ちょっと一息

2024年12月11日 (水)

土星食と「TAMRON SP35mm F1.4Di USD」 の試写

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12月8日は観測所で土星食を観望しました。と言っても観測所のある地点では食にならず月の近くをすり抜けますが,見応えのある光景でした。撮影はミードの15cmシュミカセに1.5倍バローを装着しEOS-Raで撮りました。月と土星の光度差が大きいので難しいですね。

 

食が終わった後,FCT-65Dなどのテストを行いましたが,傍らで最近入手した「TAMRON SP35mm F1.4Di USD」を試写しました。JPEG取って出しです。

このレンズはレフ機用として高い評価だったので,無くならない内に入手しましたが,素晴らしい性能に驚きました。以下はF2.8まで絞っていますが,最周辺まで点像です。(構図は適当です)

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2024年12月10日 (火)

FCT-65DとPleiades68の実写比較を行いました

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土星食観望のついでに,FCT-65DとPleiades68の実写比較を行いました。赤道儀に2本同荷し,カメラを交換して撮影しています。ガイドは行っていません。

カメラはEOS Raで,ISO1600,露出180S,ライブビューでピント合わせしています。西の低空に半月が残っていましたがまずまずの空でした。

(Pleiades68はこの撮影時からバックフォーカスを触っています。長くする方向に調整していますが悪化させている模様です)

 

FURD0.65Xを併用したFCT-65Dの焦点距離は260mm,Pleiades68は258mmで両者はほぼ同じ焦点距離です。中央と四隅,中心とコーナーの半分ほどの星像,写野周辺の輝星(アルニタク)の影響,周辺減光の順に比較しています。

手持ちの個体を比較した所感は以下ですが,シーイングやピント合わせ精度などの条件が異なるので参考用にしてください。

FCT-65Dのフルサイズ写野の周辺像は申し分ないが,写野中心からコーナーまでの半分ほどの星像はPleiades68が勝る。FCT-65Dは写野周辺の明るい恒星像にヒゲが発生するがPleiades68は出ない。周辺光量はPleiades68が大きい。

 

【FCT-65D】

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【Pleiades68 】
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【左:FCT-65D 右:Pleiades68 】中心からコーナーまでの半分付近の比較的明るい恒星(以下周辺減光図の赤い円外側,4時付近の4.8等星)像の比較(200%)

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【左:FCT-65D 右:Pleiades68 】アルニタクのゴーストはカメラ(EOS Ra)によるもの

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【左:FCT-65D 右:Pleiades68 】周辺減光の比較

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2024年11月 5日 (火)

「星宴2024」は逆転満塁ホームランのような快晴でした

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熊本県産山村で開催された「星宴2024」は素晴らしい星空に恵まれました。前日までの荒天から一転し奇跡的?な晴れでした。会場からはライブ配信も行われ,会場以外の方にも楽しんでいただけたようです。

私は自動導入経緯台に搭載した双眼鏡(ハイランダープロミナー)で遠ざかる紫金山ーアトラス彗星などを見ていただきましたが,このクラスの双眼鏡ならまだまだ充分な迫力です。

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以下は観望の傍ら会場で撮影した紫金山ーアトラス彗星です。

自動導入改造P-2赤道儀,EOS Ra,EF200mmF2→F4,ISO1600,60露出,ノートリミングの1枚画像です。レベル調整を行っています。

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2024年10月24日 (木)

紫金山ーアトラス彗星を「星宴2024年」の会場で見てきました

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昨夜は「星宴2024会場」の産山村で紫金山ーアトラス彗星を見てきました。星宴のライブ配信機材の事前確認を行っている「天リフ」さんや「星空のサカイ」さんに合流しています。

良く晴れていたのですが,彗星方向の雲が取れず,雲が地上の明かりに照らされた状況が続き写真はイマイチでした。

 

帰路は阿蘇外輪山の西側を通りましたが霧が出ていました。産山村は外輪山の東側に位置しますが,西側の外輪山で雲が涌いていたのでしょう。

それでも彗星の尾は8×42双眼鏡の視野からはみ出して見えていました。双眼鏡で見つけた後は凝視すれば肉眼でもなんとか彗星が見えていました。

下の写真は雲が少なかったまだ空が明るい時間帯に撮ったものと撮影機材です。レンズは24mmで,ほぼ撮って出しですが銀河は肉眼で見たイメージに近いです。

金星の下に写っている阿蘇外輪山で雲が涌いているのが分かりますが,この後明るい雲にずっと邪魔されました。低い雲(ガス)なので地上の明かりに照らされていたのでしょう。

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2024年9月11日 (水)

カメラマウント開口径と回折現象(考察)

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先日のREDCAT91との比較用に掲載したVSD90SSの試写写真ですが,写野左下端に映り込んだ明るい恒星にカメラマウントの回折現象の影響かと思われる星像の悪化が現れています。

この撮影では,VSD90SSの60.2φスリーブに,「PENTAX645用カメラマウント」+「PENTAX645→EOSマウント変換アダプター」(上の写真の状態)を用い,フルサイズのEOS Raで撮影しています。この構成ではネジ込み部がないためEOSマウントの最大径となる48φの開口径を確保しています。

48φあればフルサイズのセンサーサイズを完全にカバーしていますが,他に原因が見あたらないので,ここでの回折現象が影響したものと推測します。

 

以下は60.2φスリーブに,「PENTAX645用カメラマウント」+「PENTAX645→GFXマウント変換アダプター」を用いGFX-50SⅡで撮影したものです。これでは四隅まで完璧な星像なので上記の推測は正しいでしょう。

