ちょっと一息

2018年10月31日 (水)

ナローバンドフィルターによる写りの違いについて

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このところ天文リフレクションでナローバンド撮影に関する記事を見かけますが
フィルターによる写りの違が取り上げられていました。
気になったので今年の1月に西オーストラリアで撮影した写真を紹介します。
 

写真は左からS2,Ha,O3のフィルター(バーダー製)で撮影したものです。
200mmF2(解放)のカメラレンズとATIK16200Aで300秒撮影した1カットで
全てレベルを200-2000に切り詰めています。
(中央の写真はファイル名がLとなっていますがHaです。また全て鏡像です)
 

大マゼラン星雲のタランチュラ付近を撮っていますがこの領域はHaとO3の
写りにあまり差はないようです。
以前自宅で北アメリカ星雲を撮った時はO3の写りは良くなかったと記憶して
いますが対象によってかなり変わるようです。

ちなみに未改造のデジカメでタランチュラ星雲を撮ると青緑に写りますが
色々な波長の光を発しているのでしょうね。


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2018年8月27日 (月)

胎内星まつり2018に行ってきました

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8/23~26日の4日間(前後2日移動日),胎内星祭り行ってきました。
福岡から会場の胎内までは片道1,250km所要時間15時間の長旅です。

今回も天文ハウストミタさんに便乗させてもらい日食遠征用ハーモニック
ドライブ赤道儀やRR-92+ジンバル式ポータブル赤道儀などを展示しました。
実際に触れていただき強度や使い勝手を体感していただくためです。
(1枚目の写真は拡大します)


いずれの赤道儀も私なりのこだわりを追求したコンセプト機(非売品)ですが
ハーモニックドライブ赤道儀の剛性には皆さん驚かれていました。
また,RR-92+ジンバルフォークは一般的なポータブル赤道儀+自由雲台
での構図合わせやガイドミスに悩まれている初心者方にも評価いただきました。


バックヤードやホテルでは韓国から参加されたHOBYM Obs代表やTAITAN
TCSの開発者との新製品談義も盛り上がりました。


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金曜日は猛暑,土曜日は豪雨と天候には恵まれませんでしたがコンサート
なども催され楽しい2日間でした。

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なんと言っても星まつりの楽しみはこれ!でしょう。
冷やし中で写真にはありませんが常連のお客様からいただいた美味しい
奈良のお酒(大吟醸)で盛り上がりました。

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2018年8月18日 (土)

FL55SSフルサイズでの試写

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昨夜はカメラの設定を間違ってしまいDXフォーマットで撮影したので
フルサイズ(FXフォーマット)で取り直しました。
バックフォーカスもメーカー推奨値(Fb=63.5)に合わせています。

比較のためにほぼ同スペックのMAMIYA250mmF4.5も(NIKONマウントに
改造)も掲載しました。
FL55SSの周辺減光は67用のMAMIYA250mmF4.5より小さくフルサイズでも
ほとんど目立ちません。

周辺星像はMAMIYA250mmF4.5が勝っていますが若干赤ハロが出ています。


ほぼ同じ写野ですが,MAMIYAの方は保持方法の都合で回転しています。
またステライメージは「周辺減光」ではなく「かぶり」を選択していました。

【FL55SS+フラットナーHD forFL55SS+HD5.5 237mmF4.3】

B180818_fl55ss

Fl55ss


【MAMIYA APO-SEKOR F250mm 1:4.5】

B180818_z250f45


Z250f45


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FL55SSの試写とGE1414の追尾テスト

B180818


バンドやフォーカサー開発のために導入したFL55SSの試写を行いました。
昨日から抜けるような青空が広がっており今朝も清々しい天気です。
(写真のFL55SS用のバンドはTB-80/65ASでDP38-190に装着しています) 


以下は周辺減光と星像の様子です。
周辺減光が少なく個人的にはフラット補正は必要ないと感じました。
なお他社製のカメラアダプターを使用しているのでバックフォーカスは
合っていません。四隅の星像はその影響を受けているのかもしれません。
以下のカメラレンズでの撮影後,DXフォーマットのままだったので
再度バックフォーカスも合わせてた上、フルサイズで撮影します。追記


