CCDカメラ

2021年8月 3日 (火)

カメラ(EF)マウントとタカハシM54接続の比較について

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昨日アップしたシステムチャートをご覧いただいたお客様から,カラーカメラ+フィルタードロワーで運用する場合,カメラマウントとM54接続何れが良いかとのお尋ねをいただきました。

結論から言えば,タカハシ鏡筒(特に屈折系)に加え,カメラレンズ(EFマウント限定)での撮影も行われるのであれば,ここで紹介したドロップインフィルター対応のEFマウントアダプターをお勧めします。

 

EFマント面とセンサーの傾きを完全に調整しておけばデジタルカメラと同じ感覚で使えます。EF Contoroller MarkⅡのレンズマウントには強力なスプリングを使っているので撓みの心配はありません。パソコンからレンズの制御が可能で三脚台座まで付いているのでカメラレンズでの撮影が極めて容易になりました。なおこのドロップインフィルター対応のEFマウントアダプターの有効内径は56mmです。(EFマウント部は28×40mm,対角47mm)

 

以下の写真はドロップインフィルター対応のEFマウントアダプターをFSQ-85EDにカメラ(EF)マウントアダプター装着した状態です。鏡筒側に回転装置があるのでテーパーリングは接続は不用でしょう。

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こちらは昨日紹介したチャートの一部で,テーパーリング接続です。ε-130Dなど場合,接眼部の回転による光軸ズレを懸念される場合はテーパーリングで回転できる,こちらの構成がお勧めです。

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以下は「ドロップインフィルター対応EFマウントアダプター」の試作品をカメラ接続面側から見た状態です。

EFマウント部以外は一体物ですがスリット部の肉厚が薄く加工が難いです。製作数量が少ない上に(10台・1ロット),試作や治具の製作などでコストがかかっていますが,価格に見合う製品になると自負しています。

この状態で光路長32mm(44-12.5+0.5)*,両側の面の傾きを角度の1分ほどに調整後出荷予定です。*光路長はフィルターの影響を確認するための実写後に決定します。

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2021年4月26日 (月)

ASI 2600MMの生産遅延について

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ご予約いただいておりますASI 2600MM,MCは世界的な半導体不足などの影響を受け生産に遅れが生じているとの事です。特に3月以降の注文分につきましては当初ご案内の4月末から6月以降完成との連絡が入っております。

ご予約のお客様には申し訳ありませんが引き続き予約の継続をいただけると幸いです。なおこれらの海外製品につきましては入荷が確定するまでは「予約」として承り「受注」(代金のお支払)は入荷が確定した時点で行っています。

写真はASI2600MM+EFW2-5にタカハシM54接続キットを装着した状態です。コリメーター調整をご希望の方はこの状態で納品いたします。

本日現在,ASI2600MMの接続キットの在庫は4台(カメラとセットで予約分は除く)です。カメラ本体の供給状況から次のロットの製作時期は未定です。

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2021年4月25日 (日)

冷却CCDカメラとEFレンズコントロール付マニュアルFW

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先日紹介した「QHY600用EFレンズコントロール付マニュアルFW」は,時折Starlightxpress製SX-56などを装着した事例を紹介していますが,実はこれらを選らんだ理由はカメラレンズでも使用できるほどフランジバックが短かかったためです。

 

ただフランジバックに関しては薄い手動式で解決できてもピント合わせや絞りの問題がつきまといました。電動フォーカサーの取付方法やNIKON-Gレンズの絞りには苦慮しています。

そんな中,EF Contoroller MarkⅡの発売は,カメラレンズ+冷却カメラの構成にとっては正に救世主です。対応するのがEFレンズだけなのが残念ですが,これまでは苦労を考えれば新にEFマウントレンズを導入するだけの事はあるでしょう。

 

以下はEF300mm1:4L ISレンズですが,インナーフォーカスなのでレンズ台座とマニュアルFWの2点固定が可能です。固定面の高さの違いはスペーサーやシムシートで簡単に調整できます。ちなみにこのレンズは中古品ですが未使用と思える程綺麗な個体で60,000円程でした。

なお「QHY600用EFレンズコントロール付マニュアルFW」のご提供可能数量は残り2台となっております。今回紹介するSX-56(SX-46)とATIK16200の2機種についてはQHY600用に接続できるアダプターを特注で製作(7,700円)します。

