出張

2016年10月20日 (木)

RainbowAstro社リモート天文台の紹介

B16_10_201

RainbowAstro社が米NewMexicoに設置されたリモート天文台の紹介です。
自社製の小型スライディングルーフが3基設置され,その内の1基には
上の写真のようにRST-400に搭載したPlaneWave製CDK14が設置されています。
 

下の写真はもう一つのスライディングルーフに設置された
RST-400とFSQ-106EDで,カメラはCDK14と同じSTX16803です。
いずれもリモート制御のノウハウを構築するための研究開発用ですが
既に実運用に入っていました。
RainbowAstro社Jeong ByoungJunさんのfacebookで詳しく紹介されています。

B16_10_202


これも自社製の遠隔制御装置で,望遠鏡やカメラなどの電源ON-OFFと
スライディングルーフ開閉,それにUSB機器の接続を遠隔操作するものです。
RST-400は光学式のメカニカル原点を内蔵しているので遠隔操作に対応します。
CDK14とカメラ周りの重さは40kgを軽く超えていますが問題なく運用されています。

B16_10_203
 

訪れた時に実演してもらいましたが,操作開始から撮影まで驚くほど短時間で
1万kmほど離れた地の遠隔操作とは思えませんでした。
昼夜が逆転しているので仕事をしながら撮影できるそうです。

以下は3基のスライディングルーフの設置風景です。

B16_10_204


|

2016年10月10日 (月)

久々の韓国出張

B16_10_101

先週末は韓国へ出張し,RainbowAstro社と友人の観測所を訪れました。

RainbowAstro社が米NewMexicoに設置されたリモート天文台の
遠隔制御設備の拝見や,据付赤道儀用のコントローラーなどの打ち合わせ
それと本日紹介するハーモニックドライブ赤道儀の情報交換が目的です。


まずはRainbowAstro社製のコンパクトなハーモニックドライブ赤道儀です。
写真のように,GPSや駆動回路を内蔵した赤道儀本体は完成していますが
来年の北米日食に合わせて小型のHUBO-iコンロトーラーを開発されていました。
iPhone側を向いたレバーは三脚とワンタッチで着脱するためのものです。
あとはデザインを損なわずにPOLEMASTERに対応させるだけとのことでした。


ここでは手法は紹介できません,太陽でアライメントをとる機能も開発中とのことで
視野の中心に太陽をとらえ続けられます。


B16_10_102

重さは3,300gですが,バランスウエイトをつけなくても10kgほど搭載できます。
気になる販売価格ですが,RST400より少しお安い程度になるそうです。


下の写真はワンランク上の試作機です。バランスウエイトを併用すれば
(ウエイトシャフト側から撮影)20~30kgを搭載するようでうす。

B16_10_104

 
 


次は友人の観測所です。友人は上記RainbowAstro社製と同じコンセプトの
海外遠征用も開発中ですが,据付用のハーモニックドライブ赤道儀も作っています。
40cm反射写真鏡を搭載し既に運用されています。

ここには,25cmが搭載されたハーモニックドライブ赤道儀も設置されていますが
いずれも運用中で素晴らしい結果との事です。
巨大なバランスウエイトがないので観測所が広く使えるのも大きなメリットです。


今回,海外遠征用として小型軽量を極めたタイプと,据え付け用大型タイプを
見てきましたがいずれもハーモニックドライブのメリットを活かしています。


B16_10_103


|

2016年8月10日 (水)

中小屋天文台「昴ドーム」

B16_08_101

昨日は宮崎県の北部に位置する「美郷町立中小屋天文台」へ出張しました。

中小屋峠付近を切り開いた立地は360度全方向とも素晴らしい見晴らしです。
都市部から遠く,標高も1,000mあるため九州ではトップクラスの星空でしょう。
上の写真は入り口からドーム方向を撮っていますが,右方向が南です。
視野を遮るものは何もありません。


B16_08_102

こちらはドームの奥から北側を撮影したものですが,全方向で視野を妨げるのは
この山(中小屋山)だけです。

九州山脈は険しい地形が多く主要な道路は殆どが谷底?を走っていますが
ここへ通じる道路は殆どが尾根伝いでした。

直ぐ近くにスカイロッジ銀河村もありますが,途中にも舗装された空き地も
点在したので撮影には最適でしょう。夜間の車の往来は皆無との事です。


今回の出張目的は駆動系が故障して動かなくなった60cmフォーク赤道儀の
修理です。
修理と言っても,30年ほど前の駆動方式(MS-DOSのパソコンから直接制御)
なので一式交換になります。

B16_08_10

おもしろい看板があったので撮ってきました。
B16_08_103


|

2016年7月23日 (土)