B1808181_2


Dsc_2244_qc_2


FL55SSの試写の前にGE1414HDの追尾テストも行いました。
内蔵の極望でセッティング後,ガイドせずに連続して撮影した4コマです。
露出は各3分で,レンズはSIGMA50-100mm1.8の100mm端で撮影しています。
明るい星はデネブで,上下が赤径方向です。

Pモーションが±25秒ほどあるのでpixel等倍では流れがわかりますが
50%程度ならほとんどわかりません。
ここでも照会しましたが,完全な追尾を求めるなら50mm程度まででしょうね。
極望を内蔵しているので広角レンズでの星景写真用としても使えます。

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ちょっと一息 |

2018年8月11日 (土)

PENTAX75SDHFとMAMIYA67 APO500mmF6

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このところ碍子の反射光を使って色々な望遠鏡やカメラレズの比較しており
今日はPENTAX75SDHF(500mmF6.7)とMAMIYA APO500mmF6を見比べました。

 
スマホて撮ったPENTAX75SDHFの焦点外像ですが色収差が目立ちます。
一方,MAMIYA67 APO500mmF6の色は皆無と言って良いでしょう。

B1808112

実はMAMIYA67 APO500mmF6(バックフォーカスを揃えるために全てRZ用)
は3本所有しています。

3本並べてHa,S2,O3を同時撮影しても良いかな?と思っていましたが
今の状況では作っても撮影する事は無さそうです。
1本残して他の2本は手放す予定なので興味のある方はご連絡ください。
中央(美品レベル)が70,000円,右(ほぼ未使用レベル)が100,000円です。
8/15日以降はオークションに切り変えます。(こちらの方が安価でしょう)
90mmのバンドが必要となりますが直接購入の場合のみ無償で製作します。

MAMIYA67 APO500mmF6はピント合わせ機構がないので(これが安定した
性能の要因と推測)PENTAX645のヘリコイドを流用しNIKONマウントに
改造しています。
バックフォーカスが100mm以上あるので色々なアイデアが活かせます。

追記しますがこのレンズには合焦機能はありません。一番左の例の
ようなフォーカサーをご自身で取り付ける必要がございます。
2本とも終了しました。

 

色収差は極めて小さくPENTAX75SDHFの比ではありません。
星像は僅かに歪みPENTAX75SD-HFにはかないませんがプロミナー
500mmF5.6より優れています。
67用なので35mmフルサイズで使った場合周辺減光が目立ちません。
(前玉の直径は10cmほどありますが,シャッター部で絞られており
F6になっています。35mmで使った場合口径食は感じられません)
個人的な感想ですが星像に限っては天体望遠鏡に及びませんが
カメラレンズとしては最高レベルと思っています。
過去にPENTAX67の300mmや400mmEDも試していますがMAMIYAには
遠く及びませんでした。

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2018年8月 7日 (火)

ハーモニックドライブ赤道儀で観望

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何日か雲の多い天気が続きましたが2日ほど前から透明度の高い空が
戻ってきました。
昨夜はハーモニックドライブ赤道儀で火星や土星を見ましたがシーイング
もそこそこ良かったみたいです。
(極望やパノラマヘッドの仕様が定まらないために底部の蓋は未装着です)


バランス調整が不要なハーモニックドライブ赤道儀は,鏡筒を筒先側に
シフトできるため接眼部の位置を高くできます。
特に短い三脚+長焦点屈折では天頂付近が見やすくなり便利です。
写真の例では一式で7kgほどなので気軽な観望にも使っていただけるでしょう。

また両軸ともバックラッシュがないので操作時のレスポンスが心地よいです。
この感覚や強度は実際に体感しないとわからないと思います。
胎内星祭りで展示予定ですので興味のある方は実機に触れてみてください。

 

