海外遠征

2016年3月31日 (木)

PoleMaster南天での極軸合わせについて

B16_03_310

このところ,GWにオーストラリアなどへの遠征を計画されている方から
PoleMasteによる南天での極軸合わせのご質問をいただいています。

南天での極軸合わせについては過去に何度も紹介していますが
それは極軸望遠鏡を使った場合の話であって
PoleMasterについては南天で実際に使ったことはありません。

以下は極軸望遠鏡での経験から想像するコメントになりますが記してみます。
 

上の写真(拡大します)は南の空を広角レンズで撮影したものですが
この写野内に極軸あわせに使う「はちぶんぎ座の台形」が写っています。
「みなみじゅうじ座」と小マゼラン星雲を結ぶ線上で樹木の上にありますが
全くと言って良いほど目立たず,どの星を繋いでも台形になりますよね。

PoleMasterを使う場合でも,極軸望遠鏡を使う場合と同じように
台形を見つけ出す必要があるのですが
PoleMasteは極軸望遠鏡よりずっと暗い星まで写るので
見極めができないと極めて難しいかと思います。


その台形の見極め方法ですが,下のように「台形のとがった底辺」は
小マゼランの直ぐ近くにある球状星団のNGC104を向いていることです。
それと,何度も紹介しているように,台形にはVの字状に並ぶ星があることで
この2点に注意すれば台形を見いだせます。
また示したように,三角形に並ぶ星も目立つのでこれも目安になります。


B16_03_312

結局のところ,PoleMasterを使っても上記の予備知識がないと据え付けは
難しいと思いますが,逆に言えばこれが解っていれば極軸望遠鏡で事は済みます。
左上に延ばした黄色い線の近くに南の極があるためです。
(ご要望があったので南の極を緑色の十字線で書き込みました。
近くで三角形を形成する恒星は暗いのですが極望で確認できます)


今はスマホを使えば極軸の方位や高度(傾斜)は概ね合わせられるので
大変便利です。
この状態で極望の視野やPoleMasterの写野に台形は入るので
上記の予備知識+スマホがあればまず大丈夫でしょう。

上記を参考にしてPoleMasterに写った星の中から台形を探し出せれば
このようにしてセッティングできます。

上記で紹介したPoleMasterの画面には概ね以下の写野が写っていますが
ゲインを調整すればこのように見えるかも知れません。(追記しました)

B16_03_313_4


|

2016年3月 6日 (日)

明日からインドネシア日食遠征です

B16_03_06

いよいよ明日7日からインドネシア日食の観測に出かけます。
ジャカルタ経由でテルナテ島に入りますが,2泊5日の弾丸ツアーです。

午前中までお客様の機材対応などに追われていましたが
先ほどからパッキングしてやっと一息ついたところです。

 

今回は強行ツアーなので,機材は最小限にとどめました。
写真ように,改造したPENTAX75赤道儀にFC60(6cmF8.3)を搭載し
三脚は初代PTP-Cカーボンです。これでトータル5.7kgになります。

今回のツアーは46kgまで預けることができるので
動画用にもう一組持って行こうかとも思いましたが
結局は今までの遠征で一番軽い機材になりました。
それでも,預け入れが約20kg,機内持ち込みが6kgほどになります。

日食は動画がおもしろいのですが
知り合いのプロカメラマンが4K動画で撮影し,映像はライブ中継されるそうです。
既に撮影機材と赤道儀2セットを持ち込まれているようですが
動画はプロの映像を見せてもらうことにしました。


PENTAX75赤道儀は度々紹介していますが日食遠征には最適でしょう。
ちょうど2軸ガイド改造で多くの赤道儀が集まっているとこです。
手持ちも含め記念撮影しましたが,この内1台は本日お客様へ納品しました。

B16_03_012

以前も紹介しましたが,写真のように赤経モーター取り付け部の加工や
極軸の高度を微調整する機構を追加するので大変な手間がかかります。
現在これらの改造はバックオーダー対応のため新規の受注は休止していますが
バックオーダーの解消には年単位の時間が必要になりそうです。

B16_03_011


|

2016年3月 2日 (水)

