海外遠征

2024年10月15日 (火)

紫金山ーアトラス彗星を追いかけて-4

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今回の海外遠征機材は彗星撮影に絞り,カメラレンズとポータブル赤道儀のみとしました。レンズは12mm~200mmまでの6本です。

私は広角レンズでの星景写真と言えど赤道儀を使用します。職業柄?か星が点に写らないのは追尾エラーみたいで嫌いです。

今回はカメラを付け直す時間はないので,ゴニオステージ赤道儀に自由雲台に搭載した広角系と,ジンバルに搭載した望遠系での同時撮影を行いました。

紹介する写真はSIGMAの14-24mmと105mmF1.4を同荷しています。時折強風が吹いていましたが200mmF2でも耐えてくれました。上の写真ではシャッターコントローラーが風で揺れています。

 

なお,今回使用したゴニオステージは構造上追尾時間が約1時間に制限されます。

始点と終点は光センサーで検出し自動停止しますが途中で巻き戻すこともできます。広角側で地上の風景がバランス良く収まる位置を始点にし,撮影の度に始点まで巻き戻せば,どのカットも地上の風景は同じ構図になります。始点に戻す操作はコントローラーのボタンを2~3秒押すだけです。

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2024年10月10日 (木)

海外出張から帰国しました

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写真は出張期間中に私達が滞在したアーガイルリゾートのロッジ(一番安価なロッジ)です。

この一帯は2028.7月の日食の皆既帯になのでその際の滞在地と目論んでいましたが,既に欧米などから多くの問い合わせが入っており,予約は受け付けていませんでした。やはり皆既帯のリゾートは目を付けられていますね。

こちらは同行のグループが明かりの無い庭先で撮影するために滞在した一番高級なロッジです。室内もとてもゴージャスでした。

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リゾート近くの展望台から見たアーガイル湖です。この湖はオーストラリア第二の人工湖だそうです。(写真に写っているのはアーガイル湖の一部のパニキン湾で,全体はこの数十倍あります)

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2024年10月 8日 (火)

紫金山ーアトラス彗星を追いかけて-3

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今回の遠征地はダーウインの南西、約800kmの「アーガイル湖の北部」ですが、ここを選んだのは以下の3つの理由からです。

  • 登ってくる彗星と太陽の位置関係が良い(地平線に対して、太陽が彗星の真下になる緯度)
  • この時期天候が安定している
  • 2028.7月の皆既日食の皆既帯に入っている

 

緯度条件が良いとは言っても、アーガイル湖付近の地形は起伏があるため、観測ポイントの選定は綿密に行いました。

上の地図は、長野の小林氏が、地形図やGooglemapなどネット上の写真などを元に作成してくれた資料です。これがあったので4駆車しか入れない悪路の先のポイントに辿りつけました。そのためにレンタカーも4駆を選びました。

 

事前準備の甲斐あって、アーガイル湖付近(正確にはパニキン湾)を前景に、尾を真上に伸ばした彗星と冬の銀河の写真は、「ほぼ」イメージ通り撮影できました。

「ほぼ」なのは予想しなかった強風で湖面が波立ており、湖面に映る彗星は叶いませんでした。

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以下は事前調査のB地点ですが、ここへ辿りつくには、荒れた道路を登って行く必要があります。Img_4088    

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2024年10月 6日 (日)

紫金山ーアトラス彗星を追いかけて-2

Img_3752(C/2011W3 写真はwikimediaより)

今回、紫金山ーアトラス彗星を南半球まで追いかけたのは、2011年に南半球に現れたラブジョイ彗星(C/2011W3)の写真の印象が強烈だったからです。

彗星が写っているだけでなく、南天の銀河や大小マゼラン雲が写った写真を見て何時かはチャレンジしたいと思っていました。

 

今回は事前のイメージから14mm縦構図で狙い、逆さオリオンまで入れた構図を取りましたが満足のゆく写真が撮れました。うっすらですが黄道光やガム星雲も写っています。

欲を言えば彗星の尾が銀河まで伸びてくれればと思いますがそれは贅沢なのかもしれません。来年のアトラス彗星(C/2024G3)に期待します。

 

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2024年10月 5日 (土)

紫金山ーアトラス彗星を追いかけて-1

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ブログの更新が滞っていますが、9/30日早朝から本日10/5日まで、6日連続で紫金山ーアトラス彗星を追いました。霞の影響はありますが前半は低空まで晴れていましたが10/3以降は雲が多くなりました。