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以下は今回使用したマウント類で

  • 左:PENTAX645用カメラマウント+PENTAX645→GFXマウント変換アダプター
  • 右:                   PENTAX645→EOSマウント変換アダプター

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右側の「PENTAX645→EOSマウント変換アダプター」内部が光っていますが,真鍮のマウントとアルミ筐体の接続面に反射した撮影用光源です。カメラ側からは全く見えない部位なのでこの影響ではないと判断しています。

 

M48接続の開口径は44~45φ程度です。今回48φあっても回折の影響と思われる事例が発生したことから,M48接続は避けた方が賢明なのかも知れません。

なお何れの場合も「PENTAX645用カメラマウント」前面に58mm→52mmステップダウンリングをねじ込んでいました。この部分の開口径は52φですが55φあるGFXの写野ケラレなど顕著な影響は見受けられません。

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2024年6月 4日 (火)

VSD90SSとGFX-50SⅡの試写

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昨夜は爽やかに晴れましたが相変わらずシーイングは良くないので極小ピクセルカメラでの試写は見送りました。他機との比較ができる状況ではなかったです。

代わりにVSD90SSにGFX-50SⅡを付け,天頂付近を試写しています。以下がその中心と四隅ですが星像もさることながら,周辺光量の豊富さも素晴らしいですね。

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今回は写真のようにPENTAX645用カメラマウント*にPENTAX645→GFXマウントアダプターで撮影しましたが,バックフォーカスを気にする必要のないVSD90SSの運用はとても楽です。特にフィルターなどを併用する場合大きなメリットでしょう。

*今回使ったPENTAX製のカメラマウントでもビクセン純正構成時とバックフォーカスは同じかと思います

またマウントアダプターによっては前後面の平行度が出ていない製品もありますが,VSD90SSは写野の傾きにも寛容との事で,その結果が試写に現れているのかも知れません。

VSD90SSはカメラ回転機構がないのでスリーブ差し込み部でカメラを回転しますが,差し込み部のクリアランスによる星像への影響は無視できるでしょう。

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2023年12月12日 (火)

WilliamOpticsのPleiades68 f/3.8について

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WilliamOpticsから「Pleiades68 f/3.8」という7枚玉のアストログラフが発表されました。スーパーEDガラス(FPL-53)を3枚使った7枚玉光学系です。ちなみに商品名の「Pleiades」は7枚玉だからとのこと。鏡筒廻りのカラーリングもPleiadesの写真のイメージからでしょう。

試写写真と仕様は以下のリンクを参照ください。写真はASI6200MC,総露出時間は3時間です。隅々までシャープなうえ,口径食による星像の割れも見られないようです。「Pleiades111」の計画もある模様なので楽しみですね。

m45_rgb_v1.1_4K | 賴小熊 | Flickr

プレアデス68アストログラフf/3.8 - ウィリアムオプティクス (williamoptics.com)

 

小型高性能アストログラフとしてベストセラーとなったRED CAT51は,5年前の台湾スターパティで同社のYang社長から紹介されましたが ,今回紹介するPleiades68 f/3.8も,この夏の胎内星まつり会場で開発状況を伺っていました。(Yang社長が手にしているのはPleiades68 f/3.8ではありません)

持ち帰ったRED CAT51の性能には驚かされましたが,Pleiades68 f/3.8はそれ以上の性能に期待しています。間もなく届くので年内には評価結果を紹介できるでしょう。なお天文ハウストミタでは既に予約を受けているので興味のある方はお問い合わせください。

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2023年11月 3日 (金)

「星宴2023」は好天に恵まれ盛況でした

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八女市星野村の「星の文化館」で開催された「星宴2023」は好天に恵まれ多くの参加者で賑わいました。遠くは関東からも参加いただきました。

会場の「星の降る広場」で設営されているところで,奥に見えているドームは星の文化館の100cmと65cm望遠鏡です。

メーカー貸出しの8~15cm屈折望遠鏡と私の13cm(写真右)がずらりと並べ観測好機の土星や木星を見比べました。昨夜はとてもシーイングが良く13cmに390倍の倍率をかけても余裕でした。

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今回は自動導入経緯台を使いましたが観望会には便利です。赤道儀に比べ軽いうえ,お子様がバランスウエイト(シャフト)に頭をぶつける心配もありません。

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2023年11月 1日 (水)

明日11/2~3日は「星宴2023」に参加します

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今年の「星宴2023」は,11/2日~3日に福岡県八女市星野村の「星の文化館」駐車場横の「星の降る広場」で開催されます。お天気も恵まれそうなので土星や木星が楽しめそうです。

写真は持参する13cm屈折望遠鏡と自動導入経緯台です。異様に大きい三脚ですが,重心が偏る搭載方法なので転倒防止のためです。お子様にも観てもらう観望会では少々の事は転倒しない三脚は必須でしょう。

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2023年2月28日 (火)

軽量化したFOA-60の試写

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昨夜は良く晴れたのでFOA-60の試写を行いました。フラットナー仕様なのでFl495mmF8.2です。
上弦の月が近くにあったのでかぶっていますが4隅まで非常に良好な星像です。私はライブビューでピント合わせしますが,ピントのシャープさと色付のなさを実感しました。またD810Aで撮っていますがカメラマウントのケラレも目立ちません。(FC100DL+35RDより少ないようです)

撮影はゴニオステージ赤道儀を使いました。以前の記事では300mmの追尾を紹介していますが,今回500mm(2分露出)でも全てのコマが点像でした。

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より以前の記事一覧