海外遠征に伴う休業のお知らせ

B16_03_02

3月6日(日曜日)~12日(土曜日)まで海外遠征のため休業いたします。
期間中はご迷惑おかけいたしますがよろしくお願いします。

期間中は皆既日食観測のためインドネシア(テルナテ島)へ遠征します。
この時期インドネシアは雨期なので,比較的条件の良いテルナテ島を選びました。
それでも皆既日食を見られる確率は30%ほどでしょう。

写真はもっと条件が厳しかったイースター島日食(2010年7月)のものです。
前日まで豪雨でその後も時折小雨でしたが皆既直前に晴れ間が広がりました。
写真は皆既直前ですが雲は写真左側から右に流れていたので雲に邪魔されず
きれいなコロナが見られました。

2009年の南オーストラリア日食も奇跡的に皆既直前に太陽が顔を出しましたが
2008年の新疆ウイグル日食では逆に通過した雲に邪魔されました。
この日食の晴天率は大変高かったのですが,このようなこともあるので
結局はそこに行くしかなさそうです。

ちなみに私の日食遠征は1991年のハワイ日食が最初で
今回で8回目の挑戦です。過去の勝敗は4勝2敗1分なのでまずまずでしょう。
(少しだけコロナが見えた新疆ウイグル日食は引き分けとしています)


B16_03_021


|

2015年3月22日 (日)

南天でのイメージ

B15_03_22

南天で極軸望遠鏡の視野をカメラで撮影する場合のイメージを作ったので
私自身の備忘録としてアップしておきます。

はちぶんぎ座のσ星(V字の付け根の星)の極からの離角は
約1度(60分)なので紹介するパターンがわかりやすいようです。

以下は実際に撮影した写真にパターンを書き込みました。
(少しずれもあるので,後で写野を広くした写真に入れ替える予定です)

Seizu_2

|

2014年5月 4日 (日)

2014 南天星見ツアーの結果-速報

B14_05_04

撮影データ
EOS 5DM2(IRカット改造)CANON EF8-15mmF4開放 8mmで撮影
ソフトフィルター使用,ISO1600 180秒×1枚
H-40赤道儀(改造)+AMD-1で自動追尾 クリックで拡大します。
(写野右下の赤い光芒は何らかのゴースト)

4月26日に出発した南天星見ツアーから本日帰国しました。
今回初めてツアーを企画しましたが無事に終えてホッとしています。

一番心配した天候は,現地入りした27日はスコール混じりの雨天でしたが
翌日から回復に向かい,2夜は一晩中快晴でした。
この時期の西オーストラリアの天候からみれば平均的な結果でしょう。


速報として紹介する全天写真は深夜3時(現地時間)の空です。
この時期は薄明前に天頂に昇った銀河系中心部見られます。

西オーストラリアは夏場の1~3月の方が晴天率は高くなりますが
この頃は夜明け前でも銀河中心部は天頂に達しないので
天候と銀河の兼ね合いから過去も4~5月に遠征しています。


写真には土星や火星も写り大変にぎやかで
左下の南十字~右上のはくちょう座まで写っており,天頂はいて座です。

今回は写真の下に樹形が目立つ木を配置した上で
カメラをレボルビングして銀河が斜め45度に写る構図とし
実際に見たイメージに近くなるよう少しだけ処理しました。


|

2014年3月11日 (火)

2014 南天星見ツアー最終募集のご案内

B14_03_11_2

B14_03_111

写真は遠征期間中に観光予定のシェルビーチとHAMELIN POOLのレストランです。

昨年8月にご案内しました西オーストラリア南天星見ツアーですが
追加募集枠を確保できたのでご案内いたします。

募集人数は2名で出発の約1ヶ月前となる3月20日で締め切らせていただきます。
福岡発着のみとなります。募集人数は1名となりました。(2014.3.16日追記)

応募は終了しました。(2014.3.21日追記)

写真は滞在先のワディファームでの撮影風景です。

B14_031_10_2

ツアーの概要は以前のご案内から変わりありません。

・旅行日程:2014.4.26(土)~5/4(日)
・旅行費用:278,000円(全食事,燃料税など全て含む)
・出発地:福岡空港のみ(シンガポールで乗り換え)
・使用航空会社:シンガポールエアライン
・追加募集人数:2人
・主催者:K-ASTEC /トップツアー佐賀支店
(オプションツアー時の食事は別途となります)


