ちょっと一息

2018年6月12日 (火)

眼視目的ならヒンジ式の鏡筒バンド

B180612


火星の大接近までいよいよ1月半ほどになりました。
その日だけの天文現象みたいな取り上げ方も見受けられますが盛り上がる
のはいいことでしょうね。
私は惑星の観測はしませんがチャンスあれば見てみたいと思っています。
 

ところで眼視目的で使用する鏡筒バンドへの問い合わせをいただくことが
ありますが、当方の鏡筒バンドは写真撮影用なので眼視目的ならメーカー
純正のヒンジ式をお勧めしています。
 
長時間のガイド撮影においてはバンドは鏡筒につけたままにしておき
アリガタ/アリミゾを使って赤道儀への着脱する方法を推奨しています。
金属面での接触なので搭載直後から安定しています。

これに対して厚めのフエルトが張られたバンドは固定直後から少しずつ
フェルトが潰れるためにガイドミスの原因になる場合もありますが
眼視の場合影響ありません。むしろ軽く締めておけば前後のバランス
調整やファインダー位置を変えるための回転ができるので便利でしょう。


別件ですが,これまで紹介したFSQ-85/106ED用とタカハシ汎用接眼部
用のフォーカサーは8月完成分まで予約で終了いたしました。
次のロットは10月頃の予定です。

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2018年6月 3日 (日)

伝達系の偏心によるPモーション相殺-3 効果確認

B180603

先月から始めた「伝達系の偏心によるPモーション相殺」テストですが
効果が確認できたので紹介します。今までの経緯は以下のとおりです。

伝達系の偏心によるPモーション相殺-2ギヤへ戻す
伝達系の偏心によるPモーション相殺-1ギヤとベルトの比較

上の写真はウォーム軸とギヤの固定ネジの位置関係を示しています。
グラフが描くカーブがピークに達した時に軸側にマーキングし,それに合わせて
ギヤを固定すればモーションの周期に位相があった偏心を与えられます。
写真はその位置から30度ほどずらしてその影響をテストしている状態です。
 

以下に結果を示します。
またどの程度の偏心が最適かや,位相のズレがどの程度影響するかを把握して
いる段階ですが現時点でモーションを半分ほど抑制する効果が確認できました。
 

【対策前】
 P-Pで25~30秒角のモーションが発生しています。(ベルト駆動のグラフ)
No2_goto65cm_22


【5/100mm偏心後】 
P-Pで20秒角ほどに軽減できています。
G652_805mm_sift_2
 

【10/100mm偏心後】 
P-Pで10~15秒角に軽減できています。
G652_810mm_sift_2
 

【偏心0から5/100mm偏心に切替中】
 効果の定量性を証明するため追尾途中から5/100mmの偏心を与えた場合です。
G652_805mm_sift_1
 

【10/100mm偏心+位相を変えた場合】 
殆どモーションが出ない状態と急にモーションが出る状態が繰り返されます。
G652_810sift_1

【10/100mm偏心+位相がベストと思われる状態】
途中雲で中断していますがP-Pで10秒角ほどに収まっています。
G652_810mm_sift_3


テストは複数回行っているので概ね傾向を捕らえていると判断します。
この赤道儀では概ね5/100mmの偏心が10秒角ほど追尾に影響する模様で
以前の経験値と変わりありませんでした。

まあモーションの絶対値云々より,明らかに傾きが緩やかになるのでノータッチ
追尾精度が向上するのは間違いないでしょう。

なお,今回のテストは圧力角20度(モジュール0.5)の平ギヤの場合です。
タカハシ製赤道儀では圧力角14.5度のギヤが使われているので偏心量の
影響は小さくなります。

以下左が,圧力角20度(M=0.5),右が圧力角14.5度(M=0.75)の平ギヤです。

B180604

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2018年6月 1日 (金)

北アメリカ星雲の季節

B1806011


早いもので今日から6月ですね。
九州北部は梅雨入りしたそうですが清々しい青空が広がっています。
 

自宅屋上では相変わらず機材のテストばかり行っていますが
暖かくなってきたので撮影用機材のセッティングを行いました。

今年からイタリア製の片持ちフォーク赤道儀を導入しましたが
鏡筒の短いRH-200との相性は抜群です。
操作性だけでなく,赤道儀や鏡筒に加え冷却CCDカメラまでもが
赤と黒を基調した色合いで統一感があります。

この組み合わせでは、南の水平線下に向けた時だけフードと
赤道儀が干渉するだけであとはどこを向けても干渉せずに
長時間撮影が可能です。リモート撮影にはとても便利です。

例によって北アメリカ星雲でも撮ろうかと思っていますが
その気になれば一晩中撮影することも可能です。


B1806012


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2018年5月26日 (土)

伝達系の偏心によるPモーション相殺-2ギヤへ戻す

B1805261

先日から「伝達系の偏心によるPモーション相殺」にチャレンジしていますが
ベルトはプーリーを5/100mm偏心させても目立った変化はありませんでした。
ある程度予想していましたがベルトはギヤほど偏心に敏感ではないようです。

