「星宴2024」は逆転満塁ホームランのような快晴でした
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昨夜は「星宴2024会場」の産山村で紫金山ーアトラス彗星を見てきました。星宴のライブ配信機材の事前確認を行っている「天リフ」さんや「星空のサカイ」さんに合流しています。
良く晴れていたのですが,彗星方向の雲が取れず,雲が地上の明かりに照らされた状況が続き写真はイマイチでした。
帰路は阿蘇外輪山の西側を通りましたが霧が出ていました。産山村は外輪山の東側に位置しますが,西側の外輪山で雲が涌いていたのでしょう。
それでも彗星の尾は8×42双眼鏡の視野からはみ出して見えていました。双眼鏡で見つけた後は凝視すれば肉眼でもなんとか彗星が見えていました。
下の写真は雲が少なかったまだ空が明るい時間帯に撮ったものと撮影機材です。レンズは24mmで,ほぼ撮って出しですが銀河は肉眼で見たイメージに近いです。
金星の下に写っている阿蘇外輪山で雲が涌いているのが分かりますが,この後明るい雲にずっと邪魔されました。低い雲(ガス)なので地上の明かりに照らされていたのでしょう。
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先日のREDCAT91との比較用に掲載したVSD90SSの試写写真ですが,写野左下端に映り込んだ明るい恒星にカメラマウントの回折現象の影響かと思われる星像の悪化が現れています。
この撮影では,VSD90SSの60.2φスリーブに,「PENTAX645用カメラマウント」+「PENTAX645→EOSマウント変換アダプター」(上の写真の状態)を用い,フルサイズのEOS Raで撮影しています。この構成ではネジ込み部がないためEOSマウントの最大径となる48φの開口径を確保しています。
48φあればフルサイズのセンサーサイズを完全にカバーしていますが,他に原因が見あたらないので,ここでの回折現象が影響したものと推測します。
以下は60.2φスリーブに,「PENTAX645用カメラマウント」+「PENTAX645→GFXマウント変換アダプター」を用いGFX-50SⅡで撮影したものです。これでは四隅まで完璧な星像なので上記の推測は正しいでしょう。
以下は今回使用したマウント類で
右側の「PENTAX645→EOSマウント変換アダプター」内部が光っていますが,真鍮のマウントとアルミ筐体の接続面に反射した撮影用光源です。カメラ側からは全く見えない部位なのでこの影響ではないと判断しています。
M48接続の開口径は44~45φ程度です。今回48φあっても回折の影響と思われる事例が発生したことから,M48接続は避けた方が賢明なのかも知れません。
なお何れの場合も「PENTAX645用カメラマウント」前面に58mm→52mmステップダウンリングをねじ込んでいました。この部分の開口径は52φですが55φあるGFXの写野ケラレなど顕著な影響は見受けられません。
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昨夜は爽やかに晴れましたが相変わらずシーイングは良くないので極小ピクセルカメラでの試写は見送りました。他機との比較ができる状況ではなかったです。
代わりにVSD90SSにGFX-50SⅡを付け,天頂付近を試写しています。以下がその中心と四隅ですが星像もさることながら,周辺光量の豊富さも素晴らしいですね。
今回は写真のようにPENTAX645用カメラマウント*にPENTAX645→GFXマウントアダプターで撮影しましたが,バックフォーカスを気にする必要のないVSD90SSの運用はとても楽です。特にフィルターなどを併用する場合大きなメリットでしょう。
*今回使ったPENTAX製のカメラマウントでもビクセン純正構成時とバックフォーカスは同じかと思います
またマウントアダプターによっては前後面の平行度が出ていない製品もありますが,VSD90SSは写野の傾きにも寛容との事で,その結果が試写に現れているのかも知れません。
VSD90SSはカメラ回転機構がないのでスリーブ差し込み部でカメラを回転しますが,差し込み部のクリアランスによる星像への影響は無視できるでしょう。
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WilliamOpticsから「Pleiades68 f/3.8」という7枚玉のアストログラフが発表されました。スーパーEDガラス(FPL-53)を3枚使った7枚玉光学系です。ちなみに商品名の「Pleiades」は7枚玉だからとのこと。鏡筒廻りのカラーリングもPleiadesの写真のイメージからでしょう。
試写写真と仕様は以下のリンクを参照ください。写真はASI6200MC,総露出時間は3時間です。隅々までシャープなうえ,口径食による星像の割れも見られないようです。「Pleiades111」の計画もある模様なので楽しみですね。