一通り観望したあと,いつものガイドテストを行いました。
PENTAX75SD-HFの鏡筒バンドにつけたガイド鏡を用い前半はガイドなし
後半はガイドを行っています。
ガイドなしで±20秒程度なので広角~50mmまで,ガイドありで±2~3秒
なので500mmクラスでの撮影は完璧でしょう。

Ge1414hd
 

これは自宅屋上で撮った一昨日の空で,火星,土星,木星が写っています。
D810A(DXフォーマット),TAMRON10-24mm→10mm,ISO1600,F4.5,露出5秒

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2018年8月 4日 (土)

FL55SSとFS-60CBの色収差比較

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碍子に反射する太陽光を使いFL55SSとFS-60CBの色収差を比較しました。
結果は先の記事で触れたようにFL55SSの色収差補正は良好ですが
FS-60CBは色にじみが目立ちました。
ピント位置の内側で碍子の周りに赤の,外側で緑のにじみが見受けられます。

ただ今回の比較は,直焦点での眼視比較なのでフラットナーやレデューサーを
併用した撮影時は異なるのかも知れません。
ちなみにFS-60CBは高性能フラットナーが発売されました。
両者の選択がさらに難しくなったようですね。


今回比較して気になったのはFL55SSはピント合わせ時に視野が動きます。
FS-60CBは気づかないレベルなので,FL55SSの接眼部もFS-60CB並の
クオリティが欲しいです。特に写真撮影では重要でしょう。

FL55SSの光学性能は5~6cm鏡筒の中ではトップクラスと思います。
ただライバルのFS-60CBより30,000円※以上も高価なので価格に見合う
高級感も求められると感じました。

同社のVSD100の開発はPENTAXの技術が投入されたと聞きますが
FL55SSにもPENTAX75SD-HFの接眼部が採用れれば完璧でしょうね。

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※いずれも鏡筒単体の税込み価格(専門店の販売価格)で比較。
FS-60CBは6×30ファインダー付,FL55SSはスライドバーM付

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2018年8月 3日 (金)

6cmクラス鏡筒の見比べ

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福岡も35℃越えの猛暑日が続いていますが夜になると透明度が良くなり
自宅からも夏の銀河がうっすらと見えます。
接近中の火星や土星などを見ていますがシーイングは良くないようです。
 

FC100DLで惑星を一通り見た後に,最近入手したビクセンのFL55SSと
タカハシのFOA-60やFS60CBの見比べを行いました。

焦点距離300mmのFL55SSはOr6mmを,900mmのFOA-60(1.7EX併用)
にはOr18mmをつけているのでいずれも倍率は50倍です。

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星で見比べる前に碍子に写る太陽反射光で色収差を見比べましたが
FL55SSの色は僅かで,全く感じないFOA-60との差は小さいようです。

手放したので比較できませんがFC-60は明瞭な色収差を感じていたので
FC-60より優れているでしょう。
今回,FS-60CBは昼間比較は行っていませんがFC-60より劣っていたと
記憶しています。(後日FL55SSとFS-60CBの直接対決?を行う予定です)
 

肝心な恒星や惑星(主に土星)の比較ではFOA-60>FL55SS≒FS-60CB
と言った感じです。
同一倍率(50倍)ではFOA-60とFL55SSの差はあまり感じませんが
F15のFOA-60はOr6mmやSw4mm(TMB製)で150倍以上の倍率を掛けても
破綻せずさすがに良く見えます。

ほぼ同じ口径ですがF15とF5クラスの眼視性能を比較するのはナンセンス
かと思いますがFL55SSの眼視性能は予想以上のものでした。
軽量なのでフラットナーを装着(312mm)すれば日食用としても魅力的です。


また昨夜はFL555SSとNikonの古い300F2.8など望遠レンズの眼視比較も
行いました。
ちなみに写真の328はVR(手ぶれ補正)が入っていませんがレンズ構成は
現行と同じです。VR有無の差かMTFチャートは歴代328でトップです。