完全復帰の南阿蘇ルナと清和高原天文台

B16_07_235

今週は南阿蘇ルナ天文台と清和高原天文台へ出張していました。
ルナ天文台ではドームなどの本格復旧作業や極軸の調整などを行いましたが
数十トンもある赤道儀の極軸調整は大変で深夜(早朝)まで及びました。
 

写真は昼間に恒星を使った自動導入テストのあと
シリウスを長時間追尾してズレを確認しているところです。
焦点距離が12,300mmもあるので,6mmのアイピースで2,000倍ほどの倍率に
なりますが導入や追尾のズレもなく良好でした。
82cmで自動導入後にファインダーを覗いて気づきましたが,昼間のシリウスは
ファインダーでも見えるのですね。(ファインダー本来目的とは逆ですが)

 
 

その後,ルナ天文台に引き続き清和高原天文台の作業も行いましたが
こちらは震災で断線したハンドコントローラーの修理なので簡単な作業です。
これで両天文台ともに修復作業のお手伝いはすみました。

 
ちなみにルナの82cmはジンデン鏡で,清和高原の50cmは苗村鏡です。
いずれも大変シャープな見え味です。


B16_07_233


南阿蘇と清和高原は車で1時間ほどの距離です。
清和高原天文台にはレストランやロッジが併設されているので宿泊もできます。

「九州ふっこう割」の効果もあり,両施設ともお客様が増えているとのことですが
まだ,夏休み期間中でも空室があるそうです。
なお,8月11日にはジャズライブもある「清和高原スターフェスタ」が開催されます。


B16_07_231

清和高原天文台は広大な芝生内に,持ち込んだ赤道儀を据え付ける
基礎もあるので便利です。(赤道儀の据え付けは施設への確認が必要)

B16_07_232

|

2016年7月 1日 (金)

ルナ天文台本復旧の準備

B16_07_011

今日は2ヶ月ぶりに南阿蘇ルナ天文台に行きました。
4月に仮復旧したドームやスライディングルーフの本復旧打合わせです。

今日から始まる「九州ふっこう割」のおかげで,夏休みは大勢のお客様
が期待できるそうです。
それまでには完全普及できるようスケジュールの調整などを行いました。
(現在も天文台の公開も含め営業されています)

B16_07_01_2


このドームのスリットは上下を2個のモーター(ドーム外設置)で駆動する方式なので
停電や電気系のトラブル時には動かすことができません。
対策として1つのモーターで上下を駆動するよう改良しますが
モーターはドーム内に設置しハンドルも付加するので緊急時は手動で対処できます。

今回は天文ハウストミタさんのお手伝いで電気系を担当します。
ドームの回転やスリットの開閉は赤道儀との同期や雨滴センサーとの連動ために
改造されていますがその内容などを調査しながらの切り替えになります。

写真のようにドームは頂部まで6mあります。
中央に座った82Cm赤道儀を避けて足場をかけるのは容易ではないようです。


|

2016年6月13日 (月)

ミューイ天文台 修理完了

B16_06_134

この週末は先月紹介した天草のミューイ天文台修復作業を行いました。
写真は完了後の自動導入テストなどを行っている様子ですが,ACサーボモーター
特有の静かで滑らかな動作はステッピングモーターとは一線を画すものです。
 

作業は壊れた駆動系の換装と,ウォーム周りの調整や配線の張り替えです。
写真は新旧の出力200WのACサーボモーターやドライバーを並べてみましたが
ちょうど20年前に廃盤となった旧型と新型はご覧のとおり大きさが異なっています。
重さでは,モーターは3.4kg→1.0Kgにドライバーは5.9kg→0.9kgなので1/5ほどです。
(新型のモーターは旧型モーターから取り外した特殊減速機と連結した状態です)


B16_06_132

モーター外形は小さく,軸形は太くなってるので機械的な接続部の加工が
必要ですが,一番厄介なのは電気信号の入れ替えです。

B16_06_131

上位側のコントローラーから信号を一つずつ調べながら入れ替えますが
上位側との取合い図などはないので大変です。
サーボモーターはステッピングモータに比べると取合い信号が多いのですが
間違った配線で上位側に影響が出ると大変なので神経を使う作業です。

B16_06_133


ところで天文台を訪れると思わぬ出迎えがありました。
私の方に向かって小鳥が飛んで来たので驚きましたが
実は天文台の職員さんが巣から落ちた雛を保護され,最近自然界に離された
ホオジロの幼鳥とのこと。スマホでこれだけ近寄れました。