写真は8mm用のプーリーを8.05mmのリーマーで内径加工している様子です。

B1805262


そこで効果が現れにくいベルトは保留にしてギヤで試すことにしました。
最初の写真のようアイドラーギヤをなくして1:1のギヤで伝達にしました。
 

先日紹介したギヤ伝達は国産の高精度ギヤを使っていますがそれでも
アイドラーギヤも含めた偏心の影響が出ています。
ギヤ精度に不安のある赤道儀ではベルトに交換するだけで追尾精度が
改善されるかも知れません。
これは実際にあった例ですが10/100mmほどのギヤの偏心で大きな
Pモーションが発生しておりました。(赤緯側を赤経に使ったため)

月は大きいのですが今日は大変良く晴れているのでテスト日和です。
まずはギヤ伝達でモーションを相殺する事が可能かチャレンジしてみます。

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2018年5月21日 (月)

伝達系の偏心によるPモーション相殺-1ギヤとベルトの比較

B1805211


五藤光学6.5cm赤道儀は両軸全周微動なので自動導入改造に適しています。
基本構造や,ウォーム回りの仕様はマークXと同じなので強度や精度は
変わりありませんが極軸望遠鏡は内蔵されていません。
ポールマスターが使える現在では大したデメリットではなくなり,マークXの
ように分離できない構造のために軽くてコンパクトです。
またモーターをスマートにレイアウトできる構造はマークXにない魅力です。
 

この6.5cm赤道儀は同社のマークXやスカイグラフの標準的な値と変わらず
±10秒角強のPモーションがあります。
充分高精度なのですが,P-2や90Sなどと比べるとやや劣るため伝達系での
軽減を試してみる予定です。
Pモーションは極めて滑らかなサインカーブを描くので伝達ギヤの偏心を
逆手にとった手法でモーションを相殺できるかも知れません。

ギヤ伝達の場合,ギヤの偏心は噛み合いが深くなったり浅くなったりする
ために駆動の進み遅れが発生し,その量は私の経験ではギヤの偏心が
5/100mmほどで10秒角ほどと記憶しています。
位相が180度ズレた位置で故意にスパーギヤを偏心させればPモーションを
相殺するという理屈で初代ATLUX赤道儀でも採用されています。

ただ問題は軸間距離やPECの適応性(この件は別途記事にする予定です)
のためベルト伝達を採用していますがギヤ同様の現象が起きるか不明です。
プーリーの偏心でベルトの張りが変化して同じことになるかと想像しますが。
 

 
前置きが長くなりましたが,ベルト伝達でのPモーション相殺テストを行う前に
ギヤとベルト伝達の比較を行いました。
まずは互いにどのような相違があるかを整理しておきたかったからです。

以下のガイドグラフは同一個体のウォーム軸とモーター軸をそれぞれで
伝達した場合で上がベルト,下がギヤです。
(最初の写真は比較のためにベルトとギヤは別の個体となっています)

ギヤ伝達の場合,アイドラーギヤも含めたギヤの偏心で複数の波が重畳
していますが振幅やモーションの傾向に変わりはないようです。
このデーターを元にベルト伝達でもモーションの相殺が可能か試してみます。

B1805212


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2018年5月 8日 (火)

D型赤道儀にスラストベアリングを組み込む

B1805081

D型赤道儀の極軸は1対のテーパーローラーベアリングで保持されていますが
ウォームホイールとハウジング間のスラスト力は赤いファイバーワッシャーで
受けているために強い与圧をかけられません。
ファイバーワッシャーを挟んでいますが与圧をかけようとすると摩擦が大きくなり
クランプフリー回転が渋くなります。

対策としてワッシャーをスラストベアリングに代えれば与圧をかけられますが
見た感じではそのままでベアリングが組み込めそうです。

D型の上位機種の8cm用にはスラストベアリングが採用されているので両機の
ウォームホイールやハウジングが共通ならD型にもそのままでベアリングが
組み込めそうです。彫り込み部の直径や深さも市販のベアリングに合致するので
試してみたら案の定ほぼ無加工で組み込めました。


上の写真の赤いリングがファイバーワッシャーで手前がスラストベアリングです。
ハウジング側にはスラストベアリングの受け側を装着しています。
改造前はファイバーワッシャーがホイールの上面とハウジング間に
挟まれていましたが改造後はスラストベアリングがこの役目を果たします。


下はウォームホイールにスラストベアリングを装着した状態です。

B1805083

なおウォームホイールの経年変化で若干内径を研磨する必要はありました。
下は研磨後のホイールです。

B1805082


与圧の目的は単にクランプフリー回転を滑らかにするだけでなく
ここで紹介したとおり剛性が増します。
また与圧がかけられない赤道儀ではクランプとウォームの相対位置で
ウォームの噛み合いが微妙に変化しますがこれも小さくなります。