現地では3台の赤道儀を据え付けた状態で開放するので
参加者で譲り合ってご使用いただけます。
また,実際に設定した極軸(望遠鏡)の見本としても使っていただけます。


赤道儀は,SP-DX,GP-D,スカイメモPの3台で
SP-DXとGP-Dはオートガイドつき,鏡筒の搭載はビクセン規格のアリミゾ。
ビクセン規格のアリガタ仕様であればそのまま搭載できます。
FS60Cやプロミナーなど300~400mmで重さ3kg程度まで搭載できます。

さらにコーワ様のご協力で,ハイランダーなど高級双眼鏡を使った観望も
予定しています。


詳細は以前の案内をご参照ください。

|

2014年2月11日 (火)

海外遠征用ポータブル赤道儀-3 オートガイド機能

B14_02_111

ポータブル赤道儀でオートガイドを行うことについては
賛否両論があるかと思いますが,私のところへのご要望が多いことは確かで
今後出荷するAMD-1はご要望によりオートガイド端子を付加しています。

そこで必要となるガイド鏡ですが,一般的にポータブル赤道儀では
300mm程度までが限度かと思います。
その場合,望遠鏡でガイド鏡と呼ばれるほどの大がかりなものは不要で
カメラ周りに簡単に取付られるコンパクトなガイド鏡が求めらます。


今回ご紹介するガイドシステムは小型のアルカスイスクランプで脱着できる
50mmのガイド鏡とQHY5LⅡの組み合わせです。
写真のようにカメラボディにつけた,縦横構図切り替え用プレートに固定できます。


B14_02_112


また,超小型のアルカスイスプレートをレボルビング装置に付けておけば
レボルビング装置でもガイドできます。


今回紹介するガイド鏡?は50mmのCマウントレンズですが
計測・制御装置メーカー製で星の写りは非常にシャープです。
F1.8開放ですが以下の写真のように恒星が綺麗な点で写ります。

Sp50mmguide


50mmで大丈夫?と心配されると思いますが
上のグラフは敢えて追尾精度の悪い赤道儀でテストした追尾状況です。
ガイドした後半はY軸が1目盛り(=ガイドカメラの1ピクセル=4μm)の
1/10程度に収まっているので300mm程度までなら余裕でガイドします。

というより,前半は±25秒ほどあったPモーションが1/20ほどになったと
見た方が解りやすいでしょうね。

本題がガイド鏡の話しにずれてしまいましたが
南半球に遠征すると,大マゼラン雲やη-カリーナ星雲など
望遠レンズで撮りたい対象がいくつもあります。
せっかく遠征したのだからキッチリとガイドした写真をものにしたいですよね。


この50mmレンズとガイドシステムについては追って詳しくご紹介いたします。

|

2014年2月 8日 (土)

海外遠征用ポータブル赤道儀-2 極軸望遠鏡について

海外遠征用(今回は南半球に限定した場合)のポータブル赤道儀にとって
極軸望遠鏡は必須ですが,それに求められる要件について
私なりの考えをまとめてみました。
あくまでも私が便利と思うセッティング方法での話です。

1.口径があまり小さくないこと(2cm以上あればOK)
2.倍率があまり高くないこと(ポータブル赤道儀の場合は4~7倍程度が良好)
3.視野照明があって,明るさを調整できること
4.ピント合わせ又は視度調整ができること
5.光学系がシャープで6等星が明瞭に見えること