B16_06_138


天草と言えばタコが有名ですが,近くの道の駅でタコ丼をいただきました。
タコの量の多さにビックリしましたが,太い足1本分以上使ってありそうです。

B16_06_136_2

B16_06_137


ミューイ天文台の作業は完了しましたが,帰りに立ち寄った別の天文台は
手つかずのままです。
辛うじて転倒は避けられましたが,このタイプの赤道儀はアンカーボルトはなくて
ベースに乗っているだけなので転倒防止対策が必要です。
しばらくは先に紹介した南阿蘇ルナ天文台の本復旧作業などが続きます。


B16_06_135

|

2016年5月16日 (月)

天草のミューイ天文台

B16_05_162


先週は前回の南阿蘇に引き続き,天草のミューイ天文台の点検を行いました。
こちらは目立った損傷はありませんが,駆動系にトラブルが発生していました。
しばらくは駆動系入れ替えなどの作業が続きますが今月末の完了予定です。
 

ここに設置された西村製作所の赤道儀はユニークな構造です。
ウォームホイールと同軸に平ギヤが設置されており
常時そのギヤをトルクモーターで駆動しています。
初めて見ましたが,常にウォームホイールとギヤの噛み合い部に
一定のトルクを与え,バックラッシュをなくす工夫のようですね。

B16_05_163
 
 

ミューイ天文台は上天草の龍ヶ岳山頂に設置されていますが
日本一の星空に選ばれたとのことです。

大変見晴らしの良い展望台ですが,その直ぐ下は断崖絶壁になっています。
(外れていた看板?を持って撮影しています)

ところでミューイ天文台の「ミューイ」はこの地の方言で「見よう」と言う
意味だそうです。
私は熊本出身ではありませんが説明されなくてもわかります。

B16_05_164

B16_05_161_2


|

2016年4月30日 (土)

ルナ天文台の復旧作業

B16_04_301

昨日と今日は,先日被災状況を調査した南阿蘇ルナ天文台の復旧作業を
手伝ってきました。調査から中1日しかなく充分な準備もできませんでしたが
どうにかGWまでに復旧できて良かったです。

調査した日は雨でドームのスリットも開けられませんでしたが
今回は2日間とも好転に恵まれ作業ははかどりました。
写真は道中のグリーンロードから見た阿蘇五岳と南阿蘇の白川方面です。
(高速道路が復旧したので,渋滞がなければ福岡から2時間強で行けます)


以下はスリット開閉回路の調査・修理や破損部分の溶接修理
それに鏡面の点検・清掃を行っているところです。

B16_04_303

B16_04_305


B16_04_306

B16_04_304


ルナ天文台は開館した20年前からお世話になっています。
昨夜は快晴のもと,宿泊のお客様と一緒に15cm双眼鏡でプレセペ星団などを
見せていただきましたが,ゆっくりと星を見たのは久しぶりでした。


B16_04_302


|

2016年4月27日 (水)

私が訪れた南阿蘇

B16_04_271_2

先日のブログでもご紹介しましたが,このところ公共天文台などの
被災状況調査~復旧作業のお手伝いを行っております。

今日は南阿蘇のルナ天文台の被害状況の調査に行きました。
途中,家屋倒壊など甚大な被害状況を見ながらの現地入りでしたが
訪れた観光地と有名な「南阿蘇」付近では被害は感じられませんでした。

連日の報道では被害が大きかったところを集中的に取り上げられていますが
それはとても重要な事です。
ただ同じ南阿蘇でも被害がなかったり,小さかったところもあり
それはそれなりに報道すべきではないかと感じました。


今回訪問したルナ天文台も大きな被害はなく,一部電気系の不具合と
ドームのスリットが開閉できなくなる程度でした。
スリットが開かないと機能は果たしませんが,修復の難易度は低いので
一両日中にでも復旧し,GW前の公開にご協力できればと思っております。

B16_04_272_2


ルナ天文台はGW期間中も公開されるそうです。
福岡方面からは,大分自動車道の九重ICから,南小国,産山村,高森経由で
南阿蘇の入るルートは健在です。
このルートは震災復旧車両の通行も大変少なかったので,復旧の邪魔にならず
地域の応援ができるかと思いました。

|

2016年4月15日 (金)

天文台のメンテナンスと地震

B16_04_151


昨夜熊本地方で大きな地震がありました。
この地震で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

昨日は,震源から40kmほど南の八代市にある「さかもと八竜天文台」
メンテナンスに出張していましたが帰宅後大きな揺れでこの地震を知りました。


B16_04_152

この天文台は八竜山の山頂にあり,写真のようにすばらしい眺望です。
写真は八代市内方向ですが(川は球磨川)こんなに穏やかだったその夜に
大きな地震が起きてしまいました。


ご心配いただいておりますが,幸いにも私の観測所に被害はありませんでした。

|