの
バックフォーカスが85mmもあるのでOAGなどの対応は容易です。

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2018年7月16日 (月)

90S-GOTOでのFC100DLガイドテスト

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透明度はイマイチですが晴天が続くので色々なテストを行っています。
本日紹介するのは先日紹介したFC100DL(RD焦点,590mm,OAG仕様)を
搭載した90S-GOTO赤道儀のガイド状況です。
590mmにOAGガイドですが,赤緯側も赤経同様に修正信号に対する引き
戻しが早いため±1秒角以下に収まっておりハーモニックドライブのメリット
を発揮できているようです。
なおPHD2はカメラ情報などの設定のみで他はデフォルトのままです。

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以下は今年の1月に西オーストラリアで撮影した大マゼラン星雲の一部です。
300秒露出の10枚を恒星基準でコンポジットしていますが冷却CCDの輝点
ノイズは線状になっています。
実害はないかも知れませんが気持ちいいものではありません。
これを無くすにはオフアキシスガイドしかなさそうです。

撮影データー:Nikon200mmF2→F2,Atik16200,Ha,QHY5L2M+75mmレンズ
でガイド撮影,Pixel等倍で1600×1200Pixelを切り出し

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参考までに200mm+16200の写野です。大マゼランが綺麗に収まりますね。
(鏡像になっています)
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2018年7月14日 (土)

CAリングにオフアキを組み込む

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梅雨明け後スッキリしない天気が続いていましたが昨夜は良く晴れました。
預かったお客様の赤道儀の追尾テストを行う傍ら題記のテストを行いました。

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FC100DLはレデューサーを使用する場合でも専用のCAリングを使うので
CAリングを加工してOAGを組み込みました。

ギリギリですがカメラボディとの干渉はありません。
OAGユニットは少し対物側に傾いていますがこれはピックアッププリズムに
対して光が斜めに入射するためです。

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以下はこのOAGのキャプチャー画面ですが星像は概ね良好です。
ガイドカメラはQHY5LⅡMですがガイド星が見つからない事はなさそうです。

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こちらはカメラレンズの例ですが傾いていないためか星像が伸びています。

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以下はOAGユニットを加工しているところです。
CAリングの外周に密着するよう治具に装着して旋盤加工しますが
この際に固定が悪く傾いてしまいました。
直ぐに気付きましたがもしかして?と思いそのままでテストした次第です。
角度は適当ですが真っ直ぐより良さそうです。怪我の功名ですね。

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2017年10月23日 (月)

QHY5LⅡM専用 保持バンドSR31.7B3の再販について

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望遠レンズでのガイド撮影に便利なL型ブラケットに装着できるガイドカメラ
サポートリングSR31.7B3を再販いたします。
以前のSR31.7B2はアルカスイスクランプ兼プレート(以下C/Pと略)側を
加工していましたがSR31.7B3は無加工で固定できるよう改良しています。
 

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SR31.7B3とC/Pの組み合わせは以下の3とおりです。
 1.L型ブラケット装着用としてC/Pをクランプで運用      (写真左)
 2.アルカスイスプレート装着用としてC/Pをクランプで運用 (写真奥)
 3.アルカスイスクランプ装着用としてC/Pをプレートで運用 (写真右)


SR31.7B3の固定ネジは以下のとおりで付属はLM6-12とM3-12各2本です。
中央UNC1/4,両端M6-17.5mm間隔,M3-30mm間隔
1の運用場合はSR31.7B3はC/Pに3点固定が可能です。(他は中央1点)
 
 
SR31.7B3の価格は税込み4,860円です。(50個限定)
紹介するC/PはDC-38Q などの商品名で市販されているものですが
これに上記3とおりの運用に必要な写真のインチネジ2本を加えたセットも
税込み7,560円で販売します。
(C/Pは市販品のため入手できなくなった場合はセット販売を取りやめます)

またQHY5LⅡMとLM75JCのセット(Q5L75GSS-3CP)は税込み49,680円です。

なお,SR31.7B3はスリ割り式のクランプでガイドカメラを固定する構造です。
他社より細めのQHY5LⅡM付属のCマウント部固定用として開発しているので
他社製ガイドカメラではご使用いただけません。