カメラレンズと望遠鏡の眼視性能を比べる事もナンセンスですが
F2.8ではFL55SSの圧勝,F4まで絞ってもFL55SSには遠く及びません。
写真性能は328をF4まで絞ればFL55SSと大差ないと思います。
F4で良ければ軽量な55FL(レデューサー併用)の方に魅力を感じますが
如何でしょう。


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2018年6月12日 (火)

眼視目的ならヒンジ式の鏡筒バンド

B180612


火星の大接近までいよいよ1月半ほどになりました。
その日だけの天文現象みたいな取り上げ方も見受けられますが盛り上がる
のはいいことでしょうね。
私は惑星の観測はしませんがチャンスあれば見てみたいと思っています。
 

ところで眼視目的で使用する鏡筒バンドへの問い合わせをいただくことが
ありますが、当方の鏡筒バンドは写真撮影用なので眼視目的ならメーカー
純正のヒンジ式をお勧めしています。
 
長時間のガイド撮影においてはバンドは鏡筒につけたままにしておき
アリガタ/アリミゾを使って赤道儀への着脱する方法を推奨しています。
金属面での接触なので搭載直後から安定しています。

これに対して厚めのフエルトが張られたバンドは固定直後から少しずつ
フェルトが潰れるためにガイドミスの原因になる場合もありますが
眼視の場合影響ありません。むしろ軽く締めておけば前後のバランス
調整やファインダー位置を変えるための回転ができるので便利でしょう。


別件ですが,これまで紹介したFSQ-85/106ED用とタカハシ汎用接眼部
用のフォーカサーは8月完成分まで予約で終了いたしました。
次のロットは10月頃の予定です。

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2018年6月 3日 (日)

伝達系の偏心によるPモーション相殺-3 効果確認

B180603

先月から始めた「伝達系の偏心によるPモーション相殺」テストですが
効果が確認できたので紹介します。今までの経緯は以下のとおりです。

伝達系の偏心によるPモーション相殺-2ギヤへ戻す
伝達系の偏心によるPモーション相殺-1ギヤとベルトの比較

上の写真はウォーム軸とギヤの固定ネジの位置関係を示しています。
グラフが描くカーブがピークに達した時に軸側にマーキングし,それに合わせて
ギヤを固定すればモーションの周期に位相があった偏心を与えられます。
写真はその位置から30度ほどずらしてその影響をテストしている状態です。
 

以下に結果を示します。
またどの程度の偏心が最適かや,位相のズレがどの程度影響するかを把握して
いる段階ですが現時点でモーションを半分ほど抑制する効果が確認できました。
 

【対策前】
 P-Pで25~30秒角のモーションが発生しています。(ベルト駆動のグラフ)
No2_goto65cm_22


【5/100mm偏心後】 
P-Pで20秒角ほどに軽減できています。
G652_805mm_sift_2
 

【10/100mm偏心後】 
P-Pで10~15秒角に軽減できています。
G652_810mm_sift_2
 

【偏心0から5/100mm偏心に切替中】
 効果の定量性を証明するため追尾途中から5/100mmの偏心を与えた場合です。
G652_805mm_sift_1
 

【10/100mm偏心+位相を変えた場合】 
殆どモーションが出ない状態と急にモーションが出る状態が繰り返されます。
G652_810sift_1

【10/100mm偏心+位相がベストと思われる状態】
途中雲で中断していますがP-Pで10秒角ほどに収まっています。
G652_810mm_sift_3


テストは複数回行っているので概ね傾向を捕らえていると判断します。
この赤道儀では概ね5/100mmの偏心が10秒角ほど追尾に影響する模様で
以前の経験値と変わりありませんでした。

まあモーションの絶対値云々より,明らかに傾きが緩やかになるのでノータッチ
追尾精度が向上するのは間違いないでしょう。

なお,今回のテストは圧力角20度(モジュール0.5)の平ギヤの場合です。
タカハシ製赤道儀では圧力角14.5度のギヤが使われているので偏心量の
影響は小さくなります。

以下左が,圧力角20度(M=0.5),右が圧力角14.5度(M=0.75)の平ギヤです。

B180604

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