1.は以前ここで紹介しましたが,極軸合わせに使う極付近の恒星は暗いため
口径が小さいと良く見えません。

昨日紹介したスカイグラフ(初期型)の極軸望遠鏡はMark-Xと同じもので
その口径は2cmありますが下の写真のように有効径が1.4cmに絞られています。

これではもったいないので右のように開口径を広げました。
これで2倍ほど明るくなります。

B14_02_081


2.の倍率についても以前紹介していますが以下のスカイメモPの倍率は4倍なので
セッティングが非常に楽です。10倍近いと慣れていても戸惑うほどです。


B14_02_082


3.の照明については1と関係しますが恒星が暗いので照明は極限まで
暗くしないと恒星が見えません。

4.については若い頃は感じませんでしたが
年をとると視度が固定された極望では暗い星が良く見えません。
視度調整があるとたいへん便利です。

最後の5.も意外と重要です。
ケアンズ日食の際,同行の方に極軸設定を依頼されましたが
光学系の見え味が悪く暗い星が良く見えませんでした。
北半球では明るい北極星使うのであまり問題になりませんが
南半球では粗悪な極望では極付近の星は見えませんでした。
(はちぶん儀座の台形は見えるので他の方法ではセッティングできます)


|

2014年2月 7日 (金)

海外遠征用ポータブル赤道儀-1 スイッチ取付位置について

B14_02_07

現在,4月末の西オーストラリア南天ツアーに向けて
参加される方のポータブル赤道儀を整備していますが
海外遠征用ポータブル赤道儀に求められる要素など
私なりの考え方について数回に分けて紹介いたします。

最初は,預け入れた機材のトラブル防止についてです。

海外遠征では預けた機材が想像以上の外圧を受けるようで
スーツケース内では機材どうしがぶつからないよう
完璧にパッキングしたつもりでも
遠征先で開けてみたらどうしたらこんなになってしまう?と思う事があります。


このような時に特にダメージを受けるのが突起部で
スイッチなどは簡単に壊れてしまいます。
写真後ろのスカイグラフは側面にトグルスイッチが配置されていますが
通常のパッケージでは強烈な外圧を受けてしまい破損してしまうのです。


整備の主な目的は,内蔵した電池で数日間駆動できるような省電力化や
オートガイド改造などですが,ついでにそのようなトラブルを防ぐために
スイッチ類の取付位置を変えています。

写真右側のスカイメモPもスカイグラフと同じように電源スイッチや
極望の明るさ調整ボリュームは側面パネルに付いていましたが
全て極軸望遠鏡のアイピース側に移しました。

また手前左のスカイグラフはオートガイド端子なども含め
対物レンズ側(銀色の銘板がある位置)に移動する予定です。

過去の遠征で同行された方の機材破損を目の当たりにしています。
現地で何とかして修理した事もありますがやはり予防保全は大切と思います。


---------------------------------------------------------------
今回紹介しました五藤光学のスカイグラフや富士電子工業のスカメモPには
頑丈な木製ケースが付属します。
そのケースに収納した状態ではスイッチの破損はおきませんが
今回は重量の関係でケースに収納しないで海外遠征する事を想定しています。

|

2014年1月22日 (水)

2014 南天星見ツアー追加募集のご案内

B13_08_02_2


写真は2013.3月の遠征時にカルバリーで撮影したものです
EOS 5DM2(IRカット改造) ISO1600 180秒露出×2,SAMYANG35mmF1.4→F4
(ファイルサイズの関係で少しトリミング)

昨年8月にご案内いたしておりました西オーストラリア南天星見ツアーに
若干の空きがでましたので追加募集いたします。


ツアーの概要は以前のご案内から変わりありませんが
旅行費用は為替レートの変動により少し見直す予定です。

・旅行日程:2014.4.26(土)~5/4(日)
・旅行費用:278,000円(全食事,燃料税など全て含む)
・出発地:福岡空港のみ(シンガポールで乗り換え)
・使用航空会社:シンガポールエアライン
・追加募集人数:2人→終了しました。1/26追記
・主催者:K-ASTEC /トップツアー佐賀支店
(オプションツアー時の食事は別途となります)


現地では3台の赤道儀を据え付けた状態で開放するので
参加者で譲り合ってご使用いただけます。
また,実際に設定した極軸(望遠鏡)の見本としても使っていただけます。


赤道儀は,SP-DX,GP-D,スカイメモPの3台で
SP-DXとGP-Dはオートガイドつき,鏡筒の搭載はビクセン規格のアリミゾ。
ビクセン規格のアリガタ仕様であればそのまま搭載できます。
FS60Cやプロミナーなど300~400mmで重さ3kg程度まで搭載できます。


詳細は以前の案内をご参照ください。

|