電源

2015年8月14日 (金)

5V→12Vステップアップコンバーター

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写真はスタンドアローンガイダーのM-GENを,モバイルバッテリーで
使用できるようにした,5V→12V昇圧ケーブル(SU-512)ですが
M-GEN以外の製品への電源供給用としてもお求めいただいています。

M-GENをモバイルバッテリーで使えるように開発した製品なので
おきまりの“専用“と謳っていますが,電気に専用などないので
電圧や電流など電気の仕様が適合すれば他の電源としてもご使用いただけます。
専用と言うより,M-GENとは組み合わせて動作の確認が取れていることを
表記しているだけです。
従いまして仕様が満足する写真のスカイグラフなどは普通に使えます。

SU-512の最大負荷は,入力電流(この場合5Vでの)が1.4Aに制限されますが
効率を加味すれば12Vで0.4Aが最大になります。
負荷の特性にもよるので,余裕をみて12V,0.3Aが最大の目安でしょう。
(負荷が重過ぎる場合は加熱保護で出力が遮断されます)
 

例に上げたスカイグラフは12Vで0.1A強なので5V側は0.3Aほどです。
写真のモバイルバッテリーの容量は5,000mAh(at3.7V)なので
5Vでは3,700mAhとなり,0.3Aの負荷なら10時間以上連続駆動できます。
一晩の撮影なら,重たい鉛電池など持って行く必要はなくなりました。

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こちらはデジタルカメラ用に5Vを9Vに昇圧するSU-509です。
対応機種が多いので,カメラ用として製品化する予定はありませんが
9Vのご要望も多いのでSU-512同様ケーブル仕様での商品化を検討しています。


今回紹介したSU-512は協栄産業でご購入いただけます。


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2015年1月24日 (土)

EOS用USB5V→9V昇圧ケーブル

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先日紹介した,USB→12V昇圧ケーブルへのお問合せが多いのですが
中でもEOS用の電源について多くのご質問をいただいています。

容量と出力電圧の関係上,秋月電子で販売しているAE-ISL97519Aという
昇圧モジュールがお薦めです。
出力電圧はボリュームで可変できますが,私は,6.8kΩと560Ω固定で8.8Vを
得ています。

私のEOS5DM2の場合,8.2Vが動作の下限で8.5V以上で安定とするので
8.8Vに設定しました。これで
待機時の電流は120mA,バルブでシャッターを開けている時は630mAです。

何れも5V側の電流ですが,写真の10,400mAh(at3.7V)のモバイルバッテリーでは
計算上,10,400mAh/5×3.7/630mA=12時間程度シャッターを開けたままにできます。


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出力側に突入電流対策として470μFの電解コンデンサーを入れていますが
もう少し大きい方が良いかもしれません。
(EOS60Daでは問題ありませんが5DM2の場合大きい方が良いようです)
なお,自作される方のための情報として紹介しておりますが
これらのケーブルは保証の問題もあるため商品化や受注製作は行っておりません。


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2008年11月 2日 (日)

入出力が絶縁されたDC-DCコンバータ

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昨日のブログでふれました入出力間が絶縁されたDC-DCコンバータです。

写真は別の目的で入手した,5V→12V昇圧,1.5Wタイプですが
12Vからデジカメに電源を供給するのなら,入力12V→出力12V
タイプの出力を三端子レギュレータで調整するのが良いでしょう。
3Wもあれば十分かと思います。1500円程度で入手できます。

また,パソコンに使えそうな12V→15Vの絶縁タイプもあります。
少し高価ですが,50Wタイプで10,000円弱です。

デジカメとパソコンの電源がバッテリーから絶縁されていれば
予期せぬ電源回り込みによる事故やノイズから開放されます。

今回紹介したDC-DCコンバーターはイータ電機製です。


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2008年11月 1日 (土)

電源の分配について

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最近の天体写真撮影現場では赤道儀の駆動装置やパソコンの
電源を確保するため大容量のバッテリーから分配するケースが
多いようで,一部ではデジカメの電源も供給されているようです。

単一電源から分配する場合,単に放射状に分配するのであれば
なにも問題ないのですが,注意しなくてはならないのは
電源を供給された機器どうしを他のケーブルで接続する場合です。

例えば,
・デジタルカメラには三端子レギュレーターで降圧した電源を供給
・パソコンには12Vから15Vに昇圧する電源から供給
放射状の接続ですので,このままでは何も問題ありません。

ところが,両者をUSBケーブルで接続するとどうでしょう。
一般にデジカメやパソコンのUSB端子のシールドは
電源のマイナス側と繋がっているのでマイナス側はループ回路
が形成されていまいます。
(シリアルやパラレルのフードもマイナス接続です)

この状態でもお互いのUSB端子部はほぼ同電位ですから
大きな問題はありませんが,片方のマイナス側が浮くと
USBケーブルを通して浮いた側の全電流が流れてしまいます。

パソコン側が浮くと2A程度の電流がデジカメ経由で
バッテリーに帰る事になります。

これでデジカメが壊れる事はないと思いますが,予期せぬ
ケーブルの短絡などが起きれば,大きな短絡電流が流れ
確実に機器を壊します。
(バッテリーは内部抵抗が極端に小さいため短絡時は
もの凄い電流が流れます。特に注意が必要です)

対策としては,入出力間がアイソレートされた電源を使うのが
ベストですが,マイナス側にはヒューズを入れないことでも簡易
的な対策となります。

USBケーブルで繋ぐだけでは大きな問題はないと書きましたが
実は,ループが形成された時点でUSBケーブルには信号以外の
電流が流れます。
(電源ケーブルとUSBケーブルにはそれぞれのインピーダンスに見合う
電流が流れます)
電源にはスイッチングノイズなどが乗っているので好ましくありませんね。

注:全てのデジカメやパソコンのUSB端子が電源のマイナスと
  直接繋がっているかは定かではありません。

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