与圧とは関係ありませんが,この時代のタカハシ製赤道儀はホイールを
押さえる真鍮版(ハウジング内部の板状のもの)とハウジングの隙間を
鉛棒で埋められています。
クランプを締めた際に軸が微妙に回転するのを防ぐためなので分解時は
紛失に注意が必要です。

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2018年3月 4日 (日)

銀塩アストロカメラから20年

B18034

今から20年ほど前の事ですが,マミヤプレスの6×7(6×9)フィルムバックを
利用したアストロカメラ(フィルム吸引式)を製作していました。
その後の4×5判も含め殆どはOEM供給でしたが70台ほど作っています。

35mm用は主に対角魚眼レンズを装着した全天カメラ用ですが,レンズの
イメージサークルを極限まで利用する円形カメラとしても使われました。
 

デジタル時代になってからも,35mm判レンズとラージフォーマットセンサーとの
組み合わせに興味が残りましたが,カメラ側のフランジバックの制約などで
なかなか実現できませんでした。


そんな中,StarlightXpressから条件を満たす冷却CCDカメラが発売されたので
早速入手してみました。
写真はまだフィルターホイールも無い状態ですが試写はでききます。

この冷却CCDカメラはKAF-16803搭載のTrius SX-56です。
フルフレームのカメラはシャッターが必須ですが特殊なシャッターにより
短いフランジバック(16mm,標準装備のスケアリング調整機構を含む)を
実現しています。
これならフィルターを併用してもレンズのバックフォーカスを満足します。

銀塩のアストロカメラから20年経ちましたが同じように楽めそうです。


B180342

B180341

ところで写真マミヤプレスホルダーはご希望の方へ差し上げます。
(レンズマウント付は記念に残すのでお譲りする対象ではありません)
殆どが未使用品なのでどれも綺麗なものです。
もしも銀塩での撮影を続けられる方がいらっしゃったらご一報ください。
送料のみでお譲りいたします。
受付は2018.3.31まででその後は廃棄いたします。


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2017年12月 4日 (月)

スーパームーンとアルデバランとの大接近

B171204_2


昨夜も良く晴れたので出したままにしておいた五藤の8cmで月を見ました。
後で知ったのですが昨夜の満月はスーパームーンだったのですね。
日頃月を見ないので気づきませんでしたが知っていれば感動したかも?

それより真っ白な満月の傍らでオレンジ色に輝くアルデバランが印象的でした。
光度差が大きいので写真では表現できませんが肉眼ではとても綺麗な対比です。
これも後で知ったのですが稚内ではアルデバラン食だったのですね。 


ところでMTS-3で月を追尾してみましたが眼視では必要性は感じません。
一点を見続ける訳でもないので恒星時との差は気になりませんが
撮影では便利かも知れませんね。
銀塩時代に皆既月食を撮っていた頃は月追尾の必要性を実感していました。
なおマークX用のMTS-3の追尾周波数は560PPSほどです。
ほぼ無振動駆動なので月や惑星観測に最適です。


紹介するマークX用など,MTS-3を使った自動導入モータードライブや赤道儀の
改造は沢山のバックオーダーを頂いております。
申し訳ありませんが,新規のご対応は2018.9月以降になりそうです。

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2017年12月 3日 (日)

8cm望遠鏡で月見

B1712031

滅多に月を見ることはありませんが,昨夜はMTS-3の月追尾を試して
みたかったので満月前の大きな月を見ました。
写真は五藤光学の8cmF12.5で,これにペンタックスのOr18やOr6mmで
見た月はコントラストが高くよく見えます。
いつもテストばかりしていますがたまには月を見るのも良いですね。


マークXに搭載する8cm屈折は,F8.25,F12.5,F15の3種から選べましたが
個人的には写真のF12.5が一番バランスが良いと思います。
写真の8cmは,F12.5シリーズの中では一番安価な2枚玉セミアポですが
色収差も殆ど気にならず大変よく見えます。
社会人になった頃マークXやこの長いファインダーの鏡筒が憧れでした。

B1712033


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2017年1月14日 (土)

Nikon D500の導入

B17_01_14

CanonからNikonのカメラへ移行して1年ほどになりますが,夏の日食用として
NikonD500を導入しました。
所有する810Aも考えましたが,個人的には日食にフルサイズは必要ないことや
バリアングルモニターが決め手になりました。4K動画撮影も大きな魅力ですね。

実はNikonに移行後もEOS60Daはつい最近まで所有していました。
プロミネンスが良く写るためですがインドネシア日食の際,転送速度が遅くて
イライラした経験があります。D500はRAW画像でも100枚ほど連写できるので
ストレスはないでしょう。

さらに予備のバッテリーや充電器なども考慮するとメーカー統一した方が
便利なので思い切って処分しました。
60Daが予想以上の高値だったのと,D500のキャッシュバックが始まった事で
あまり費用をかけずに入替できています。

ところで,D810もキャッシュバック対象になりましたが,そろそろモデルチェンジ
でしょうか?D810Aも連動してなくなるのでしょうね。
そうなるとQHYが開発中のフルサイズCMOSカメラ存在が気になりますね。


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