写真は長期滞在するアーガイルリゾートのすぐ近くのダムの上で撮ったものです。前の陸地が3度ほど低空を妨げていました。14mmで撮っているので銀河やηカリーナ星雲も写っています。

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2024年9月20日 (金)

海外出張に伴う臨時休業(9/28~10/9)のお知らせ

9月28日~10月9日までは海外出張に伴い臨時休業します。期間中はご不便をおかけしますがよろしくお願いいたします。

主な目的は紫金山アトラス彗星の観測と,4年後にオーストラリア大陸で起きる皆既日食の適地踏査です。

そのため,9月23日頃までにご注文分は27日までに出荷しますが(ご入金確認後3営業日の即納品)その後は10月10日以降となる事をご了承いただけると幸いです。

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2023年10月16日 (月)

皆既日食と南天の星

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早いもので4月20日のエクスマウス日食から半年が過ぎました。日食はこれまでに見たことのない素晴らしいものでしたが,南天の星見も充実した楽しい旅行でした。

通常の日食ツアーはホテルに宿泊するため,オーストラリアで起きたケアンズやセデューナ日食でも星見との両立は叶わず残念な思いをしましたが,今回の経験をもとに天文リフレクションズの編集長と「皆既日食と南天の星」を両立するツアーの検討に入りました。個人的には今後の日食遠征はオーストラリアに絞る予定です。

 

上のマップは2040年までにオーストラリア付近で起きる皆既日食帯を表していますが,日食大陸と行って良いほど集中しています。直近でも2028年7月と5年も先の事ですが,今年のエクスマウス日食も5年前に下見しています。下見していなければ今回のツアーも実現しなかったかも知れません。

来年から下見を行いますが機材のテストも兼ね,天文リフレクションズの編集長ほか数人で2月3日~11日までワディファームに遠征します。(下見行動するのは2人だけで他の方はワディ滞在)

ツアーではなく仲間内での撮影旅行ですが,確保したワディの部屋に1室2名分の余剰があります。一緒に南天の星を見られたい方はご連絡いただけると幸いです。受付は10月31日までで詳細はメールでご連絡します。諸事情で旅行を取り止めました。10/28追記(それまでに定員に達した場合は締め切らせていただきます)写真がないと寂しいので4月にワディに行った際の虹をアップしました。この先を右折すればワディファームです。

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2023年5月 2日 (火)

プロミネンスと彩層に縁取られた太陽

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皆既日食は「黒い太陽」と称されますが今回の日食は食分が浅かったため(1.003)太陽のほぼ全周にプロミネンスや彩 が見えました。

このプロミネンスと彩相はとても明るいので,肉眼で見てた人は「赤い太陽」に見えたようです。

撮影データ(No.1594):EOS Ra,ISO200,EXP1/1600S,PENTAX105SDHF+タカハシED1.5X(合成焦点距離1,050mm),90S赤道儀

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ロンドンブリッジで撮影した逆さオリオン,月と金星

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今回の日食は西オーストラリア州北西部のエクスマウスで観測しましたが,エクスマウスからの帰路は海岸線を通らず内陸部を走りました。

写真は最も内陸部に入ったサンドストーンと言う町にあるロンドン・ブリッジ - Google マップ で撮影したものです。

先日紹介した写真とほぼ同じ構図ですが,こちらは月明かりの影響が小さくなるまで待ってから1分間追尾撮影したものです。

中央に逆さのオリオン,その上にはシリウスとカノープスが並んでおり,月と金星の横にはヒアデスが写っています。右上の星はプロキオンと火星です。

撮影データ:D810A,ISO1600,EXP60S,SIGMA14-24 F2.8→14mmF2.8,ゴニオ赤道儀で追尾,LEE No2ソフトフィルター併用

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2023年4月30日 (日)

西オーストラリア遠征から帰国しました

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西オーストラリア遠征から帰国しました。

今回の遠征は,4月20日の皆既日食がメインですが,内陸部での星野撮影も行ったため長期間となり,期間中ご不便をおかけしてしまい申し訳ございません。本日からいただいたご注文へのご案内を行っておりますのでよろしくお願いいたします。

写真は遠征最後日にワディファームで撮影した横たわる銀河です。太陽活動が活発なためか銀河の下側の空が緑色になっています。

2000年5月に西オーストラリアのヤルグーに撮影したこの写真と同じで現象でしょう。この時も太陽活動が活発でした。

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