ちょっと一息

2026年9月24日 (木)

Sensor Tilt Xterminator「STX」の調整方法について

Mighty CAT 71/3.2のカメラ接続部は「Sensor Tilt Xterminatorと略してSTX」称するチルト調整機構を採用しています。私が行っている調整方法を紹介いたします。STXはこちらの記事で紹介しています。

長くなっていますが,要はやみくもに調整するのではなく,一旦チルト調整代を「0」にし,四隅のピント位置を把握した上で,定量的に調整すれば容易です。

 

1.無改造のデジタルカメラなど,鏡筒接続面と撮像センサーの平衡性が保たれているカメラを準備する

2.以下の写真のように,STXの調整ネジ回転方向に対する移動を解りやすいようにテプラなどのシールを貼る

3.STXの調整をクリアーする。写真のようにカッターの刃などを隙間ゲージとし,チルト調整部の隙間が4カ所とも均一になるようにSTXを調整する。なお写真は厚み0.4mmのカッターの刃を使っているが,調整範囲の都合上0.5mm程度が最適

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4.3でクリアーしたSTX調整ネジの鏡筒外周面にマーキングをいれる。この位置を「基準位置」とする。解りにくいですが黒のラインです。消えた時の為に直ぐ近くのレンチ穴に白のペイントで墨入れしています
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5.写野中心に導入した恒星(2~3等級)でピントを合わせる。ライブビュー倍率が低いカメラはバーティノフマスクを使う

6.赤道儀を操作しデジカメのモニター左下隅(以下写真で青いテープを貼った位置)に上記の恒星を導入する

7.左下隅に導入した星にピントを合わせる。この時WIFDのレンズ系が前方に繰り出される方向でピントが合えば,対向する側(右上の青いテープを貼った側)のSTXは隙間が狭い事を意味するので,貼ったマークの「UP」側にSTXの調整ネジを回す

8.4カ所調整のSTXは1カ所を調整すれば対角側を逆に操作しなくてはならないため,対角側の調整ネジを7で回した回転角度だけ「DN」側に回す

9.最終的には中央でピントを合わせたままで,望遠鏡を操作して恒星を四隅に持って行き,その星像を見ながらSTXの操作で追い込む

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調整は以上となります。説明ではモニター上で左下隅の例ですが,実際は4カ所確認した後に行います。この方法は,やみくもに調整するのではなく,ある程度の定量性があるので1時間もあれば調整できます。

なお,私の個体の調整代は回転角度で60度(レンチ穴スパン)ほどでした。調整ネジピッチは未確認ですが,仮に0.5mmとすると0.08mm程度になります。

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2026年9月22日 (火)

久しぶりの晴天。Mighty Cat71/F3.2調整

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月は大きかったけど久しぶりに良く晴れているので「Mighty Cat71/F3.2」の調整を行いました。7月のファーストライト時に四隅の星像が揃ってなかったので少しだけ触ってみました。


EOS Raで撮っていますが,6720×4480pixelの中央と上下左右,四隅を600pixel四方で切り出した等倍画像です。あと一歩の感はありますが,ファーストライトでの右側星像の肥大はかなり改善されたようです。月夜だったので良く分かりますが周辺減光は極めて小さいようです。

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2025年11月24日 (月)

今年の「星宴」も快晴に恵まれました

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今年の「星宴」も素晴らしい星空に恵まれました。これで産山村で開催した星宴は6回連続で好天になったそうです。

私は翌日に「土星の輪が消失」すると言われている土星を観ましたが,極めて細い輪が明瞭見えており,8日前とあまり変わらない印象です。

会場で観ていただいた方は「土星が串刺しになっている」など面白い表現されていましたが,次にこうなるのは14年後と説明するとさらに興味を示されたようです。マスコミが「この彗星が次に回帰するのは1万年後」などと煽るのと同じですが一般の方にはうけますね。

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2025年11月19日 (水)

「星宴2025」では環が見えなくなった土星を観望します

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2025年は土星の環が3回見えにくくなりますが,3回目は11月24日に起きるそうです。星宴の開催はその前日なので既に環は見えなくなっていると思いますが,はたしてどう見えるか?楽しみです。(私は星宴前日の22日から現地入り予定です)
写真は星宴で観望に使う予定の13cmAPOです。これを撮った11月15日は極めて細い環が明瞭に見えていました。

なお,フェイスブックでは星宴でスマートアイを披露すると予告していましたが,この時期メジャーな,M31やM42,M45,hχなどを観るには若干倍率が高すぎるのでとりやめました。

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2025年11月17日 (月)

11/23(日)~24(月,祭日)は「星宴2025」が開催されます

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11/23(日)~24(月 祭日)は熊本県阿蘇郡産山村で「星宴2025」が開催されます。写真は奇跡的晴れた昨年の会場風景です。

今のところ天気予報も良さそうですが,これまでの星宴は天候に恵まれ6年連続で晴れています。今年も晴れてくれれば「晴宴」に改名してもいいかと?