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2021年3月24日 (水)

ATIK16200とEF Contoroller MarkⅡのコリメーター調整確認

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先日はEF200/2を使い,ASI6200MMとEF Contoroller MarkⅡのコリメーター調整を評価しましたが,昨夜はATIK16200で行いました。レンズもテストを兼ねてEF300/4を使っています。このレンズはEF Contoroller MarkⅡの動作確認用に入手したばかりで今回が初めての撮影になります。

 

コリメーターでの調整はEFマウントに置いたガラス面とセンサー面の反射光を見ながら行いますが,センサーからの反射はカメラによって微妙に違います。ガラス面はピンポイントですがセンサーからの反射は,ぼけた恒星のような場合や歪な光芒に見えたりします。これらはセンサー面のマイクロレンズの影響と思いますが,今回確認したKAF16200は解り易い円盤でした。

今回はAPS-HセンサーとF4のレンズの組み合わせなので前回に比べ楽な条件ですが,コリメーターだけでの調整で満足な結果が得られました。撮影はHaフィルターを併用しています。

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2020年8月19日 (水)

ASI 1600GTナローバンド撮影カメラの売却について

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オプションパーツ開発用として入手したASI1600GTとここで紹介したカメラレンズ用フォーカサーを組み合わせたナローバンド撮影カメラを売却します。海外遠征用としてフォーサーズレンズ用で作りましたが当面行けそうもないためにマウントをEFに交換後,ご希望の方へお譲りします。

売却するのはASI1600GT本体とASI製Ha,O3,S2ナローバンドフィルターに加え,精密ステージを改造した電動フォーカサー,フォーカスコントローラー,ガイドカメラサポートリングなどです。写真のカメラレンズとガイドカメラやケーブル類は含まれません。(ASI1600GT標準附属のM48F-M42M延長筒は欠品しています)

販売価格は195,000円(税,送料込み)です。ASI1600GT本体+ナローバンドフィルター入手価格の約70%に設定しました。オプション開発用だったためカメラとしてテスト撮影程度で殆ど使用していません。都合でブログでの売却は取り止めました。8/20追記

 

ステージに載ったカメラが前後する方式なので,レンズとフォーカサーの相対位置は変わません。そのためレンズ台座をフォーカサーと同じプレートに固定できます。なおAPO Sonner135/F2を使用される場合はレンズ前方を固定するバンドをお付けします。

ガイドカメラとフォーカサーのUSB接続やフォーカサーの電源は,1600GT内蔵のUSBハブと電源出力を利用するので,外部と接続するのはUSB,電源,ガイド信号の3本のケーブルですみます。

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ご注意

  • ステージ式のフォーカサーはμ単位の調整(手動操作可)ができますが,個人用として作ったものなので「おまけ」と考えてください。
  • EFマウントのレンズのロック機構はありません。EOSボディから取り外したガタのないマウントなので不都合はないと判断しています。
  • フォーサーズからEFにマウントに変更すれば光路長に余裕がでるのでフォーカサーとカメラ接続部を変更します。そのため少しお時間をいただきます。
  • スケアリング調整機能は有しています。EFマウントとCMOSセンサーの平行を合わせて出荷しますが,最終的には撮影で追い込んでください。

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2020年4月16日 (木)

FLI ML16803+CFW4-5の売却について

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写真のFLI製ML16803(65mmシャッター+ウインドウガラスヒーター付き)とCFW4-5(50mm角×5枚用)を売却します。

2014.4月に国内代理店で購入後,運用されないまま保管されたものです。(動作確認テストやカメラとFWの接続は行っているので接続に伴う傷はあります)

価格はセットで880,000円(税,送料込)です。ご購入後のフォローはFLI国内代理店の天文ハウストミタで請けてもらえます。お買い上げいただきました。

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2020年2月19日 (水)

QHY600用スペシャルOAGユニットの出荷遅延について

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昨年末に限定受注したQHY600用スペシャルOAGユニットは組み合わせるQHY社純正パーツの入荷が遅れております。ご注文の方へは目途が立った時点でご案内いたしますので今しばらくお時間いただけると幸いです。

