
TR74システムにオフアキシスガイダー(OAG)とフィルタードロワーを両立するためのアイテムM54FD-(マイナス)5ADを追加しました。フィルタードロワーの光路長を5mm短縮するアイテムで,特にOAGを必要とするシュミカセで撮影する際に便利です。
カラーC-MOSカメラではフィルタードロワーの併用が一般的ですが,TR74システムとZWO純正パーツで構成した場合,左図のようにM54ネジ込み部からセンサーまでの距離が62mmとなりタカハシ推奨のバックフォーカス値56.2mm(フィルターによる光路長変化を考慮しない場合)を満足できません。
またフィルタードロワーはカメラのチルトプレートへのネジ込み式なのでOAGのピックアッププリズムに対してセンサーは傾いてしまいます。
この2点を解消するパーツが図の緑で示した部位で,フィルタードロワーの後部プレートとチルトプレートを一体化したM54FD-5ADです。
これで光路長が5mm短縮されるのと同時に,ネジ込みによるプリズムとセンサーの傾きを解消します。モノクロカメラの場合でもフィルターホイール(EFW)をM54FD-5ADに置き換えればフィルタドロワー運用ができます。
以下手前左がZWO社製M54フィルタードロワーから取り外した後部リング,手前右がM54FD-5AD,奥がフィルタードロワー本体です。

以下写真は,上が純正構成で下がフィルタードロワーの後部プレートをM54FD-5ADに換装したものです。これで5mmの光路長短縮を図りました。


M54FD-5ADの価格は9,900円で9月10日発売です。
説明の57mmはタカハシのM54のテーパーリングやM48仕様のTR74-M48*の例ですが,ビクセン用のTR74-M60M/M56Fでも63.5/56.5mmの推奨光路長になります。
*TR74-M48はバックフォーカス55mm仕様のフラットナーやレデューサーでは2mm長くなります。(フィルター1枚による光路長変化を考慮した場合は1mm程度)シュミカセでは問題となりませんが,明るい光学系では周辺像に悪影響がでる可能性があります。