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2017年9月21日 (木)

D810用L型ブラケット ガイドセット

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このところ,ここで紹介したQHY5LⅡMと75mmレンズを使った小型ガイドセットの
ご注文いただきますが,記事で紹介したL型ブラケッの機種名や購入に関する
質問も寄せられます。

L型ブラケットはレボルビング装置用としてkirkphoto社製を推奨してきましたが
高価な上に入手が難しいこともありこれに代わるものを評価しています。
今回は安価ですが自信を持ってお勧めできるL型ブラケット2機種と
ガイドカメラなどをセットしてみました。
(写真左がkirkphoto社製,写真右とD810Aに装着したものがノーブランド品)
 

セット販売するのはNIKON D810A用のみで以下の2機種です。

・SUNWAYFOTO社製PNL-D810R とのセット:61,560円(税込み)
・写真のノーブランドL型ブラケットとのセット:56,160円(税込み)


セット内容は以下の6点です。

・上記いずれかのD810用L型ブラケット
・QHY5LⅡM(天文ハウストミタからの取寄せ品)
・Kowa LM75JC
・QHY5LⅡM専用サポートリング(SR31.7B3)
・ノーブランドアルカスイスクランプ
・L型ブラケットガイドに便利な短い(0.7m)ガイドケーブル
 

いずれのL型ブラケットもRR-92用としてもご使用いただけます。
(ノーブランドのL型ブラケットとBL-D800NはLBプレート固定ボルト位置のみ
異なるため,BL-D800N用のLBプレートへボルト穴を追加工します)

SR31.7B3は使用するアルカスイスクランプ専用の限定生産品です。
(写真とはデザインが異なります)
L型ブラケットに装着する方向では,クランプに3点で固定されます。
L型ブラケット手配の都合で納期は1ヶ月ほど要します。
L型ブラケットガイドとRR-92の併用は回転が制約されます。


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2017年1月17日 (火)

LodeStarを使った小型ガイドセット

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StarlightXpressLodeStarとLM100JCなどのCマウントレンズとの組み合わせ
についてのお問い合わせをいただいたので備忘録を兼ねて紹介します。

結論から言えばLodeStarはCSマウントなので,CS→Cマウント変換リングを
併用すれば小型のガイドセットとして使えます。

ただ,LM100JCは後玉部がマウント側に出っ張っているので
CS→C変換リングは懐が広い製品でないと干渉するかも知れません。


写真は今回紹介するLodeStarとLM100JCのセットと
今や小型ガイドセット定番になったQHY5LⅡMと50mmレンズです。

センサーサイズなどからほぼ同等のガイド能力を有すと思います。
QHY5LⅡM+50mmでPROMINARの350mmを余裕でガイドしますが
LodeStarとLM100JCでも同等かこれ以上の能力を発揮するでしょう。
こうしてみると,この組み合わせは黒一色でスタイリッシュですよね。

紹介したLM100JC本体にLM100JCで使えるCS-Cマウント変換リングや
サポート用のSR31.7,SR32を加えた4点セットは税込み24,660円です。


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2016年11月28日 (月)

鏡筒バンドへのQ5L75GSS-2固定方法について

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先日紹介したQ75GSS-2ですが,鏡筒バンドに直接取り付けル方法について
お問い合わせをいただきました。

そのまま鏡筒バンド頂部のカメラネジにクランプなどをねじ込んだ場合
ガイド鏡の向きが合わないので回転できるパノラマヘッドなどが必要です。

シンプルな構成を望まれる場合は,立て込まれたカメラネジを抜き取り
上面からボルトでクランプを固定する方法を推奨していますが
回り止めされたボルトはを抜き取るのは技量が必要な上,内側のフェルトも
剥がさなくてはなりません。

 
そこで今回,Q5L75GSS-2固定用として太ネジアダプター(UNC3/8→1/4)
を加工したナットで上面から固定してみました。
加工と言っても,ねじ山部を旋盤で落としただけですが実用になります。
写真手前の左が加工前で,右がUNC3/8のねじ山を落とした状態です。