写真は一式を組み立てた状態です。手前はタカハシのCAリングや補正レンズのM54部にねじ込む真鍮製の74φテーパーリングです。このテーパーリングは先日紹介したASI 6200用と同じ物なので共用可能です。(QHY600+OAGの場合52mmフィルターは使用できません)

なお74φテーパーリング以外のQHY600関連製品は受注分のみの限定生産品で今後の受注予定はありません。(保守用の部品は確保します)

また当初ご案内したVSD100用のM60仕様のテーパーリングはご注文がなかったので製品化を見送っています。必要な場合スターベースオリジナルのM60M-M54F接続リングの加工(光路長を2mm短縮)で対応可能です。

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2019年11月26日 (火)

GE1414HD REDCAT51とASI1600GTを搭載

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先日紹介した星野撮影仕立てのGE1414HDに,ASI1600GTを装着したREDCAT51を搭載しました。北天でも長時間露出ができるので分子雲狙いに有効でしょう。先日の写真のSX-56同様,薄型のカメラは三脚などとの干渉に対して有利です。

REDCAT51には電動フォーカサー(販売終了)を付けているのでリモート撮影が可能です。なおREDCAT51用電動フォーカサーは間もなく発表されるREDCAT71/91でもベルトの交換だけで使用できる予定です。

 

REDCATシリーズはバックフォーカスの縛りがないのでASI1600GTは付属のM48F-M42Mリングで簡単に接続できますが,補正レンズを併用するタカハシの鏡筒の場合,CAリングのM54ねじ込み部から56mmに合わせる必要があります。

そこでタカハシCAリング専用のASI1600GT接続キットを製作しています。以下のREDCAT51の写真と同じ方法のスケアリング調整付きです。

ASI1600GT専用のタカハシCAリング接続キットの価格は11,000円(税込,20台限定)で12月25日発売予定です。ねじ込み回転位置を調整するシムリングが付属しますがタカハシのワイドマウント(CANON用)は付属しません。

なおQHY600用のCAリング接続OAGユニットも並行して製作しており,12月25日完成予定です。

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2019年11月15日 (金)

QHY600とタカハシM54接続ユニットの設計

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QHY16200Aなどの冷却CCD関連の接続リングの製品しての販売は終了していますが,当方からカメラをご購入いただいたお客様へは特注製作はお請しており写真中央のリング(以下は拡大)はFLIの冷却CCDカメラとFW間の距離を10mm伸ばす延長リングです。(一部機種用のスケアリング調整プレートは天文ハウストミタで引き続き販売中です)

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今回特注のご要望はQHY600(フォトグラフィック版)を導入予定のお客さまからで以下を満たすことが条件です。

  • 望遠鏡との接続はタカハシM54(ネジ込部からのバックフォーカスは56mm)
  • 接続部は脱着や回転が容易で十分な強度を有すテーパーリング式
  • 押し引きネジ式のスケアリング調整機能内蔵
  • OAG,カラーフィルターホイールは必須

QHY600のフランジバックとOAGとFW(5枚用)の光路長の合計が48.5mmもあるのでハードルは高いのですが何とか実現できるでしょう。

 

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2019年2月 3日 (日)

ATIK製冷却CCDカメラとQHYCCD製品の接続

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ATIK-16200をご購入いいただいたお客様からの依頼でATIK-16200に
QHY CCDのフィルターホイールとOAGを接続しました。

必要光路長が短い機器を選択した上で,特殊なアダプターを作ったので
ε-130DのM54接続部からの光路長56.5mmを満足しています。

以下は備忘録を兼ねた光路長のメモです。
・タカハシワイドリング:1.5mm
・ワイドリング-OAG接続リング:6.0mm
・OAGユニニット:10.0mm
・フィルターホイール:17.0mm
・フィルターホイール-CCDカメラM54用接続アダプター:1.0mm
・ATIK-16200フランジバック:19.5mm
以上合計:55mm

1.5mm+α(フィルターの厚みによる影響)短いですが途中に調整リング
を入れて調整します。

 
今回のように冷却CCDカメラは接続形状やバックフォーカスなどの都合で
買ったままでは使えない場合があります。
冷却CCDカメラなどをご購入の際は,ショップで今回のような作業を請けて
もらえるか確認されたがいいでしょう。
(当方では今後,接続アダプターの製作や作業はお請いたしません)


記録のために側面,裏面の写真を追加しました。

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