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2025年10月 3日 (金)

C/2025A6(LEMMON)彗星

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この夏の九州北部は,梅雨明け後2週間ほどは抜けるような青空が続きましたが,7月下旬以降不安定な天気になってしまいました。やっと晴れそうなので10月1日と2日観測所に出かけました。低空はやや霞んでいましたが一晩中快晴に恵まれました。

写真は10月2日早朝のC/2025A6(LEMMON)彗星です。120秒露出の1枚画像を強調処理しています。(レナード彗星のようなコンポジットを試みましたが上手く行かず1枚画像となっています)以下は上弦過ぎの月に照らされた撮影機材です。

FDK-170(17cmF5),EOS Ra,ISO6400,露光120S,エルで光機GX-1(TiTaN改造)赤道儀でガイド

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2025年9月10日 (水)

五藤光学6.5cm赤道儀のSynScan化-2

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お客様の五藤光学6.5cm赤道儀をSynScan化しました。改造内容はこちらで紹介した個人用と変わらず,EQM-35PRO用SynScanコントローラーで駆動で駆動します。(今回の改造は以前からご依頼されていたものです。現在は改造の受注は行っておりません)

 

今回の改造で赤道儀のオーバーホールも行ったので,こちらでアップしていた軸周りの構造を改めて紹介します。

以下は極軸周りの分解状態で,極軸ハウジングは極軸が通る中心穴と,ウォームホイールが入る外周部の2重構造になっています。上段の写真はウォームホイールを極軸ハウジングから抜いた状態で,下段がハウジングに差し込んだ状態です。

極軸はハウジングの中心軸で保持され,その外側のウォームホイールは極軸に回転力だけを与えています。これにより軸に掛かる荷重の影響で,ウォームホイールとウォーム軸の噛み合いが変化することはありません。また一般的な構造の赤道儀に対して,極軸の保持スパンを長くとれるため小型(極軸方向が短い)なります。

この構造は鋳物でしか作れないでしょう。今後このような赤道儀は製作されないと思いますが,基本性能が優れた赤道儀を最新のコントローラーで蘇らせるのも一つの楽しみ方かも知れませんね。

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2025年8月 6日 (水)

五藤光学6.5cm赤道儀のSynScan化

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EM-100、EM-200赤道儀に引き続き,個人用の五藤光学6.5cm赤道儀をSynScan化しました。これまでMTS-3で運用していましたが,コントローラーを共用できるようモーター周りを入れ替えています。

この赤道儀の基本構造はマークXと同じで,ウォームホイールやギヤは同じ物が使われています。そのため追尾精度も変わらず,私がこれまでテストした複数の個体ではPモーションは±10秒を越える個体はありませんでした。

マークXやこの赤道儀の大きな特徴はここで説明していますが,荷重はホイールに掛からない構造なので荷重によりギヤのかみ合わせが固くなる事は殆どありません。

極軸望遠鏡がないために,撮影用としてはあまり魅力的ではありませんでしたが,ASI Airなどで簡単に極軸あわせができる現在では,大きなデメリットではなくなったでしょう。極望のあるマークXと違い赤緯軸の保持スパンが長い事がメリットになるかも知れません。

マークXもですがターンバックル式の極軸高度調整はとても使いやすいです。

以下は極軸高度・方位調整部も含めた改造を依頼されている方のために大きめの写真を掲載しています。現在改造の受注は行っていませんが,モータープレート(使用するモーターの型番は写真を拡大すると分かります)は少し余剰があります。ご希望の方はメールでご連絡いただけると幸いです。価格はRA,DEC用2枚組で4,400円です。

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2025年8月 4日 (月)

LAOWA12mmで撮った夏の銀河

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7/30日,428でナローバンド撮影の合間にLAOWA12mmで撮った夏の銀河です。

ソフトフィルター(Lee No2)を用い,さそり座~夏の大三角まで納めましたが,超広角レンズなのでもう一段強いフィルターでも良かったみたいです。観測所から見下ろす木々は月齢5過ぎの月に照らされており,肉眼で見たイメージに近いでしょう。

このレンズは周辺減光が目立つもののシャープで色に滲みも少ないようです。超広角でありながら写野周辺のひずみが少なく,夏の大三角の形もあまり崩れていません。

EOS Ra,LAOWA12mm Zero-D F2.8開放,ISO6400,露光60S,Lee No2使用,JPEG1枚,ゴニオステージ赤道儀でガイド

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2025年8月 3日 (日)

ナローバンドフィルターの向き(裏表)について

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以前から気になっていた,フィルターの向き(裏表)が画像に影響するかを試してみました。

結果は,今回使用したフィルターに限った事かも知れませんが,向きを変えても相違を見いだす事はできませんでした。写真のEFレンズのフィルタードロワーはどちら向きにでも挿入できるので比較は容易です。

枠ありフィルターはホイールやドロワーにねじ込むので,向きを変える事はできませんが,枠なしの場合注意しないと裏表が逆に装着されます。「反射する像から蒸着面を見つけ,それを対物側に向ける」や「センサーからの反射光の影響を軽減する目的で強く反射する面を対物側に向ける」などの情報がありますが,いまいちよく分からないので試した次第です。

なお,今回撮影に使ったナローバンドフィルターは,F2.2の光学系でも使える「Triad Ultra Quad-Band Narrowband Filter」で,以下のように完全に4波長帯を透過するタイプです。2波長帯の透過幅を広げて「Quad Band Pass」と呼ぶ製品とは根本的に異なるフィルターです。

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