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太ネジアダプターの形状から使用できるアルカスイスクランプは限定されるので
ご希望の方はQ5L75GSS-2(Q5L75GSS-2CP)ご注文時に申し付けください。
Q5L75GSS+クランプ購入額+200円(太ネジ加工費)でご提供いたします。
(クランプ購入額は流動的なのでご注文時にお見積もりいたします)
 

以下は好評をいただいている,Q5L75GSS-2CPをL型ブラケットに装着した例です。
Q5L75GSS-2CPも上記方法で鏡筒バンドへ固定できます。

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2016年11月25日 (金)

PROMINAR500mm F5.6FLのガイドシステム

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PROMINAR500mm F5.6FL(以下P556と略)のガイドについてお客様から
ご質問をいただきましたのでご紹介いたします。

P556へのガイドカメラの搭載については以前のブログでも紹介していますが
フォーカサーに付けたSR31.7B2でQHY5LⅡMを固定する方法をお勧めします。

SR31.7B2はフォーカサー下面からからの固定となるので装着したままでの
運用になりますが,クランプを緩めればQHY5LⅡMは前方に抜き取れます。
SR31.7B2は2点保持なので再現性も良くQHY5LⅡMのキャプチャー映像を
ファインダー代わりとしても使用できます。

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なお,現行のP556用フォーカサーにはSR31.7B2などを装着するための
ボルト(低頭M6-16)と嵩上げスペーサー(8mm)を同梱しておりますが
初期出荷分には同梱されていません。
対象のお客様はSR31.7B2をご注文の際に申し付けいただければ
無償で添付いたします。

SR31.7B2の価格は4,860円です。在庫限りの限定商品となります。
先日紹介したQ75GSS-2Q75GSS-2CP同様に
SR31.7B2はQHY5LⅡMやLM75JCとのセット販売も行います。
LM100JCもお選びいただけますので価格はお問い合わせください。


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2016年11月17日 (木)

何処にでも?つけられる Q5L75GSS-2CP

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昨日紹介したQ5L75GSS-2はアルカスイス規格プレート仕立てなので
DS38などのアルカスイス規格クランプへ装着します。
撮影鏡筒と並列に設置したり,鏡筒バンドのトッププレートに搭載する
いわゆる「親子ガメ式」としてポピュラーな使い方です。


ただポータブル赤道儀とカメラレンズで撮影する場合は,L型ブラケットなど
プレート側にガイド鏡をつけた方がスマートなケースも多く,それについては
以前のブログで紹介しました。今でも時折お問い合わせをいただきますが
大きなヒットとなった現在の小型ガイドシステムの原点なのかも知れません。
 

そこでクランプ,プレート両方への固定を可能としたQ5L75GSS-2CPを組ました。
写真のようにSR31.7B2をクランプ兼プレートのいずれかの面に装着します。
クランプで使う場合,光軸を90度回転できるのでL型ブラケットや対物レンズの
下面でも運用できます。
これ一つあれば多くのシーンでご使用いただけるので海外遠征時などで便利です。


なお,プレートで使う場合は,上の写真のようにSR31.7B2は2本のボルト固定ですが
裏返してクランプで使う場合は中央1点止めとなります。
ここで紹介した例のように1点止めでも支障はありませんのでご安心ください。

Q5L75GSS-2CPのセット価格は49,680円(税込み)です。

クランプ兼プレートに特殊な加工を行う都合上,単品販売は行いません。
昨日紹介したQ75GSS-2も含め,市販品に後加工するため
加工部のアルマイト処理は剥離します。また加工に伴う小傷があります。
Q75GSS-2,Q75GSS-2CP共に市販品を流用した限定商品です。

以下に3つのパターンを紹介します。

【並列ガイド】
Q75GSS-2CPをプレートとして使いますが,基本的には「親子ガメ」式と同じです。

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【Lブラケットガイド】
Q75GSS-2CPをクランプとしてL型ブラケットに装着します。

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【トップガイド】
上記同様にQ75GSS-2CPをクランプとして使いますがSR31.7B2を
90度回転させています。
またケーブルが干渉しないようにQHY5LⅡMのリア側を保持しています。

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より以前の記事一覧