m45_rgb_v1.1_4K | 賴小熊 | Flickr
プレアデス68アストログラフf/3.8 - ウィリアムオプティクス (williamoptics.com)
小型高性能アストログラフとしてベストセラーとなったRED CAT51は,5年前の台湾スターパティで同社のYang社長から紹介されましたが ,今回紹介するPleiades68 f/3.8も,この夏の胎内星まつり会場で開発状況を伺っていました。(Yang社長が手にしているのはPleiades68 f/3.8ではありません)
持ち帰ったRED CAT51の性能には驚かされましたが,Pleiades68 f/3.8はそれ以上の性能に期待しています。間もなく届くので年内には評価結果を紹介できるでしょう。なお天文ハウストミタでは既に予約を受けているので興味のある方はお問い合わせください。
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八女市星野村の「星の文化館」で開催された「星宴2023」は好天に恵まれ多くの参加者で賑わいました。遠くは関東からも参加いただきました。
会場の「星の降る広場」で設営されているところで,奥に見えているドームは星の文化館の100cmと65cm望遠鏡です。
メーカー貸出しの8~15cm屈折望遠鏡と私の13cm(写真右)がずらりと並べ観測好機の土星や木星を見比べました。昨夜はとてもシーイングが良く13cmに390倍の倍率をかけても余裕でした。
今回は自動導入経緯台を使いましたが観望会には便利です。赤道儀に比べ軽いうえ,お子様がバランスウエイト(シャフト)に頭をぶつける心配もありません。
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今年の「星宴2023」は,11/2日~3日に福岡県八女市星野村の「星の文化館」駐車場横の「星の降る広場」で開催されます。お天気も恵まれそうなので土星や木星が楽しめそうです。
写真は持参する13cm屈折望遠鏡と自動導入経緯台です。異様に大きい三脚ですが,重心が偏る搭載方法なので転倒防止のためです。お子様にも観てもらう観望会では少々の事は転倒しない三脚は必須でしょう。
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昨夜は良く晴れたのでFOA-60の試写を行いました。フラットナー仕様なのでFl495mmF8.2です。
上弦の月が近くにあったのでかぶっていますが4隅まで非常に良好な星像です。私はライブビューでピント合わせしますが,ピントのシャープさと色付のなさを実感しました。またD810Aで撮っていますがカメラマウントのケラレも目立ちません。(FC100DL+35RDより少ないようです)
撮影はゴニオステージ赤道儀を使いました。以前の記事では300mmの追尾を紹介していますが,今回500mm(2分露出)でも全てのコマが点像でした。
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先日紹介したTMB92/F5.5の対物レンズは,眼視設計の3枚玉AOPなので星野撮影にはフラットナーが必須です。
この鏡筒はF5.5と明るいのですが,さらに明るさを求め,William Optics製Flat6AⅢ0.8Xフラットナー/レデューサーを使ってみました。Flat6AⅢ装着後は口径92mm,FL405mm,F4.4の写真鏡になります。
紹介のFlat6AⅢなど,ドローチューブに装着する補正レンズは,焦点位置までの距離=バックフォーカス(以下BFと略)により周辺像が変化します。短いと放射状に伸び,長いと円弧を描いた(コマ収差のような)星像になります。
今回使ったFlat6AⅢはBFを回転ヘリコイドで調整できますが,この部分でカメラを1回転させると周辺像は大きく変化しました。ヘリコイドのネジピッチは0.75なので,BFを0.数mmオーダーで前後させるだけで周辺星像に影響が出そうです。
この量は組み合わせる光学系によって変わると思いますが,意外とシビアで補正レンズと焦点面間にフィルターを入れた場合やIR改造したデジタルカメラは,これらが光路長に影響する度合いを再考する必要があるのかも知れません。
その点,Flat6AⅢは実写しながら容易に最適なBFを探れますが,写真のタカハシ製FC35RD0.66Xなど,BFが固定されている機器で周辺像が芳しくない場合は,シムリングなどを用いカットアンドトライで追い込むことになるでしょう。
なお,FSQ-106EDの645レデューサーのように鏡筒側に固定する補正レンズではBFを気にする必要はありません。ペッツバール光学系のFSQ-106直焦点やRED CAT51なども同様で,ピントが合う位置=BFでフィルターの厚みなども影響を受けません。
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